泉健太代表は8月30日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)台風10号(2)全国的な米不足(3)国会閉会中の理事懇談会(4)移住婚(5)教員の給与上乗せ(6)自民党総裁選――等について発言しました。

■台風10号

 泉代表は冒頭、台風10号に言及。「大きな雨量をもたらしている。気圧はだいぶ変わってきたとはいえ、まだまだ降り続いている雨による被害も考えられる」と述べ、党で既に設置している台風10号災害対策本部で、警戒、情報収集を行っていく考えを示しました。その上で、能登半島地震発災後に立憲民主党が法案を提出して求めた被災者生活再建支援金の300万円から600万円に引き上げる拡充についてふれ、自民党は法案審議に応じなかったが政府はエリアや対象を限定してだが拡充を実施したと説明。建築費・建材費・物価上昇という状況を見ても大規模被災の際には支援金の引き上げは妥当との考えを示すとともに、過去にも地震だけでなく水害にも充てるなかで額が足りないとの指摘があったことを述べ、「政府には引き続きその対応を求めていきたい」と語りました。

■全国的な米不足

 全国各地で米が品薄になっている状況について泉代表は、もともと品薄であったなか宮崎県で発生した地震を受けて南海トラフ地震想定震源域で大規模地震注意を呼びかけ、臨時情報が発表されたのを契機に、米や水を備蓄する世帯が急激に増え、店先から米がなくなるという事態に至ったと説明。こうした状況を前に泉代表は政府が検討会議を開く前から直接農林水産省に対して、「政府備蓄は100万トンあるわけだから、民間備蓄156万トンを適時・適切に放出すれば米不足は解消されると言ってきた」ことを明らかにしました。その後、政府は民間備蓄の活用と業界団体への在庫の放出要請に至ったことにふれました。また、米が手に入らないという子ども食堂などの声を受け、農水省に申し入れを行い、政府備蓄米の子ども食堂限定での無償拠出の申請時期がこれまで四半期ごとだったものを通年申請が可能となるよう改めてもらい、従来の第3四半期の申請は10月だったものを9月に前倒しすることも実現したと述べ、「こういったことをきめ細やかに引き続き対応していきたい」と表明。また政府に対しては「作況や供給の状況をより分かりやすく発信して国民を安心させてもらいたい」と注文をつけました。

■国会閉会中の理事懇談会

 エネルギー価格高騰対策に関して、「(国会は閉会中だが)9月上旬に予算の理事懇談会を求めている」として、国会で予備費の活用に関して予算審議を求めていることを明らかにしました。

■移住婚

 東京に居住している女性が結婚で地方に移住する場合、60万円を移住支援金として支給する政策を政府が発表していることを受け、「意味不明な政策を発表して、世の中から反発が上がっている」と指摘。「ばらまきで根本解決にはならない。人生を決める結婚が60万円で動くのか」と疑問視しました。女性が都市に流入する理由について、「地域における女性の生きづらさが根本にあり、変わっていない状況の中で(60万円の支援金によって)結婚が促進されるのか。そもそも結婚して地方に行こうと思っている人は(支援金に関わらず)地方に行くはずだ」として、「こういう発想が今の政府の中で出てくることがずれていると言わざるを得ない」と指摘しました。

■教員の給与上乗せ

 教員の月給の上乗せ分の上限が4%から13%に引き上げられると一部で報道されていることを受け、「われわれは定額働かせ放題の現状を変えるために給特法をなくすことを求めてきた」と述べ、状況を注視していく姿勢を示しました。また、「一部待遇が上がることはより良いことだが、決してお茶を濁すような対応では教員不足を解消するにはいたらない」とも指摘しました。

■自民党総裁選

 自民党総裁選について、「誰が出てこようとも、結局は自民党の中身のない政治改革案に賛成した人たちによる総裁選だ」と断じました。その上で「今、一部の裏金議員たちに厳しい対処をするような案が浮かんでは消えているが、なぜ法案が通る前にやらず、今になって言うのか」と裏金議員に対する自民党の本気度や具体策が(この総裁選で)問われているとの認識を示しました。


泉健太代表記者会見

2024年8月30日(金)10時30分~11時05分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/2je_tZ3kOWA


