泉健太代表は6月7日、国会内で定例の記者会見を行い、(1)参議院に移った政治資金規正法改正案の議論(2)合計特殊出生率(3)りっけん政治塾(4)沖縄県議会議員選挙(5)内閣改造(6)つばさの党の選挙妨害――等について言及しました。

■参院に移った政治資金規正法改正案の議論
 参議院に質疑の場が移った政治資金規正法改正案の議論について、泉代表は「しっかり詰めていきたい」と述べ、特に政策活動費について詰めていきたいとの考えを示しました。泉代表は可決した自民・公明・維新の修正案で「10年後に領収書を公開する」としている点について問題視。「どのような範囲のどのようなものなのか、黒塗りしたものが出てくるのか等の議論も明確にしなければならない。感熱紙の領収書もあったりするなか、10年後にタイムカプセルを開けてみたら何も映っていませんという笑えない話もありうる。10年度には出した人も、もらった人もいないかもしれない」旨を指摘し、何の意味もないような公開であってはならないとして、日本の維新の会もまさかそのようなものを望んでいるのではないはずと指摘。参議院の議論においては、ただ単に衆議院の議論を繰り返すのではなく、抜け穴だらけの現時点での自民・公明・維新の修正案は、再修正不可避だと強調。参議院での議論を経て再修正され衆院に戻してもらって再議決するという流れとなるよう取り組んでもらいたいと注文をつけました。

■合計特殊出生率
 合計特殊出生率が1.20と過去最低になったことに危機感を示し、「岸田政権の異次元の少子化対策のように第3子から応援するなんていう話ではなく、もっと早い段階から若者支援を強化しなければならない」と述べ、(1)若者の賃上げ(2)教育費負担の軽減(3)男性の平均労働時間の短縮――等が重要との認識を示しました。立憲民主党としては賃上げ、家賃補助、若者世代が過ごせる時間を増やしていくための政策等に力点を置いていきたいと述べました。また、自民党のスタンスである「自己責任論」「家族の絆・地域の絆による挽回」「狭義の共助」ではなく、公とさまざまな支援団体による多様な支援を組み合わせて若い世代をサポートすることが重要との認識を示しました。

■りっけん政治塾
 6月10日(月)締め切りで参加者を募集している「りっけん政治塾」への応募が6日時点で250名を超えたことを報告しました。「大変有難い。もう一つ特徴的なのは7割ぐらいの方々が政治家志望の意思表示をしてくださっている」と述べ、「今までのように政治家に任せきりでは駄目だ、自分たちが動かなければならないと思っている方々が積極的に応募していただいているのかと思う。ぜひ素晴らしい講義をお届けをして、一緒に政治を考え、物言う国民として、政治家任せにせず、行政任せにせず、自分たちの国、自分たちの地域を自分たちで作るという姿勢・決意を持った人たちが増えていく機会になればと思っている」と語りました。

■沖縄県議会議員選挙
 本日6月7日告示、6月16日投開票の沖縄県議会議員選挙についても言及し、党公認5名・推薦5名で選挙戦を展開することになるとして、「全員当選に向けて努力をしていきたい」と意気込みを語りました。

■内閣改造
 内閣改造の空気が出ていることについて「国民は決して騙されてはいけない」と述べ、岸田総理が政権浮上を目指して目先を変えるために自民党幹事長の交代や内閣改造を行って再スタートを切ろうとしている動きを問題視。改造するのであれば、裏金議員はすべて外すべきと述べ、裏金議員はそのままに一部だけの刷新など改造に値しないと断じました。

■つばさの党
 衆院東京15区の補欠選挙で、「つばさの党」の候補者ら3人が他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件についても泉代表は触れ、「私も追いかけられたし、わが党の酒井なつみ候補の車が追いかけられて、警察署の前に停車せざるを得なかったり、その後の街頭演説の計画を変更せざるを得なかった」と述べ、「法案の策定作業は続けているが、現行法における再逮捕ということなので、捜査の状況を見守ってまいりたい」と語りました。


泉健太代表記者会見

2024年6月7日(金)10時30分~11時03分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/Qr3-6aK_0QM


