小川淳也幹事長は11月19日、国会内で記者会見を開き、(1)選挙戦におけるSNSの影響(2)政治改革――等について発言しました。

(1)選挙戦におけるSNSの影響

 兵庫知事選挙を踏まえ、選挙戦でSNSが与える影響について、小川幹事長は「非常に大きかった。ネット選挙が解禁されて10年。ネットの影響力は決定的になっている」と評価し、「いろいろ意見を交わすことは良い。インターネット上の発信の正確性、中には虚偽の情報や印象操作が含まれ得る世界とどう向き合うか。新しい民主主義の課題。視聴数があがれば、人によってお金がもうかるという仕組みが内在している。これが民主制にどう影響を与えるのか。この時代の新たな課題として関心を持っている」と述べました。

 また、常任幹事会で出た意見として「立候補は通常、当人の当選を目指して行われることだが、そうでない形の立候補者がいたと言われている」とし、「ポスターの件では各党議論が煮詰まっている。法に書いていなくても、間隙を突き悪用するようなやり方は、社会規範の中で排除されるべき。場合によっては、法改正は避けられないと思う」と自身の考えに触れ、「政治改革本部の一つの課題になりうる」と述べました。

(2)政治改革

 政治改革について、小川幹事長は「党としては公開と熟議を旨としてさまざまな政策論議に臨みたい。理想的にはオープンな場、国会の場で行うべき。非公式の談合ととられる場はできるだけ避けたい。実務上は、呼びかけを受けてになる」と述べました。

 企業団体献金をめぐる政党間協議については、「30年前に政党交付金ができてからの宿題。国民との約束を反故にしてはならないという思い。政治が資金の多寡によって大きな差が生まれることについては、制約があるべき。実際に腐敗の温床になってきた歴史的事実」を指摘し、丁寧に真摯に各党に呼び掛け、企業団体献金の禁止を求めていくと発言しました。


小川淳也幹事長、大串博志代表代行・選挙対策委員長記者会見

2024年11月19日(火)15時48分~16時32分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/-R5SeK3QwoY


■冒頭発言(幹事長会見)

■質疑(幹事長会見)

■冒頭発言(代表代行・選挙対策委員長会見)

■質疑(代表代行・選挙対策委員長会見)


■冒頭発言(幹事長会見)

【司会(中谷幹事長特別補佐)】
 それでは、これより幹事長の記者会見を始めさせていただきたいと思います。まず、冒頭、小川幹事長よりよろしくお願い申し上げます。

○第113回常任幹事会を開催

【幹事長】
 お疲れさまです。
 兵庫県知事選挙の結果等については、いろいろ頭をめぐらせているところです。ご質問等ございましたら、ちょっと対話させていただきたいと思っています。
 常任幹事会のご報告を申し上げます。
 「次の内閣」。参議院選挙総合対策本部。それから、政治改革推進本部については渡辺周さんが委員長になられましたので代行の大串博志さんに本部長にご昇格をいただきます。東日本大震災復興本部。能登半島災害対策本部。拉致(問題対策本部)。沖縄協議会。安定的な皇位継承(に関する検討本部)については、野田(佳彦)本部長が顧問となられ、事務局長の馬淵さんが本部長となられます。幹事長部局の一部体制変更。それから、企業・団体交流委員会、国民運動局、選挙対策委員会等々について、役員の変動があります。
 人事委員会を設置しまして、党事務局の人事を慎重に図り、運んでいきたいと思っています。
 最後に、党改革実行本部(を設置)、幹事長部局を中心に進めてまいります。本部長が私、小川。代行に手塚幹事長代行。副本部長に田名部参院幹事長。同じく副本部長に坂本代表選管委員。そして、事務局長には中谷幹事長特別補佐。以上の体制で、特にミニマムでいえば代表選規程の見直し。その他、党改革に関する様々な問題意識をいろいろ所属議員団含めてお持ちでしょうから、広く議論していきたいと思っています。
 きょうは様々、政治改革や先般の選挙結果等を踏まえて意見交換なり議論を交わしたということでございますが、決定事項についてはご報告のとおりです。
 なお、この後、衆議院選挙の総括文案につきまして、大串代表代行のほうからブリーフ並びに応答がございますので、それもあわせてご対応をお願いしたいと思います。


■質疑(幹事長会見)

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。これより質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○政治改革について(1)