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○台風10号 被災者生活再建支援制度の拡充に向けた取組について

【代表】
 おはようございます。
 まずは、台風10号ですね。大変大きな雨量、被害をもたらしております。また、今後も相当な雨が予想されています。気圧はだいぶ変わってきたとはいえ、まだまだ、この降り続いている雨による被害ということも考えられますから、引き続き、党でも対策本部を既に設置していますが、警戒をして、我々も情報収集に当たっていきたいと考えています。
 これは、ことしの1月、能登半島の地震があって、立憲民主党としては被災者生活再建支援金の拡充ということを言ってきています。これは過去も、地震だけではなく水害時にもこの被災者生活再建支援金は支払われてきていて、そういう中でも額が足りないのではないかということはこれまでも何度も指摘をされていて、だからこそ、立憲民主党はことし1月26日に法案(被災者生活再建支援法改正案)を提出して、最大300万円というものを最大600万円にすべきだと、こういう法案を提出しました。
 この法案そのものは残念ながら国会で自民党が審議してくれないというような状況だったのですが、しかしながら、私も総理に対して直接これを申入れをしたりということをしましたので、一部その案というものが採用されて、能登半島のたしか6市町でしたかね、エリアを限定して、障がい者や高齢者のおられる世帯とか、生活が非常に厳しい世帯とか、あるいは会社が倒産してしまった世帯だとか、そういう方に限定して、この最大600万円という形のものがつくられたという状況ではあります。
 しかし、これはあくまでエリア限定だし、能登半島地震限定だし、新潟や富山では適用されないしという、ほかの災害に適用されるようなものにはなっていません。しかし、災害を受けた被災者からすれば、それはやはり同じ扱いをしてもらいたいというのは当然のことであって、これは能登半島の近藤(和也)議員からも、いつも「エリアについて限定はすべきではない」という話は出ていますし、今回こういった台風10号で家を失うなんていう方々があるときに、その対応について、やはり政府はもう一度考えなければならないと思っておりますので、そういった点も政府には、先々、今後想定されることをあらかじめ検討していくべきだということは伝えていきたいと考えています。
 また、現行の、その基礎・基盤となる被災者生活再建支援金、これは今現在300万円です。しかし、これも、能登半島でも明らかですが、建築資材、人件費、物価全体共に上がっているわけですよね。そういうことでいうと、この300万円を600万円にという根本的な改正の話とは別に、物価に合わせて、やはり支給額そのものを300万円から上げていく必要があるのではないかと。物価上昇という面からも、そこはやっていかなければならないことではないかと思っていますので、政府には引き続きその対応を求めていきたいと考えております。

○米の品薄に対する取組について

【代表】
 米の需給が乱れたということも最近ありました。
 これは元々、昨年、(高温障害により)等級が落ちてしまうということで、昨年米の品質の低下というものもあり、インバウンド消費が拡大したというのもありますが、インバウンドは実は全体の量からいえばそう総量的にものすごく増えているわけではないということ。そういう元々品薄の状況にはあったのだけれども、それに加えて、宮崎での地震があったときに、巨大地震注意という情報が発せられて、ある意味そこで、水、そして米、これが随分と備蓄をする世帯が急激に増えるという現象が起きて、店先からお米がなくなる、それがまた更なる混乱を招くという状況が起きたのが今回の事象だと考えています。
 そういったことについては、これは政府が検討会議を開く前から、私からも直接農水省に対して、まず、民間備蓄(在庫)が十分あるのだからと。近年稀に見る少ない備蓄量とはいえ、156万トン、民間備蓄だけであって、政府備蓄はそれ以外に100万トンあるわけですから、民間備蓄を適時・適切に放出をすればその米不足というのは解消されるんだということを言ってきました。今回、政府も検討会議の中で、この民間の備蓄の活用と在庫の放出ということについて業界団体にも対応を求めるということになりましたから、それはそのとおりになったなと思っています。
 そして、やはり現場から聞こえてくるのは、これはあくまで、我が国に今、米の量は十分にありますよということは私たち立憲民主党からも発信をしているわけですが、それでも現場では一部地域で米が足りないという声が聞こえてきたのは事実だし、お米が買えないと言っておられた方がおられたのは事実だし、そして、実は、子ども食堂、子ども宅食、そういったところの中でもお米が手に入らないという声が私の元に届いていました。
 これも農水省に先週の段階で私からは申入れをしていて、これまで四半期ごとに政府備蓄米を、子ども食堂、子ども宅食限定に出していたのですね。これは無償で出している。もう非常に市場に影響が出ないような話なのですが、子ども宅食、子ども食堂にはそういった形で備蓄米を、政府のものを出していたのがあるのですが、これも今回、政府の検討会の中でその要望を踏まえていただいて、まず、四半期ごとの申請そして放出というのをやめて通年申請にしようという形に変えていただくことになりました。
 そして、特にということで、本来であればことしは第3四半期の申請時期が10月の上旬からということになっていました。これを9月にしてくれということを具体的に要望していたのですが、これも農水省のんでくれて、9月からこの政府備蓄米の申請と放出を前倒しするというふうに言ってくれました。
 こういったことも、きめ細やかに、引き続き我々も対応していきたいと思います。
 新米ができてきているさなかではありますが、しかし、こうして台風などもあって、引き続き不安も感じる国民の方は多いと思いますから、政府には、そのときそのときの作況の状況だとか、あるいは供給の状況というのをよりわかりやすく情報発信をして、国民を安心させていただきたいということもあわせてお伝えしたいと思います。