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○政治改革 参議院での審議に向けて

【代表】
 おはようございます。
 まずは、きのう衆議院で政治改革法案が可決されましたが、参議院でも我々徹底的に論点を詰めていきます。小沼筆頭を初め、我が党の参議院の特別委員会のメンバーは、論戦、論陣を張れる者が数多くいますので、そこでしっかり詰めていきたいですね。
 特に、やはり政策活動費、ここは詰めていきたい。きのうも言いましたが、上限の話もそうだし、10年後の公開、その公開する領収書というのは果たして、本当にどのような範囲の、どのようなものなのか。黒塗りしているのか、していないのか。この辺りを明確にしなければいけない。
 これは衆議院でも議論で出てきましたが、今の領収書というのは数多くが感熱紙の領収書もあって、10年後に本当にタイムカプセルを開けてみたら何も写っていませんでしたなんていう笑えない話まであり得るのではないかということも含めて、10年後には、その当事者、出した人もいないかもしれない。もらったほうもいないかもしれない。もしかしたら党だってないかもしれないという、何にもならないような公開であっては、これはおそらく維新さんもそういうものを望んではいないはずで、ちゃんとした公開というものを望んでいるとすれば、これは参議院でただ単に衆議院の段階のものを通せばいいということではないですね。
 参議院でしっかり詰めて、再修正が必要であればやはり再修正をして、むしろ立憲民主党としては修正不可避だと考えて、これを衆議院に戻してもらって採決をするということはあって当然だと考えます。そういうことをぜひ参議院としては取り組んでいただきたいですね。これは自民党と合意をした維新にもぜひ責任を持って参議院での再修正に取り組んでもらいたいということを、まず一つ申し上げたいと思います。

○子ども・若者支援に関する立法の取組について

【代表】
 きのう、出生率1.2という、これは大きな、社会にもニュースとして取り上げられました。
 立憲民主党としては、岸田政権の異次元の少子化対策のように第三子から応援するなんていう話ではなく、もっと早い段階から若者支援を強化せねばならない。若者の賃上げ、これは絶対大事です。教育費負担の軽減、これも非常に大事です。そして、けさ報道でもやっていましたが、特に男性の労働時間が長いということで、これは当然ながら男女一緒に過ごせる時間が少なければ少ないほど、子どもは、なかなかそれはつくりにくいわけですから、そういった意味でも労働時間からも解放していかなければいけないと考えています。そういったことで、立憲民主党としてはぜひ、賃上げ、家賃補助などの可処分所得アップ、若い世代が自由に過ごせる時間を増やしていくというところに、特に力点を置いていきたいと思います。
 そして、あらゆる子どもたち、あらゆる親たちを応援する。何か「そこは家族の中で頑張りなさい」とか、いわゆる自己責任論が自民党の中ではやはり今もあって、そういうことではなく、この自己責任論の次は、自民党の場合は、「あとは家族の絆と地域の絆で挽回しなさい」みたいなことの、共助の考え方が非常に狭いので、我々はやはり、NPOもそうだし、SNS上のつながりもそうだし、そして、公といってもさまざまな支援団体がそうだし、いろいろな支援を多様に組み合わせて若い世代をサポートするというのが重要だと思っています。
 きのう私は、国会議員では私だけでしたが、キッズドアという認定NPO法人のチャリティパーティーに参加をしてきました。そこでもさまざま話が出ていまして、今回「子どもの貧困対策推進法」を何とか今国会で改正しようということで、今、超党派議連でこの法案の詰めをしています。
 この法案については、「子どもの貧困対策」と言われていたものを、「子どもの貧困解消」ということをちゃんと掲げようということ。
 そして、この法律でウォッチをしていく新たな指標として、ひとり親家庭の養育費支払率。これをちゃんと数値化、数値として調査をかけて、そして、その(不払いの)数値を数年後にはこれくらいまで減らしていきますと、不払率を減らしていくということを目標に掲げるということも今回の修正内容の中に入れております。
 そういった意味では、我が立憲民主党は今、米山衆議院議員を中心に、この養育費の立替え、そして取立ての法案(不払養育費立替・取立制度の導入に関する法律案)というものを用意しています。何とかそういうものも実現させていきたい。
 これはやはり、離婚するケースというのは世の中非常に多いわけですが、養育費がちゃんと、まず取決めができていないケース。そして、取決めをしても払われていないケース。これは多々あって、そういうものはやはり、一度夫婦として、あるいは子どもを産むということに至ったケースの中で、やはりそこは共同責任というのは免れるものではないということであるわけですから、ちゃんとこの養育費が払われるような世の中にしていかなければいけないし、養育費が払われないケースだからといって、その子どもを育てている親子が苦労する、一方的に苦労を強いられるということは、あるべきことではない。これこそまさに国が間に入って、(法案が想定している不払養育費・取立)機構が間に入って、そういったことの支援をしていくべきだということも我が党として法案として今考えているということもお伝えしたいと思います。

