岡田克也幹事長は7月9日、定例の記者会見を国会内で開き、(1)東京都知事選挙(2)川崎重工裏金問題――の2点について発言がありました。

■東京都知事選挙

 7月7日の東京都知事選挙の結果を受けて、岡田幹事長は「大変残念な結果」だと述べました。

 今回の都知事選挙を振り返り、小池都知事が「公務優先」を理由に討論会を避けたことについて、現職の候補者にとって「あるまじきこと」だと批判しました。そして、討論会が行えなかったことで有権者に「争点がはっきりしない」と写ってしまったことが、大きな問題の1つだと述べました。また、選挙期間中に小池都知事が公務を行う映像がメディアで報道されたことについて、「公費を使って選挙運動を展開していたと言われても仕方がない状況だ。それがまかり通っている」と公職選挙法違反の疑いを指摘しました。

 また、今回の選挙戦では「立憲民主党と共産党の支持者を固めるとともに、無党派層の支持を固める戦略のはずが、必ずしもそれに沿わない形になった」とし、「よく分析をして次期総選挙につなげていきたい」と述べました。

■川崎重工裏金問題

 海上自衛隊の潜水艦修理契約に絡み、川崎重工業が捻出した裏金を使い、乗員に金品などを提供していたとされる問題について、岡田幹事長は「収賄罪・贈賄罪にもなりかねない問題で極めて深刻」だと批判ました。増税など防衛予算も増えている中で、「本来の目的に沿った使い方がされていないとなれば、内閣そのものが問われる問題」だと指摘し、徹底的な事実解明が必要だと述べました。また、海上自衛隊では、潜水手当の不正受給やハラスメント問題なども報道されており、これらについても事実関係を明らかにするよう政府に求めました。


岡田克也幹事長記者会見

2024年7月9日(火)15時00分~15時39分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/PXQEi0tRePY


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○東京都知事選の結果について

【幹事長】
 きょうは常幹はありませんでしたので、早速中身に入りたいと思います。
 一つは、都知事選挙ですね。大変残念な結果になりました。
 きょうの執行役員会でもさまざま意見が出ました。何か集約するとか、そういうところに至っておりませんので、具体的に申し上げる段階にはないと思いますが、しっかり総括をして、その上で、次回の総選挙などにそれを生かしていきたいと考えております。
 ただ、私、個人的に見ていて思うのは、二つあるのですが、一つは、小池都知事との間に、相撲を、土俵に上がって相撲を取ることにならなかったということが一つ大きな問題だったなと思います。つまり、それは争点がはっきりしなかったというふうに有権者の皆さんから映ってしまったのではないかと。
 もちろん、そういった争点がかみ合わないようにする小池さんの巧みなやり方。討論会をやらないとかですね。それは本来、現職の候補者にあるまじきことだと思いますが、それをやらない。
 あるいは、前半戦は公務と称していろいろな活動をして、それがそのまま映像に流れる。私は厳密に言えばこれは公選法違反の疑いもあるのではないかと思いますが、メディアの皆さんもそういった絵を流されました。公務だと言う以上は、都庁の公務員も使って、そして、公用車なども使ってやられたのかなと、そうでないと辻褄が合いませんから思いますが、事実上そういう公費を使って選挙運動を展開していたと言われても仕方がない状況。ただ、それがそのまままかり通ってしまったということもあります。
 いずれにしても、がっちりかみ合って争点が明確になって議論するというところまで行かなかったということが敗因の一つではないかと思っております。
 もう一つは、やはり我々、戦略的には真ん中を取りに行くと。我々を支持していただいている、共産党、それから立憲民主党の支持者を固めることは当然ですが、それはそれで今までの経験からいっても最終的にはある程度は固まっていくわけで、やはり活動の中心は、無党派層、真ん中を取りに行くということだったはずで、基本的にはそういう戦略を持ってやったはずですが、必ずしもそれに沿わない形になってしまった部分があるのかなと。
 取りに行くその力が足らなかった、弱かったといえばそのとおりですが、そういったことについて、よく分析をして、ネットの利用などもそのうちの一つなのですが、次の総選挙につなげていきたいと考えております。
 いずれにしても、最初に申し上げましたように、具体的な問題の整理はこれからで、少し役員間でも議論をしながらまとめていきたいと考えております。それをどこまで公の場で、こういう記者会見で言うかというのは、これはまた別の議論ですが、しっかりとした議論が必要だなと思っております。

