野田佳彦代表は9月29日、岩手県盛岡市内で開かれた「きどぐち英司後援会連合会総会」に出席し、来るべき総選挙での政権交代、参院岩手補選に皆さんの力を結集しようと訴えました。また総会に先立って、達増拓也岩手県知事と意見交換を行いました。

 きどぐち英司参院岩手選挙区総支部長はあいさつで、「責任という言葉があるが、今、永田町で、責任という言葉ほど軽くなってしまった言葉はない。私は毎日本当に忸怩たる思いでいる」と指摘した上で、自民党の起こした不祥事などについて「裏金の問題、統一教会の問題、多くの疑惑、不正が起きているが、説明責任も任命責任も果たされていない」と厳しく断じました。

 きどぐち総支部長は今回の参院岩手補選の原因は自民党議員の不正であるとして、「岩手から政治を立て直していく、岩手の政治を立て直していく。そして岩手を守り日本を変える。新しい政治を岩手から、私は皆さまと共に作っていく」と力強く訴えました。

 野田代表は冒頭、「1993年の細川連立政権、2009年の民主党を中心とする政権、そして十数年ぶりに政権がとれるかもしれないチャンスが来たと思う。小沢一郎議員とは一蓮托生の思いでガッチリとスクラムを組んで政権取りに行きたい」と力強く表明しました。

 さらに野田代表は、今回の参院岩手補選、総選挙もテーマは裏金問題だと述べた上で、「これは政治スキャンダルではなく脱税事件だ。しかし国民は1円たりとも税逃れできないが自民党の衆参国会議員は許されるのか。こんなことを許しちゃいけない。その思いを共有していくことが政治を変えていくための第一歩だ」と述べ、総選挙で結果を出そうと訴えました。

 小沢一郎衆院議員は、「選挙とは、有権者の皆さんと心を通じあわせ、絆を深め信頼を高める。それ以外にない」と述べた上で、有権者の側も、「その時々のイメージやムードだけで自分たちの代表者を選んではだめだ。しっかりと人物を見極めないといけない」と話し、今回の参院補欠選挙、来るべき総選挙は岩手県民の、国民の良識が問われる選挙になると述べました。

 そして小沢議員は、「野田代表が話したように、私も3度目の政権交代を成し遂げたい。皆さんのこれまで以上の力強い、熱いご支援を賜りたい」と訴えました。

 あいさつに立った達増知事は、「今、農林水産業やまた第2次、第3次産業もそうでありますが、日本が直面する最大の課題の現場になって地方が苦労しているところです」と話しました。そして、「その苦労を岩手から全国、国政にぶつけ、そして国政を変えることで岩手の人たちの暮らしも良くする、経済も良くすることが実現していく。今日、その大きな一歩になることを心から祝福をいたします」と、政権交代が新しい政治につながることへの期待感を述べました。

 最後に出席者、会場参加者全員によるガンバローコールで締めくくりました。

 総会終了後に記者団に対応した野田代表は、今回の岩手県訪問、参院補選などの意義を聞かれ、「衆院選でも裏金の問題が大きな争点になると思う。今回の参院補選についても、要は政治と金を巡る不祥事から起こった問題だ。このことは許しちゃいけないという思いを、岩手県民の皆さんと共有したいという思いで訪問した」と答えました。

 自民党の人事についての感想を聞かれ、「まだ全容が出ていないが、(名前が挙がっている)総理、官房長官、副長官が全員世襲議員。世襲官邸だ。あとは役員や閣僚を見てから」と述べました。

 石破総裁は、今回の能登の災害については予備費で対応するとのことだが、受け止めと、国会論戦について問われた野田代表は、「最初は予備費もあり得るが、6回繰り返すという異常なやり方は財政民主主義に反する。与野党で合意して補正予算を組むことが被災者への最低限の政治の責任だ」と答えました。

 早期解散などについては、「本来は予算委員会を開いて、裏金問題の実態解明、政治資金規正法の抜本的改革などを議論してから解散すべき。国民に信を問うための判断材料を整えるための論戦が必要。そこから逃げようとするなら『裏金解散』と言わざるを得ない。旧統一教会の問題も含め、裏金問題も再調査しないというのであれば、『臭いものにふた解散』だ」と突き放しました。