【NHK】
 2点伺いたい。まず1点目は、政治改革の関連で伺いたい。政治資金規正法の再改正をめぐり、自民・公明両党は、党派を超えた幅広い理解を得て実現させたいとして、与野党協議の場を設けることを近く野党側に提案することを確認している。立憲民主党としての対応や受け止めをお願いしたい。

【幹事長】
 党としては「公開と熟議」を旨として様々な政策論議に臨みたいというのを基本線にしておりますので、理想的にはオープンな場、そして、国会の場というのが原則になると思います。
 それ以上、非公式な談合と取られるような対応についてはできるだけ避けたいと思っているのですが、ちょっと実際、実務上どういう対応が出てくるかは今後与党からの呼びかけを受けてと思いますが、原則は今申し上げたとおりです。

【NHK】
 確認だが、現段階ではまだ与党側からスケジュール等は提示されていないということか。

【幹事長】
 若干非公式な接触があるとは報告を受けておりますが、具体的なことはこれからだと聞いています。

○兵庫県知事選の結果について

【NHK】
 もう一点、話題が変わり、兵庫県知事選挙の関連で伺いたい。失職して臨んだ斎藤元彦氏が2回目の当選を果たしたが、選挙戦で斎藤氏はSNSの発信に力を入れ、勝因の一部だとする見方も出ている。幹事長として、このSNSが日本の選挙に与える影響について、どのように考えているか伺いたい。

【幹事長】
 私見も交えて。非常に影響は大きかったのではないかと受け止めております。
 それから、ネット選挙が解禁されて、ちょうど10年余りが経過しました。そういう中で、ネットの影響力は決定的になってきているのではないか。それは今般に限らず、この間、例えば都知事選、それから、さきの衆院選においてもその傾向は見られてきたわけで、非常に決定的な結果だったと受け止めています。
 いい面もたくさんあると思うのですね。それぞれが発信する手段を手にして、いろいろ意見を交わすということは、非常にいいことだと思います。
 私見を交えて。インターネット上の発信の正確性といいますか、どこまで厳格に議論するかは別として、中に虚偽の情報や、あるいは印象操作といったことが含まれ得るのがネットの世界ですから、これとどう向き合っていくのかというのは、この時代ならではの新しい民主主義の課題だと感じています。
 それから、もう一点。これは発信者がどなたであれ、回転数、視聴数が上がれば、場合によっては、物によっては、人によっては、お金がもうかるという仕組みが内在しているのではないかと感じています。これは民主制にどういう影響を及ぼすのか。
 この情報の正確性・虚偽という問題と、それから、見られれば見られるほどお金になるという問題とが、私はこの時代の新たな課題として、私見ですが、非常に関心を持っているところです。
 ちなみに、きょう常幹でこういう意見が出たのでご紹介しますが、立候補は通常、当人の当選を目指して行われるべきものでありますが、そうでない形での立候補者が今回いたと言われています。そういうようなことも含めて、非常に今回の兵庫県知事選挙のあり方は、いろいろな疑問なり課題を投げかけていると受け止めています。

○政治改革について(2)

【ジャパンタイムズ】
 一点伺いたい。企業・団体献金をめぐる政党間協議についてお聞きしたい。立憲民主党は野党各党と手を組み、政治改革の一環として、年末の臨時国会で企業・団体献金の禁止を目指しているとのことだが、依然として国民民主党が曖昧な立場を示している。与党の反発が予想され、短期で成し遂げるには相当ハードルが高いとされているが、各党にどのようにアプローチし実現させていくお考えなのかお聞きしたい。

【幹事長】
 自民党と、それから特に国民民主党さんと、異論が強く、ハードルが高いということは認識しています。
 その上で、先般も申し上げましたが、とにかく30年前に政党交付金ができて以来の宿題なのですね。30年たったとはいえ、その約束、国民との約束をほごにしてはならないだろうという思いと、政治が資金力の多寡によってその政治的影響力に大きな差が生まれるということについては制約があってしかるべしという立場と、それから、実際に様々な腐敗の温床になってきたのがこの企業・団体献金であるという歴史的事実と、以上から、粘り強くこの企業・団体献金の廃止は求めていくつもりです。
 具体的にどのようにというお尋ねですが、とにかく粘り強く、謙虚に、しかし、丁寧に、真摯に、各党に対して呼びかけを行っていくということに尽きると思います。