○電気・ガス代補助 予備費からの支出について

【代表】
 国会は閉会中でありますが、月をまたいでというか、月を越えて、9月上旬には予算(委員会)の理事懇を今求めています。これはいわゆる予備費ですね。エネルギー手当に関して予備費を使うということでの予算の審議を求めるということになります。こういったことを国会でも対応していきたいと考えています。

○「移住婚の女性に60万円支給」政府方針について

【代表】
 きのう私はXでもつぶやきましたが、政府が移住婚に60万円を出すという意味不明な政策を発表して、世の中からはだいぶ反発が上がっています。
 それは、お金はないよりあったほうがいい。それは誰しもがそう思うかもしれませんが、ばらまきではないのか。しかも、根本解決にはならないのではないか。なぜ60万なのか。人生を決める結婚が、その60万で動くのか。いっぱい疑問があるわけですよ。
 これは先日も私、記者会見で言いましたが、女性の皆さんが都市に流入してくる理由というのは、やはり地域における女性の生きづらさ。これが根本にあるわけであって、そして、その生きづらさが変わっていない状況の中で、60万円を渡したから結婚が、地方への嫁入りみたいなものが促進されるのかといったら、全く違うのではないですかということですよね。そもそも、結婚して地方に行こうと思っている人は、60万円があろうがなかろうが地方に行くはずですよ。60万円が決め手になって、だから結婚しようなんていう人が本当にいるのかというくらいな、的外れな政策ですよね。
 こういう発想が今の政府の中で平気に出てくるということそのものがずれているということを言わざるを得ないと考えます。ここはぜひ改めていただきたい。

○教員の待遇改善 教職調整額引上げの議論について

【代表】
 給特法の関係で、教員の残業について、今まで上限が4%だったものを13%にするという報道も一部なされましたが、これはまだ決して確定ということではなく、この後、財務省、どういう折衝をするかということにもなろうと思うし、もしかして高めの数字を出してきて、その後、何らか調整、折り合いをつけて、その数字を下げてくる、そういう可能性もないのかどうかというところを注視しなければいけませんし、そもそも、やはりこの残業働かせ放題ということも言われてきたわけですから、定額働かせ放題、そういう状況を変えるという意味では、給特法をやはりなくしていく。こういう形を我々は求めているので、ここもやはり注視をしていかなければならない。
 一部待遇が上がるということは、よりよいことではあるけれども、決してお茶を濁すような対応では教員の人材不足を解消するには至らないということもお伝えしなければならないと思っております。

