衆院本会議で4月18日、岸田総理の訪米帰朝報告に対する質疑が行われ、源馬謙太郎衆院議員が登壇しました。
源馬議員は「今回の日米会談では安全保障分野だけでなく多岐に渡る分野において日米同盟の深化が進んだ。我が国周辺のみならず、国際秩序への深刻な挑戦が起きている中で、両国が連携を強化していくために日米首脳会談が行われたことを歓迎する」と述べました。
岸田総理が米国議会での演説で「米国は、助けもなく、たった一人で、国際秩序を守ることを強いられる理由はありません」と述べ、「日本国民は米国と共にある」と発言したことに対して、源馬議員は「岸田総理は具体的にどのように日本がアメリカとともに国際秩序を守っていくべきと考えるか、そのために何を約束してきたのか、日本全国民を代弁してアメリカと共にあると言ったのであれば、国民に分かりやすく説明する」よう求めました。
岸田総理は「重層的な友好関係で結ばれている」と述べ、軍事的手段については「憲法、国際法、わが国の国益に基づいて行っていく点はこれまでと変わりない」と述べました。
さらに、岸田総理が「これまでの控えめな同盟国から、外の世界に目を向け強くコミットした同盟国へと自らを変革し」「米国の最も近い同盟国という枠組みを超えて、地域パートナーからグローバルなパートナーとなった」と強調した点について、源馬議員は「言葉通りに見れば、今後日本は米国に従属的なパートナーではなく、対等以上のパートナーとして国際社会をリードしていくというこれまで以上に踏み込んだ意思表示に思えた」が、「その意欲に我が国の現状が追いついているか」と疑問を述べました。
具体例として自衛隊員の数をあげ、「自衛隊員の定員は25万人弱で据え置いてきたが、近年は充足率も足りていない。加えて、災害派遣が必要となる自然災害が頻発している」ことを踏まえると「本当に我が国の防衛を担い、莫大に増える新たな防衛装備品も扱い、その上これまで以上に国際平和に米国と共に関与していくことが、現実問題として本当に可能なのか」と指摘しました。
岸田総理は「自衛官の総定数を維持しつつ、既存部隊の見直し、効率的な任務の遂行に取り組む」と述べました。
共同声明に関連して、「勇気ある措置」の具体的意味、我が国が独自の指揮権の担保などの課題を指摘しました。
中国に対する対応については、源馬議員は「一方的な現状変更に対して抑止力を向上することはもちろん重要」とした上で「偶発的な衝突を全面衝突へ発展させることも避けなければならない」とし、「平時からの日中間でのコミュニケーション」の重要性を指摘し、「制裁だけでなく対話も行い、友好関係も促進することが長期的な緊張緩和にも繋がる」と述べました。
岸田総理は「日中両国間において対話、意思疎通は重要」「建設的安定的な関係の構築を双方の努力で進めていく」と述べました。
総理が米議会での演説で「日本の国会では、これほど素敵な拍手を受けることはまずありません」と発言したことに関連して、源馬議員は、日本の「国会で拍手されない理由は、自民党の裏金問題はじめ多くの問題に真摯に向き合わない岸田総理にある」にも関わらず「自身の問題をジョークに変えて矮小化する姿勢」に強い違和感を表しました。そして、「今こそリーダーシップを発揮してすぐにでも自民党の政治改革案を」出すように岸田総理に求めました。
最後に、「立憲民主党は外交安全保障政策については理想を持ちながらも、外交の継続性を重視し、現実的な路線を取る政党」と党のスタンスを述べました。