ジャーナリストとして、日本の食料自給率の低さに警鐘を鳴らし続けてきた青沼陽一郎(あおぬま・よういちろう)三重4区総支部長に、なぜ政治活動をすることにしたのか話を聞きました。
■問題を情報発信する側から解決する側へ
これまでにさまざまな現場を取材して情報発信をしてきました。ところが、それによって何かが変わっていくことを実感できませんでした。日本の食料自給率にしてもそうです。であれば、問題解決のためには、ただ情報を発信するだけでなく、解決のための意思決定ができる立場に身を置かなければならないと考え、政治の世界へ飛び込みました。
■国土、食の安全保障、そして平和を考える
ウクライナのチョルノービリ(チェルノブイリ)原発へ取材で行ったこともあります。私を乗せて車を運転してくれたり、通訳をしてくれたり、一緒にご飯も食べた人たちは、いま徴兵で戦争に行っています。音信不通なので生きているかどうかも分かりません。そうした経験から、戦争がいかに身近にあるのかを身に染みて実感しています。国土の安全保障、食の安全保障に力を入れていきますが、何より平和を考えていきたいです。
■笑顔で積極的に人と触れ合う
普段の活動では人と接する時の笑顔を意識しています。朝の駅前での活動時、笑顔で手を振ったり、あいさつをしたりすると、通る人が笑顔を返してくれる。そうすることで人との触れ合いがより深くなることを感じます。ある朝、私のポスターを見て笑っている中学生がいたので、「なんで笑っているの」と声をかけたら「ムロツヨシさんに似ているから」と言われました。子どもには覚えてもらえる得な一面があります。
■QOLが原点
人口戦略会議が出した2050年までに消滅する可能性がある自治体「消滅可能性自治体」が、三重県に12市町あります。私が活動する三重4区は5市・10町からできていますが、このうちの11市町が消滅可能性自治体でした。少子高齢化、若者流出は深刻な問題です。高齢者は、医療、交通手段等、地域ごとにさまざまな課題があるので「これをやれば全てがうまくいく」というものはありません。そこで私が考えているのは「QOL」=「クオリティ・オブ・ライフ」です。生活の質と訳されますが、経済的に安定しているか、精神的な安らぎを感じられているか等、QOLを原点に考えるといろいろな問題も解決していくのではないかと思っています。年を取って生活の質が落ちていくのはおかしいと思いますし、時代は変化しているのにQOLが落ちていくことはあってはならないですから、そこを原点に考えていきます。
■ポスターで選択肢を示す
ポスター貼りをしているなかで、自民党の現職のポスターが貼ってある場所がありますが、意図的にその隣に私のポスターを貼らせてもらえるように心がけています。要は、「選択肢がありますよ」ということを示したいからです。
街宣車を走らせ、朝、駅前でビラを配り、自動車の交通量の多いところで手を振る、小学生や中学生には「いってらっしゃい」のあいさつをする、そういう日々の活動の中でコミュニケーションを取り、多くの声を聴かせていただき政策に反映させたいです。