○選挙活動のあり方に関する議論について

【朝日新聞】
 先ほどあった兵庫県知事選のネット発信の関係で詳しく伺いたいが、先ほどのご発言の中で、要はお金につながってしまう点や、必ずしも当選を目指して行われる形ではないというところに疑問を呈されていたが、この点、党内でこれからどういう場で、どういうスケジュール感で議論を進めていきたいというお考えなのか、まずお願いしたい。

【幹事長】
 きょうは政治改革本部がこれからいろいろ議論していく中の一つのテーマ足り得るということで認識を共有しました。
 かねてから、例えばポスターにしても当選を目的としているとはおよそ思えないようなポスターが張りめぐらされたりとか、そういう議論は既に各党間で共有されていますので、公職選挙法を含めた、こういう、法によって明示的に禁止されていないことをいいことに間隙を突くようなやり方をどこまで許容するのか、あるいは封じ込めるのか、そういう大きな問いが立てられているという認識でして、これから政治改革本部の中で幅広に議論していくべき一つのテーマだということがきょうの常任幹事会で共通の認識として持たれたところです。

【朝日新聞】
 幹事長のお考えとして、その選択肢の中には、いわゆる何か法改正みたいなものも取る必要性もあるとお考えになっているのかと、選挙の種類は違うが、来年には東京都議選や参院選など大きな選挙も控えている。こうしたスケジュールも意識して、その前に何かしらの結論を出すべきなのか。その辺りはいかがか。

【幹事長】
 おそらくポスターの件については各党かなり議論が煮詰まっているはずなので。それから、4月の東京15区の補選では、かなり妨害行為、これは刑事事件にもなっています。
 私は、理想を言えば、法律に書いていないからといって、その(立法)趣旨は明確なので、その間隙を突くというか、そういう悪用するようなやり方は、本来一定保たれるべき社会規範の中で排除されるべきだと。それが理想だと。私は基本はそういう立場です。
 しかし、仮に、それに委ねたのでは、こうした時に法の間隙を突くような、場合によっては故意、物によっては悪意のあるようなやり方が目に余るとすれば、場合によっては法改正も避けられないと私は思いますが、望ましいことではないとも思っています。

○政治改革について(3)

【朝日新聞】
 別件でもう一点伺いたい。衆議院のほうでは近く旧文通費に関係して各党の協議が始まっていく見通しだ。改めて、立憲民主党として文通費に対する考え方と、この協議にどう臨んでいくかお願いしたい。

【幹事長】
 (使途)公開を旨とし、そして、残余があれば国庫に返納するというのが基本的な立場です。
 しかしながら、各党共通の政治的土俵・条件の中で正当に切磋琢磨したいという思いもございますので、年内にも各党が合意をして、そして、早ければ年初から、来年分からきちんと公表・公開していくということに足並みがそろうことを念願しながら各党との協議に臨んでいきたいと思います。

【毎日新聞】
 先ほどの政治改革の与野党協議について関連して伺いたい。先ほど、オープンの場、国会の場が基本線ということをおっしゃっていたが、オープンだったり公開されるということが担保されない形で与野党協議が開催されることが決まった際には、立憲民主党としては参加しないという判断もし得るということでよろしいか。

【幹事長】
 少し予断を持って選択肢を狭めることはこの段階ではちょっと避けておきたいと思いますが、当方はあくまで「公開と熟議」という旗を掲げていますので、あまり国民から裏でこそこそやっていると思われるような事態は避けたい。それを基本線に、各党との協議に臨みたい。そう思っています。

○藤原議員のSNSでの発信について(1)

【産経新聞】
 立憲民主党所属の藤原規眞議員の発言について伺いたい。藤原議員は今月14日にX上で、クルド人差別についての記事を引用しながら、議員としても徹底的に取り組む、差別主義者を殲滅せよと投稿した。この投稿は現在削除されているが、殲滅せよには皆殺しにするといったような意味も含まれている。この投稿は適切だったとお考えか。また、党の見解と一致したものなのかどうか伺いたい。

【幹事長】
 あらゆる差別と戦うといいますか、認めない、容認しないというのが党としては基本的な立場ですが、それにしても、それぞれが情報発信する際には、こういう時代ですので、よくよく慎重に、言葉の選び方、運び方を含めて慎重に発信を行っていただきたい。そう思っています。

