衆院本会議で4月16日、「出入国管理法」及び「外国人技能実習法」に対する代表質問を鈴木庸介議員が行いました。

 鈴木議員は、これまでの「技能実習制度」について、米国国務省が報告書の中で「一部の技能実習生は人身取引被害者」との認識を示すなど「多くの人権上の問題が指摘されてきた」と強調。今回の改正法案では、外国人の「人権と転職の問題」について政府が改善の方向を示したことは一定評価するとしたものの、「制度全体の流れに大きな変化はなく、技能実習制度が抱える問題が本質的に解決できるかについては大いに疑問」だと指摘しました。

 改正法案では、実習生を「トータルにサポート」する「監理支援機関」が設置されますが、これまでの「監理団体」から「そのまま名前を変更する」だけではないかと疑問視。さらに、多くの監理団体の役員等が受け入れ機関の役員等を兼任しており、企業を監理監督するべき立場の監理団体が、企業の利益を優先し実習生保護の役割を放棄しているとの指摘もあるとして、「受け入れ機関と監理支援機関の兼職を全面的に禁止すべき」と強調しました。

 また、さまざまな機関やブローカーが複雑に利益を得ようとするため、来日時に多額の費用がかかるという問題もあるとして、「企業が直接育成就労の人材を海外から呼び寄せる方法についても検討するべき」と提案しました。

 改正法案が、税金や社会保険料を納付しないなど悪質なケースで在留資格を取り消せるとしていることについては、「多数の自民党の国会議員ですら、本来払うべき税金を払っていないなどと悪質なケースが指摘される」と強調。「日本人と同じように督促、差し押さえ、刑罰といったペナルティを科せば十分」だと述べました。

 その上で鈴木議員は、人材獲得競争に打ち勝つために、政府に対し、「(日本が)選ばれる国になるための大胆な改革が求められているが、もう遅すぎる事態である」ことを認識すべきと述べ、代表質問を終えました。

「出入国管理法」及び「外国人技能実習法」代表質問(2024年4月16日).pdf