○自民党総裁選 裏金議員への対応について

【代表】
 自民党は相変わらず不祥事続きということで、ここは本当に政権交代をして政治の体質そのものを変える(必要がある)ということだし、そして、誰が総裁候補で出てこようとも、結局は、あの自民党の中身のない政治改革案を通した、賛成した人たちによる総裁選だし、今、一部、裏金議員たちに厳しい対処をするような案が浮かんでは消えていますが、だったら、なぜそれを法案が通る前にやらないのか。なぜ今になって言うのか。本気でやるつもりなのか。具体策はあるのか。こういうことが今、全て問われていますので、ぜひマスコミの皆さんも自民党の総裁候補にはそういうところを問うて、具体的な案があるのかないのかということをぜひ言っていただければと思います。


■質疑

○衆院総選挙に向けた取組について(1)

【時事通信】
 滋賀県での候補者調整について伺いたい。先日、泉代表は滋賀県に行かれ県連の方とお話ししたそうだが、そこで、国民民主党と調整もしている一方で1区にも擁立する可能性を示唆というふうに報道されている。ここの考え方としては基本的には国民民主党との候補者調整を最優先に進めていくという方針なのか。

【代表】
 そうですね。玉木さんとも話をよくやっています。玉木さん自身も、この滋賀1区、候補者を擁立するというのは既定の路線なので、その意味でも、元々立憲民主党が今回言う前に国民民主党としては1区に立てるということは基本路線として考えていると思います。

【時事通信】
 それについて、教育無償化を実現する会の前原代表が、潰し合いをするのは愚の骨頂というインタビューも報道されていて、代表も反応しておられたが、そういう指摘は当たらないということか。

【代表】
 当たりませんし、私の選挙区でも、京都でも、一方で維新は立憲民主党の候補者のところに普通に立てていますが、いかがですかと。前原さん、ぜひ馬場さんとその点を話し合って、表に何か発表できることがあれば発表していただきたいですね。

○消費税について

【共同通信】
 消費税について伺いたい。昨年党でまとめた経済政策では、立憲として直近2回の国政選挙で掲げていた消費税減税については明記を見送り、軽減税率の廃止と給付付き税額控除導入を盛り込んだかと思う。現状、消費税減税について、代表の考えを教えていただきたい。

【代表】
 これは我が党はずっと同じでして、党としては給付付き税額控除、これが入った消費税還付法案を党としてNC(次の内閣)で決定をして提出していますので、それが党の方針です。
 党内に様々な声があるということも私は承知をしているし、前回総選挙で時限的な引下げ、これはやはりコロナ(禍)で相当経済が冷え込む中で、経済が本当に悪化したときというのはこうした消費税率に触れるということは当然あり得るという考え方で党としてはやってきた経緯があるし、それは別に党として何か撤回されたものではないわけですので、現在においても選択肢としてはあり得ることだと考えています。

【共同通信】
 野田元総理は、きのう出馬を表明されたぶら下がりで、消費税についてはベーシックサービスの財源に位置づけるべきで、現状路線が基本だということを述べられた。この考えについてはどのように評価されるか。

【代表】
 一人一人の考えはある程度の自由はあると思いますが、先ほど言ったように党としてはこうですということと、あと、いわゆるベーシックサービスの財源は消費税のみなのですかということがやはり問われているのではないでしょうか。消費税のみでベーシックサービス全てを担えるかといえば、私はそうではないと思うし、この平成の30年間と令和の時代に入っても、消費税の税収全体に占める割合だけがある意味どんどん増えて、最初は直間比率の見直しで直接税をちょっと減らして間接税を増やしていこうと言っていたのだけれども、余りに消費税が増えても、結局、法人税や所得税、資産課税が割合がどんどん減っていって、逆に今度はバランスがいかがなものかという状況にもなっていて、そして、格差が広がっていると、今、世の中、言われているわけですから、やはりこの税の集め方ということについて、このずっと続けてきた消費税だけがどんどん増えていくという形でよいのかということは当然見直す必要があると、考え直す必要があると考えています。

○兵庫県知事のパワハラ疑惑について

【日本経済新聞】
 兵庫県の斎藤知事がパワハラ疑惑などを内部告発された問題で、きょう兵庫県議会の百条委員会で証人喚問を受ける。それに関しての受け止めと、斎藤知事を推薦した日本維新の会や自民党に求める今後の対応について伺いたい。

