岡田克也幹事長は7月2日、国会内で会見を開き、能登半島地震からの復興の遅れ等について発言しました。
昨日、能登半島地震から半年がたったことについて岡田幹事長は「これまで258名が亡くなり、現在も避難生活を余儀なくされている方々が多くいる。心からお見舞いを申し上げる」と述べて、泉代表が4度目の視察に入ったことを紹介しました。
「倒壊した家屋のがれきがまだ残っている。公費の解体が大幅に遅れている」と指摘し、「なぜここまで時間がかかっているのか。公費による解体はやる気があればできる」と疑問を表明しました。
また、政府が予備費で多額の追加支出を決めたことについて、岡田幹事長は「予備費では、実際何に使うか把握ができない。政府は国会が終わったのを見透かしたように予備費を使う。かなり多額を投入」しているとして、「本来は補正予算であるべき。(補正予算であれば)国会で議論し、予算書が必要となり、中身が明確に分かる」と述べました。
岡田幹事長は、東日本大震災時、補正予算案を4月22日に閣議決定し、連休あけには成立していたことと比べて、「半年もたっており、一度も補正予算が出てこないのは異常」「国会を、国民を全く軽んじている。自分のお金のように当然に予備費を使い、それが我々にも国会にも国民にも分からない状況は誠に遺憾」と批判しました。
岡田克也幹事長記者会見
2024年7月2日(火)15時26分~15時51分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/s68pArVRodY
■冒頭発言
■質疑
■冒頭発言
○第105回常任幹事会を開催
【幹事長】
私からは、まず、常任幹事会のご報告です。
一つは、自治体議員、女性議員、それぞれのネットワーク合同の夏季研修会。7月24日、25日、リアルで150名、そのほかネットでの参加を見込んでいるところであります。これが一点。
もう一つは、衆参の国政選挙の候補者(公認内定)ということで、まず衆議院は、愛媛1区、香曽我部慶教さん、47歳。(同)3区、越智清純さん、41歳ということになります。それから、参議院比例、郡山玲さん、50歳。JAMの方です。衆議院は、この愛媛の2人が加わったことによって183名ということになります。
以上が常任幹事会のご報告であります。
○能登半島地震の発生から半年に当たって
【幹事長】
冒頭の発言ですが、昨日で能登半島地震の発生から半年を迎えました。これまで281名の方がお亡くなりになり、そして、現在でも避難生活を余儀なくされている多くの方々がいらっしゃいます。心からお見舞いを申し上げたいと思います。
泉代表も週末30日に4度目となる視察に行かれました。そこでも代表も言われたわけですが、倒壊した家屋のがれきがまだ残っている、公費の解体が大幅に遅れていると。ここ数日のメディアも同じようなことを伝えておられます。なぜこれだけ時間がかかっているのか。いろいろな理由はあるにしても、少なくとも公費による解体というものはやる気になればできるはずだと思っております。
それから、前にもここでも申し上げましたが、政府はまた予備費から支出をするということでありますが、実際何に使うかというのは我々に把握のしようがないということであります。国会が終わったのを見透かしたように、また予備費を使うということで、かなり大きなお金を投入しておられますが、本来であれば補正予算で、国会で議論し、最終的には、補正予算ということになれば予算書が当然必要になります。中身が明確に国民にわかるわけですが、予備費になると、実際のところがよくわからないまま使われてしまって、事後に会計検査院がチェックするしかないということになります。
いつかも申し上げたかもしれませんが、東日本大震災のときには、たしか4月22日に補正予算案の閣議決定をして、連休明けには補正予算は成立をしていたということであります。それと比べると、もう半年もたっていて、一回も補正予算が出てこないというのは異常だし、国会を、あるいは国民を、全く軽んじているということだと思います。
当然の自分のお金のように予備費を使って、大きなお金を使って、それが我々にも、国会議員にも、そして、もちろん国民にもわからないという状況は、誠に遺憾だと思っております。
■質疑
○相次ぐ在沖縄米軍関係者の性暴力事件について
【NHK】