【産経新聞】
 藤原議員は衆院選以前からX上で殲滅という言葉を多用しており、過去には、統一教会と関係のあった議員や、ストーカーの人、性犯罪の加害者、そういった人たちに対しても、殲滅する、殲滅すべきといったような投稿を繰り返していた。こういった投稿を繰り返す人物を公認したことについて、適切だったとお考えか。

【幹事長】
 いろいろな総合判断で当然公認したということだと思いますが、いずれにしても、今ご指摘の、例えば殲滅という言葉が適切かどうか。非常に不穏当な表現と取られかねない、(そういった)おそれのある言葉だと私も思いますから、この点については、ちょっと場合によっては個別対応を含めて、全体としての規律を徹底していきたい。そう思っています。

【産経新聞】
 藤原議員は、殲滅という言葉以外にも、例えばDV摘発の記事を引用しながら、日本でもDVクソ野郎の一斉摘発やったれ、社会のドブさらいだとか、共同親権に関してはストーカー殺人推進法、DV殺人容認法といった、非常に過激な投稿を続けてきた。こういったことをする藤原氏は国会議員としての資質を備えているというふうにお考えか。

【幹事長】
 言わんとすることの主張の一端に、ある種の思いなりご当人なりの理解ということがあることが仮にそうだとしても、やはり表現ぶりにおける品位といいますか、国会議員としての品位を保つというのは当然の最低限の責任でありますので、その辺についても、しっかり執行部としてもある種指導責任があるという立場で、ご指摘はよく受け止めたいと思います。

【産経新聞】
 最後に一点。ちょっと仮定の質問になってしまうが、今後例えば自民党とか他党の政治家が同様の発言をした場合に、党としてどういった姿勢で臨まれるのか伺いたい。

【幹事長】
 特に責任ある立場、公党の責任ある立場の人間は、他党の、規範に照らして許されざる発言や、あるいは失言等については厳しく指摘をする責任がありますが、同様に、党内に対しても、そうした一定の品位や、あるいは節度を保つよう指導する責任があり、それは両方に対する責任が各党の特に責任ある立場の人間には求められる。私自身もよくそのことを自覚したいと思います。

○政治改革について(4)

【共同通信】
 政治改革の与野党協議について、重ねて確認したい。立憲としては、オープンの場、国会の場が原則という立場であると思うが、一方で、きょうの自民側の説明では、今週中にも開催したいと。今週中という日程感は臨時会の開会前なので、これは立憲が協議の土俵に乗る理想とはちょっと違う姿なのかなと思うが、この点について、立憲としては与党の思い描くような形の協議の場にはやはり乗れないという、こういう理解でよろしいか。

【幹事長】
 先週、小野寺政調会長が重徳政調会長を訪ねてこられて、事実上自民党が今何を考えているかということの説明を受け、そして、協議はしていません、説明を非公式に受けたという形を取っています。
 したがって、繰り返しになりますが、公開・熟議が原則ですので、そういう方向でとは思いますが、ちょっといろいろな情勢やいろいろな状況の中で、非公式な接触がどの程度どういう形であるのかについて、明確に断言というか、いろいろな可能性を排除するようなことはこの時点では避けたいと思いますが、私どもの原則は原則として理解していただけるように、先方にもよくお伝えする必要があると感じています。

【共同通信】
 重ねてだが、つまり、立憲が協議の場に乗れるように、逆に自公側に要求するということもあると。

【幹事長】
 協議の場に乗れるようにというか、国会が開会する、ないしは、その前後でオープンに議論しようということですから、理想的には、例えば国会内で、それは理事会なのか、あるいは各党の協議会なのか、そして、議事録が残るのか、あるいはメディアの皆さんの目が入るのか、いろいろなグラデーションがあると思いますが、できるだけオープンな場で、しっかり熟議をしようということが徹底されるように、こちらとしては努めたいと思っています。

【西日本新聞】
 政治改革に関連して。自民・公明が呼びかける与野党協議という場に関しては、なかなかまだ態度というか、いろいろ条件なども難しいところがあるかと思うが、野田代表は以前、政治資金規正法の改正などに向けて、野党の共同提出に向けて呼びかけをしていくということはおっしゃっていた。国会の開会前に、野党同士での協議だったりとか、そのすり合わせとか、そういった呼びかけは引き続きしていらっしゃるのか。

