1月31日の衆院予算委員会で令和7年度政府予算案に対する基本的質疑が行われ、立憲民主党から奥野総一郎、酒井なつみ、近藤和也、今井雅人各衆院議員が立ちました。

■奥野総一郎議員

 奥野議員は(1)政治とカネ(2)フジテレビ問題(3)地方創生について、具体的、建設的な提案とともに政府の姿勢を質し、予算の組み替えを求めました。

■酒井なつみ議員

 酒井なつみ議員は(1)高額療養費の自己負担引き上げ(2)選択的夫婦別姓――等について、石破総理に質問しました。

 今回の高額療養費制度の見直しは、現役世代の保険料などの負担の増加抑制を図る観点から方向性が出されたにも関わらず、結果的には現役世代のがん患者等の自己負担額が大幅に増えることになったのは矛盾しないか、について質問しました。石破総理は理解を示しつつも、「一方で近年、高額な薬剤がものすごいスピードで増えている。この制度をどうやって続けていくことができるかということがある」「所得の低い方そういう方については負担能力に応じていますので、最大限の配慮をしています」などと答弁しました。

 酒井議員は、「私は元がん患者、サバイバーです。ここは引き下がれない。長期にわたって高額な医療が必要な患者さんは約160万人います。2人に1人ががんになる時代で男性は50歳代から増えるが、女性は20代から癌に罹患する方がとても多いのです。子どもを残して死にたくない。医療費をとても負担できないという声がたくさん上がっています」と訴え、石破総理に対して、今年8月からの高額療養費の自己負担引き上げ、来年度の引き上げは一旦凍結し、がん患者の方々の意見をよく聞いた上で、その対象や方法を含め、再検討すべきだと指摘しました。

■近藤和也議員

 近藤和也議員は、能登半島の復旧復興等について政府の姿勢をただしました。

 能登半島の現状について「公費解体は、早い自治体では7割から8割進んできた。解体後、家がまだ建っていない状況。物理的にも心にも穴があいたような状況。残った家にはブルーかグレーのシートがかかっている」と説明しました。

 そして「直すのは無理だという家も直せるようにしてほしい」と述べ、地元新聞のアンケートによると「県外にいる方々の44%は戻らない。一番の大きな理由は住まい、お金(再建費用)で、われわれと問題意識はまったく同じ」と指摘しました。

 近藤議員は「一つ一つの制度から国の支援から抜け落ちている人がたくさんいるのが現状」と指摘し、政府の認識を問いました。

 石破総理は「指摘のあった地域間の不公平、世代間の不公平はないように」「機動的な自由度の高い支援を念頭に、さらに使い勝手のよい支援を考えている」と述べました。

 復興基金について、近藤議員は「使い勝手が悪い」と指摘し、「なりわい補助金は3/4を国が出す。残りの1/4も多額、この部分について復興基金を使うことはいかがか。ブレーキがかかっている」「せっかくの復興基金なので、自治体がこれが必要だというのであれば使えるようにしてほしい」と政府に求めました。

 石破総理は「隙間に対応するための基金」、なりわい補助金についても「業種によって違いができることはよいこととは思っていない。カテゴライズすることは可能」と述べ、経済産業省に適切に対応するように指示を出しました。

■今井雅人議員

 今井議員は、(1)大雪により労務単価が上がっている除雪費用への財政支援(2)森友学園関連文書の不開示決定取り消し判決(3)自民党東京都連の裏金問題(4)10年以上収支報告書が未提出だった伊藤復興大臣の政治責任――等について取り上げ、石破総理ら政府の見解をただしました。

 今井議員は、大阪高裁が逆転判決で1月30日、森友学園関連文書の不開示決定取り消すよう国に命じたことを受け、高裁判決に上告しないこと、また不開示命令の取り消しだけでなく文書を開示することを指示してほしいと訴えました。石破総理は「判決内容をよく読んでよく精査しなければならない」「上告期間が2月13日までであることを踏まえ、適切に対応していく」などと答弁。今井議員は、精査した上でどういう判断に至ったかを同委員会で報告するよう求めました。