立憲民主党は5月23日、東京都墨田区の錦糸町駅前で街頭演説会を開催しました。

 西村智奈美代表代行は、衆院政治改革特別委員会で各党が提出した法案の審議が始まったことに触れ、「残念ながら自民党さんの提案は生ぬるい。裏金問題の元々の震源地であるにもかかわらず、党内での議論も生煮えのまま出てきた。今回の法案が仮に通ったとしても、裏金は、これから先は取れないかもしれないけれど、政治資金の透明性を高めるというには、中身不足と言わなくてはならない」と批判しました。そして、立憲民主党が提出している企業・団体献金やパーティーを禁止する法案、政治資金の流れをより細かく透明化する法案をなんとか成立させていきたいと語りました。
 また、「過去30年の失われた日本の政治を取り戻し、修復していくのは並大抵なことだと思っているけれども、今こそ変えなくてはならない。このまま自民党さんに政権を任せていたら同じことの繰り返しになる。パーティー券をたくさん買ってくれるところの言うことを聞く政治、そして大きなところをもっと大きくすることを助ける政治。自分たちだけは裏金を作って、裏帳簿を作って、分からないようにお金を出し入れするけれども、国民の皆さまには、表も裏もない税金も、保険料も課す。そして今度は投資を進めておいて金融所得が増えたら、その分、保険料を上乗せしてしまうという無茶苦茶なことをやり続ける。そんなことをやらせ続けるわけには行かない」と危惧を示しました。そして、「やはり自民党の皆さんには野に下っていただき、反省を求めなければならない。お金で振り回される政治ではなく、皆さんの当たり前の声で動いていく政治を作っていかないと、本当にこの先、日本が沈んで行ってしまう」「今回の裏金問題を契機に政治のあり方を変える。政権交代を目指し、私たちが政権を担って、この国に生きる人たち、一人ひとりの命が大事にされる、誰一人取り残さない、そういった政治を目指していかなければいけない」と訴えました。

 司会をつとめた森本真治国民運動局長は、2019年の参院選挙広島選挙区での大規模買収事件を取り上げ、「岸田総理もあの事件を教訓に、自民党改革、さらには政治改革を行っていくと当初は言っていたけれども、その具体的な姿勢が出てこなかった。官房機密費や政策調査費が選挙買収に使われたのではないかという疑いがあったけれど、その解明も行ってこなかった。その結果が今の問題にもつながっている」と指摘しました。そして、「国民の皆さまの信頼を取り戻して行く第一歩となる政治改革をしっかり行っていきたい」と訴えました。

 羽田次郎国民運動局副局長は、参院で審議中の食料・農業・農村基本法改正案を取り上げ、法が制定された1999年に比べ農業従事者が約半減し、平均年齢68.4歳と高齢化が進展しており、20年後にはその従事者が30万人に減ってしまうと農水省が試算していると話しました。欧米では国が予算をかけて農業を守っているが、「日本はなかなか所得も補償されないから、米を作っても飯が食えないと言われる状況が続いている。1980年に日本の農業予算とは3.6兆円あったが、昨年は2.3兆円。逆に、防衛予算は1980年代には2.2兆円だったのが、去年は8兆円で4倍に増えている」と指摘し、「国は食料安全保障を謳っているのにお金のかけ方がこんなにが違う。これで本当に皆さんの20年後の食糧を守っていけるのか大変心配」と訴えました。

 勝部賢志国民運動副局長は、小学校の教員を19年間していた経験、学校に行けない子どもの増加、奨学金返済の厳しい状況に触れ、「子ども達が置かれている教育環境、若い人たちが将来に向かって夢や希望が持てなくなっている状況がある」と話しました。そして、「これからの日本の社会、人に光をしっかり当てて、誰もが安心して暮らしていける、若い人たちが働いて得られた給料でしっかり生活ができる、将来に向けて人生設計が立てられる。結婚したいと思う人たちが結婚できて、子どもを産み育てたいと思う人たちが躊躇せずに子どもを産み育てることができる、そんな社会を一緒に作っていきたい」「立憲民主党は、人へ、未来へ、そして裏金のない、まっとうな政治を目指す。どうぞ皆さん、私たち立憲民主党に力を与えいただきたい」と訴えました。

 街頭演説会には、中村あきひろ、遠藤ミホ両墨田区議会議員が参加し、区民の暮らしや企業の経営が苦しくなっていること、非正規公務員、公契約、立憲民主党が要求し墨田区でも昨年実現した給食無償化などについて話しました。