【幹事長】
 まさに、野党案がまとまって、与党案が出てきて、国会で十分議論して、お互いの妥結点、修正を含めた合意がなされていくというのが、まさに「公開と熟議」の原則にのっとったやり方だと思います。
 ですから、理想的に言えば、今まさにおっしゃったように、野党各党に呼びかけて、野党としての成案を得て、そして、国会に正々堂々ぶつけていくということを理想としています。どこまでどうやれるかはちょっと定かではありませんが。各党にいろいろな、野党とはいえ考え方のずれがありますので。ただ、呼びかけていくとか協議を進めていきたいということはご指摘のとおりで、そういう方向性になっていくと思います。

【西日本新聞】
 現状、実際に各党に、いろいろなレベルはあると思うが、協議を呼びかけてはいるのか。

【幹事長】
 ちょっと詳細な報告は受けていませんが、非公式なチャンネルを含めて、いろいろとコミュニケーションは日常的に取っていると思います。

【西日本新聞】
 今のところ、特に国民民主党はどんな反応をしているかはお聞きになっているか。

【幹事長】
 間接的含めて漏れ聞こえてくるところでは、やはり企業・団体献金(廃止)に関してはかなり私どもとは現状見解の相違があるということが前提になっていると思います。

○「衆院選総括」「党人事」等について

【フリーランス】
 大まかに幹事長のご見解や感じ方を伺いたいと思うが、一つ目は、きょう資料をいただいたが、選挙総括の案が出ている。幹事長も中心になって取りまとめられたと思うが、この長い文章の中で特に着目してほしい点や、特に小川幹事長のほうから皆さんに強調したい点はどの辺りか。

【幹事長】
 後ほど大串代表代行、ご担当の代行からブリーフと応答があると思いますが、私としては、選挙区で一定の成果につながった一方で、比例区が十分に伸び切っていない点。それから、野党各党との選挙区調整に課題を残した点。この辺りが非常に反省といえば反省ですし、それから、次期参院選はもう半年後ですから、先ほどから話題になっていますSNS対策ですね。この辺りは非常に大きなテーマだと感じています。

【フリーランス】
 2点目だが、様々な組織編成があり、今からじっくり見させていただくが、こちらも野田代表と幹事長が中心になり方向性を決め執行部に諮っていらっしゃると思うが、今回、前執行部と差別化する点というか、違う点として、自分たちが方向性をつけてみたというような、考え方として何か特徴的なもの、もしくは着目点などはあるか。

【幹事長】
 新設のものとしては、党改革に係る本部の設置でございまして、一連の代表選のさなかから、代表選の推薦人規定のあり方とか、それから、今般特に被災地の近藤議員が豪雨の関係で投票権を行使できなかったりとか、いろいろな課題が指摘された代表選挙でしたから、そういうところからまず見直していこうというのは新しい執行部の一つの特徴であり、また、代表選期間中から抱えていた党としての課題であるという認識です。

【フリーランス】
 前回の執行部で名前の挙がっていなかった方を特にピックアップしたとか、そういう意識は特になかったか。

【幹事長】
 人事に関しては常に、公平、バランスは意識しています。

【フリーランス】
 最後、3点目だが、野党そろい踏みできるという状態になり、政治改革以外でどの政策を優先して実現していきたいとお考えか。

【幹事長】
 きょうの常幹資料の中にも既に議員立法として弾込めしているものが資料としてありますので、また追ってご覧いただきたいと思いますが、本当に保険証を廃止していいのかという関連。それから、訪問介護事業所がかなりピンチだという、今、全国的な状況がありますが、これに対する支援。それから、保育・介護人材を含めた人材確保。学校給食の無償化。そして、トリガー税制等々。今、法案を弾込めして、いつでも出せる準備を進めているところです。
 できれば、自公が過半数割れしているわけですから、野党各党の理解を得て、これは今まで議員立法は割と出すだけで、それ以上審議してもらえないことが多かったわけですが、今般はできるだけ野党間で連携を取って、提出し、そして、審議をしてもらって採決に臨むというところまで持っていきたい。そういう思いでおります。

○首脳会議における首相の振る舞いについて

【朝日新聞】
 石破総理の外交のことで伺いたい。南米で行われたAPECの会議の場で、石破総理が他国の首脳と会うときに着席したまま握手をしていたことや、集合写真の撮影に遅れてしまったことをめぐり、非礼ではないかという指摘も相次いでいるが、こうした外交姿勢についてお考えがあればお願いしたい。

