自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案が6月7日、参院で審議入りし、政治改革特別委員会で熊谷裕人議員が10日に質疑に立ちました。

 熊谷議員は、政党交付金の一部停止、政策活動費の上限や公開の基準、使途を示す領収書などの10年後の公開の具体例、政治資金に関する第三者機関の設置等本法案における検討事項の多さをあらためて問題視。付則についても多くがこれからの協議、検討となっていることから、発議者として今後、検討事項をどのように進めていく考えかを尋ねました。

 これに対して発議者は「各党会派の政治活動と密接に関係するもので、どのような協議機関で行うのか、各会派の考え方を聞きながら検討する場についても議論していかなければいけない」などと答弁。熊谷議員は「検討の検討となって検討ばかり。年内にめどをつけるべき。政治資金の問題を決着つけないまま衆院選挙で信を問うにも、解散できない状況もあり得る。発議者の皆さんも明確な意思をもって取り組んでほしい」と述べました。

 収支報告書のオンライン提出をめぐっては、衆参国会議員関係政治団体706団体のうちオンライン提出はわずか64団体、9.1%という状況だとして、「ネット公開はすべての会派が賛成しているが、どのように利用率を上げていくのか。データベース化して一元的に名寄せできる検索機能つけるべきだ」と主張。発議者は今回の改正案で収支報告書のオンライン提出を義務付けていることにも触れ、「オンライン提出は極めて重要で、政治資金の透明性の向上からも有意義だと考える。収支報告書のデータベースの構築については、検索機能をどのようにするかを各党で議論した上で予算措置や技術的課題の整理などを行う必要もあるが、並行して検索可能なシステムを目指すしていく」と同調しました。

 政策活動費に関しては特に、修正案の13条2によると、当該政党からの支出で「金銭」を受けた者として「金銭」に限定していることに疑義を表明。政治資金規正法4条にある寄付の制限では「金銭等」として、金銭だけでなく有価証券を含んでいることから、このままでは小切手等による交付を認めることになると再三にわたり迫りました。しかし、発議者は、「わが党においては党の役職者が党に代わって機能を代行する支出。私どもの感覚としては金銭のほかは考えられない。そういうことがあるなら各党のガバナンスに委ねる。金銭という定義ですべてを防げると考えている」などと無責任な答弁に終始。熊谷議員は、「『等』を入れず小切手で交付できるのは法律の抜け穴。このままではザル法だ。『金銭等』として4条で規定するように有価証券を入れるべきだ。『等』を入れなかった発議者の皆さんに意思があるのかを問うている。書いてないから使おうとなれば、これまでと同じ。やったもん勝ちになる」とあらためて修正を求めました。