袴田巌さんの再審無罪判決について(コメント)

立憲民主党 政務調査会長 重徳和彦


 静岡地裁は本日、袴田巌さんの再審で無罪判決を言い渡しました。
 事件から58年になります。この間の袴田さんの苦しみや支援者の皆様のご苦労は想像に余りあります。時間がかかりすぎたと言うほかありません。
 静岡地裁が証拠にねつ造の疑いがあるとして再審開始を決定して袴田さんを釈放して以来、すでに10年が経過しています。検察は控訴を断念し、47年以上も収監された袴田さんが元気なうちに、一日も早く無罪判決が確定することを期待します。

 えん罪は、国家による最大の人権侵害のひとつです。再審制度は、誤判により有罪の確定判決を受けたえん罪被害者を救済することを目的としていますが、施行後一度も見直されず、袴田さんの再審でも明らかになったように、さまざまな問題を生じてきました。証拠開示の基準や手続きが明確でないため、裁判所ごとに格差が生じる「再審格差」が指摘され、また、検察官の不服申立てにより審理がいたずらに引き延ばされ、えん罪被害者が相当な高齢となる場合があるなど、深刻な事態となっています。

 立憲民主党は2023年6月、再審請求手続における全面的な証拠開示を制度化し、再審開始決定に対する検察官による不服申立てを禁止するため、再審法を抜本的に見直す法案骨子を取りまとめました。また、抜本改正を目指す超党派の議員連盟が2024年3月に発足し、法整備に向けた取り組みを進めています。今後とも、えん罪防止と再審法の全面的な見直しに向け、全力を挙げ取り組んでまいります。

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