小川淳也幹事長は12月17日、国会内で記者会見を開き、(1)常任幹事会での決定事項(2)国会運営の変化――等について発言しました。

(1)常任幹事会での決定事項

 小川幹事長は冒頭、本日の第115回常任幹事会において組織委員会の役員構成と、自治体議員ネットワーク・女性議員ネットワーク会議の開催について意思決定を行ったと報告。

 また、各選挙に向けた候補者の公認については、次期衆院選に向けて10名を一次公認、来夏の東京都議会議員選挙に向けて14名を一次公認、静岡市議会議員選挙に向けて1名の公認を決定したと報告しました。

(2)国会運営の変化

 小川幹事長は、自公過半数割れの国会において政治改革や補正予算案の修正で一定の成果が出ていることを踏まえ、「この変化は国民の皆さまに前向きに捉えられているのではないか、望ましい国会の変化につながっているのではないか」と所感を述べました。

 一方で、次期国会に議論を持ち越すこととなった企業・団体献金の是非や、自民党東京都連のパーティー券収入不記載問題については、「宿題」だとしました。
 以上を踏まえ、「政治と金の問題は終わりのない課題。手間と時間がかかるが、それでも一歩一歩前に進んでいるのはありがたいことだ」と冒頭発言を結びました。


小川淳也幹事長記者会見

2024年12月17日(火)15時13分~15時46分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/sGCDylQ-gbE


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第115回常任幹事会を開催

【幹事長】
 お疲れさまです。
 ただいま常任幹事会を終了いたしました。
 きょうは、組織委員会の陣立てや、自治体議員ネットワーク・女性議員ネットワーク会議の開催等について意思決定をしたところです。
 なお、衆議院の公認候補者で、前回落選した人が60名前後いらっしゃいますが、うち10名、公認(内定を)決定、1次公認をさせていただきました。それから、来夏の東京都議会議員選挙では14名。加えて、静岡の市議選で1名。全25名の公認決定をいたしておりますので、ご報告申し上げます。

○政治改革 政治資金規正法再改正について

【幹事長】
 昨日からきょうにかけまして、政治改革で大変大きな動きがございました。
 率直に、自民党にもいろいろな思いがおありだったと思いますが、この際、私どもの主張を受け入れ、政策活動費の例外なき禁止に踏み切っていただいたことに敬意を表しつつ、与野党が、自公過半数割れの中での国会運営というのは大変手探りでございましたが、さきの補正予算にせよ、今般の政治改革にせよ、一定の結論を極めて建設的に前向きに見出しているということで、私は、この変化は国民・有権者の皆様は前向きに捉えられているのではないか、さきの総選挙の結果が望ましい国会の変化につながっているのではないか、総体としてそういうふうに受け止めております。
 現場で協議に当たられた皆様等々を含め、大いに心から敬意を表した上で、そういう感想をあえて申し上げたいと思います。
 今後、企業・団体献金(禁止)については宿題ということで次期国会に持ち越すことになりましたし、また、とはいえ、いろいろと自民党の東京都連の問題も報じられているところですから、この政治と金の問題というのは終わりのない課題だと思いますが、しかし、それでも一歩一歩、前に向けて決着をつけていくと。
 なお、(旧)文通費についても議運において一定の結論を見たということで、本当に時間と手間がかかっておりますが、一歩一歩、それでも前に進んでいるということを大いに多としているところでございます。


■質疑

○世論調査の結果について

【フリーランス】
 一番最近の世論調査だが、立憲民主党、本来野党第1党だが、支持率でいうと国民民主党に抜かれてしまった。この現状について、どういうふうにお考えになっているか。

【幹事長】
 何週間か前にも同じご質問をいただいたことがあります。
 結論を申し上げると、ちょっとご期待に沿えないかもしれませんが、あまりあおられたり焦ったりという気持ちはありません。
 キャスティングボートを握っておられる国民民主党さんが、特に「103万円の壁」をめぐって露出を高め、存在感を放っておられるということには敬意を表したいと思っています。
 しかし、私どもの基本的な役割はキャスティングボートを握ることではありませんので、自民党としっかり対峙して、もう一つの選択肢たり得るべく、堂々と、地道に、実直に、存在感を、放つでもないですね、じわじわとじっくりと構えているのが私どもの仕事ですから、まさに一喜一憂するつもりもなく、あおられてもいなければ、焦ってもいない。敬意を表しつつ、そういう感想を持っております。