○「りっけん政治塾」応募状況について

【代表】
 「りっけん政治塾」、おかげさまで、6月10日、来週月曜日までの締切りなのですが、現在6月6日の時点で応募が250名を超えました。
 非常に多くの皆様からご応募いただいているということで、全国からこうしてご応募いただいていることは大変ありがたいのですが、もう一つ特徴的なのは、そのうちの今ざっとでいうと7割くらいの方々が、何らか政治家として、議員として、自分自身やりたいという意思を持っているということも、申込み時点で意思表示をしてくださっている。
 ここはやはり、4月28日の補欠選挙での勝利ということもあり、また、静岡での大きな政治の転換、知事選もあり、今、やはり国民の皆さんが、「今までのように政治家に任せ切りでは駄目だ」「自分たちが動かなければいけない」と。そういう声を上げたいと思っておられる方々が積極的にこの募集に応じていただいているのかなと思います。
 ぜひ、すばらしい講義をお届けして、一緒に政治を考え、物言う国民として、政治家任せにせず、行政任せにせず、自分たちの国、自分たちの地域を自分たちでつくる。そういう姿勢・決意を持った人たちが増えていくという機会になればということで、10日まで、週明けの月曜日までこの募集を続けて、22日の開講に向かっていきたいと考えています。

○沖縄県議選について

【代表】
 沖縄県議選、こちらがいよいよスタートするということになります。我が党は、公認5名、推薦5名ということで、この沖縄での全員当選に向けて努力をしていきたいと思います。  県議選ということで、私自身、今、私が入る場合はなかなか警備も相当厳しいものですから、県議候補の支援にはなかなかちょっと入りにくいところがありますので、他の幹部たちが手分けして、今、沖縄のほうに入らせてもらって応援をしているということで、全員当選に向けて頑張ってまいりたいと思います。

○内閣改造をめぐる報道について

【代表】
 そして、内閣改造がちょっと出てきていますね。
 きのうも全く違うところから「うんっ」という話を聞きまして、それは、水俣病の、まさに被害者、そして弁護団の方々ときのう意見交換をさせていただいたのですが、そのときに環境大臣が、やはり今までちゃんと向き合っていなかったので、これから向き合って皆さんを救済するための、その検討する枠組みの協議をスタートさせたいというような発言を、どうやら被害者の方々にしたようなのですね。その中で、ちらっと「私の任期中は」というふうに言ったという話があって、それはどういうことですかと。この水俣病の対応というのは別に伊藤大臣の任期中だけの話ではないでしょうと我々は突っ込みたいわけですが、こうした「私の任期中は」という辺りが、伊藤大臣自身が近々自分の任期が終わると思っているのではないかということをにおわせるようなものでもあって、そういう内閣改造の空気というものが出ていると。
 こういうことに国民は決してだまされてはいけないということですね。岸田総理が目先を変え、党の幹事長を替えるだとか、内閣を改造するだとか、そういうことで何となく気分を一新させて再スタートだみたいな話になりますが、裏金議員は変わっていませんから。裏金議員は国会にい続けていますから。改造というのだったら、裏金議員を全部総支部長から外して、そして、そこで新しい人材を出してくるというのであれば、それはすごい改造だねという話になるけれども、裏金議員はそのままで頭の部分だけ移りやすい人を替えていくというのは、これはやはり目先でしかないということですから、我々この内閣改造も注視をしていきたいと思います。

