立憲民主党と国民民主党は6月6日午後、「公的新品種育成促進法案」(正式名称:農業用植物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進に関する法律案)と「ローカルフード法案」(正式名称:地域在来品種等の種苗の保存及び利用等の促進に関する法律案)をそれぞれ参院事務総長に提出しました(写真上は公的新品種育成促進法案の提出時のもの)。

 今回の2法案提出の背景として、現在のわが国は、食料を輸入に依存し、戦争・災害・感染症のまん延などによって食料の確保ができなく恐れがあることや、農業就業人口の減少と高齢化によって国内で十分な食料の生産を行うことができなくなる恐れがあるため、国産の種を開発・普及していき、安価な値段・低廉な価格で農業者に提供できるような環境整備が必要なことにあります。

 公的新品種育成促進法案は、(1)公的新品種育成の促進(2)公的育成品種の有効かつ適正な利用の確保(3)公的育成品種の種苗の生産に係る技術を有する人材の育成――を行うことで、地域における農業の持続的な発展と国民生活の向上を図るものです。(発議者:田名部匡代、徳永エリ、羽田次郎、横沢たかのり、舟山康江各議員)

 ローカルフード法案は、(1)地域の気候や文化に合った多様な種苗の保全(2)種採り農家や地域の生産者の保護(3)学校給食を通じた地産地消――を行うことによって、農業の持続的かつ健全な発展と農村等の活性化や、食料の安定供給の確保と国民の豊かな食生活の実現を図るものです。(発議者:川田龍平、田名部匡代、徳永エリ、舟山康江各議員)

 法案提出後、記者団に対し徳永エリ議員は、「私たちは食料・農業・農村基本法改正案に対して修正案を提起した。その中で、国産種子の重要性も盛り込んだが通らなかった」と説明し、「農研機構や農業試験場などで国の予算をもって、国産の有用な種をしっかり普及していきたい」と訴えました。

 川田龍平議員は、「在来品種を使った、また有機農業でできた食材を学校給食にも普及させるということを明記している」点が大きなポイントだとし、「広島県の農業人員バンクなどの各地の研究会が、予算がなくなったことで閉じてしまった。一日も早く法案を成立させてそういった活動を維持していきたい」と強調しました。

 国民民主党の舟山康江議員は、「国は食料安全保障ということを大上段に構えて言っている。その一環としてこの法案で法的根拠を持たせていくことは大事だと思う」と述べました。

 法案提出には、立憲民主党の田名部匡代、徳永エリ、川田龍平、羽田次郎、横沢たかのり各議員と、国民民主党の舟山康江議員が参加。また、立憲民主党の金子恵美ネクスト農林水産大臣、野間健ネクスト農林水産副大臣、国民民主党の浜口誠、田村まみ議員らが同席しました。