【産経新聞】
 先ほど国民民主党の支持率が上回った件について受け止めを伺ったが、要因について、どのように見ていらっしゃるか、少し具体的にお願いしたい。また、選挙協力に向けて影響があるとお考えか。そちらについてもお願いしたい。

【幹事長】
 昔、維新さんに抜かれていたこともありました。その意味で、まさに一喜一憂するつもりはないのですが、あえて要因はと問われれば、想像ですが、これだけ「103万円の壁」が、ある種注目を浴び、そして、ある種世間の後押しを受けた状態で、その旗を振っておられるわけですから、一定支持と期待が集まるというのは当然ではないかと受け止めています。
 選挙区調整にこういったことが、つまり、お互いの、まかり間違って野党第1党争いみたいなことを、かつて維新さんもそう言っておられた時代がありましたが、こうしたことが、大きく言って自公政権としっかり野党陣営が対峙しなければいけないという国家的な大義に、こういうお互いの競争心、ライバル心、一定あっていいのですが、それが、この大きな戦い、大義の上に影響を及ぼしてはならない。そう思っています。その前提で、各党との協議に努力したいと思っています。

○参議院通常選挙に向けた取組について(1)

【産経新聞】
 続けて、日本維新の会が提唱している来年の参院選に向けた野党候補を一本化するための予備選について、立憲民主党としての見解をお願いしたい。

【幹事長】
 野党の一本化を呼びかけていただいていることは大いに多とすべきだと思っております。その手法・手段が予備選挙というお考えもあるのかもしれませんし、ただ、有権者の範囲をどう確定するのかなどを含めて、制度設計は簡単ではないだろうなと思っていますが、野党が1人区において一本化すべきだということをご発信いただいていることには多として評価しているところです。

【産経新聞】
 国民民主党の玉木氏は予備選について否定的な見解を示されている。立憲民主党と国民民主党の間では選挙協力に向けた政策協議の準備も進められているかと思うが、日本維新の会と国民民主党も含めた野党全体としての候補者一本化に向けてはどのような進め方を描いていらっしゃるか。

【幹事長】
 全体としての一本化に努力したいと思っています。

○「年収の壁」引上げの議論について(1)

【テレビ東京】
 先ほど103万円のお話があったが、先ほど、まさに国民民主党側が、協議を進めていく中で納得できる新しい提案がなかったとして、協議の打切りを宣言した。これについての受け止めと、立憲民主党としては今後、公約であったり政策を実現するためにどういう方法でやっていきたいか、お考えをお願いしたい。

【幹事長】
 他党同士の協議ですからあまり深入りはしたくないと思いますが、どこかで野田代表が公に、自民党にだまされるなよということをおっしゃったかに聞き及んでおりますが、やはりなかなかしたたかな方々ですから、いろいろと果実を取るというのはそう簡単ではないのだろうなと思います。
 ただ、「103万円の壁」引上げ全体については私どもも賛同し、応援する立場ですから、財源の問題を含めて、引き続き公党同士としてお互いに誠意を持って協議をしていかれるのではないかと、見守るような気持ちです。

○参議院通常選挙に向けた取組について(2)

【神奈川新聞】
 来年夏の参議院選挙神奈川選挙区について、立憲民主党の神奈川県連はきのう16日の常任幹事会で、改選を迎える牧山ひろえ参議院議員と水野素子参議院議員の現職2人を公認候補として擁立する、こうした党本部の方針が決まったという報告をした。参議院神奈川選挙区は改選定数4で、主要政党が候補を擁立する方針を示している。県連内では候補者を一本化する声も強く上がっており、今回のこの党本部の決定に疑問や戸惑いの声も上がっていると聞いている。現職2人擁立とする党本部の狙いについて教えていただきたい。または、2人擁立で共倒れの心配がないか。また、2人の当選に向けて、どのように戦っていく考えなのかもあわせて教えていただきたい。

