立憲民主党が9月23日の臨時党大会で実施した代表選挙の投開票の結果、野田佳彦候補が新代表に選出されました。
第1回投票では、全有権者の合計738ポイントのうち、野田佳彦候補が267ポイント、枝野幸男候補が206ポイント、泉健太候補が143ポイント、吉田はるみ候補が122ポイントを獲得しました。
いずれの候補者も過半数のポイントに達しなかったため、衆参国会議員、国政選挙公認候補予定者、都道府県連代議員による決選投票が行われました。決選投票では、野田佳彦候補が232ポイント、枝野幸男候補が180ポイントを獲得しました。この結果を受けて、吉川沙織代表選管委員長が「野田佳彦さんが代表に当選されました」と述べ、満場の拍手で迎えられました。
あいさつに立った野田佳彦新代表は、「本気で政権を獲りにいきます。闘いは今日から始まります。1日から臨時国会が始まる。国会の準備、総選挙の闘いの準備を始めます。挙党体制で政権を獲りにいきましょう」と訴えました。
これからの立憲民主党について「みんなの力を合わせて打倒自民党に向かっていきたい」と国会議員、全国自治体議員、党員、協力党員、パートナーズの皆さんに呼びかけました。
決選投票に先立って野田、枝野両候補があらためて決意を述べました。
■野田佳彦候補
教育の無償化については大賛成です。3、4年前に親ガチャにハズレたという言葉がありました。子どもは親を選べない。その不運を嘆いた言葉。悲しくて切ない言葉だと私は受け止めました。
この国は教育の機会均等を目指してきた国。学べない子どもたちが増えている現状を変えていかなえればならない。高校の授業料無償化は旧民主党政権で導入。その時は、ばらまきと自民党公明党に批判されました。
子どもの学び、育ちを社会が支える、そういう社会を作ろうではないでしょうか。親ガチャという言葉を死語にしましょう。
教育の無償化のみならず、私は医療、介護、障がい者福祉などベーシックサービスは段階を経て、国が供給していく制度にしていく。所得制限なく。弱い人を助けるのは終わり、弱い人を作らない。みんながこの国に生まれて良かったと思える。国ガチャにあたったと言われる国を作ろうではありませんか。
みんなが違う、それでもいい、多様性を認め合う共生社会を作りたい。選択的夫婦別姓の実現は急務です。若い人が社会起業家を目指している。官民ビジネス、社会的課題の解決を目指していく動きが出てきます。インパクト投資を大きく育てていきたい。令和版の新しい公共。これらのことを実現していきたい。
政治は理屈ではなく、政治は信頼で動くと思っている。まずは官と民、今は官邸が強すぎて忖度する関係、内閣人事局の見直しを含めて信頼関係をつくる。外交も信頼関係が必要。個人的な信頼関係を築いて、アジア太平洋地域にアメリカがコミットし続ける。日米同盟を基軸とした外交安全保障を作っていきたい。
何よりも大事なのは国民と政治の信頼関係。金権政治を終わらせ、世襲政治を終わらせる。その先頭に立つことをお誓い申し上げます。
■枝野幸男候補
太平洋戦争の末期、鈴木貫太郎総理は抵抗する軍部とぶつかりながら、文字通り命がけで終戦をなしとげました。その後の、戦後復興と高度成長は、暗い時代を終わらせた鈴木総理の決死の覚悟の、したたかな政治力があったからに他なりません。
今、私たちは歴史の分かれ道にいます。表紙を変えるだけで、奪われた30年を延命させるのか。裏金問題に蓋をして、政治不信をさらに募らせ、民主主義そのものの基盤を失っていくのか。そんな明日を絶対に許してはいけません。
私たちは今こそ、これまでの歩みをさらに前に進め、新たな国民政党へとさらに進んでいかなければなりません。振り返るのではなく、新たな前進。歴史の分かれ道で、私たちの使命を果たすために、理念とビジョンを高く掲げ、前に進んでいこうではありませんか。
ここにいる皆さんの力を結集することで、初めて古い壁の時代を打ち破り、危機を克服して、新しい時代を切り拓くことができるのではないでしょうか。この瞬間、ここに集っているのは新たな時代を切り拓くために他なりません。
高校生になった私の息子も含め、今の若い世代は戦後100年という歴史の節目を迎えます。彼らはどんな日本を生きているのでしょうか。その未来は、私たちの選択にかかっています。奪われた30年の人間を使い捨てにする経済社会を捨てて、人間中心の経済、ヒューマンエコノミクスを打ち立てたいと思っています。
根深い政治不信の目は、私たちにも注がれています。立憲民主党は誰よりもまっすぐに国民の声とつながらなければなりません。政権を担える新しい国民政党となり、政治の転換を本格的に実現してまいりましょう。私たちは必ず成し遂げる。鈴木貫太郎総理と同じように命がけで先頭に立つ。頼れる信頼できる仲間がいます。皆さんとぶれることなく進んでいく。人間中心の社会を、もっとよい未来を、切り開いていきます。
■参院岩手県選挙区補選 木戸口英司候補予定者登壇
続いて参院岩手県選挙区補選に立候補予定の木戸口英司候補予定者が登壇し、決意表明を行いました。
木戸口候補予定者は「岩手で長くずっと守ってきた改革の議席を失ったことに重い責任を感じてまいりました」と2年前の参院選での惜敗に言及。今回の参院補選は公設秘書の給与をだまし取った詐欺の疑いがもたれている自民党に所属していた広瀬めぐみ氏の議員辞職に伴い行われることから、「岩手で渦巻く政治不信、私は強い危機感を抱いている」と述べ、「岩手の政治を立て直す。岩手から日本の政治を立て直す。私はこの戦いに岩手のやり直し選挙に必ず勝利する。断固とした決意と覚悟で臨みます」と参院補選勝利への思いを表明。「新しい野田代表とともに皆さまと力を合わせて、私も一員となって必ず政権交代を実現すると誓います。がんばってまいります」と力を込めました。
最後に宮口治子代表選管委員が「第49回衆議院議員総選挙からまもなく3年。いよいよ、決戦の時が迫っています。政権与党はすべての疑惑にふたをしたまま、表紙を替えて政局をリセットしようとしていますが、それを止められるのは私たち立憲民主党しかいません」と述べ、来るべき総選挙で勝ち抜くという強い意思を示すため、がんばろう3唱で大会をしめたい」と宣言。全員で力強く宣言して締めくくりました。