参院憲法審査会が5月15日開かれ、参院の緊急集会について法制局と憲法審査会事務局から説明を聴取した後、委員間の意見交換が行われました。立憲民主党からは、小西洋之、打越さく良、熊谷裕人の3議員が発言しました。

 小西議員は「実際の大規模災害などにおいて緊急集会が十全にその機能を発揮するため、制度面、運用面の更なる具体的検証をしたい」と述べました。制度面の課題としては、「衆参(の憲法審)で任期満了時も緊急集会の開催は可能との憲法解釈が示されている」とした上で、緊急政令などの法律に「緊急集会の統制を明確に条文上も位置付けるべき」と主張しました。また、「運用面については、首都直下地震特措法に基づき参院事務局が策定している緊急対策実施計画、BCPに基づき」、「議員版のこのいわゆるBCPに属する事項の検討などについて議論を深めることは有意義である」と述べました。

 打越議員は、参院の緊急集会について、「戦前の政府による権力濫用の反省に基づき、徹底した国会中心主義の見地から創設された極めて優れた仕組みである」と評価し、「衆院議員の任期満了後の場合にも参院の緊急集会を求め得る」と主張しました。さらに、「権力の抑制と均衡を確保することが憲法の趣旨にかなう」として、70日を超えた緊急集会は認められると主張し、「衆院が存在しない状況で緊急集会を認めなければ、内閣が緊急事態の法理に依拠するなどして単独で必要な措置を講じる事態を招きかねない」と警鐘を鳴らしました。

 熊谷議員は、緊急集会の請求者である内閣に不測の事態が生じた際、「緊急集会がしっかりと機能するため、参院のBCP、そして内閣のBCPについて議論をしておくべき」と主張しました。そして、「衆院議員の任期延長を議論する前に、非常時のわが国の在り方に関する参院の緊急集会について大いに議論をしておくことこそがこの憲法審査会での任務である」と力を込めました。