【幹事長】
 現在の党勢の中で、複数区で複数人。昔はあったんですね。特に07年、3人区に2人立てて2人通していましたから。ただ、いかなる状況であるにせよ、ある種、積極路線、強気の路線で、しっかり候補者を擁立して、党内といえどもお互いに正当なライバル同士として、そして他党から支持を奪い返すといいますか、そういう積極路線で行くということは国政選挙の基本だという認識でおります。
 したがって、まだ正式決定したわけではありませんが、慎重意見が県連内にも、あるいは党内にも当然ないわけではありませんが、原則というか、基本的にあるべき姿というか、それにのっとって、積極擁立の方針で、今後、最終調整を進めていきたいと思っております。

【神奈川新聞】
 関連して、もう一点。調整をということだが、具体的に正式に公認を決定する時期はいつ頃になるか。もう来年夏なので、最大の支援団体の連合なども早めにと、年内にはと申している。そのタイミングについて教えていただきたい。

【幹事長】
 一応年内の常任幹事会がきょう最後になりますので、年明け以降、可及的速やかにということになると思います。

○政治改革について(1)

【東京新聞】
 大きく分けて二つ伺いたい。今回の政治資金規正法改正に関して、これまで、先ほど一定の結論を得たという手応えについておっしゃっていたが、ここに至るまでは、特に自民党がこだわりというか抵抗というか、かなり強い部分もあったと思う。それを振り返ってみて、改めてどういうふうにお感じになっているか。

【幹事長】
 力学でいうと、野党の足並みがそろっていた、あるいは、そろいつつあったことが、非常に、最終盤、効果的でした。力学でいうと。
 それから、中身でいうと、外交機密なのか有識者のプライバシーなのかわかりませんが、やはり説得力を持って自民党さんも説明しかねたのではないか、し切れなかったのではないか。それはもっと言うと、これだけ妥協していただいていますので敬意を表するのですが、いかほどの根拠が本当にあったんですかということは改めて問われるのではないかと。過去、年間10億、二階さんに至っては5年間で50億という、その支出の根拠なり内容はいかほど説得力のあるものだったんですかと、実態として、ということが改めて問われているのではないかと感じています。

【東京新聞】
 もう一点だが、御党が出されている法案、共同提出と単独提出も含めてだが、特に政治資金透明化法案の扱いが今後どうなっていくのかということについて、現時点での見通しを伺いたいのと、特に国会の論戦でも黒岩議員が質問していたが、いわゆる茂木方式というものの扱い、そこを特出ししてあわせて伺いたい。

【幹事長】
 今回採決に至らないものについては、基本的に、企業・団体献金も含めてですが、継続審議をお願いし、来国会に持ち越しというのが基本線だと思います。

【東京新聞】
 協議次第というか、御党としてはそういう姿勢で、継続審議でお願いしていくと。

【幹事長】
 (うなずく)

○裏金問題 政倫審での弁明について

【共同通信】
 政倫審のほうで本日、何人か、要するにお金の流れとかを承知していませんでしたみたいな発言が相次いだ。そういったご発言について思うところがあれば伺いたい。

【幹事長】
 衆議院で公開で行われると、行われていると聞いています。
 今までもそうでしたが、政倫審に出たからといって真相究明に必ずしもつながったという実感を持っている関係者なり国民はほとんどいないはずなんですね。ですから、特にこれから参議院で公認獲得のための口実、アリバイづくりになってはいけませんし、選挙が一旦終わった衆議院においても積極的に出席して釈明・弁明していただかなければなりませんが、出たらしまいではありませんよと。ちゃんとその真相究明なり責任追及につながる、迫真に迫る弁明を行ってもらわないと、単なる時間つぶし、アリバイづくりでは済ませられませんよというのが基本ですから、ちょっとまだ中身・詳細は見切れていませんが、そういう前提で厳しく見ていきたいと思っています。
 それから、参議院についても、ぜひ公開で行われるべきだということもあわせて申し上げたいと思います。

○参議院通常選挙に向けた取組について(3)

【共同通信】
 もう一点、先ほどの神奈川新聞さんの質問にあわせてだが、現状2人擁立で調整されているという話だったので、それは新聞の見出しだと2人擁立へという見出しになるが、そういった捉え方でよろしいか。

【幹事長】
 最終決定はしていませんが、その方向で調整が進んでいることは事実です。

○政治改革について(2)

【西日本新聞】
 話題変わり、政治改革の件で伺いたい。御党が政治改革の本丸に位置づけている企業・団体献金禁止の法案をめぐっては、来年3月までの結論を得ることで政治改革特別委員会の理事会で合意された。まず、この受け止めを教えていただきたいのと、この法案をめぐっては他の野党から政治団体除外の件が抜け穴として批判され、それで賛同が広がらなかったが、仕切り直しをする意味で、より広い賛同を得られる案にするため、法案を修正する可能性はあるか。その2点をお願いしたい。

