立憲民主党は11月20日、国会内で午前は第2回目、午後には第3回目となる「『年収の壁』国対ヒアリング」を実施。午前は、厚労省の方針である「『年収106万円の壁』撤廃」によりパート主婦などの手取りが減少することについて、生活経済ジャーナリストで立教大学経済学部特任教授の柏木理佳さんからヒアリングを行いました。午後は、「年収130万円の壁」「年収106万円の壁」について、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんからヒアリングを行いました。同ヒアリングには、厚労省も同席しました。
午前のあいさつで代表代行の長妻昭衆院議員は、厚労省の「『年収106万円の壁』撤廃」方針によると、被用者保険が適用される要件が「週20時間以上」という「労働時間要件」のみになってしまう結果、「(労働時間を)19時間に抑えた方が保険料負担がないため、20時間働く人よりも年収が多くなる」と懸念を表明しました。
ネクスト財務金融大臣である階猛衆院議員は、立憲民主党が提出した「年収130万円の壁」を給付で埋める法案の趣旨は「働き控えをなくす」ことだと強調。他方、厚労省の同方針では、「むしろ働き控えが増えるかもしれない」として、「方向性がまったく違う」と述べました。さらに、社会保険料の事業主負担が増えることは、「働き控え」だけでなく、中小零細企業にとっても負担が増える「重大な問題だ」との認識を示しました。
司会を務めた国会対策委員会筆頭副委員長の山井和則衆院議員も、厚労省の同方針のままでは「厚生年金の適用拡大倒産が増えるかもしれない」との懸念を表明しました。