【代表】
 次々とパワハラの事例が明らかになってきていて、ただ、何となく私が不思議に思うのは、地方自治であって、本来、兵庫県知事は兵庫県民に向けて自ら語り、また、責任を取る必要があると思うのですが、何か吉村知事が兵庫県知事の進退を握っているかのような状況というのは不思議だなとも思うし、知事が党公認で出ることのある意味弊害みたいなものかもしれない。今回兵庫は公認ではないですね、結局自民党も応援したということでありますが、本当に影響がかなり強い状況になっているのは事実だなと思いますね。
 兵庫県知事に、大阪の知事なり維新の会が、余りに何か兵庫県知事の進退に影響を持つというのもいかがなものかということは思いますので、あくまでやはり知事は自身の判断で、損得抜きで県民に向き合って、自身がどう身を処すべきかということを考えていただきたいですね。

○党代表選について(1)

【読売新聞】
 代表選の関連で伺いたい。昨日の千葉市でのぶら下がりで代表は、代表選の論点について、ご自身の発言として、今の路線とそんなに変わりないなら私がやらせていただいていいのではないかと思うというようなご発言をされた。路線が変わらないなら現職を応援するというのはそのとおりかなと思う反面、現状、枝野前代表や野田元総理が声を上げる状況となっている要因や背景というのはどのようにお感じになっているか。

【代表】
 野田さんや枝野さんが何している背景、要因。ちょっと聞こえなくて、すみません。

【読売新聞】
 今の路線と変わりがないのであれば私がやらせていただいていいのではないかというふうに代表はおっしゃったかと思うが、現状そうならずに、ほかの候補者の方が名乗りを上げている要因や背景というのは、どのように見ておられるか。

【代表】
 いや、代表選だから名乗りを上げるのであって、名乗りを上げるのは別に悪いことではないと思いますよ。

【読売新聞】
 この3年間の代表の取組が、なかなか党であったり一人一人の議員にお伝えできていないことが要因というふうにお感じになったりはされないか。

【代表】
 読売さんがそう感じておられるのかもしれませんという話ですね。私は別に。
 これから代表選が行われるのであって、そこでもしかしたら評価をいただくことになるかもしれませんからね。どうなるかはわかりません。

【読売新聞】
 推薦人の確保についてだが、現時点での状況はいかがか。

【代表】
 取組は続いています。

【読売新聞】
 20人に現時点では達しているのか。

【代表】
 いや、別にそれは公表するものではないと思うので。

○米の品薄に対する取組について

【新潟日報】
 米不足についてご発言があったので、それについて伺いたい。今のところ主に流通面での課題を感じられているようだが、生産の面で、一部には、これまで国は主食用米の需要の減少を前提として生産を絞るという政策を取ってきたわけだが、今回この米不足を受けて、その生産面での米政策そのものの見直しの必要性というのは高まっていると感じるか。

【代表】
 私は今回の米不足という表現でいけば切り分けるべきだと考えます。今回のはやはり流通の乱れが大きい。一気に購入が、ある種、急な需要が生まれたということであるので、そこは全体とは分けなければならないと思っていますが、先日もそれこそ私も新潟に行って米農家の皆さんと意見交換をして、米農家の皆さんは米農家の皆さんで、米の価格について、これでは生活できないという声を上げておられました。この1、2年を見ると米の価格は値上がりはしているのですが、実はそれはコロナで一旦下がったものがコロナ前に戻りつつあるという状況なので、本来のコロナ前の価格という意味では、今現在、決して農家さんが生活できるような状況には私はなっていないと思うので、そこはやはり一定必要だと思います。
 もう一つの考え方は、食料自給率そのものですよね。自民党は「上げる」「上げる」と言ってきたけれども、全然、計画はもう未達成なままの20年という、もう落第点の連続なわけですよ、自民党の農政は。では、そういう中でどうするかというと、日本米は非常に世界でも評価が高く、これからも世界でも選んでいただけるお米であると。安全性、品質、含めてですね。そういった意味では、輸出できる米を作っておくと、もし何かのときに世界との交易ができなくなるような環境、有事的な環境がなるときに、そのときにも輸出用の米を作っておけばそれが国内需要に回るということができるわけですから。やはり田んぼをどんどん放棄をしてしまったり、あるいは担い手がいなくなってしまうと、いざというときに作り手もいない、水田もないという状況では、これは困りますので、やはりもっと米を作れる環境を日頃からこの日本に構築をしておくということが大事だと考えています。