【幹事長】
 あまり揚げ足は取りたくありません。しかし、日本国の首脳が、時に現地で、あるいは時に世界のメディアを通して、どう映っているかということは日本の国益にも関わることですから、よくよく、時間管理、進行管理、服装、そして、立ち居振る舞い。あらゆることを、日本国民を代表すべく、代表するにふさわしい立ち居振る舞いをあえてお願いしたい。そう思っています。

○藤原議員のSNSでの発信について(2)

【フリーランス】
 選挙をいろいろと取材していて、支持者から相手を殺せとかそういったことが出るときはあると思うが、候補者は絶対にそういうことは言わない。徹底して勝つとか、そういったことで、相手を打ち負かすとかは言うが。殲滅という言葉はこれは絶対アウトですよ。殲滅は殺すのではなく相手の精神までもやることだ。しかも、彼は今回初めてではない、前回出ているでしょう。そのことは、小川幹事長、強くやらないと駄目ですよ。私も長いこと選挙を見ていて候補者を見ているが、候補者が相手を殺すとか言ったことはない。殲滅というのは殺すこと以上に相手の精神までも駄目にすることだから、これは重要な問題ですよ。立憲民主党がこういった人を候補者として取り上げたということが問題になりますよ。

【幹事長】
 ご指摘、厳しく受け止めたいと思います。
 私、前(臨時)国会が終わった直後かな、裏金を撲滅するために裏金に関与した議員の選挙区で青空集会をやりますと言ったときに、どなただったかな、裏金議員撲滅青空集会ですかと聞かれ、いやいや、裏金は撲滅だが、裏金議員を撲滅は不適切だと。裏金議員は一掃だと、裏金は撲滅だというふうに、あえて訂正してお答えしたことを思い出すのですが、やはり言葉の使い方一つ取っても慎重さも必要ですし、どうあれ、お互い生身の人間がやっていることですから、人権への配慮とか、互いの立場への尊重とか、たとえライバルであってもそういうことは旨としたい。
 ただいまのご指摘は幹事長としても厳しく受け止めたいと思いますし、今後の党内のある種規律といいますか文化といいますか、そこに向けても責任を感じながら受け止めたいと思います。

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。それでは、幹事長もそろそろ次の日程がございますので、この辺りで記者会見は終了させていただきたいと思います。皆さんご参集いただきまして誠にありがとうございました。また引き続きよろしくお願い申し上げます。

【幹事長】
 ありがとうございました。この後、大串代表代行から選挙総括について特にブリーフと応答があると思いますので、よろしくお願いいたします。

■冒頭発言(代表代行・選挙対策委員長会見)

【司会(幹事長特別補佐)】
 それでは、続きまして大串代表代行より選挙総括に関する記者会見を行わせていただきたいと思います。まず、冒頭、大串代表代行よりよろしく申し上げます。

○第50回衆議院議員選挙総括について

【代表代行・選挙対策委員長】
 お疲れさまです。
 この選挙総括、衆議院選挙の総括ですが、先週の役員会で素案を示し、先週木曜日の参議院議員選挙の総合選挙対策本部にて議論をいただき、かつ、先週金曜日の全国幹事長・選挙(対策)責任者会議の場でも議論をいただいた上で、きょう常任幹事会にお示ししました上でまとめさせていただいたものでございます。
 お手元にあると思いますが、すみません、一つだけ、文字上の修正だけさせていただくと、1ページ目の2パラグラフ目、「今回の選挙の争点は」と始まるところがありますが、3行目に「政権交代こそ、最大の」とありますよね。ここのところ、ちょっとすみません、文字上の変更がありまして、「『政権交代こそ、最大の政治改革。』である」となります。そこだけちょっとご留意いただいて。
 この選挙総括に関しては、今回50人の議員を増やすことができました。なおかつ、女性の議員さんが15名から30人に倍増したということなどを挙げながらも、一方で、比例が7万票しか増えなかったということもしっかり認識した上で、次に向けてどうやっていくかということに焦点を当てて書いたつもりです。
 特に、各党との関係。うまくいった面、うまくいかなかった面もあります。
 さらには、特に今問題になっているSNSの使い方において、比例票を取っていくという意味においては、更なる、ここにはターゲティングという言葉を使っていますが、各支持層に向けたターゲティングをもっとSNSにおいて利かせるべきではなかったかというような反省もこれあり、そういったことをここに書かせていただいているところでございます。
 次は参議院選挙でございますので、今回得た知見を踏まえながら、更に分析するは分析しながら次の参議院選挙につなげていきたいと思いますので、また皆さんからいろいろご指導いただけたらと思います。


