参院本会議で3月28日夕、2024(令和6)年度一般会計予算、特別会計予算・政府関係機関予算3案を議題に質疑が行われ、賛成146票・反対98票の与党などの賛成多数で可決・成立しました。採決に先立ち立憲民主・社民を代表して小沼巧議員が反対討論に立ちました。

 小沼議員は冒頭、衆院での予算審議では全省庁に土日出勤を強いて採決を強行するなど混乱をきたしたが、参院側は「熟議の参議院」としての本領を発揮する議論が行われ、与党理事には議会人として敬意を表するつもりでいたが、本日の予算委員会質疑は開会が2時間以上も遅れ、質疑が何度もストップしたのは積み上げてきた自民党の説明と矛盾する重大な報告があったからだと問題視し、「熟議の前提を自民党が破壊した」と断じました。また、「100兆円を超える規模ありきの国家予算を掲げても、失われた30年がもたらした危機を克服できる中身にはなっていない」と指摘しました。

 そのうえで課題山積の巨額予算案について、「公共部門の賃上げなど傾聴する価値は認められが、自公政権11年間の弊害は相変わらずで、美辞麗句の雰囲気だけに過ぎない」「価格転嫁のため下請Gメンを300人から330人へ増やすというが、日本に企業は367万4千社あり、対策徹底のためには単純割算で9万1850人が必要であるのに、規模が二桁以上足りない」「根本的な問題は、アベノミクスの幻想に拘泥する経済政策の延長線上に過ぎないこと。不安定な非正規雇用の増大、実質賃金の続落、貧困や格差の拡大。これら負の遺産を解消する抜本的な具体策は、何ら見当たらない」「子ども子育て支援も画竜点睛を欠いている。新アベノミクスで掲げた希望出生率1.8は自公政権の11年間を経ても未達成どころか悪化。『こども未来戦略』『加速化プラン』は、やってる感の雰囲気作りに過ぎず、児童手当拡充で明らかに増額となるのは第三子以降だけであり、給食費無償化は調査だけ」「能登半島地震への対応も当初予算案には具体的事業が存在せず、一般予備費の増加だけ。巨額予備費の乱用は、政府にとって便利だが、国民にとって便利であるとは限らない」などと、問題点を列挙しました。

 また、自民党の裏金問題について、「国会軽視を助長し、国民の政治不信に拍車をかけた」と指摘し、「何十億円もの使途不明金、何千万円もの裏金を受け取っておきながらなぜ犯罪にならないのか。なぜ脱税を問えないのか。厳しい国民からの指摘を受けても、なぜ何も変わらないのか」と問題視し、「裏金疑惑や不公正な政権運営方針が凝縮された政府案に反対票を投じ、未来に向かって関係を絶つ確乎不抜の決意を行動で示していただきたい」として、与党議員に「沈黙ではなく反対票を投じるべき」と呼びかけました。

 最後に小沼議員は「国民にお訴えします」と述べて、「おかしい政治を正すためには、国民の力を借りるしかありません」と訴え、自民党を中心とするでたらめな政治をただすために立憲民主党は決して諦めないとして、「人へ 未来へ まっとうな政治へという志を決して投げ出さない。この国難を本気で乗り越えるため、立憲民主党にはあなたの力が必要です」と、立憲民主党への支持を求めました。