小川淳也幹事長は3月18日、国会内で会見を開き(1)石破総理の10万円配布問題(2)内閣不信任案(3)サイバー関連法案――等について発言しました。
(1)石破総理の10万円の商品券配布問題について小川幹事長は「石破総理は『政治活動ではない』『違法性がない』と強弁が通るのか。これが通るのであれば政治資金法はザル法。厳しく見るべき」と批判しました。その観点から総理に対して「政治倫理審査会に一刻も早く出席して弁明を求める」しかし、「政倫審出席で一段落にはならない」と強調しました。
自民党の若手参院議員が「慣例としてやっていた」との発言が報道されたことについて、小川幹事長は「おそらくそうなんだと思う。石破総理ですらそうだから。自民党政権が続く限り、誰が総理をやっても変わらない。政権交代しないと(金権体質は)変わらない」と強調しました。
(2)内閣不信任案の提出について、小川幹事長は「高額療養費の自己負担の上限引き上げに関して二転三転したことは、政権の信任を傷つけた。間を置かずして石破総理の10万円の商品券問題が発覚。市民感覚からかけ離れている」と批判しました。「(石破政権を)信任していないので、いつでも出せる。いつでも出さないといけない構えで。とはいえ、代表が言っているが『竹光だけでは済まない』。いわゆる伝家の宝刀を抜く時は構えだけでは済まない。他党との連携が必要。そして解散総選挙、総辞職を伴う首班指名。あらゆることを総合的に見極める」と述べました。
(3)国会で審議入りする「能動的サイバー防御法案」について小川幹事長は「憲法21条の通信の秘密を侵害するおそれがないか、部会などで議論している。こういう時代なので一定必要な議論。過度な通信の介入、無害化措置の実効性を担保できるのか課題はある」と現段階での方向性を述べました。
小川淳也幹事長記者会見
2025年3月18日(火)10時30分~10時42分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
■質疑
- 石破首相の10万円商品券配布問題について(1)
- 能動的サイバー防御法案の審議入りについて
- 石破首相の10万円商品券配布問題について(2)
- 予算審議について
- 選択的夫婦別氏制度の実現に向けて
- 参院通常選挙に向けた取組について
■冒頭発言
【司会(中谷幹事長特別補佐)】
それでは、定刻でございますので、本日の定例記者会見を始めさせていただきたいと思います。それでは、小川幹事長、よろしくお願い申し上げます。
○石破首相の10万円商品券配布問題について
【幹事長】
おはようございます。きょうもご協力ありがとうございます。
まず、石破総理が国会を含めて苦しい答弁を続けておられるようですが、「政治活動ではない」という強弁、それから「違法性はない」という強弁、これは通るのかということを感じており、もしこれが通るのであれば政治資金規正法はまさにざる法でほとんど意味がありませんから、そこは違法性の可能性を排除し切れないということで厳しく見るべきだと思っております。
なお、その観点から、政治倫理審査会には一刻も早くご出席をいただき弁明を求めるべきだと思っております。つけ加えて、あえて。ただ、政治倫理審査会出席で一段落と、あるいは一区切りということにはなりませんので、そのことはつけ加えたいと思っております。
それから、自民党の若手参議院議員の方が、これは歴代の首相が慣例としてやっていたことだというふうにご発言されたようですが、その後、撤回したとは聞いているものの、おそらくそうなのだろうと。したがって、石破さんですらあの状況ですから、自民党政権が続く限り誰がやっても変わらないということを改めて痛感しております。政権交代しか政治も社会も本格的には変わらないということを強調したいと思います。
○企業・団体献金禁止に向けて維新と大筋合意
【幹事長】
最後に。政治改革に関連して、維新さんと大筋合意を見るに至っております。
これから法案提出、それから委員会での審議ということになろうかと思いますが、他の野党からも同調いただける見込みがあるとすれば、ぜひこれは国民民主党さんも協議に乗っていただき、お互いのすり合わせにご協力をいただきたい。
たしかですが、私の記憶では玉木代表も、全野党がそろうのであれば国民民主党としても足並みをそろえるという趣旨のことを、たしか報道番組か何かでおっしゃっていたような記憶があります。その約束といいますか、言を守っていただきたいなと、期待を持って申し上げたいと思います。
■質疑
【司会(幹事長特別補佐)】
