参院政治倫理審査会で閉会中審査が12月25日に行われ、自民党の裏金問題について森本真治、吉川沙織、木戸口英司各議員が質疑を行いました。

■森本真治議員が赤池誠章議員に質問

 森本議員は当初、政倫審の出席を希望する27人のうち、赤池議員を含む22人が非公開を希望していたにもかかわらず、突然全員が公開する意向を示したことについて、「然るべき方から指示があったため、一斉に決断されたのか」と問いました。赤池議員は「全員が(公開で)出ることが一番いいと自分自身が思っていたので、タイミングに合わせた。誰かが調整したという認識はない」と語りました。

 また、当時、安倍派参院会長の世耕議員が還流を止める決定を参院の派閥所属議員に通達したと発言していることについて「赤池議員にも伝達はあったのか」、「その後、還流が再開されたことについて、通達はあったのか」と問いました。赤池議員は還流取り止めの連絡は受けたが、還流再開の連絡はなかったと述べました。

■森本真治議員が井上義行議員に質問

 森本議員は自民党の井上議員に対して、再選した2022年と23年のパーティー券販売の実績について確認したところ「1枚も売っていない。還付されたことはない」と答えました。森本議員が、今日まで政治倫理審査会に出席してこなかった理由について問うと、井上議員は「計上してきたので、裏金議員と言われていることは不本意」との認識を示しました。

 森本議員は、政倫審に出席するように「相当、幹部から強く出席を促された結果か」と問うと、井上議員は「私自身が説明を果たすべきだということで出席した」と答えました。

■吉川沙織議員が石井正弘議員に質問

 吉川議員は、政倫審における弁明と質疑が決定して以降、長期にわたって出席のなかった石井議員が今回出席を決めた理由について、「横並びで出づらかったと弁明した議員もいたが、個人の判断での出席か。それとも他の議員と調整があったのか」と問いただしました。石井議員からは、「個人の判断だ。調整は行っていない」との回答がありました。

 また、石井議員が冒頭の弁明の中で「パーティー券収入の還付金は秘書が他の資金を管理する口座とは隔離して保管していた。また、秘書は還付金を一切使っていない」と発言したことに対し、「秘書は還付金を悪いお金だと考えていたのか」と質問。石井議員は「良いか悪いかは分からないが、手を付けてはいけないお金だと認識していたと聞いている」と答えました。

■木戸口英司議員が石田議員に質問

 石田議員は、今回の事件に関与した清和研の一員として反省の弁を述べ、こうした仕組みがなぜできたのか作った人に聞いたみたいと発言。一方で、木戸口議員が「清和研に所属していた議員の責務として真相究明をしていくべきではないか」と迫ると、「派閥の先輩方にはこの経緯を知らないかと何度か話したことはあるが、一様に自分たちの前からあった話で分からないという回答しか得られていない。その上の方々たちは会うこともできず聞けていないし、今後も難しいと思っている。原因が判明しないと次に進めないようでは何も進まなくなる」などと開き直りの答弁に終始しました。

 木戸口議員はまた、石田議員が東京都連にも所属していることから、都議会自民党の政治資金パーティー収入の不記載問題にも触れ、「都議会自民でも慣例的に続いてきたとすれば国会議員の責任は非常に重い」と指摘。石田議員は「積極的に改善に取り組んでいきたい」と答えました。