【幹事長】
 本来は年内に結論を出したかったので、その意味では、当方としても妥協した点です。そして、可及的速やかに結論に至りたいという意味では、来年3月というのはぎりぎりの線、年度内に結論を出したいということです。
 政治団体について、ちょっときちんと申し上げたいのですが、これ理念を大事にすると、何人にも政治団体を結成する自由があり、政治活動をする自由があり、そして、誰かを応援する、どこかの党を応援する自由があるわけですね。ですから、その自由を侵すということは、場合によっては制限のあり方として強過ぎるという議論が理念的にはあるわけです。だからこそ、当方としては、政治団体は企業献金と同列には扱えないなということで、今のような形になっています。
 一方、実態としていえば、業界丸抱えの政治団体もあるではないかと。したがって、その業界丸抱えの政治団体の政治献金は企業献金と実態においてどう違うんだと。極めて国民から見るとわかりにくいという議論が一方にあります。
 したがって、理念的に言えば、やはり政治活動の自由はちゃんと担保すべきなんですよね。でも、それをやってしまうと、業界丸抱えの政治団体の政治活動を、まさに抜け穴ではありませんが、容認してしまうという結果が付随してきます。一方、実態がそういうものがあるから完全に禁止すべきだということになると、今度は本当にある意味純粋な、という言い方が当たっているかどうかはあれですが、特定の個人なり、あるいは団体なりが、本当にある種の志を持って自主的に政治団体を結成し、そして、特定の候補者や政治家や政党を応援するということを封じてしまうことにもなるわけで、この理念的な議論を貫徹するか、実態に合わせて禁止の範囲を広げるかという議論を本当はしなければいけないわけです。
 ですから、抜け道があるから賛同できないとか、それは抜け道なのか、どんな抜け道なのかという、より精緻な議論をちゃんとやるべきで、お互いがちょっと思惑、各党が思惑先行で、この本物の議論に入れていないのではないかというのが私の受けている印象です。
 その上で、来年3月に向けては、いずれにしても一定決着・結論を出さなければなりませんし、出したいという思いですので、もちろん当方が主張している原理原則論、これは大事にしたいと思いますが、やはり今般もお互いの歩み寄りがあって一定の結論に至っているわけで、そうしたことは当然念頭に置いていかなければいけない。しかし、発射台ですから、今。まだ出発点ですから。延長戦に入るとはいえ。当方の原則的立場は大事にさせてください、ひとまずは。

【西日本新聞】
 確認で、具体的に修正の協議を党内で始めたとか、そういう具体的な動きは今のところは。

【幹事長】
 ありません。

○「熟議と公開」の国会運営について

【北海道新聞】
 これまでの質問とやや重なるところもあるが、今国会について、補正予算では立憲案の一部を自民が受け入れて修正する形にもなり、政治改革ではきょうまさに野党案が衆院通過をするという見通しだ。こういった一連の一つの山場を終える日とも言えるのかなとも思うが、改めて、この異例の展開続きとも言えるかと思うが、今国会を現時点で振り返られての受け止めをお願いしたい。

