衆院本会議で3月12日、政府提出の「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案(水素社会推進法案)」と「二酸化炭素の貯留事業に関する法律案(CCS事業法案)」について趣旨説明・質疑が行われ、立憲民主・無所属を代表して重徳和彦議員が質疑に立ちました。

 水素社会推進法案は、次世代エネルギーの水素や、アンモニアのさらなる普及に向けて、法制度を整え、認定を受けた事業者に既存燃料との価格差を埋めるための助成金を交付するなどして支援するもの。CCS事業法案は、工場などから排出される二酸化炭素を地中深くに貯留する技術「CCS」を実用化するための許可制度などを定めたものです。

 重徳議員は冒頭自民党派閥の裏金・脱税問題に触れ、「自民党は国民の信を失っている」と厳しく非難。衆院では野党が政治倫理審査会への出席を求めている自民党議員51人のうち、未だ出席していない46人の出席を要請するとともに、特に安倍派事務総長経験者でもある下村議員には、安倍派幹部の責任逃れの証言が食い違っていることなどについて真実を明らかにし、自民党の裏金・脱税問題の全容について説明責任を果たしてほしいと強く求めました。

 その上で、重徳議員は「世界がカーボンニュートラルという目標に向かって走り始めた今、日本はこれまでの常識を覆し、エネルギーの世界のゲームチェンジ、すなわち既存のルールや市場の根本的な変革に挑むべき。経済、環境、そして安全保障の観点から、国益をかけて、国際社会において優位な立ち位置を取らねばならない。そのためのカギを握るのが、水素エネルギーと再生可能エネルギーだ」「わが国の国益に資するゲームチェンジのためには、わが国に有利な国際ルールが必要」などと主張。(1)日本のエネルギーの現状や固有事情、国益を守るための戦略(2)脱炭素に向けたEUの取り組み状況や、国際的な政府間のルール作り(3)エネルギーの脱炭素化によるわが国の産業立地の優位性確保への影響(4)水素社会への移行によるエネルギー自給率の向上(5)地勢的な強みを生かせる浮体式風力発電や地熱発電の推進(6)カーボンニュートラルへの貢献と経済的メリットの両立およびコスト低減の見通し(7)自動車のライフ・サイクル・アセスメントの各段階の脱炭素化の現状(8)カーボンニュートラルに向けた各国地域の自動車産業政策に対する評価と国際交渉におけるわが国のイニシアティブ――等について質問しました。

 水素社会推進法案に関しては、「あいち水素関連プロジェクト」にも触れ、価格差に着目した支援や拠点整備支援の内容などについて質問。斉藤大臣は事業者等への支援について、「低炭素水素等によって代替される原料燃料との価格差を15年間支援していく。これにより低炭素水素等の利用者となる企業自治体等が経済合理的な価格で低炭素水素等調達することができるよう支援していく。拠点整備支援では、水素等の大規模利用に資する共用設備を支援することでコンビナートなどでの大規模な水素利用を推進していく。本制度のみならずGI(グリーンイノベーション)基金等の研究開発や規制制度的措置を通じた取り組みを組み合わせることで需給両面に働きかけ、2030年に最大年間300万トン、2050年には年間2000万トン程度の水素の導入を目指す」などと答えました。

 CCS事業法案に関して重徳議員は、日本ではCCSのメカニズムが十分周知されておらず、事故リスクや、事業所等からのCO2の回収率などについて国民の理解を得る必要があると指摘。実際の候補地の指定にあたっては、事業者選定、事業内容等について、住民参加による地元への説明や協議の場を確保し、事業や工事による環境負荷を検証する環境評価の仕組みを鉱業法の制度に倣って制度的に担保すべきとの考えを述べました。

 斉藤大臣は、「CCS事業は国民の皆さまの理解を得て進めることが重要。国が主導して地域ごとに説明会を行い、事故リスクやCO2の回収率を含めCCSの政策的意義や負担安全性など丁寧に説明していく」と明言。日本のCCS技術については、20年以上開発を行い、CO2の分離・回収・輸送・貯留のプロセス全体についての技術を保有していることから、経済性も含め海外で評価されていると説明しました。

【衆院本会議】水素法案・CCS法案 重藤和彦議員(2024年3月12日).pdf