参院憲法審査会が6月12日に開かれ、国民投票法の制定及び改正の経過などについて憲法審査会事務局長と法制局長から説明を聴取した後、委員間の意見交換が行われました。立憲民主党からは、辻元清美、小沢雅仁、小西洋之の3議員が発言しました。

 辻本議員は、2021年改正国民投票法附則4条に規定された、国民投票の公平及び公正を確保するための事項について意見を述べました。

 まず、ネットCMについて何ら制限がないことに触れ、17年前の国民投票法制定当時と比べてネット社会は著しく拡大しており、「ネットCMについてテレビCMと同様に何らかの法規制は必要になる」と指摘しました。そして、「立憲民主党は、政党等によるネットCMを禁止し、その他のものによるネットCMについてはネット広告事業者にCM掲載基準の策定等の努力義務を課す」改正を提案していると述べました。

 さらに、フェイクニュース情報や資金力の多寡による公平性への悪影響などについて、ネット社会の進展の観点から対策を講じるべきであると主張し、「国民投票などの改正なくして憲法発議はありえない」と強調しました。

 小沢議員は、2014年改正国民投票法の附帯決議に関して、地位利用による国民投票運動が規制された公務員と教育者について禁止行為と許容行為を明確化するガイドラインの作成など、「特に政府が対応を求められた項目については検討状況さえ分からないものが大半だ」と批判しました。その上で、「政府に対して、附帯決議で求められた項目の検討状況や講じた措置などについての報告を速やかに求める」と述べました。

 そして、「衆院憲法審の与党と一部野党は、緊急集会の曲解に基づく憲法改正発議に向けて、幹事懇談会での改憲条文の検討や条文起草委員会の設置の主張など前のめりになっているが、これら参院憲法審の附帯決議で求められた項目が解決するまで、改憲条文の審議など許さない」と語気を強めました。

 小西議員は、2021年改正国民投票法附則4条2号の趣旨が法的に必要な法改正がなされるまで改憲発議ができないことにあるのは、提案者の意図などから明らかであると指摘しました。その上で、衆参両院の憲法審査会の任務は「国民投票の公平公正を確保するため、早急に国民投票広報協議会の役割も含めて法改正を中心とする措置を講じることである」と説きました。