【幹事長】
 まさに、衆議院で自公が過半数割れした後、本当に未知の領域を手探りで進むという緊張感と責任感に満ちて今国会に入りました。
 ちょっと前国会も含めて思い返していただきたいのですが、首班指名、野党の足並みがそろわず、84票の無効票によって、消極的・反射的に石破政権の存続が決まった。これが首班指名でした。
 後の国会委員長人事。野党の足並みが完全にそろい、予算委員長、憲法調査会長を初めとして、野党が主要な国会の役割を人事の上において担うということが決まりました。
 補正予算は、今のご指摘のとおり、当方の主張を一部盛り込んでいただき、能登の復興予算を上積みするという結果。しかし、基金がブタ積みになっていますから、本体には賛成できないと。しかし、採決には応じると。日程感も、大体この手の補正予算というのは通常は2日間で上げるという、ある種の相場感がありましたが、3日やった。だけど、4日も5日も6日もはやらなかったという、その妥当なラインというのでしょうか、日程感と内容を含めて、一定の結果につながった。
 そして、今般の政治改革では、例外なき政策活動費の禁止という、日本の政治史上非常に大きな一歩だと思うのですね。数ある論点のうちの小さな合意点かもしれませんが、日本のこの何十億何百億という金が、どこに行ったのか、誰に支払われたのか、全くわからない、その重大な温床でしたから。それを例外なく塞いだということは極めて大きな一歩だと感じていますが、それもお互いの歩み寄りでなされた。もちろん企業・団体献金で先送りになった面もあります。
 そこでちょっと感想に戻るのですが、私は、この国会は必ず変化が起きるし、起こさなければいけないと思っていました。国会冒頭、両院(議員)総会でも申し上げたのですが、問題は、その必ず起きる、必ず起こす変化を、国民が、望ましい変化が国会におきていると感じていただけるか。いやいや、こんな変化なら、ないほうがましだと、たとえ硬直化していたとはいえ自公が安定多数を持っていたときの安定という名の硬直のほうがまだましだと思われるか。そこが分岐点になると思っての、緊張感を持っての国会対策でした。
 ちょっと手前勝手に取られると困るのですが、現状、ここまで非常にいい形で、ある意味、国民は、この今起きている国会の変化を、全員が全員ではないにしても、よい変化が国会に生じているというふうにご覧になってくださっている有権者は多いのではないかと、そう感じています。
 本丸は来年の通常国会。そして、半年後にもう一回審判を受けますので、私どもは。それだけの緊張感と責任感を持って、もう全く手探りでしたが、一定の経験値を踏みつつあるので、このある種の知見と経験を持って、来年の通常国会に、更なる緊張感と責任感を持って臨みたいという思いでおります。

【日本経済新聞】
 先が大きな話になってしまって恐縮だが、内閣不信任決議案について伺いたい。今国会は少数与党になり、まさに手探りだということを述べられているので、議論次第だとは本当に思うが、先ほども述べられたように野党が結集すれば可決が可能な数字となっている。11月下旬のテレビ番組で幹事長は、当然視野には入るというふうに、来年の通常国会での提出について述べられているが、現時点でのお考えを改めて伺いたい。

【幹事長】
 当時、あくまで可能性の一つとして、頭の体操を、BS電波の上でしたことは事実です。
 それから、いずれにしても、この政権が信任に値するのかしないのかという議論なり頭の整理というのは、常々私どもの中にあります。
 そして、来年は参議院選挙。それに先立つ東京都議会議員選挙。地方選ですが、大きな、全国的な影響を持つ選挙を控えた通常国会になります。
 具体的に申し上げるのは、ちょっとここまでにしておきたいと思います。

○政治改革について(3)

【東京新聞】
 ちょっとくどくて申し訳ないが、先ほどの政治資金透明化法案、御党の提出法案だが、継続審議をお願いしたいとおっしゃった。言わずもがなかもしれないが、それだけいろいろな思いを込めてやっていらっしゃるのだろうと思うが、なぜそう思うのかということと、何回も申し訳ないが、いわゆる茂木方式と言っていることの問題点、ひいては、この法案を通す必要性について改めて伺いたい。

【幹事長】
 透明化にせよ企業・団体献金にせよ、重要なテーマですので、廃案にするという選択肢はないですよね。必ず継続して、延長戦に入るとはいえ、結論を出さなければいけないと思っています。
 茂木方式を含めて、政治家の悪知恵次第でいかようにも資金の出先をわからなくし水面下に潜らせることができる余地が残っていること自体が政治不信の温床ですから、そういうものを一つ一つ細かく丁寧に塞いでいくというのは当然のことだと思っています。

○「参議院通常選挙(4)」「年収の壁(2)」等について

【フリーランス】
 野田代表のほうから、維新との選挙区一本化において、予備選を考えていると。市民選挙審議会のほうでも予備選という提案は前々から出ているが、普通に民意がちゃんと反映されるのだろうかという不安があるが、この予備選の対象者、投票する人たちというのは、どういった人たちが想定されているのか。ご存じでしたら教えていただきたい。

