長妻昭政務調査会長は8月1日、国会内で指定都市市長会から要請書「令和7年度 国の施策及び予算に関する提案」(添付参照)を受け取り、意見交換を行いました。

 20の指定都市を代表して、福田紀彦川崎市長、青木功雄川崎市議会議長が要請書を手交し、提案内容を説明しました。

 要請書は、地方交付税の必要額の確保や物価高への対応に要する財政措置等、財政・大都市制度及び個別行政分野についての10項目の提案からなっています。そのうち(1)多様な大都市制度の早期実現(2)子ども・子育て支援の充実(3)持続可能な学校体制づくり――の3点について特に重点的に要請を受けました。

 多様な大都市制度の早期実現については、「第30次地方制度調査会答申で、いわゆる『二重行政』の解消に向けて『特別市』を検討する意義が認められたものの、さまざまな課題について引き続き検討する必要があるとされたまま、その後10年以上経っても動きがない」として「国(総務省)に専門的な検討組織と指定都市との新たな研究会を設置するとともに、次期地方制度調査会で取り上げていただき、『特別市』の法制化に向けた議論を加速していただきたい」「住民が選択できるよう是非応援していただきたい」などと説明がありました。

 子ども・子育て支援の充実では、地方自治体に新たな財政的・人的負担が生じないよう、国が恒久財源を確保することや、 医療的ケア児や配慮を要する子どもの受入促進に係る財政措置の更なる拡充、子ども医療費やひとり親家庭医療費等について統一的な国の医療費助成制度の創設などについての必要性が提起されました。

 持続可能な学校体制づくりでは、教職員の働き方改革の推進、教師不足の解消のための教職調整額の見直しや管理職手当等の引上げ、新たな手当ての創出など、育児休業者の代替措置として正規教職員を充てた場合にも算定基礎定数に含め国庫負担金の対象とすることなどが訴えられました。

 要請を受けて、長妻政調会長は、「特別市」について、現行制度で何が住民にとってのより良い行政サービスを提供する際のネックになっているのか、市をなくし府に吸収する大阪都構想とどう違うのか、まちづくりについての県と指定都市の調整の状況はどうなっているのか等について尋ねました。福田市長は、二重行政の解消や県から指定都市への事務・権限の移譲が遅々として進んでいない状況に触れ、「個別項目の改革というより、政令指定都市制度自体が妥協の産物であり、一層制の地方制度に向けて、プラットフォーム自体の改革を行い、住民が選択できるように法制化をお願いしたい」と述べました。

 その後、医療的ケア児や特別支援学級の課題、川崎市で先進的に進めている地域包括ケアの状況等について、意見を交わしました。最後に長妻政調会長は、「しっかり政府に伝えていきたい」と強調しました。

20240801令和7年度国の施策及び予算に関する提案.pdf