○党代表選について(2)

【朝日新聞】
 代表選について伺いたい。昨日代表選への立候補を表明した野田元首相が、政治改革について、議員定数の削減や世襲の禁止にも言及された。泉さんご自身の考えとして、この議員定数の削減や世襲の禁止について、今どういうふうにお考えか。

【代表】
 これから代表選がありますから、ご自身のご自身のと言って、党でこれまで議論してきたこともありますので、それはまた代表選の中で様々触れることがあれば触れていきたいなと考えています。

【朝日新聞】
 もう一点。告示が9月7日ということで、残り期間がかなり少なくなってきている。泉さん、現時点での出るか出ないかについての態度と、残り、いつ頃その態度を明らかにするかというのはいかがか。

【代表】
 マスコミさんは本当面白くて、党の代表選は9月7日からスタートであるので、それまで様々な陣営なり候補者がいつのタイミングで表明するというのは、あくまで自由なのですよ。ですから、皆さんは日々求められているかもしれませんが、その求めに応じてやるというものでもないので、我々の中で考えて判断していきます。

【朝日新聞】
 その残り期間というのは、泉さんは代表選に向けてどういうふうに。

【代表】
 いや、別に、そんな何か切迫してきて大変だとかという感じは全然ないですよ。

【西日本新聞】
 関連して、代表選に関して。現職の代表である泉代表が、代表選に再選を目指して立候補表明には、いろいろお考えもあって今されていないと。そろそろ1週間になるので、こちらとしてはぎりぎりになるのではないかと思うが、それについては特段問題視されているとか意識されては。

【代表】
 いないですよね。皆さんにとってのぎりぎりとは何か。皆さんは何にそれに時間がかかると思われているのか。それは何かありますか。別に何もないですか、それは。何がぎりぎりなのか。

【西日本新聞】
 我々は首長選とかもよく取材するが、まず現職がどうするのかというのが注目されるし、それは一方でほかの立候補を考えている方の行動にも非常に影響するものであるから、現職にある人は、今までやってきたことに関して、情報であったりとか評価というのは一番聞ける立場にいるので、進退というか、次に出るのかどうするのかというのを。

【代表】
 それはいずれの機会に。

【西日本新聞】
 現職の代表である泉代表が立候補が今の段階でないということと、立候補表明をされた人の数の広がりが今の時点で2人ということが、自民党の岸田総裁が早く進退を表明して、これだけ人数が広がってきていることとの差、立候補者数の広がりがあまり立民のほうにないことに影響しているというふうには感じないか。

【代表】
 ちょっとごめんなさい、意味がよくわかりません。何を聞かれたいのか。
 それは自民党の国会議員の数と立憲民主党の国会議員の数は全然違うわけですよ。自民党があれだけの人数が出られるのは、国会議員が多いからではないですか。だから、それは広がりとか広がりではないのではないですかね。

【西日本新聞】
 特段影響するものではないということか。

【代表】
 何の影響かがよくわからないですね。

○衆院総選挙に向けた取組について(2)

【関西テレビ】
 代表選にも関わるが、その後の解散・総選挙はものすごく早く来るのではないかという予測が今されている。今回の代表選によって、新しい代表なのか、今のままか、それはわからないが、いろいろ執行部とか党の体制が変わらなければいけないことになると思うが、選挙への準備という面で現状どういうふうになっているのかということと、代表選の結果でいろいろ、例えば執行部がごろっと替わると選挙準備にどういう影響があるのかとか、そういう辺りはどういう現状になっているか。

【代表】
 まず、現状でいうと、準備はできる限りのことをやっていますということが一つ。
 それは、でも、そもそも野党・立憲民主党が解散・総選挙の時期を選べるわけではないので、もうあらゆる事態を想定して党本部としては対応していくということになりますよね。それは代表が替わる場合、替わらない場合、もちろん事務方的にもそれは想定しなければいけないし、現執行部もそれを想定して、今、作業はしています。