○相次ぐ海上自衛隊の不祥事について

【幹事長】
 もう一つは、自衛隊の問題で、いろいろな案件が急に出てきております。
 その中で最初に出てきたのが、潜水艦(乗組員)の川崎重工との関係ということで、これは収賄・贈賄にもなりかねない問題で、極めて深刻だと考えております。したがって、徹底的な事実解明が必要と。防衛省でも特別防衛監察を行うということでありますが、そういった政府の中での監察にとどまらず、もし伝えられていることが事実だとすれば、刑事、刑法に触れるような話にもなり得るわけですから、徹底的な事実解明が必要だと思います。
 防衛予算も随分増えている中で、こういうことが、しかも、この件だけなのか。この潜水艦だけなのか、ほかではないのかということも含めてしっかり検証していかないと、増税までして防衛費を増やすと岸田政権は言っていますが、それが結局本来の目的に沿った使い方がされていないということになれば、これは非常に大きな問題だと思います。内閣そのものが問われるような、そういう問題ではないかと思います。
 そのほかにも、潜水手当の不正受給でありますとか、ハラスメントの問題ですとか、出てきております。これらもしっかり事実関係を明らかにしなければいけない。単に海自のトップが辞めれば済むという話ではないと思っております。


■質疑

○東京都知事選の結果について(1)

【産経新聞】
 冒頭発言の中にあった都知事選について伺いたい。冒頭のご発言の中で、戦略的には無党派層を取りに行くべきだったが、そこが必ずしもそれに沿わない結果になったというご発言があった。今回、立憲民主党と、共産党からも支援を受け、その共産党が前面に出たことによって無党派層に支持が広がらなかったのではないかというような見方もあるが、その点については、今回の構図が与えた影響についてはどのようにお考えか。

【幹事長】
 私の考え方は、そういう考え方ではありません。共産党がしっかりやってもらって、共産党の支持者を固めていただいたということは、非常にありがたかったと思います。
 既成の政党、共産党・立憲民主党がまず自分のところを固めるというのは大前提なので、相手は自民党、都民ファースト、それから公明党、場合によっては国民民主党もありますから、それぞれの党がしっかり固まるということが大前提ですが、ある意味ではそれはそれぞれの党にお任せしておけばいいので、やはりそれだけではなく真ん中をターゲットにして候補者はしっかりそこを取りに行く、我々もバックアップするものとしてそこを狙うということだと思います。そこが十分ではなかったということです。

【産経新聞】
 関連で、共産党との共闘に関して、本日の国民民主党の玉木代表の会見の中で、立憲民主党は共産党との共闘は見直すべきだと、近いうちに泉代表とも会って話したいという考えを述べられ、立憲民主党と共産党の関係の見直しを求められた。今後、衆院選や参院選が控えている中で、共産党及び国民民主党との連携についてはどのようにお考えか。

【幹事長】
 玉木さんが何を言おうとそれは自由ですが、これは立憲民主党が考える話で、他党が何か言う話ではないと思っています。それ以上コメントするつもりはありません。

【NHK】
 都知事選の、冒頭のことで、ちょっと細かいことから確認させていただきたい。総括をされると冒頭おっしゃったが、それは党本部として総括をされるという理解でよろしいか。