連日ニュースにもなっているが、沖縄のアメリカ軍の(兵士による)連続で(の)女性への暴行などが明らかになった事案で伺いたい。まず、この事案自体への受け止めと、政府の対応、連絡がどういうあり方であったのかという対応もメディアで指摘されているが、その辺についての受け止めもあわせて伺いたい。
【幹事長】
事件そのものが極めて遺憾であります。いつまでこんなことが続くのかと。沖縄の方々はもちろんですが、我々もこういった米軍のやっている不始末に対して心から怒りを表明したいと思います。
問題は、それが県に伝わっていなかったということです。沖縄協議会もやりましたが、外務省で止まっている。外務省はこういう事案の性格からいってプライバシー保護が必要だというような説明をしているようですが、外務省にプライバシー保護という判断をする権限ってあるのかと。私は全くないと思うのですね。それを判断するのは結局県なのだと思うのです。その県に伝わっていない。
根拠もなく止めてしまっているということは極めて遺憾で、外務省の誰が判断して止めたのか、それは外務省に明確にしてもらいたいと思います。事案の性格上、大臣まで決裁が上がっていた可能性が私は高いと思いますが、そうであれば上川外務大臣にもきちんと説明してもらいたいし、上がらないまま事務方だけで判断して止めていたとすれば、それはそれで大きな問題だと思っております。
繰り返しますが、外務省にプライバシーの観点から止めるという判断は、それはおそらく根拠はないというふうに言わざるを得ないと思います。
【NHK】
再発防止も必要かと思うが、党としてどのようなことを政府に求めるとか、現状でお考えはあるか。
【幹事長】
再発防止って、事件の再発防止の話と、それから、今回の途中で(連絡が)止まってしまったということについての再発防止と、両方あると思いますが、後者の件についてもしご質問だとすれば、誰がどういう理由で判断するかということが政府の中の手続として明確になっていないとおかしいと思います。外務省、防衛省、沖縄(防衛)局、そして県という流れがあるとして、それぞれのところで、どういう理由で。
外務省が判断するとしたら外交上の理由なのです。プライバシーの保護という理由で外務省が止めるというのは権限外のことをやっているわけですから。あるいは、外から力が加わったのかもしれませんね。折しも県議選などもあったわけです。そういうことを考えると、やはりそれぞれのところで何を根拠に判断するかということを明確にして、そして、事後的にその判断が正しかったかどうかということが検証できるような仕組みをつくらないと、恣意的に、しかも、その外務省の中で誰が判断したかわからないような、そういうことは許されないと思います。
○政治改革(1) 旧文通費について
【北海道新聞】
話題全く変わってしまって恐縮だが、旧文通費の改革について伺いたい。5月末に岸田文雄自民党総裁と馬場伸幸日本維新の会代表の間で一部党首間の合意があったものの、23日に閉会した国会では旧文通費の改革がなかなか成果が出なかった形かと理解しているが、まず、御党としての旧文通費改革についての必要性の考え方と、それから、改めて自民党側の消極的な姿勢についての御党の見解をいただきたい。
【幹事長】
我が党の考え方はもう既に明らかにしているとおり、法案も出しているわけです。
今回仕組みができたので、早くそれを動かすことが大事です。動かなければ進まないわけですね。
議論すべきは、一つは、その(旧)文通費で何を見るのかという、そこが必ずしも明確ではありません。そこを確定する必要がありますね。
その上で、その文通費を明らかにする。領収書を添付するとか、そのやり方の問題。
最後に、越年は認めないということですので、ここは法律が要るかもしれません。
そういう点について、とにかく早く議論を始めないと話が始まらないと思います。次の国会までにしっかりと結論を出して、もし法律が必要ならば次の国会で処理するという思いは、私たちは非常に強く持っています。
○東京都知事選について(1)
【朝日新聞・大久保記者】
都知事選の関係で伺いたい。報道各社の調査で蓮舫候補の苦戦が伝えられている。幹事長が実際に街頭に立ってみての感触も含めて、現状どういう情勢と受け止めていらっしゃるかお願いしたい。
【幹事長】
苦戦という表現が適切か、私は苦戦と書いたメディアはあまりないのではないかと思いますので、そういう表現を私は使いません。