○選挙妨害 政治団体幹部らの再逮捕方針について

【代表】
 そして、つばさの党ですね。これはきょうにも再逮捕ということが報道されています。
 私も追いかけられたし、今回、再逮捕に当たっては、我が党の酒井菜摘候補陣営の車が追いかけられて、一旦警察署の前に停車せざるを得なかった。そして、その後の街頭演説の計画を変更せざるを得なかったということで、こうしたことが(選挙の自由)妨害だということで、今、捜査機関が動いているという状況にあります。
 この捜査の状況をよく注視したいと考えております。現行法でどこまでできるのかというものもありますので、我々としても法律の策定作業は続けてはきていますが、まさにこの現行法における再逮捕ということもありますので、当面ちょっとこの捜査の状況を見守ってまいりたいと考えているところであります。


■質疑

○政治改革について(1)

【NHK】
 規正法の参議院での審議のことで、再修正は不可避だということだったが、具体的に例えば与野党協議とか、やり方や、再修正すべき点などを教えていただきたい。

【代表】
 これは立憲民主党としては衆議院段階で穴だらけだということで反対をしていますし、我が党は衆議院で修正案を出して、これを否決されていますので、やはり一義的には、自民・公明・維新、ここに責任があるわけです。
 ですから、各党からの質疑に対して真摯に答えて答弁してもらって、答弁し切れないこともたぶん出てくるでしょうから、そこは抜け穴であり、落とし穴であり、そういったものを防ぐためには再修正が不可避だということであれば、これはもう再修正をしてもらうしかないということですね。

【共同通信】
 関連で。きのう衆院を通過した政治資金規正法案、まさにざる法だということを今おっしゃったかと思うが、現時点で岸田政権が国民の信任に値するのかどうか、内閣不信任案提出の考えとあわせてお聞きしたい。

【代表】
 この内閣不信任案は、国会最終盤まで、これは参議院の質疑も含めて、何があるかわかりませんから、そういったことも踏まえながらしっかり対応していきたい。
 一方で、ここまでの大規模裏金事件、不十分な処分、この自民党の改革案の残念ながら中身のなさ、ざる法、そういうことについては全く評価できませんからね。そういったことは我々の判断基準には当然入ってきます。

○能動的サイバー防御に関する議論について

【共同通信】
 別件で、能動的サイバー防御について伺いたい。政府はきょう関連する有識者会議の初会合を開いた。この能動的サイバー防御に関しては、早期の法整備が必要だとする声がある一方で、憲法が規定する通信の秘密を侵害する懸念があるという声もあるかと思う。この能動的サイバー防御導入に向けた御党の見解と、今後、国会に関連法案が提出された場合、どのように論戦に臨んでいくお考えか、あわせてお聞きしたい。

【代表】
 このアクティブ・サイバー・ディフェンスは、やはり今、(サイバー攻撃が)新たな時代の戦争の一つの手法ということにもなっているところもありますから、全く無視はできません。ですから、非常にこの技術の進歩も激しい分野ですので、我々としてもそこをまずしっかりウォッチをするということ、これが大事です。そして、何らかの手立てが必要だというふうにも考えています。その中で、今おっしゃったように憲法上の制約も当然あるわけですから、そこのまさにバランスを立憲民主党としては特に主張していかなければいけないことだと思います。
 法案が出てくるといっても、まだ現時点では中身も不明確ですから、賛成とか反対とかいう段階ではありませんが、これはセキュリティクリアランスのときもそうでしたね。やはり立憲民主党としては、現実的に民間のビジネスを考えたときに、セキュリティクリアランスについて、これは単に反対だということにはやはりならなくて、それを欧米各国と協調して進めていく中で、労働者への不利益、会社への不利益、そういったものがない形にいかにできるか。そして、国会の関与ですね。民主的統制がちゃんと担保されるかどうか。そういったところを観点として進めてきた経緯がありますので、同様に、こうしたアクティブ・サイバー・ディフェンスについても我々として対処していきたいです。

○選挙区支部への寄附の控除について(1)

