福山哲郎参院議員は翌日被爆から79年を迎える広島で8月5日、市内で開催された討論会「核兵器廃絶にむけた日本の役割 核の非人道性を想起して」(主催:核兵器廃絶日本NGO連絡会)に党代表として参加しました。

 司会の川崎哲さんから今回の趣旨とテーマについて、国連のグテーレス事務総長が日本が議長を務めた今年3月の国連安保理会合で「今日、核戦争のリスクはこの数十年で最高レベルにある」と警告したことを受け、この危機感を共有しつつ、原爆投下79年目となる8月6日を前に、核兵器根絶に向け今日本がなすべきことについて議論したいと述べました。

 国連事務次長・軍縮担当上級代表の中満泉さんからは、核を巡る世界の現状について報告。悪化を続けていると認識を示した上で、「今の状況では無理なのではないかという諦めや皮肉に陥ることなく、今のような現状があるからこそ、なんとか軍縮、外交による安全保障を各国に努力して欲しい」と訴えていると述べました。

 核兵器をなくす日本キャンペーン事務局の浅野英男さんからは、2026年NPT再検討会議第2回準備委員会の報告がありました。

 これらの報告を受け福山議員は、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエル・ガザ戦争、北朝鮮とロシアの接近、中国の動きなど、世界情勢は様変わりし、核を巡る状況も悪化しているとの認識を示した上で、「状況の厳しさが増せば増すほど、相互不信がエスカレーションを招くことを避けるためにも、唯一の被爆国である日本が忍耐強く核兵器のない世界に向けて行動する責任がある」と訴えました。

 そしてNATO加盟国のドイツやノルウェー、アメリカと同盟国のオーストラリアもオブザーバー参加をしていることを挙げた上で、政府に対し核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を強く求めました。

 被爆者代表として出席した和田征子さんは、「核兵器に守られたことはない、守られようと思ったこともない」と強調。核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を改めて求めました。

 この討論会は、各党の代表者の他、国連事務次長・軍縮担当上級代表の中満泉さん、核兵器をなくす日本キャンペーン事務局の浅野英男さん、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)事務局次長の和田征子さんが参加。司会は連絡会共同代表・ICAN国際運営委員の川崎哲さんが務めました。

 これまでも同連絡会は国会議員との討論を重ねており、同連絡会のウェブサイト(https://nuclearabolitionjpn.com/)で確認できます。