衆院本会議で2月13日「所得税法等の一部を改正する法律案」に対して、馬場雄基衆院議員が(1)自民は脱税(2)国民は増税(3)所得減税――などについて質疑を行いました。

 冒頭、馬場議員は「国民は増税、自民は脱税」の声がちまたに溢れていると紹介し、「裏金と脱税の話に決着を着けずに、税の話はできない」とけん制。新たに発覚した政治と金に関わる問題として、松野博一前官房長官の官房機密費問題を指摘し「この事態を放置することは、ますます国民の政治不信を煽る」と批判しました。

(1)自民は脱税

 立憲民主党は、100名近い裏金議員に対し、政治倫理審査会への出席を求めていることに関連して、これから確定申告が本格化する今、「国民はインボイスまで導入して納税しているのに、政治家は脱税か」という国民の怒りに対する認識と裏金議員へ税務調査について問いました。

 鈴木財務大臣は「税制は国民の理解と信頼の上に成り立っている。不公平感を抱くことがないことが重要」と一般論を述べるにとどまりました。

(2)国民は増税

 これから国民が強いられる3つの大きな増税として(1)防衛増税(2)子育て支援金(3)高校生年代の扶養控除の縮小を指摘しました。

 馬場議員は、防衛増税に関連して増税法案の提出時期を問いましたが、鈴木大臣は時期についての発言は控えると述べませんでした。また、「雇用のためのお金が防衛財源となる仕組みはおかしい」と指摘しましたが、鈴木大臣は、「理解いただけるよう、丁寧な説明をしていく」と述べました。

 子育て支援金については、「加入している保険によって負担額がさらに増える場合がある。負担増は最大いくらになるのか」と問いましたが、鈴木大臣は「現時点では示せない」と答えました。

 高校生年代の扶養控除の縮小について、馬場議員は、「児童手当の増額が十分でないまま扶養控除を縮小することは、子育て支援に逆行する」と指摘し、反対を明言しました。

(3)所得減税

 馬場議員は「物価高に応えるには、所得減税ではなく、即効性のある給付」との立憲民主党の考え方を説明し、「結局は、岸田増税、増税というイメージを打ち消したい選挙目当て」と批判し、莫大な事務負担がかかること、支援が届くのが1年以上先と遅いこと等を指摘しました。

 その他(4)賃上げ促進税制、(5)戦略分野国内生産促進税制 等についても質問しました。

 馬場議員は「必死に働いても実質賃金は上がらず、暮らしも苦しい状況なのに、防衛増税・子育て支援金・扶養控除の縮小と負担ばかりを強いられることに、国民、とりわけ将来世代を担う若者たちは怒っている」「昭和の悪しき風習との決別、新たな政治を切り拓く」「必ず時代を切り拓く覚悟を申し上げる」と訴えました。