【幹事長】
 党本部として、いろいろな議論をして、今後に役立てていきたいと思います。

【NHK】
 その中身を何か総括文みたいので公表するとか、そこまでは考えていないか。

【幹事長】
 そういうことは、今、考えておりません。中でしっかり議論したいと思っています。

【NHK】
 具体的にはなかなか難しいのかもしれないが、きょうの役員会で、都知事選について、差し支えない範囲でどんなご意見があったか。

【幹事長】
 それぞれがご持論ありますので、意見は言われていました。

○次期衆院総選挙に向けて(1)

【NHK】
 都知事選に関連して、引き続いてだが、共産党も含めて、ほかの野党との連携について、今後の衆議院選挙に向けてどのようなお考えを改めてお持ちなのか伺いたい。

【幹事長】
 本来であれば国民民主党とは、考え方はほとんど変わらないし、玉木さんは全然違うと言われるのだけれども、連合から支援をもらっている両党ですから、本来はもっとしっかり協力できればいいなと思います。いろいろと外に向かってご意見を言われる幹部がいらっしゃいますので、それに対して我々は懐深く対応していかなければいけないなと肝に銘じているところです。
 それから、維新も共産もそうなのですが、私が常日頃から言っているのは、やはり候補者の一本化って大事だということです。ただし、全てを一本化するということを申し上げているのではなく、野党のどこかの党が自民党と、あるいは公明党でもいいのですが、与党と競い合っていて、一本化することで勝てる可能性のある、そういう選挙区については一本化の努力をすべきだし、今はそういったことを否定しておられる党もありますが、私は最後の最後まで懐深く、その可能性を追求していきたいと思います。自民党を、あるいは与党を過半数割れに追い込むということであれば、論理必然的にそういう話になるのだろうと思います。
 全部きれいに一本化するというのはすごく労力がかかりますし、各党も比例票もありますから、そう簡単ではないのです。わかりやすく言うと、一本化しても勝てない選挙区、そのためにたくさんの労力を払って一本化するということではなく、やはり一本化することで勝てる可能性がかなりある選挙区、それに絞ってしっかり努力していきたいと考えています。

○東京都知事選の結果について(2)

【NHK】
 最後になるが、立憲民主党に所属していた蓮舫さんが、1位でもなく3位になったことについての受け止めと、表裏になるのかもしれないが、石丸氏の躍進について、どのようにご覧になっているか。

【幹事長】
 蓮舫さんは、結果は3位でしたが、本人としては本当に頑張ってくれたと思います。彼女の演説は、聞いていただいた方はわかると思いますが、本当に心を打つものがあったし、力強かったし、私もずっと蓮舫さんを見ていますが、最高の蓮舫さんだったと思います。
 それににもかかわらず及ばなかったのは、いろいろな戦略面での間違いというか失敗があったということかなと思っております。あるいは、戦略はよかった、真ん中を取りに行くという戦略はよかったのだけれども、具体的戦術のレベルで徹底していないところとか間違ったところとかがあったのではないかと思います。
 ただ、蓮舫さんは最高だったと思っています。
 石丸さんについては、私は何かコメントする立場ではないと思いますが、何もないところからあれだけの得票をされたことは、これはすごいというふうに思います。ただ、私も注意深く街頭演説の発言などを聞いておりましたが、大体同じようなパターンで、そして、具体的政策がなく、雰囲気で盛り上げておられたと思います。
 (東京)15区の補選のときも、ここでもちょっと申し上げたのですが、あのときも、我が党、酒井さんが勝ちましたが、2番手は無所属、4番手は日本保守党ですか、既成政党ではない、新しい政党だったのですね。都民の間に、この政治改革の問題を通じて、自民党はもちろん駄目だけれども、既成政党全体に対する忌避感みたいなものがあって、その受け皿に石丸さんがなったのかなと思います。
 しかし、これは我が党だけと言うつもりはありませんが、既存の政党の多くの議員は相当真面目に政治家として一生懸命働いておりますので、そういうことが国民・有権者の皆さんに伝わっていないとすれば、それは残念だし、もっと伝える努力もしなければいけないと思います。ヨーロッパの政治を見ていましても、既成政党が駄目だということで極端に振れてしまう、その結果というのはろくなことはありませんので、そこはよく見ていただきたいなと思っています。