■質疑(代表代行・選挙対策委員長会見)

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。それでは質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○第50回衆議院議員選挙総括について(1)

【共同通信】
 ぱっと一読すると、他党との関係があまり詳細に書かれていないのかなと。例えば共産党なら議席を減らしたり、維新もそうだが、国民は議席を伸ばした、そういう結果とか、各現場で選挙活動を見ている中で感じることがあると思うが、そういった深い議論というのはこの総括をまとめるに当たって議論があったのか。あるいは、今後もうちょっと深く議論する余地があるのか。この点はいかがか。

【代表代行・選挙対策委員長】
 他党との関係に関して言うと、相手方のあることなので、できること、できないことがありましたし、今後もあります。なおかつ、他党がどう増えたかとか、どう減ったかというのは、あまり私たちの分析の対象には普通はならないです。我が党としてどうだったかというところを分析するのが私たちの選挙総括の通常の姿だと思います。そういった意味において、あまり分量的に長くなっても、これは物として通用しませんので、このくらいの内容にしているところです。  更なるいろいろな分析はこれからもやっていった上で、参議院選には臨んでいきたいと思います。

【NHK】
 先ほどSNS発信の関係でターゲティングの問題もあったが、具体的に今後参議院選挙に向けてどのようなターゲティングをやっていくのかと、今回選挙戦で例えばどういった点がうまくいかなかったのか、ターゲティングがうまくいかなかったというか、具体的にどういうターゲティングが利かなかったのか伺いたい。

【代表代行・選挙対策委員長】
 全体的に、いわゆる裏金問題を大きな争点として掲げた、これに関しては一定の手応えがあったというふうにここに書いています。
 その上で、必ずしも裏金問題だけを関心を持って見られていなかった方ももちろんいらっしゃると思います。例えば経済の問題、こういった問題を非常に重視された方もいらっしゃったでしょうし、あるいは、例えば選択的夫婦別姓制を重視したという方もいらっしゃったと思います。こういう特にそのセグメントにおいて関心のあられた項目というのはあったと思います。
 SNSの使い方というのは、まさにそういうセグメントごとに私たちのメッセージ、立憲民主党として十分な政策をそこには持っていますので、こういったことをターゲティングしてそのセグメントに伝えていくということは、もう少しできたのではないかという反省があります。こういったことを次に向けてしっかりやれるようにしていきたいと思います。

【フリーランス】
 既に言われていることだとは思うが、今回国民民主党が比例で躍進したということになっているが、「民主党」という略称の按分がやはり大きく影響したのではないかと思う。これをどう分析されるのかということと、改善というか改める可能性があるのか伺いたい。

【代表代行・選挙対策委員長】
 この総括の中にも略称のことは書きました。7ページの上のほうですが、略称の「民主党」は今回においても重複したと。多くの問い合わせが寄せられたと。参院選に向けて検討を要すると書きました。
 これは相手方のあることでもありますので、私たちだけで決められるものでもない面があります。相手方というのは国民民主党さんですが、国民民主党さんとまた話をする機会があれば話をしながら、次回に向けて検討しなければならないと思っています。

○政治改革について(1)

【西日本新聞】
 前文の締めに、「来る来夏の参議院選挙へ向けて、国会論戦では政治改革の先頭に立つとともに」とある関連で、この度の政治改革推進本部長に大串さんが就任され、国会論戦の絡みなどで、就任された決意というか、お聞きしたい。

【代表代行・選挙対策委員長】
 今回の衆議院議員選挙においても裏金問題は最大の争点でありました。その選挙において、私たちは50人増という結果をいただきました。与党を過半数割れさせるという結果もいただきました。
 この声は、やはり政治改革、早期に決着をつけてくれという声だと思いますので、私たちとしては、この年内、臨時国会の中において、この政治改革に関して、政治資金規正法の再改正も含めて決着をしっかり得ていくということが大切だと思います。
 その意味において、まずは各野党の皆さんと、私たちの考えもこれまで示しているところがありますので、各野党の皆さんと共通の土台をどのくらいつくれるかということをもう一回、前国会においても行いましたが、もう一回行ってみて、今、その話合いももう始めています。各野党の皆さんと個別に話を始めて、どのような形で野党間で共通のものを提案できるかという話合いも始めています。
 どれくらいできるかというのは各野党の皆さんの立場もありますので私たちだけで決められるものではないですが、野党でできる限りの声を合わせた上で、与党に対して政治改革の決着を今年中に出せるようにしっかり迫っていきたいと思います。

