立憲民主党は11月12日、12月2日に迫る現行の健康保険証の廃止を延期するため、「保険証廃止延期法案」(保険証併用法案)を衆院に再提出しました。
マイナ保険証をめぐっては、保険証利用時に資格確認ができない事案が多発するなど、今も様々なトラブルが生じています。マイナ保険証に対する国民の不安や疑問の声は強く、その証左に利用率はいまだ13.87%(9月時点)と低迷したままです。このような状況下でマイナ保険証への一本化を強行すれば、国民や医療機関、福祉施設等にさらに大きな混乱をもたらします。
立憲民主党は、医療分野のデジタル化を推進する立場です。しかし、誰もが必要なときに必要な医療が受けられる体制を堅持するためにいったん立ち止まるべきと考えています。12月2日の健康保険証の廃止を延期して、国民の不安払拭など一定の条件が整うまでは現在の健康保険証を存続させ、マイナ保険証の利用は本人の選択制とすべきであるとの考えのもと、2023年10月に提出し廃案になった本法案を改めて再提出するに至りました。
法案提出後の記者会見で、筆頭提出者の森田俊和衆院議員(地こデジ特筆頭理事)は「介護の現場では、施設側で高齢者の方の保険証を預かるなど便宜を図っているが、マイナンバーカードを預るということになるとその重要性が変わってくるし、高齢者自身がマイナンバーカードの使用に馴染めていない現状にある。現行の保険証存続に向けて、閉会中審査も含め早急な審議を求めていく」と成立に向けた決意を述べました。中島克仁衆院議員(政務調査会長代理)は、医療現場の現状について「顔認証トラブルがあると保険証番号も分からない。迅速な治療を必要とする人が医療を受けられない状況が現実に起きている」と報告し、「国民の皆さんの健康保険証は健康・命のパスポートであり、13%余りの利用率を考えれば国民皆保険の前提を覆してしまう。本法案の意義を与党にも受け止めていただき、現行の保険証存続のために一刻も早い法改正を目指したい」と力を込めました。
法案提出者は、森田俊和(筆頭提出者)、山井和則、柚木道義、逢坂誠二、奥野総一郎、中島克仁、吉川元、坂本祐之輔、井坂信彦、早稲田ゆき、中谷一馬、吉田はるみ(欠席)、本庄知史(欠席)各衆院議員です。また、杉尾秀哉、野田国義各参院議員も出席しました。
目前に迫る健康保険証の廃止を延期する「保険証廃止延期法案」を衆院に再提出
2024年11月12日