ただ、追いかけている状態であることは間違いないということだと思います。残されたこの5日間でキャッチアップして、そして、最終的には勝つ、勝ち切るということが大事だと思います。
多くの方に(街頭演説へ)集まっていただいています。関心は持っていただいていると思います。それが更にどうやって波及するのか、総力を挙げて党としても後押しをしていきたいと考えています。
【朝日新聞】
現状として追いかけている状態というところで、現状、蓮舫さんの陣営にとって何が課題というか、何が今足りない状況だとお考えか。
【幹事長】
元々追いかけている状態なのです。これは現職の壁は厚いわけですから。そこを追いかけて、差を詰めていって、最終的には勝つという、そういう絵を我々は描いているわけです。
とにかく(支持を)広げること。それから、我が党の支持層も100%が固まっているわけではないのですが、こういう選挙は、補選もそうだったのですが、最終的には立憲民主党の支持者の方は蓮舫さんに投票する方がほとんどだと思います。ですから、無党派層をいかにして、まだここでも小池さんのほうが強いという調査結果も幾つか示されていますが、ここでどうやって勝ち切るかということが大事だと思います。
あとは、蓮舫さんが、この前の新宿での若い人たちとの集会を見ていて、蓮舫さんは全体元気な演説をされているのですが、あの新宿での演説はすごく生き生きとして彼女らしさが前面に出ていたなと思います。そういう彼女のよさ、強さが出るような、そういう演説会を工夫していかなければいけないと思います。
【朝日新聞】
その勝ち切るところが大事というところで、都知事選はあくまでも地方選挙ではあるが、かなりインパクトの大きい選挙で、衆院選も近い可能性もある中で国政に与える影響もあると思うが、幹事長としては、この都知事選が今後の衆院選を含めた国政に与える影響についてはどう考えていらっしゃるか。
【幹事長】
自民党は前面に出てこずに、隠れ自民党なのですね。そして、(蓮舫候補は)現職である小池知事と戦っていると。これで勝つということになれば非常に大きいと思います。我々は勝つことしか考えておりません。
【共同通信】
都知事選に関連して伺いたい。各社同じような傾向ではあるが、3番手につけているとされている前安芸高田市長の石丸伸二さんだが、かなり当初の予想よりも追い上げているところがあると見られるが、この追い上げの要因というのはどういったところに幹事長お感じになっているか。
【幹事長】
私は評論家ではありませんので、ここで他の候補のことをいろいろと言うのはいかがかと思います。ただ、お話しになっている中身は具体性に乏しいし、実際に都知事として何をやるかということが明確になっているとは私には思えないのですね。
【産経新聞】
都知事選に関連して伺いたい。現在、都知事選に関しては、立憲民主党が蓮舫さんを、国民民主党が小池さんを支援・支持しているという状況になっているが、本日の記者会見で国民民主党の玉木代表が、共産党と立憲民主党が組むことについての懸念をずっと表明してきた、そのやり方についてどうなのかということの結果が出るので国政に影響が何らかの形が出てくると、この都知事選の結果が野党間の連携のあり方に影響を与えるのではないかという考えを示した。この発言に対する受け止めと、今後の国民民主党との連携に対してどういった影響を与えるか、お考えを伺いたい。
【幹事長】
今まさしく都知事選を真剣に戦っている最中です。玉木さんが何を言われたのかわかりませんが、コメントするに値しないと思います。
○政治改革(2) 政策活動費について
【毎日新聞】
政治資金規正法に関連しての質問だが、通常国会で成立した改正政治資金規正法に盛り込まれた検討事項の中に、第三者機関について盛り込まれていたと思う。公明党は先月PTを開き、あさってもやるとのことだが、立憲民主党はそもそも政活費に対しては全面公開・廃止というお立場だったと思うが、この検討事項について、どのように党内で協議して、どういう働きかけをなさるのか、お願いしたい。
【幹事長】
私たちは政策活動費は必要がないと考えています。そのスタンスは変わりません。
【毎日新聞】
それでは、党内で何かしら扱いについて協議するとか、そういったことは今のところ検討はされていないか。
【幹事長】
現時点ではそういうことは考えておりません。
○東京都知事選について(2)
【フリーランス】
