立憲民主党は2月28日、訪問介護の基本報酬引き下げの撤回等を求め、武見敬三厚生労働大臣に申し入れました。
政府は令和6年度の介護報酬改定において訪問介護の基本報酬を引き下げようとしています。引き下げは、在宅介護が受けられなくなる要介護者や家族、介護離職の増大、小規模な訪問介護事業者の倒産の増大に直結するおそれがあり、将来的には地域包括ケアシステムが崩壊し、介護保険制度による「介護の社会化」に逆行する事態が起きかねません。そのため、立憲民主党は政府の対応に強く抗議するとともに、引き下げの撤回等を求めました。
要請事項は、(1)訪問介護の基本報酬の引き下げを撤回して至急見直しを行い、とりわけ経営が悪化している小規模な訪問介護事業者など地域や経営の実態に対応した報酬引き上げを行うこと(2)小規模事業者であっても実際に処遇改善加算を取れるようにするとともに、申請から早期に支給が行われるよう要件を見直すこと(3)介護報酬改定は、単に介護事業経営実態調査に基づくサービス全体の収支差率で判断せず、事業規模や地域の実態を踏まえた収支差率を十分踏まえて判断すること(4)訪問介護事業所の経営難の原因になっている人手不足を解消するため、介護従事者のさらなる処遇改善を行うこと――の4項目。
申し入れ後に記者団の取材に応じた厚生労働部門長の高木真理参院議員は、「訪問介護の基本報酬引き下げということが出てきて、現場から小規模な事業者を中心にこれではやっていけない、倒産してしまうという悲鳴の声が上がっている。そのため、引き下げを撤回してほしいと申し上げた」と述べました。
今回の申し入れには、厚生労働部門長代理の中島克仁衆院議員、厚生労働部門長代理の打越さく良参院議員、柚木道義、井坂信彦、早稲田ゆき、堤かなめ各衆院議員、横沢高徳参院議員が参加しました。