記者
 けさの報道で、御党の吉田統彦衆院議員が2020年から22年に愛知1区の党支部に計5000万円ほどを寄附し所得税の一部を控除される税優遇を受けていたとの報道があった。代表の受け止めと、今後この事案にどういうふうに対応されるか、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 やはりこういうことについての、国会議員内での、国会議員の中でのある種の共通認識がなかったということが私も認識をしました。
 最初、第一報で流れた、福島県の菅家議員、自民党の。この場合というのは、裏金を総支部に寄附して控除を受けていたという疑惑として報道されて、それはやはりおかしいのではないかという声は上がりましたね。
 一方で、確かに、全国で国会議員たちが、例えば、政党は違えど、党本部に寄附をしたり県連に寄附をしたりした場合には控除は受けられますと。
 総支部に寄附した場合は、控除は受けることは違法ではないのだけれども、しかし、道義上どうなんだということが取り沙汰されている中で、そういったものが各議員ごとに散見されるという状態なので、改めてやはり感じたのは、ちゃんとした共通ルール化を図るということ。なので、今回の政治改革の中でも我々はそれを訴えたし、現在ではまだ自民党の案としては検討ということにとどまっているので、ここをはっきりとルール化していくということはやはり必要だなと感じました。

【毎日新聞】
 5月29日のBS‐TBSのテレビ番組で、菅家議員と稲田議員の関連で、立憲ではそういう手法はルール違反だみたいなご発言が、ちょっと文脈ははっきり覚えていないが、そういう発言をなさっていたと思うが、改めて何か内部調査や内部向けの呼びかけ等はされないか。

【代表】
 私もその後、少し確認をしてみると、やはり一時期、10年ほど前に他党の中でこの控除について問題になって、それが報道されて、そのときに国会議員だった人たちには、これはやはりおかしいよねという、道義的におかしいよねというのが意識として共有された時期があったのですね。どうも民主党や民進党のときにはそういうことをちゃんと文書でルール的に流していたということもあったのですが、それ以降、10年ほどたって、そういうものがまだ立憲民主党になってからは流されたことがないということもわかって、そういった意味では、改めて我々は法律として共通ルール化していくということは訴えているし、今後、党の中でそういうことが可能なのかどうなのかということもこれから考えていきたいです。

○憲法審査会について

【時事通信】
 憲法改正について伺いたい。昨日、衆院の憲法審査会が開催され、自民党側は、条文づくりの作業に入るべきだとして、この条文を起草する幹事懇談会の開催を求め、立憲民主党としては時期尚早だというような反応だった。一方で、参議院のほうでは、やはり今ある閣法の審議を優先すべきだという考えを与党の国対委員長も示しており、斎藤国対委員長も憲法の条文づくりを急ぐようならば一切審議には応じられないという反応を示している。このような与野党の状況をどのようにご覧になっているか。

【代表】
 一義的にはやはり与党の中でちゃんと国会を仕切るということをどう考えるかですね。
 ですから、我々は憲法審査会での議論はこれまでも立憲民主党として参加をしてきたし、そして、論点があるものについて、論点をすっ飛ばしたり途中で打ち切って次のステップに進むというのはやはり乱暴でしかないわけですから、ちゃんとこのまだ残る論点だとかは引き続き議論していかなければいけないですね。
 何か時期を区切って、結論ありきとか、進め方だけを優先して考えていくというのは、これは考え方として、憲法の議論をしていく上ではふさわしくないと考えています。

【時事通信】
 与党や一部野党からは、閉会中でも憲法審査会を開催してゆっくり議論すればいいという話もあるが、ここについてのお考えはいかがか。

【代表】
 なぜ憲法審査会だけなんですかねというか、ほかに議論することが彼らの中にはないんですかね。国民生活のことだとか、もっと結論が出ていないことがたくさんあるのではないですか。政治改革の特別委員会だって、審議時間十数時間、めちゃくちゃ短いではないですか。むしろそっちのほうを言ってもらいたいですね。

○政治改革について(2)

【時事通信】
 別件になるが、政治資金規正法の関連で、昨日、立憲民主党のパーティー全面禁止法案も否決されるという結果になったが、これを受けて、立憲民主党としてはパーティーのあり方についての考えを改めるとか、パーティーの全面禁止が否決されてしまったので、例えば公明党が当初言っていた5万円、国民民主党も訴えていた5万円に公開基準を引き下げるというような、そこに考えを変えていくお考えはあるか。