【関西テレビ】
 代表が替わった場合と替わらない場合とで準備のスピードは差が出てくるものなのか。

【代表】
 それは替わった場合のことまで想像できませんよね、僕は。替わらない場合は想像できますけれども。

【関西テレビ】
 その辺の何かアピールするお考えはあるか。

【代表】
 代表選がまた始まれば、いろいろあるのではないですかね。

○政治と金 堀井前議員・広瀬前議員の刑事手続について

【時事通信】
 自民党の堀井学前衆院議員について、本日、東京地検が略式起訴し、東京簡裁が罰金100万円と公民権停止3年間の処分が発表された。一方で、秘書給与を詐取した広瀬めぐみ議員も在宅起訴の方向で動いているとのことだ。こうした自民党の政治と金をめぐる問題が相次いでいる状況について、受け止めを教えていただきたい。

【代表】
 冒頭お話ししましたが、自民党のこの体質は、かなり幅広く自民党内にはやはり浸透してしまっていると。よく「緊張感のない政治だから」みたいなことをおっしゃる方がいるのですが、関係ないですよね。緊張感があろうがなかろうが、やってはいけないことはやってはいけないだけの話であって、そういうルールを軽々と無視するということが頻繁に起きているのが自民党だと。

○「長崎平和祈念式典」「党代表選(3)」等について

【フリーランス】
 代表会見で聞いてみたかったことで、だいぶ前の話になるが、長崎の原爆記念日の件だが、イスラエルを擁護する立場に回るエマニュエル大使と、G7(各国大使)の欠席があり、大変代表としてもつらかったのではないかと想像したが、この辺りでちょうど岸田さんも次に出ないということを決心されたというふうに言われており、この事件が岸田さんの再出馬を止めたというような、そういった関係があるというふうにお考えかどうか伺いたい。

【代表】
 そこは私はよくわかりません。

【フリーランス】
 個人的な、今回のこのG7(各国大使)の欠席に関するご感想をいただきたい。長崎の原爆記念日。

【代表】
 よく、ここで個人的みたいなことで、何がどこまで個人的かはわかりませんが、私はもう長崎のときにもお話ししましたが、やはり長崎の被爆者を追悼する、そして、非核、不戦を誓う場ですから、それはとにかく多くの方々が参列をしていただくということが大事だし、欠席に至った大使がおられるとしたらそれは残念だということも話をしてきました。

【フリーランス】
 次の質問で、代表選に関連して伺いたいが、「ビジョン22」という、今回泉代表になられてから大きな特徴があったと思う。再選されたとして、その後またちょっと刷新というか、もう一回仕切り直しとかをお考えなのかどうかということと、前回のアドバイザー、本間先生を初めとするアドバイザーの先生方はどなたがお決めになったのか。この2点を伺いたい。

【代表】
 アドバイザーのメンバーについては執行部で相談をして決めさせていただきました。
 これからの、何をどう変えるかということで、今のところ何か「ビジョン22」を変えるということを決めているものはないです。

【フリーランス】
 もう一問お願いしたい。きのうのNHKの「あさイチ」という、多くの主婦の方がご覧になる8時台の番組で、初めてワクチンの健康被害について40分ほど特集があったという画期的なことがあった。どんなに少子化対策を政府で行っても、個人の方がどんなに健康に気をつけてこられても、こういった薬害で水の泡になってしまう、そういった大変な多死社会という懸念が今存在するわけだが、今後立憲民主党はこのワクチン薬害問題についてどのような姿勢を持っていきたいと。代表の指針として、かなり代表選でも聞かれると思うが、今現在の泉代表のお考えを教えていただきたい。

【代表】
 代表選で何が聞かれるかはまだわかりませんが、これまでも立憲民主党は国会質問の中などで、例えばコロナにかかった方の後遺症の問題だとか、あるいはワクチンの副反応のことについても質問してきたということがあって、厚生労働省の中にそういったことをちゃんと検討する部署なり相談を受ける部署を設けるべきだということも言ってきていましたので、やはりそういった様々な現場の声に対応して、必要であれば対策を講じていくということが必要だと考えています。

(以上)