【談話】旧優生保護法に基づく強制不妊手術に関する最高裁判決について
立憲民主党
政務調査会長 長妻 昭
子ども・子育て担当NC大臣 菊田真紀子
障がい・難病PT座長 横沢 高徳
本日、旧優生保護法の下で障がいや特定の疾患がある人たちが不妊手術等を強いられ、国に賠償を求めた裁判で、最高裁判所大法廷は、旧優生保護法は憲法違反だとする初めての判断を示し、国に賠償を命じる判決を言い渡しました。
旧優生保護法の下で、重大な人権侵害である不妊手術等が強制され、身体的、精神的に耐えがたい苦痛を経験された方々に対して、立法府に身を置く一員として心から深くお詫びします。
訴訟は、不法行為から20年が過ぎると賠償請求権が消える「除斥期間」の適用についても焦点となっていましたが、最高裁判所は「除斥期間」を適用せず、「除斥期間」を適用した仙台高裁の判決については審理をやり直すように命じました。被害に遭われた方々が、社会的差別や偏見がある中で、旧優生保護法に基づいて行われた手術の違法性を認識し、訴訟を提起して被害回復を図ることは困難であったと考えられます。「除斥期間」を適用しなかった本判決を評価します。
被害に遭われた方々が高齢化していることもあり、立憲民主党はこれまで政府に対して上告を断念するよう強く求めてきました。私たちの要求に応えず上告したことにより、いたずらに時間が費やされたことを政府は猛省すべきです。その上で、本判決を重く受け止めて速やかに判決に沿った対応をするとともに、総理大臣は被害を受けた方々に直接謝罪するべきです。
今年の通常国会において、立憲民主党を含め超党派で「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」を改正し、一時金の請求期間を5年延長しました。政府は、一人でも多くの方に一時金が支給されるよう、対象者への効果的な広報を早急に行うとともに、一時金の水準等を含む今後の対応について、不断の検討及び見直しを行うべきです。
立憲民主党は、あらゆる差別に対し、断固として闘います。障がいの有無などによって差別されない社会の構築、一人ひとりが個人として尊重され、多様な価値観や生き方を認め、すべての人に居場所と出番のある共生社会の構築に全力を挙げて取り組んで参ります。
以上