【代表】
 まだこれは参議院での議論がこれからですから、何か決まったものはまだありません。ですから、これは国会としてまだルールが決まったということではありませんから、我々としてはこれまで言ってきたことを徹底的に求めていきます。党の方針も変わっていません。

○選挙区支部への寄附の控除について(2)

【日本テレビ】
 少し話題が戻り、吉田統彦議員の件について伺いたい。先ほど代表は、こういうことについて国会議員の中での共通認識がなかったことを認識したとおっしゃった。まず確認だが、吉田統彦議員からは今回の件について党ないしは代表に報告などはあったか。

【代表】
 特段報告というのはないですね。

【日本テレビ】
 こういう事態がありましたよということを、吉田議員側からは何か事情の説明などは、現時点ではなかったか。

【代表】
 正式な説明ではないですが、立ち話としては聞いています。

【日本テレビ】
 先ほど代表おっしゃったことで、確認すると、10年ほど前にこの控除について問題になったときに、道義的におかしいよねとなったので、当時の民進党などは文書で流していたみたいなことを伺ったが、この道義的におかしいよねとなったということは、現時点で、あくまでこの吉田統彦議員の報道が正しいとすると、代表個人として、この控除を受けることは、違法ではないにしても、道義的には問題があるとお考えか。

【代表】
 これですね、実際にいろいろと一つ一つの個別のケースを、少し、全部ではないのですが、見てみると、例えば総支部といっても自分の事務所と別に所在をしていて、例えば泉健太事務所と総支部とが別に所在をしていて、総支部は総支部で民主的に運営されているというような地方組織もあるのですね。その場合には、その自分の総支部というふうなことを、どこまで自分の総支部だと捉えるかというところもあったりして、では、そこに対する寄附で控除を受けるというのは、ある意味問題ないのではないかというケースもたぶんあると思います。
 現に、例えば県連に対して寄附をした場合には、そこは控除を受けることは総務省的にも問題ないというふうに言われているし、確かに今の法律では総支部に寄附することも一応法律では違法ではないとされているので、その辺というのが、その当時の一時期の共通の認識として道義的にどうなんだという話は確かにありましたけれども、共通認識としては、10年たって、全国会議員、その間に国会議員も入れ替わっていますから、そういうところではやはりなかったということを考えると、我々としてもそういったことが皆に徹底されていないというところは、すぐに駄目だということをどこまで言えるのかというところはあります。

【日本テレビ】
 個別のケースになってしまうかもしれないが、吉田統彦議員に対して、この控除を受けた金額を何らか道義的に問題ない形にこれから処理していくようなことを促していったりは。

【代表】
 彼は彼で、主張としては、例えば自分の歳費を寄附しているわけではないとか、個別の事情を説明しているところもありますから、そういう個別の事情というのはよく見なければいけないでしょうね。

【テレビ朝日】
 同じ件でお聞きしたい。先ほど菅家議員は元々裏金がそういった件で使われていたのではないかというところで問題視されたというところを指摘されたと思うが、今回の吉田議員の場合と菅家議員の場合は事案が違うというふうにお考えか。

【代表】
 事案は違うのでしょうね。事案としては、当然、議員が違うわけですからね。構図、裏金ではないということです。

【テレビ朝日】
 なので、違うものとして考えていらっしゃるという認識でよろしいか。

【代表】
 それは違うということです。

【テレビ朝日】
 人が違うので違う。

【代表】
 いや、人が違うということだけではなく、事案としても、お金の額も違えば、流れというか、そのお金の性質も違うということです。

○東京都知事選について

【産経新聞】
 別件で、東京都知事選について伺いたい。東京都知事選の告示まで2週間を切ったが、出馬を表明されている御党の蓮舫氏を、立憲民主党と共産党と「市民連合」が一丸となって支援する見通しだ。今回のこの態勢をどのように評価されているか。