都知事選について伺いたい。当初、小池知事、蓮舫さん、その後に石丸さんという順番だったが、日曜日くらいから石丸さんのほうが蓮舫さんよりもリードしているのではないかというような調査もちらほら出てきた。当初よりも蓮舫さんがおそらくちょっと数字が落ちたのかなということで、3位との差が縮まっている傾向が先週はあったが、見ていると、石丸さんはすごく露出が高く、1日に8回から10回、きょうなんかはたぶん10回以上演説されているが、蓮舫さんはちょっと少ないような感じがする。確かに小池さんは本当に少なくて、週末だけで、きのうは渋谷の辺りを何か金魚鉢(ガラス張りの選挙カー)で回られたという話で、きょうもまたされるということでラストスパートをかけていると思うが、追いかける側として知事の露出度の少ないところと同じように並べるのはちょっと疑問に思う。しかも、3位がものすごい露出度をかけて、ネット戦略もかなりいろいろなところで、ユーチューブで配信していて、もうユーチューブを見たら、見たくもないのにどんどん出てくるような状況だ。そういう意味では目に入るのが極めて少ないというのが数字の低下というか相対的な落ち込みになっているような感じがするが、その辺りはいかがか。
【幹事長】
大体、今は1日に、特に休みのときは2回やっていますよね。それから、毎日夕方1回はやっています。そこに多くの方が詰めかけていただいています。それ以外に商店街を歩いたりとか、いろいろなこともやっておりますので、露出が少ないとは思っておりません。
もし露出が少ないと言われるのであれば、やはり討論会ができていないということだと思います。最初にちょこちょこっと、JCとか、あるいはメディアで一回やった切りではないかと思うのですね。小池さんは時間がないと言いますが、15区には毎日のように出てこられたわけで、そんなことは全く通用しないし、しっかり有権者の皆さんに理解していただくために、逃げ隠れせずに出てきて、小池・蓮舫でがっちり議論するということが必要だと思います。それに出てこないというのは、選挙戦術としてはありかもしれませんが、有権者に対しては極めて誠実ではない、そういう態度だと思っています。
【フリーランス】
今回の都知事選の立候補(者数)の多さと、その質と、そういうところから岡田幹事長はどんなことを読み取っているかお聞きしたい。
【幹事長】
それぞれ候補の方はいろいろな思いを持って手を挙げておられるわけで、それをばっさりと切って捨てるようなことはすべきではないと思います。
ただ、今回、その50人を超えたと言いますが、そのうち、ある団体の関係者が半分を占めているわけですね。それを除けば前回とそう変わらないわけです。そういう意味で、きょうも新聞などに広告を打っておられましたが、結局は、その掲示板の権利を売ったりとか、本来知事として立候補しているとはとても思えないような、そういう感じがしないわけでもありません。選挙というものを一体どう考えているのかと。国会にも議席を持っている団体ですから、こういう行動を続けて、税金の無駄遣いにつながっているということについて、私はとても看過できない。そういうことではないかと思っています。
【フリーランス】
ワクチンに関することとか農業に関することとか、これを蓮舫さんが引き上げてやっていかれるというような、その立憲民主党の心意気というのはあるのかなと、そこら辺が気になるが、いかがか。
【幹事長】
短期決戦ですので、蓮舫候補は自らの思いをしっかり述べるということが大事だと思います。相手は小池都知事、小池候補ということです。
○党代表選挙について
【朝日新聞】
代表選の日程について伺いたい。立憲の党内からも、自民党総裁選を意識して、同日とか同じ時期に立憲の代表選を実施したほうがいいのではないかという意見も出ている。最終的には代表選管が決めることだと思うが、幹事長としてのお考えがあればお願いしたい。
【幹事長】
日程は常任幹事会決定事項です。どうするかということは常任幹事会で決めますので、幹事長である私があまり言わないほうがいいと思います。
自民党の日程も全くわからない状況ですので、知事選が終われば自民党の考え方も伝わってくると思います。そういうものを踏まえて、我が党としてどういうタイミングにするかということは決めていきたいと思います。
※代表選挙日程は、代表選挙規則第5条に基づき、「常任幹事会で決定し、両院議員総会の承認を得る。」としておりますので、その旨補足します。
(以上)