衆院財務金融委員会で3月4日、政府提出の「所得税法等の一部を改正する法律案」と与党提出の修正案、および立憲民主党、国民民主党提出の修正案等を一括して質疑が行われ、質疑終局後に採決の結果、政府案および与党提出の修正案は賛成多数で可決、立憲民主党などが提出した修正案は賛成少数で否決されました。

趣旨説明

■大西健介議員

 修正案の趣旨説明に立った大西議員は、ガソリンの暫定税率について「当分の間と言いながら、50年にわたって維持され続けている」とし、「物価高で苦しむ国民生活を横目に、このような不合理な税負担を放置し続けることは政治の不作為に他ならない」と話しました。

 また、昨年12月に自民・公明・国民の3党幹事長間で交わされた合意文書にもガソリンの暫定税率廃止が明記されているにも関わらず、自民・公明から廃止に否定的な質疑が相次いでいると指摘。この現状を踏まえ、立憲民主党は国民民主党と共同でガソリンの暫定税率廃止に特化した修正案の提出を決断したと説明しました。

(趣旨説明)「所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案」 (ガソリン暫定税率廃止).pdf

(要綱)ガソリン暫定税率廃止特化版税法修正案(「所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案」).pdf

(法案)ガソリン暫定税率廃止特化版税法修正案(「所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案」).pdf

(新旧)ガソリン暫定税率廃止特化版税法修正案(「所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案」).pdf

質疑

■桜井周議員

 桜井議員は自民・公明の修正案について提案者に質問しました。

 まず桜井議員は、自民・公明の修正案は減税財源についての記述が「ぼんやりとした内容になっている」と指摘。さらに、「恒久減税に対して恒久財源が確保できていない」と提案者に厳しい質問を行いました。

 また、石破総理にも減税財源について質問。桜井議員が「先ほどの(提案者への)質疑でも恒久減税の恒久財源を確保できていないと確認した。極めて無責任ではないか」と迫ると、石破総理からは「令和7年度の所得税基礎控除の恒久財源は確保できていない。令和8年度予算編成、税制改正において歳入・歳出両面の取り組みを通じて必要な財源の検討を進めていく」と回答しました。

討論

■水沼秀幸議員

 立憲民主党・無所属から討論に立った水沼議員は政府案と与党の修正案について、「自身の目先の利益のために理念なき交渉を繰り返した結果、当初の『年収の壁』を解消するという目的を見失ったどころか、所得税において新たな壁を作り出す修正案となった」と指摘。また、不合理な税負担が解消されないまま放置されているとし、ガソリンの暫定税率について「一般財源化されて以降、課税根拠自体が失われているにも関わらず、50年にもわたって維持され続けている」とし、政府案、与党修正案に反対、立憲民主党などが提出したガソリン暫定税率廃止に特化した修正案に賛成の立場を表明しました。

 討論終局後に採決され、政府案および与党提出の修正案は賛成多数で可決、立憲民主党などが提出した修正案は賛成少数で否決されました。

付帯決議

■岡田悟議員

 附帯決議について提出者を代表して岡田議員が趣旨を説明しました。岡田議員は政府提出法の施行にあたり実現すべき事項として15項目(添付PDF参照)を列挙しました。

「所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」.pdf