【代表】
 何かその質問は、ちょっとまず質問の時点でよくわからないところがありますが、今の時点で蓮舫さんは、党を離れて無所属で戦いますと。あとはまだ、何か具体的に立憲民主党が党として推薦するという話はまだないので、現時点ではまだそういった構図ではないということです。蓮舫さんは、特におっしゃっているのは、無所属として全ての都民に応援をしてもらいたいということを言っているということですね。

【産経新聞】
 現時点では決まってはいないということだが、立憲民主党と共産党と「市民連合」が現段階では、支援をするということに関しては名乗りを上げていると思う。

【代表】
 社民党さんは違いましたっけ。

【産経新聞】
 すみません、そこも含まれています。

【代表】
 ですよね。

【産経新聞】
 現時点でのその態勢の評価みたいなものについてはいかがか。

【代表】
 特段ありません。

【関西テレビ】
 都知事選の街頭演説で、何か投票の呼びかけになっているのではないか、事前運動になっているのではないかという指摘があったりする。もう一つ、茨城県の守谷市では立て看板が問題になったりとかしている。ちょっとそういう、もしかしたら脱法的な行為なのではないかという指摘が相次いでいる感じになっているかと思うが、この辺りは代表はどういうふうに捉えているか。

【代表】
 確かに、各県に行って、いろいろな、多少選管の中でも見解の違いみたいのがあるので、どこまでその県で何が許容されているのかというところは私もつぶさにはわからないところがあります。  それは当然ながら法律を守って活動していきましょうということに尽きます。

【関西テレビ】
 都知事選の蓮舫さんについては、どこまでが許容されるのか。例えば、都知事に押し上げようとか、ちょっと微妙な表現とかがあるが。

【代表】
 それは我々が決めることではないです。

○政治改革について(3)

【関西テレビ】
 話題変わり、例の政策活動費の領収書公開について、我々は10年後に黒塗りなしで公開されるものとばかり思っていたが、きのう日本維新の会の馬場代表のほうから黒塗りを容認すると思われるような発言があった。非常に我々も驚いて、何回も聞き直して、何か自分の耳を疑った感じではあったが。この辺りについて、維新の主張が変わったのか。あるいは、最初から維新はそのつもりだったのだけれども、そうではないかのように見せていたのか。あるいは、維新の方針を馬場代表がよくわからないまま発言したのか。どれに当たると代表は思われるか。

【代表】
 全てではないですか。どれも当たるような気もしますし、だからこそ維新の党内でもおかしいという声が上がったし、実際に岸田総理とのこのような合意文書で本当に担保が取れるのかと党内から声が上がったのは当然のことですよね。そういう疑問にやはり参議院でちゃんと答えなければいけないし、参議院で全てその疑問を解消してもらいたいということですよね。
 先ほどタイムカプセルという話をしましたが、別に思い出写真を見たいわけではないんですよ、10年後に。10年後に「ああ、こんな領収書もあったね」「うん、金額だけ書いてあるよね」だけでは済まされないわけで、それはおかしいかどうかを検証するためのものであって、その検証するためのものであるからこそ抑止にもなるわけで、それがお店から住所から全部黒塗りで額だけ書いてありますということだと、本当に思い出にしかならないんですよね。何の検証もできない。
 そこに何の意味があるんですかという話で、政治浄化にもならないですから、ここはやはりはっきり黒塗りのない領収書を全て保存するんだと、そして公開するんだということを明確にしてもらわなければいけないということです。

【関西テレビ】
 黒塗りかどうかはわからないが、10年後に領収書が公開されるというのは、政策活動費、政治とお金の問題をわかりやすくするのに一歩進んでいるのかどうかは、どうお考えか。

【代表】
 いや、もう国民の皆さんからしたら全く進んでいないくらいの、目に見えない一歩を、政治の世界、永田町だけで感じている。自民と維新と公明さんだけが感じている、小さな小さな一歩ではないですかね。
 だって、先ほども言いましたが、10年後にその議員がいるかもわからない。その会計に立ち会った人がいるかどうかもわからない。受け取った人がいるかもわからない。秘書もいるかどうかわからない。文書が保存されているかどうかだってわからないくらいな中で、その10年後に出てくるものがどんなものなのかもわからないというものですから、これでは実際には政策活動費が透明性が上がったとは言えませんねということですよ。

(以上)