【毎日新聞】
 都知事選について伺いたい。真ん中を取りに行くということに沿わない形になってしまったと、取りに行く力が弱かったとか戦術にもちょっと足らない部分があったというご認識をお話しになったが、これからの総選挙に向けて、例えばメディアのネットの話などもご紹介されたが、岡田幹事長ご自身として、新しい取組とか、具体的に何が足りなかったという点がもしあればお願いしたい。

【幹事長】
 それをこれからしっかり分析したいと思います。

【毎日新聞】
 2位の、次点だった石丸さんについてだが、ティックトックとかショート動画などで好評を博したという見方もあるが、何か今後の立憲の手法として取り入れたいところはあるか。

【幹事長】
 それもよく石丸候補の陣営がやられたことを分析した上で考えていきたいと思います。
 ただ、この前のつばさのときもそうなのですが、再生回数を増やすことで個人的にも増やした人が利益が得られるという今の仕組みがある中で、今回石丸さんの映像がどんどん拡散していった。もちろん、そういう意図だけで拡散させた人ばかりではないと思います。石丸さんを応援したいと思って拡散させた人もいるし、だけど、拡散すればそれなりに収入になるということで拡散された方もいる。あるいは、その両方の方もいらっしゃるかもしれません。そういうことはちょっと私も考え及ばなかったことで、そういう仕組みが今あるんだということを頭の中に置きながら、我が党としてどう取り組むべきかという戦術は考えていきたいと思います。

【毎日新聞】
 最後に、今回、知事選をめぐっては、新しい選挙の戦い方というか、あるいはポスターなどの問題点もいろいろ噴出したかと思うが、公選法の改正についても議論が上がっているところだ。公選法を改正する必要があるかどうかなど、岡田幹事長のお考えがあればお願いしたい。

【幹事長】
 それは中身次第ですね。
 ですから、あの東京15区でつばさの党がやったようなことは、3人が立件されている中で、同じようなことは繰り返されない、繰り返されることはないというふうに期待したいと思います。選挙の最中はともかく、終われば、違法なことをすればそれは立件されるんだということは教訓として残ったと思うのですね。
 今回の、掲示板を商売の道具にするとか、そういうことは、これは表現の自由とは何の関係もないし、政治的自由とも関係のない、単に商売の話なので、そういうことについてはしっかりと法的に対応する必要があるのではないかと思います。
 基本的には我が党の中で検討するとともに、超党派でもしっかり議論していきたいと思っています。

【日本経済新聞】
 今のお答えに関連して伺いたい。党内での議論は、具体的にどの会議体で、いつ頃までをめどにやっていきたいなど、そういうお考えがあれば教えていただきたい。

【幹事長】
 それぞれ組織がありますが、基本的に集約するのは執行役員会ですね。

【日本経済新聞】
 少し言及もあったが、党内での議論で論点にすべきだと幹事長がお考えになっていることを改めて伺いたい。

【幹事長】
 論点。それも含めて、これから議論です。
 中心になるのは、やはり都連、選対、広報、そういった組織でそれぞれ議論してもらって、それを踏まえて執行役員会で議論したいと。そういう形になるだろうと思います。

【日本経済新聞】
 大変失礼しました。今、公選法改正の、ポスターについての議論の関連で伺った。

【幹事長】
 その話は、これは政治改革本部、党内に政治改革本部は二つあるのですね。私が本部長をやっているほう(政治改革実行本部)ではなく、元々ある、渡辺周さんが本部長をやっておられる(政治改革推進本部)、そこで議論していくことになると思います。私のほうは政治と金の問題を中心に議論する場として急遽つくったものですから、本来議論する場である渡辺さんのところで議論していただくということになると思います。

