3月13日、衆議院を可決した予算案が参議院で修正されるという憲政史上初の事態を受けて、参議院で予算が審議中に、衆院予算委員会が開催されました。立憲民主党からは野田佳彦代表が質問に立ちました。

 野田代表は、高額療養費自己負担上限に関する政府の引き上げ方針が、「患者団体の皆さんの強い反発を受け、白紙に戻すよう要請があり、ようやく白紙撤回」されたのは、「患者団体の危機感。その後の熱意ある行動は目を見張るべきものがあった。野党を動かし、与党を動かし、政府を動かした」と評価しました。

 野田代表は、石破政権の姿勢について「二転三転している印象がある」と、この間の経緯について説明し「参議院での審議3日目にして3回目の修正をすることになった。状況には大きな変化はなかった。心境の変化だけ」と指摘し、再修正するに至った理由を問いました。
 石破総理は「なおご理解を頂くに至ってないと感じたから」と答えました。

 野田代表は「予算修正すること自体は、決して悪いことではない。当初予算の修正は29年ぶりと言われている。もっとあってもよい」とした上で、しかし、衆議院で可決して3日後に再修正することになった点について「衆議院での1回目の修正は何のためか。何のための予算審議だったのか」と石破政権の混乱ぶりを指摘しました。

 野田代表は「その結果、引き上げの見送りに伴う105億円の増額修正」となった財源について問いました。
 石破総理は「与党において予算修正全体を検討いただいている。政府としては、与党の検討を踏まえ適切に対応していく」と述べました。
 野田代表は「与党の検討を待っているというのは、財源のイメージがないということか。この場で答えられるようにすべき。財源なくして修正なし」と政府の姿勢を批判しました。

 野田代表は、高額療養費制度の、これからのプロセスについて「秋以降に改革案を提案する予定と聞いている。なぜ秋なのか。今回は、たった4回の審議会で決めてしまい、生煮えだった。だから修正された。反省をしてもらうなら、次なるプロセスは熟議で、患者団体の声を聴きながら次の改革案を作るべき」と述べました。
 石破総理は「深い反省のもとに、これから先のプロセスは踏んでいかねばならない」と述べました。

 今国会でも特に重要とされる「重要広範議案」の扱いとなっている年金制度改革法案の国会提出が遅れていることについて、野田代表は「提出の締切りに間に合わない理由は何か」と確認しました。
 石破総理は「党内にさまざまなご意見があり調整に時間を要している。党内の調整を急ぐよう改めて指示している」と述べました。
 野田代表は「重要広範議案が国会に提出されなかったことは過去にない。高額療養費自己負担の上限引き上げの見送りに関する二転三転。厚労大臣の責任は極めて重い」と批判しました。