野田佳彦代表は3月8日に宮崎県を訪れ、党農林水産キャラバン(隊長・田名部匡代参院議員)とともに、「宮崎カーフェリー」「きゅうり農家」の視察、意見交換を行い、現状の課題などについて話を聞きました。

■宮崎カーフェリー

 農業の物流という観点から、宮崎港を訪れた野田代表ら農水キャラバン一行は、宮崎カーフェリー㈱の郡司行敏社長らの案内で船内の客室や食堂などを視察しました。今回視察した船は2022年に竣工した新鋭船で、トラック163台、乗用車81台を積載できます。

 船内で行った意見交換会では郡司社長から、「現在およそ7割がトラック貨物で、そのうちの7割が農水産品の輸送になっている。多くの農水産物を直接大規模消費地に輸送できる。コロナ禍で輸送量は落ち込んだが現在は回復に向かってきている」「フェリー輸送ならば陸送よりもCO₂排出量を8割下げることができる」「働き方改革によるドライバーの労働時間短縮に寄与できる」などの説明がありました。一方課題として、「燃油価格の高騰は経営を圧迫している」「下り便が空荷で来ることが多い」ことなどが報告されました。特に燃油高については、「燃油価格激変緩和措置等の制度を堅持してほしい」との要望がありました。

 ■きゅうり農家

 生産現場の視察では、宮崎市高岡町のきゅうり農家で、重永義明さん方を訪れました。重永さんは、ハウス7棟(27アール)できゅうりを育てています。一行は、きゅうりの生い茂るハウス内を視察。重永さんから話を聞きました。その中で、「新たに就農したいという人もいるが、初期資金はそれなりの金額がかかる」「10年、20年後には人が減っていくので危機感はある。子どもがやりたいと言えばハウスを譲るが、こちらからやりなさいとは言えない」「ハウスの暖房用に使う燃料費が上がっている」などの課題が示されました。

 視察終了後に記者から感想を求められた野田代表は、「いろいろな現場を見て、いろいろな声を聞きながら政策に活かしていく趣旨で各地を回っている。また夏には参院選も控えている。特に1人区の場合は、農林水産業の政策が大事になってくる」「例えば燃料価格についてはフェリー会社、ハウス農家の両方から話を聞いた。共通の課題として対策を考えていく」などと述べました。