参院予算委員会では3月17日、「教育・社会保障等現下の諸課題」についての集中審議が行われ、立憲民主党から石垣のりこ、水野素子、横沢髙徳各議員が質問に立ちました。
■石垣のり子議員
■石垣のりこ議員
石垣議員は、高額療養費制度の負担上限引き上げがいったん凍結となった件について政府を追及しました。石垣議員は「政府の判断が二転三転した結果、現状が分かりにくくなっている。来年度末までは現行制度のままいくという認識で良いか」と質問。福岡厚生労働大臣から、「本年秋までにあらためて方針を検討、決定する。令和7年度中に何らかの見直しをすることは考えていない」との回答がありました。
さらに石垣議員は、所得別の療養費負担割合を図で示しながら、「現行制度でも負担が重い人がいる。見直しを行うのであれば、もっと良い形になる見直しをしてもらいたい」と福岡大臣に迫りました。福岡大臣からは、「所得に応じたきめ細かな制度設計という観点から、(負担限度額を決める)所得区分を細分化することによって、できるだけなだらかな仕組みにすることが重要だと考えている」との回答がありました。
■水野素子議員
水野議員は、(1)円安を背景とした物価高、通商摩擦への対応(2)防災庁の新設(3)教育予算、質の高い教育・無償化に向けた産学連携(4)自転車の車道通行に伴う危険性――について質問しました。
水野議員は、電気・ガスのエネルギー価格負担軽減支援が3月分までで終了することについて、国民の生活は物価高により引き続き厳しいと主張。4月以降も支援を延長してもらいたいと政府に要望しました。資源エネルギー庁電力ガス事業部長は、「4月分は標準的な世帯の電気使用量は減少する。今後も燃料輸入価格や電気料金の動向を注視する」と答えるにとどまりました。
また、水野議員は物価高について、円安が大きく影響していることを前提に、円高により輸出企業や株主が得をするという面もあるため、政府が国民生活よりも大企業等を優遇し、円安が止められないのは、企業団体献金等が背景にあると指摘しました。水野議員は、「企業団体献金等が政治をゆがめ、格差を生んでいる」とし、企業団体献金の廃止に向けての検討をするべきと石破総理に訴えました。
■横沢髙徳議員
横沢議員は、「生活の現場第一で質問します」と述べ(1)岩手県大船渡市山林火災(2)農林水産業(3)電気・ガス料金負担軽減支援事業(4)ガソリン・軽油高騰対策(5)日本の二輪車を取り巻く現状と課題(6)介護、障がい福祉サービス――等について質問しました。
横沢議員は、障がい福祉サービスについて「全国の現場から国の報酬改定に対して、厳しいという声が寄せられている。特に訪問介護サービス。この声が総理には届いているか」と問いました。
横沢議員は「物価コスト上昇、基本報酬が上がらない。厳しい状況にある。見直し期間3年を待たずに報酬を上げるべき」と政府に求めました。厚生労働大臣は「訪問介護事業所について、規模によって実態にばらつきがある。令和6年度の報酬が一時的に引き下げになった理由としては、全体的に経営状況が良かったからだ。調査をしている。実態に即しているきめ細かな対応をしていく」と述べました。
横沢議員は「手遅れにならないようにスピード感をもってやってほしい」と訴えました。
横沢議員は、医療的ケアが必要な子ども、障がいを持つ子どもたちの家族が直面する18歳の壁について「18歳までは放課後デイサービスが受けられ、子どもの居場所が作られている。18歳になるとサービスが受けられなくなり、子どもたちの居場所の確保が難しくなる。18歳になると親の負担がぐっと増える。仕事を辞めないといけない」と実態を訴えました。「この現状を厚生労働省として具体的に把握、調査しているのか」と問いました。
厚生労働大臣は「厚生労働省において、すべての支援ニーズを把握するのは難しいが、必要に応じて実施したい」「議員のご指摘を踏まえて、実態把握、ニーズ把握を進めていく」と答えました。