「西宮 芦屋から 人にやさしく 経済成長を実現できる政治を!」を掲げて日々地域を回っている岡田さとる(おかだ悟)兵庫7区総支部長。なぜ政治家を目指したのか、実現したい政策は何かなど、寄稿してもらいました。

■持続可能な経済と社会保障のために

 高校時代は理系教科が苦手だった半面、国語の現代文だけは得意だったので、文章を書く仕事で身を立てられないかと考えるようになりました。また、高校から大学時代にかけては小泉純一郎政権下で構造改革の真っ最中であり、まっとうな議論を踏まえずに政策が推し進められることに強い疑問を抱いていました。

 私が成人するまでに日本経済は、バブル崩壊から金融危機、不良債権処理を経て構造改革による好景気に沸くという経過をたどりましたが、私の一家も日本の多くの家庭のように、これらに翻弄されました。親に大学に行かせてもらえた私はまだ恵まれた方だったでしょうが、2000年代半ば、リーマンショック前までのいわゆる「いざなみ景気」でも、決して良い思いをしている人ばかりではないぞ、と反感を持っていました。

 公平性を担保しつつ持続可能な経済構造や社会保障制度を実現するためにはどうしたらいいのか。世の中で起きている問題をよく調べたい、書いて明らかにしたい、世の中を良くしたいという漠然な意識があり、毎日新聞社に記者職で入社しました。

 06年から5年間配属された秋田県では、事件事故から選挙、街ダネ、農業、教育、経済と幅広いテーマを取材しました。09年には、秋田から東京本社政治部に3週間だけ出張して、鳩山由紀夫政権時の首相官邸の番記者の仕事を手伝ったこともあります。

■取材で痛感した「人への投資」の重要性

 それで政治取材に目覚めたのかというと、そういうわけでもなく、「公平性を担保しつつ持続可能な経済構造や社会保障制度を実現するにはどうしたらいいのか」というテーマを追求するには、やはり経済を本格的に勉強しないといけないと思うようになりました。2013年に経済誌「週刊ダイヤモンド」の記者に転じます。主に建設、不動産、小売、証券業界を取材しましたが、特に建設業界と小売業界は、人手不足という日本経済最大の構造問題が直撃しており、中小企業では前々から危機的な状態でした。

 また週刊ダイヤモンドに転じた最初の1年強と、出馬表明前の1年半は証券業界の担当でした。13年はまさに、アベノミクス景気が始まり、株高に沸いていました。しかし10年経った今、為替が極端な円安となり、物価高が国民生活を圧迫しても、簡単に元に戻せない状況になってしまった。日本経済がアベノミクスの負の側面に苦しむ様を、まざまざと見せつけられているわけです。

 こうした状況を改善するためには「人への投資」が不可欠です。公立の学校にお子さんを安心して通わせることができる。中小企業でも十分な雇用と職業訓練の機会を提供できる。リフレ政策など“飛び道具”に頼らず、王道の政策を進めていかなくてはなりません。

 その点、自民党には幅広い考えの方がいると思いますが、既存のレジームを体現している面が強く、「人への投資」に舵(かじ)を切るのは難しいでしょう。日本維新の会はむしろ、非常に乱暴な手法で新自由主義的な政策を掲げているうえに、「身を切る改革」が自己目的化しており、目指している社会の姿が見えません。

■若者の政治への関心は決して低くない

 私は以前から、米国の民主党、英国の労働党のように、労働組合と連携し、リベラルな価値観に軸足を置きつつ、経済や外交・安全保障政策では現実的な状況に対処して政権を担い得る中道政党が日本にも必要だと考えてきました。立憲がウイングをもう少し広げて、旧民主党政権に失望した無党派層の支持を取り戻していく必要があると思います。

 立憲民主党は高齢者の支持率が高いと言われますが、駅前でビラを配っていると、高校生や大学生くらいの若い人が、結構な確率で受け取ってくれます。若い人が必ずしも政治に関心が低いわけではないと思います。普段の活動では、駆け出しの新聞記者時代に戻った気分で、自分の足で有権者の皆さんのところにうかがっていくことを心がけています。