○第50回衆議院議員選挙総括について(2)

【朝日新聞】
 総括文を拝見していると、「今後への課題と取り組み」のところで、今回の選挙はやはり真ん中の層を取ることが一定の成果につながったという総括をされていて、おっしゃるように真ん中の無党派層を取りにいくという戦略を掲げ、それがうまくいった面もあると思うが、ご指摘されたように比例票は伸びていなくて、そこと何か総括が少しちぐはぐしているような気もするが、ここはどうお考えになっているか。

【代表代行・選挙対策委員長】
 無党派層という皆さんがどこにいらっしゃるのかということも、これからよく分析・検証していかなければならないなという思いでいます。
 すなわち、真ん中にいらっしゃる無党派層の方もいらっしゃるかもしれないし、それよりちょっとイデオロギー的にいうと右にいらっしゃる方もいらっしゃるかもしれないし、左にいらっしゃる方もいらっしゃるかもしれない。
 そういったこともこれからきちっと分析しながら、それをしっかりとターゲティングしていけるようなSNSの使い方がやはりあると思うのですね。だから、真ん中だけに無党派の皆さんがいらっしゃるわけではないという認識の下に、次の参議院選に向けて、どうターゲティングしていくかということをしっかりやっていきたいと思います。

【朝日新聞】
 そうなると、党の立ち位置とか大きな戦略というよりも、アプローチとか戦術面での課題がネックになっているという、そういう理解か。

【代表代行・選挙対策委員長】
 党の立ち位置自体は野田代表の下で明らかになっていると思います。この立ち位置自体は、私は今回功を奏したと思っています。
 その上で、私たちが中道も含めたところに立っている、それをもう少し幅広くリーチしていけた可能性が、ターゲティングをしっかりやればできた可能性があると私は思っているのです。というのは、私たちは政策をちゃんと持っています。幅広い政策を持っているので訴求できたのではないかという反省もあるものですから、それらを参議院選に向けてしっかりやっていきたいと思います。

○政治改革について(2)

【佐賀新聞】
 政治改革の部分だが、先ほどのお話では野党との連携の部分は触れていただいたと思うが、与党との具体的な向き合い方とか、規正法以外のこういった点というのは、特に重視していくみたいな部分はあるか。

【代表代行・選挙対策委員長】
 与党の皆さんとは、「熟議と公開」ですから、「熟議と公開」の中で、国民の皆さんが「あ、こういう議論が行われているんだな」というのをわかっていただけるような形でのしっかりとした向き合い方、基本的には国会というものがありますので国会を中心とした向き合い方をしっかりした上で、結論を出していければと思います。野党多数でございますので、結論を出していければと思います。
 政治資金規正法の改正以外においても、例えば旧文通費の課題等々もあります。こういった問題も含めて、今回結論を出していきたいと思います。

○第50回衆議院議員選挙総括について(3)

【産経新聞】
 先ほどの無党派層への取組の質問とちょっと関連する部分もあるが、「今後への課題と取り組み」の部分で、「『真ん中層』を取り込むという前回選挙からの課題への対策は、一定の成果につながった」としているが、この一定の成果というのは、先ほども出たが、比例票が横ばいになっている中で、どういったものを指しているのか伺いたい。

【代表代行・選挙対策委員長】
 50人の議員を増加させることができたというのは、その一例だと思います。競り負けたところもありましたが、やはり競り勝ったところもあります。小選挙区でも勝った人間を増加させることができました。一定のというのはそういうことです。

【産経新聞】
 ということは、真ん中を取りに行くという戦略は小選挙区においては功を奏したが、比例においてはあまり効果を発揮しなかったというような、そういうような認識なのか。

【代表代行・選挙対策委員長】
 これを見ると、選挙区においては、小選挙区の勝利者、比例復活の当選者も含めて、増えることができたということなのですが、比例票においては7万票が増えていると、他党に比べると伸びが少ないということは、そういう実態として受け止めていかなければならないと思います。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほか、いかがでございますか。よろしいでしょうか。
 それでは代表代行の記者会見はこの辺りで終了させていただきたいと思います。皆さん、ありがとうございました。

(以上)