立憲民主党は9月25日、これまで環境部門会議で東京都多摩地域の視察や部門会議での政府および有識者等からのPFAS汚染問題に関するヒアリングを行ってきたことを踏まえ、国の主導による抜本的なPFAS汚染対策を求め、環境大臣に要請を行いました。環境省は、水・大気環境局の伯野春彦審議官が対応しました。

 環境部門長の近藤昭一衆院議員からは要請に際し、今年5月1日の水俣病患者団体の発言遮断に触れ、あってはならないことであり、その結果に至った環境省の姿勢に対してさまざま意見してきたこと、また化学物質汚染に対する国の対応の遅れがあり、今もなお真の解決に至っていない中、PFAS汚染の問題を懸念し、同じことを繰り返してはならないとの思いが前提となっていることを話しました。その上で、各地域でお聞きしてきた不安の声や自治体単独での汚染源調査の困難さから、環境省に先頭に立って、速やかに動いていただきたいと要請しました。

 環境部門長代理の森田俊和衆院議員は、岡山県吉備中央町のPFAS汚染問題に関する衆議院環境委員会視察の実現について共有するとともに、その視察は今年4月のことだったが、その実現以降、たった2、3カ月の間にメディアでの取り上げ方が変わり、国民の不安の声も高まっており、環境省に寄せられている声に変化があるかどうかなど、世論の変化やその受け止めについて確認しました。

 同じく環境部門長代理の田島麻衣子参院議員は、PFASは健康との関係で分からない部分があるというのはその通りだが、例えば水道水を使って赤ちゃんのミルクを作っているお母さんたちからすれば、健康への影響に不安を感じて当然であり、国内で十分な調査を行うべきであること、また、PFAS汚染問題は省庁を横断する課題であるため、各省庁を調整していく機能を設けることが対策に役立つのではないか、と提案しました。

 環境部門事務局長の馬場雄基衆院議員は、今回の要請での司会進行をしました。要請後、国会の会期中だけではなく、閉会中も現地への視察や環境部門会議を開催する中、関係省庁が多岐に渡り対処の難しさを感じてきた一方、問題が起きている現場が置き去りになっている現状を打開したいと考えてきたこと、省庁横断型の連絡協議会の設置など、政府一体の対応が取れる体制を速やかに設置してほしいなどと発言しました。

 阿部知子衆院議員は、「この間PFAS汚染問題に対しては環境省が矢面に立っているが、これほど汚染が広がり国民の不安が高まっているのだから、省庁横断的な連絡会議、または司令塔を作り、予算を十分に確保すべきであることを環境省の応援団として期待を込めて提案したい。また、環境省はPFAS汚染の調査を行っている一方、PFAS汚染が発覚した場所の多くは住民の調査によって発覚しており、環境省の調査の外にあるため、高濃度の数値が出たところは、環境省が調査をしてほしい。水は飲まないわけにいかないし、食べないわけにいかないもので、食品安全委員会の基準も妥当性に懸念がある。予防原則の考えをもって国民不安を深く受け止めてほしい」などと要請しました。

 川内博史衆院議員は、水質基準の管理項目から水質基準項目への移行について7月から議論をされているが、すでに分類の要件は平成22(2010)年2月2日に文書で定まっているため、法的基準である水質基準になるかどうかの要件、つまり法的規制をする要件は満たしているという考え方で良いかどうか、また、今の検討会の議論ではなるべく早く結論を出さないといけないという認識があるということで良いかなど、確認をしました。

 神津たけし衆院議員は、環境省が2022年に行った調査では111カ所以上の汚染と、そのうち98%以上で汚染源が不明とあるが、どのように汚染源を特定するのか、また国土交通省と環境省で9月末までを締め切りとして行っているPFAS汚染に関する調査の今後のスケジュールや対応について、さらに、環境省のPFOS及びPFOAに関する対応の手引きについて、血液検査がかえって不安が増すとの記載があったが、予防原則を念頭におくなら、汚染が発覚した地域で積極的に血液検査をするべきではないか、など確認をしました。

 対応した伯野審議官からは、現在の環境省としての取り組みや考えを丁寧に説明いただいたものの、残念ながら省庁横断的な組織の設置などについては、政務ではないことからお答えいただけないなど、前進と判断できる具体的な回答はいただけませんでした。

 立憲民主党はPFAS汚染が発覚した地域住民の皆さんに寄り添うとともに、水は生きる上で欠かせないものであるとの認識のもと、PFAS汚染対策を前進させるため取り組んでまいります。