【日本経済新聞】
 その上で、論点は渡辺先生のほうで中心に考えられるのか。それとも、幹事長のほうでもこれを議論すべきだという論点がもしあれば伺いたい。

【幹事長】
 本部があるわけですから、そこを中心に議論していただくと。もちろん私の下での本部ですので、よく渡辺さんとはコミュニケーションを取りながら進めていきたいと思っています。

○東京都議補選の結果について

【日本経済新聞】
 別件で、都議補選について伺いたい。立憲民主党は候補者としては1勝2敗で、自民党は2勝6敗だった。まず、立憲民主党としては共産党や共産党系の候補者とすみ分けた部分もあったと思うが、そこについてはどういうような効果が出たと分析されているか。

【幹事長】
 自民党は2勝と言いますが、減らしているのですね、既存の議席を。我々は既存の議席はない、そこからプラス1ということです。
 残る二つも残念でしたが、ここも含めて自民党の二つ以外は、我々が一つ、あとは無所属系ということですから。無所属系だって、それは八王子だって我々が応援した一つですので、公認はしていませんが、そういう意味では私たちも応援した人が自民党を倒して通ったということだと思います。
 結果は、まずまずだったなと思っています。

【日本経済新聞】
 共産党系とのすみ分けというのは、効果は一定あったというふうに。

【幹事長】
 明確にすみ分けをしたかどうかは別にして、候補者がバッティングしないようにはしたと、結果的にはなっているわけです。その結果として、例えば立憲民主党を応援している人たちが立憲の候補者がいないのでどこに入れたかというのは我々はコントロールできませんので、なかなか評価することは難しいと思います。

○東京都知事選の結果について(3)

【朝日新聞】
 都知事選の総括で伺いたい。都知事選は地方選挙だが、これまで地方選挙の総括を党本部でやったケースというのはそんなに多くないように思う。都連ではなく党本部で総括する意味や理由、意義をお願いしたい。

【幹事長】
 総括ということの意味なのですが、きょうも執行役員会でだいぶ議論はいたしました。それはやはり党としても、無所属の蓮舫さんですが、前立憲民主党の議員ということで懸命に応援したわけですし、なにせ首都ですから、人口の10分の1以上の方がいらっしゃるところなので、それを総括というか分析し検証すると。そういう意味での総括をしっかりしたいと。その結果を次の総選挙に生かすということです。
 それは都連だけ、この選挙は別に都連がやったわけではないので、具体的なことは都連でかなりやられましたが、その限りで任せ切っていたわけではなく、我々も、私も含めて適宜いろいろなことは指示しましたし、選対委員長も懸命にやっていた話ですので、都連だけでそれを検証するということにはならないと思います。

【朝日新聞】
 関連で伺いたい。先ほど来、共産党との関係についての質問が出ているが、党として総括なのか分析なのか、その議論の中で、共産党との関係がどうだったかというのも論点の一つにはなるのか。

【幹事長】
 これからの検証ですので、それが主な論点になるかどうかはちょっとわかりません。きょうはそういう話はほとんど出ていなかったと思います。
 私は、共産党がしっかりやっていただいたことは、それは本当にありがたいことだと思っております。
 ただ、蓮舫さんは無所属でしたから、それとまた総選挙は違うので、どういう形がいいのかということについては、それはそれとして考えていきたいと思っています。

【朝日新聞】
 今のお答えは、つまり、あまりこの論点はこの検証にはなじまないというようなお考えということか。

【幹事長】
 いや、議論することは構わないと思います。
 ただ、私は、それが何か足を引っ張ったとか、そういうふうには思っておりません。真ん中を取りに行く、無党派層を取りに行くというのは、これは我々がしなければいけない努力なので、それと共産党さんがしっかりとやっていただいたということは、これは全然関係のない話というふうに思っています。