【幹事長】
 野田代表が予備選に前向きだというふうには私どもは受け止めていません。一本化に前向きで、手段の一つとしていろいろな議論があっていいだろうというふうに受け止めています。
 まさにおっしゃったように、私が先ほど、予備選の実際の制度設計は難しいよねと。それはつまり、有権者の範囲をどう確定するのかというのが極めて難しい。同じ党内なら、党員、あるいはサポーター、皆で投票する、わかりやすいのですが、別々の党で有権者の範囲をどう確定するかが一番難しいというのは、まさにご質問の趣旨のとおりで、全く同感です。

【フリーランス】
 話が変わり、国民民主党が頑張っている「103万円の壁」の件だが、27万回再生のたまきチャンネル、玉木さんの法案説明のチャンネルで、地方の予算は国が補填する、それも2011年からは同水準が保たれるように地方税の徴収額がもし減っても自動的に国からの補填額が増えるということで心配ないんだよというようなお話が、それで国のほうから地方を通してそういう苦情を上げさせたのかもしれないが、ちょっとこれも一種印象操作というか、不可能なのではないかと国民に思わせるようなトリックだったなと思うが、こちらの点についてはいかがか。

【幹事長】
 私も官僚でした。玉木さんも官僚でしたけどね。そんなに悪意に満ちた陰謀ばっかり霞が関でやっているわけではないので、みんな普通の生身の人間が普通にやっていることです。
 ですから、正確さをどこまで言うかはあれですが、相当規模の減収が生じることは事実なので、103万円まで稼いでいる方が無税だったのが、仮にですよ、178万円まで稼いでいる方が無税になるのであれば、あるいは、それ以上の方もそれだけ控除額が増えるのであれば、相当な減収になることは事実なので、あまり作為的にそれが工作だとか何だとか言わずに、ちょっと冷静に議論する責任は野党側にもある。
 ちょっと先ほど答弁し損ねたのですが、政策実現どうしますかという先ほどのお尋ねに引きつけてあれすると、やはり野党側にも一定責任が発生しているんですよ、この局面、確実に。ですから、どの政策にせよ、全体をどう整えるか。それは場合によっては財源の問題を含めてね。あまり誰かを敵視したり誰かを陰謀視して済む話ではありませんから、この国の行き詰まりや社会の行き詰まりを考えると。
 だから、野党側にも責任が発生しているということを前提に、一緒に提案し、考える、歩み寄るという姿がないと、これは無責任のそしりを免れないこともあり得るし、やはり今のような状況だからこそ、そういう真摯な態度、誠実な態度が野党側にも求められると私は思います。

【フリーランス】
 今回は国民民主党がかなり強く税制に切り込む交渉をなさったということで、今回の国会を見ていると、公開の中で政治資金問題なども話し合われていて、とても面白くなってきているなというふうに、小川政調会長がおっしゃるように話合いをされる国会になってきているなと思って国民としては喜んで見ているところだが、立憲民主党は次の通常国会に向けて12月13日に税制の主要提言というのを提出されていると思う。立憲民主党の攻めとしては、この税制、どの辺りから取り崩していこうとお考えか。小川税制の、政調会長だった頃にちょっとお声がけしたときに、いや、税制は与党にならなければ絶対変えられないよとおっしゃっていたのを思い出すが、今はそうでもないのかなと思い、その辺りを伺いたい。

【幹事長】
 私、かつて税制調査会長、政調会長をしていました。
 ちょっとことしの提言はまだつぶさに見られていないのですが、各税目にわたっていろいろな提案をしています。一つは、国民生活に資する税制改正。それから、その骨格にあるべきは、やはり格差の是正と再分配の強化なんですよね。
 野党に一定無力感を感じていたときは、自公が衆参共に圧倒的過半数を占めていたとき。当時、野党の政策は犬も食わぬということが言われるような時代も長く続きました、一強政治と言われて。
 今、状況は一変しているので、この間、代表質問の機会をいただいたときも若干チャレンジした自覚があるのですが、やはりこれから、103万円もいいんですが、そういうことも大事なんですが、全体構想としてこれからの国と社会をどうしていくかというグランドデザインがないと、「103万円の壁」がどうにかなりましたからこれで国民は皆安心ですと、将来見通せますとはならないわけですね。
 ですから、野党第1党としては、やはり全体構想、グランドデザインを描く。そして、それのおそらく中核に適正な再分配と適正な社会政策というものがあってしかるべきで、やはりそういう議論を野党第1党はしていかなければいけないし、そういう改革の旗手たるべき、旗頭たるべきだという思いを持っています。

(以上)