立憲民主党法務部門(部門長・打越さく良ネクスト法務大臣)と選択的夫婦別姓実現本部(本部長・辻元清美代表代行)は3月4日、議員会館で合同ヒアリングを開催しました。この日お話しいただいたのは、国際機関や在外の企業などで通称使用で働いている方々で、海外からのオンライン報告を含めたヒアリングとなりました。

 冒頭、この日のコーディネーターを務めていただいた井田奈緒さん(一般社団法人あすには代表理事)より、海外企業、国際組織、学術機関は法的氏名での採用が原則で、キャリア途中に改姓すると実績のない新人扱いとなり圧倒的に不利であることや、ダブルネームによるマネーロンダリングの危険性などについて説明があり、続いて当事者の方々から通称使用の弊害について具体的なお話しがありました。

 英国在住のライターの方からは、銀行口座や公共サービス等はすべて本名でなければ登録できないこと、通販での買い物でも銀行カードに紐づいた本名でないとトラブルにつながるなど、通称使用の概念のない国で通称使用を強行すれば危険にさらされるのは自分であるとの説明がありました。

 米国在住の教員の方からは、研究機関所属手続きの際、通称使用についての日本の事情を一から説明し交渉に4か月を要したこと、交渉の途中で危険人物扱いを受けたことなど、ご自身が経験したトラブルについて具体的な事例をあげてお話しされました。

 ジュネーブの国連本部に勤務される方からは、IDに4種の氏名を使い分けせざるを得ない現実があることや、欧州国連本部の受付では日本のパスポートを携帯しない限り身分が証明できず、国連のビル間での移動さえ容易ではないことなどが語られ、「法人国連職員の女性率が高まっても、このままでは現場のトラブルが絶えない。速やかに選択的夫婦別姓の導入を」との訴えがありました。

 このほかにも海外在住の団体職員の方や海外にもオフィスをもつ弁護士の方などから、そらぞれが抱える通称使用の弊害について説明がありました。この後、出席議員との間で活発な質疑応答が行われました。