【朝日新聞】
 関連で、別件で伺いたいが、幹事長も都知事選の選挙期間中、八王子を初め街頭演説に立たれたと思う。実際に立たれたときの感触というか、感じた温度感というのは、どういうふうに感じていたのか、改めてお願いしたい。

【幹事長】
 私は、街頭演説は知事選で立ったのは八王子だけです。あとは団体ビラを懸命に、地声で、応援していますということで配っておりました。それ以上のことは公選法上できないので、それをやっていたということです。
 選挙が始まる直前は、蓮舫さんのビラも、別に都知事選ということではなく一般的なビラを配ったということもありますが、やはり都知事選そのものに対する関心があまり高くないなというのが私の感触でしたね。最初からずっと。ビラの取り方は、選挙期間中は顔写真もないビラを配っているので余計になのだと思いますが、あまり取っていただけなかったなというふうには思います。
 そういう意味では、全体関心が低かったのか、あるいは蓮舫さんに対する関心が低かったのか、ちょっとそこはよくわかりませんが、もう少し熱を帯びた選挙に持っていけなかった。小池さんとの1対1の対決に持っていけなかった。そこは私たちの戦術的な不十分さがあったと思っています。相手もうまかったですけれどもね、最初に申し上げたように。

【朝日新聞】
 党内では、演説会とかの雰囲気がかなり熱気を帯びていて、かなりいい雰囲気だったが、なかなか数字に表れなかったという、そのギャップを指摘する方々もたくさんいらっしゃる。現場の熱気と、実際に最終的に出てきた数字の、ギャップを指摘する方々もたくさんいらっしゃるが、幹事長はこうしたギャップというのは感じられたか。

【幹事長】
 私は街頭に立ったのは八王子だけですが、あのときも大変な人出でしたし、最終日なんかも多かったですよね。それから、LGBTQ・若者の新宿駅での集会なども非常にいい雰囲気で行われていましたし、蓮舫さんの演説もすばらしかったと思います。
 ただ、そこで何千人という人がしっかり盛り上がっていることと全体にそれが広がるということは必ずしも一致しないんだなということを、私も今回改めて感じました。普通ならば、あれだけの人が出ればもっともっと勢いが出ていいはずですが、そうならなかったというところは、これも一つ検証しなければいけないということだと思います。

【北海道新聞】
 先ほど東京都知事選や東京15区補選のご回答の文脈の中で、既成政党への忌避感ということを幹事長おっしゃったかと思うが、こういった傾向というのは、現時点では主に都市部で顕著だとお考えなのか。あるいは、こうしたトレンドが全国のほかの地方にもあるとお考えなのか。現状のご認識を伺いたい。

【幹事長】
 私の認識は、やはり都市部ということではないかと。申し上げるのは、要するに三つの補選をやったのですね。やはり東京はちょっと異質だったのです。ほかは盛り上がっていました。でも、東京は、ビラを配っても、なかなか見向きもせずに通り過ぎられるという、そういう感覚がありました。選挙そのものに対して忌避しているみたいな、それが今回の石丸さんにつながっていったのかなと思います。

○政治改革 第三者機関に関する議論について

【東京新聞】
 話題が変わり、政治改革のことでお尋ねしたい。6月に成立した改正政治資金規正法の附則で、第三者機関の創設が盛り込まれたと思う。公明党などはそちらの議論を先行してスタートさせているようだが、御党として、この第三者機関に関する、まだほとんど何も決まっていない機関なので、議論はいつ頃どのように始める予定か。

