衆院栃木1区板津ゆか総支部長は8月10日、宇都宮市内で女性キャラバンの一環でパネルディスカッションを開催、西村智奈美ジェンダー平等推進本部長と、ジェンダーやダイバーシティに関する取材を精力的に行っている浜田敬子さん(ジャーナリスト、元AERA編集長)とともに、「ジェンダー後進国から抜け出すために 地域から私たちができること」について語り合いました。

 冒頭、板津総支部長は、自身が海外で経験したこと、金融機関で勤めてきた中で政治家を志すに至ったことについて述べました。また栃木からジェンダー平等を進めていて行きたいと、今回集会を開く意義について語りました。

 浜田敬子さんは、ジェンダー平等に関する日本を取り巻く環境について「時代の流れが日本は非常遅い。結果として現在もジェンダー後進国となってしまっている。先進国の中で100位以下の国はなく、特に政治、経済が遅れてしまっている」と現状について説明しました。

 そして、ジェンダーギャップ指数1位のアイスランドについて、男女の賃金格差の是正や男性育児休業取得の義務化など、性別役割分業をなくす取り組みが徹底していること、結果として幸福度ランキング3位の社会を実現していることを紹介しました。

 さらに、ジェンダーを取りまく意識は黙っていても変わらないと述べた上で、「声を上げ、まずは現行の法律や制度を変えることで、社会の意識が変わっていくことに繋がる」と、女性のための強いルールづくりの必要性について語りました。

 西村ジェンダー平等推進本部長は、自身が所属する新潟県所属の女性国会議員は20年前から3人いることに触れ、「女性国会議員が当たり前に国政にいることで、有権者から見える景色、風景が変わっていく。誰もが声を上げていいんだと思えるようになっていく」と女性議員が増えることの利点について述べました。

 また、自身が厚労副大臣の頃、企業の男女間賃金格差や管理職における男女比率の見える化を、当時の小宮山洋子厚労大臣、藤田一枝厚労政務官とともに提案し、「働く『なでしこ』大作戦」として取りまとめたことを紹介。「それが今の『女性活躍推進法』につながったわけだが、政府与党には『女は家にいる方がいい』という議員がまだまだ多い。そこは岸田総理の背中を押したい」と述べました。

 さらに、政府与党が一向に進めようとしない選択的夫婦別姓制度について、「不都合が生じている人が多くいる中で、多様な選択ができる社会を築いていく必要がある。さらに日本の女性が活躍することで新たなイノベーションにつながっていく」と必要性について語りました。

 その後、板津総支部長、西村本部長、浜田さんとの3名でパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、(1)1985年施行された男女雇用機会均等法について(2)働き方とハラスメント(3)オリンピックなどで起きたSNS上での誹謗中傷――などについて意見交換が行われました。会には、福田昭夫栃木県連代表、小池篤史県連幹事長、佐藤孝明宇都宮市議も出席し、盛会のうち終了しました。