【幹事長】
 ちょっともう一呼吸置きたいとは思っています。
 第三者機関というときに、二つあるのですね。
 一つは、政策活動費に関する第三者機関と。どういうふうに関与するかということですね。ただ、私たちは政策活動費そのものはなくすべきだという主張だし、維新も今やそうおっしゃっている中で、法律はできてしまったのですが、これをどうするのかと。もう一回、10年後公開とかそういうことについて、中身をしっかり詰めてやっていくのか。それとも、与野党一致して、やはり政活費はなくすということで、もう一回やり直しの議論をするのか。ここも決まっておりませんので、あまり慌ててやる必要はないのではないかと思っています。
 ただ、第三者機関については、私たちも提案していた話なのです。国民民主党と(有志の会と)一緒に衆議院で法案を出したときに、やはり当事者ではなく第三者がチェックできるような仕組み、これは政策活動費とは別の話です。収支報告書とか、そういったところも含めて、あるいは、いろいろな勧告をするとか、おかしな収支報告書を出しているところに勧告するとか、そういったことができる機関を国会の中に置くというのが私たちと国民民主党が一緒に出した考え方ですので、そういう観点でその第三者機関の具体像を議論することは意味があると思います。ここは場合によっては国民民主党と一緒に議論してもいいかなと思っております。
 この二つの問題があるので、ちょっとややこしいのですが、そんなに時間を置かず次の国会に向けて議論は始めなければいけないというふうには思っております。

【東京新聞】
 ということは、政策活動費そのものの廃止を掲げていらっしゃったので、それありきの第三者機関のあり方という議論はそんな性急にはしないが、政治資金のあり方をチェックする第三者機関の必要性またはどんな役割を持たせていくかという議論は積極的にされていきたいと。

【幹事長】
 我々は必要だということで法案を出しているわけです。最初に第三者機関を言ったのは我々と国民民主党が一緒に出した法案ですから、そこの部分の議論はどこかのタイミングでしっかり議論を始めたいと思っています。

○「東京都知事選の結果(4)」「次期衆院総選挙に向けて(2)」

【共同通信】
 都知事選のほうに話が戻るが、真ん中をターゲットにすべきだったのに取れなかったとか、戦略面での間違いや失敗、あるいは、戦略はあっても戦術が徹底していなかったと。

【幹事長】
 戦略は、真ん中を取りに行くというのが戦略です。それが徹底しなかった、あるいは戦術的に失敗したと、そういうことを申し上げているわけです。

【共同通信】
 そこの原因というのはどういうふうにお考えか。

【幹事長】
 そういう戦略が共有されていたはずですが、具体的な戦術になると、それが必ずしも徹底していなかった部分があるということとか、あるいは、例えばネット戦略なんかも含めて、どういう戦術が有効かというところについて我々が十分対応できなかったとか、そういったことが考えられると思います。

【共同通信】
 そうすると、準備期間が足りなかったとか、そういった話になってくるのか。原因を追求していくと。

【幹事長】
 準備期間というよりは、戦っていく中での問題だと思います。

【共同通信】
 最初のほうの質問にもあったが、共産党との関係とか、その辺もあると思うが、今後、衆院選に向けての戦略の練り直しというところも論点の一つになってくるかと思うが、その辺りはどういうふうにお考えか。

【幹事長】
 どういう戦略を言っていますか。

【共同通信】
 例えばだが、共産党との共闘を続けるのか、あるいは、国民の玉木代表がおっしゃるように共産党とはもう言ってみれば手を切るというか、その辺の戦略のお考えです。

【幹事長】
 私たちが言っているのは連携ですね。共闘という表現ではないということはもうご存じだと思います。
 どういう連携をするかということについても、もう既に具体的に申し上げています。そこを何か変えなければいけないというふうに、今、考えているわけではございません。

【共同通信】
 最後に一点だが、今回の都知事選の結果を受けて、立憲民主党としては推薦等は出さず、いわば自主支援という形だったと思うが、都連あるいは党本部などで一つ責任の所在がどこにあるかとか、そういった責任論に発展するかどうかという辺りはいかがお考えか。

【幹事長】
 私は、結果が出てから今日まで、そういう話は誰からも聞いたことがありません。

(以上)