それでは、質問のある方は挙手にてお願い申し上げます。
○石破首相の10万円商品券配布問題について(1)
【共同通信】
冒頭発言にあった石破茂首相による商品券配布について伺いたい。昨日、立憲民主党の長妻代表代行が記者会見で、ほかの野党と連携して首相の政倫審出席を求める考えを示された。現状、党内やほかの野党との間での検討や調整の状況についてお聞きしたい。
【幹事長】
きのうの夕刻、役員会でも議論になりました。国会対策委員会で各党と連携を取り、また、与党側にもその趣旨は申し伝えているということを共有しているところです。具体的な段取りや日付等についてはまだ詳細が見えている状況にはありません。
○能動的サイバー防御法案の審議入りについて
【共同通信】
もう一点。本日、衆院本会議にて、サイバー攻撃を未然に防ぐ能動的サイバー防御導入に向けた関連法案が審議入りする。1月の記者会見で野田代表は、憲法21条が保障する通信の秘密を侵害するおそれがないかどうかを精査する考えを示された。改めて、立憲民主党としてどのような姿勢で審議に臨まれるかお聞きしたい。
【幹事長】
現在、部会等で議論されていると承知しております。
こういう時代ですから一定必要な議論だと思う反面、過度な通信の秘密への介入(にならないか)とか、実際にこの無害化措置にどういう実効性を担保できるのかとか、課題はあると思いますので、一定前向きが前提になりますが、少しそうした懸念される点等について議論を進めたいというのが現在の状況です。
○石破首相の10万円商品券配布問題について(2)
【産経新聞】
冒頭に言及あった石破首相の商品券配布問題に関連して伺いたい。冒頭の中で小川幹事長は政権交代でしか政治も社会も変わらないとおっしゃったが、内閣不信任案の提出について、石破首相はこの問題をめぐり世論調査で支持率が低下しており、与党内からも進退を問う声が上がっているが、不信任案提出の時期を、通常だと会期末が考えられると思うが、そこから前倒しにして提出するといったお考えはあるか。
【幹事長】
高額療養費の見直しが二転三転したこと、あれも相当政権の信任が傷ついたと思うのですね。そこから間を置かずしてこの商品券問題で、いかに社会通念、市民感覚からかけ離れているかということも明らかになりました。
したがって、まず、政権は信任していませんので、いつでも出せるというか、いつでも出さなければいけないというか、そういう構えでは当然おりますが、とはいえ、代表がよくおっしゃる、竹光では済まないので、いわゆる伝家の宝刀を抜くときはポーズでは済まないという意味では、他の野党との様々な連携を含めて、また、あるいは、その後、解散・総選挙、あるいは総辞職に伴う首班指名選挙、あらゆることを総合的に見極めなければならない。したがって、具体の時期についてはそう簡単に言える状況にはないということであります。
【産経新聞】
内閣不信任案をめぐっては、立憲民主党としては、攻撃材料として政治と金の問題を長引かせたいとか、今の支持率の低い石破首相で参院選を迎えたいといった、そういった思惑で内閣不信任案に慎重なのではないかという見方もあるが、この点についてはどのようにお考えか。
【幹事長】
いたずらに長引かせたいとは思っていませんが、簡単に終わらすわけにはいかないとは思っています。
それから、政権の支持が高いか低いかで、選挙を迎えたい迎えたくない、それはいろいろあるでしょうが、それは先方のことですから、当方がとやかく言うことではありません。常に筋道の通った主張なり、また、批判的立場から政権を検証する、権力の行使を検証するということを本務としておりますし、参議院選挙については定例で来るべき時期に来るし、衆議院選挙はいつ来るかわかりませんが、いつ来ようともしっかり迎え撃つという、原則論にのっとって物事は考えております。
○予算審議について
【NHK】
冒頭の商品券の問題に関連して。今、参議院では予算の審議が行われているが、この予算審議への影響を幹事長はどうご覧になっているか。
【幹事長】
まず、これから悶絶されるのは維新さんだと思います。当初予算に賛成をしたという信義則上の立場と、それから、おそらく高額療養費を撤回、全面凍結することに関して異論はないのだと思いますが、とはいえ、政権の信任がこれだけ傷ついている中で、結果的にその政権をアシストするような賛否の判断を果たしてし得るのかということにおいてはハードルが高くなっているということも含めて、これは、維新の賛否、それからスケジュール感、双方に重大な影響を与えかねない事態だと認識しています。
○選択的夫婦別氏制度の実現に向けて
【フリーランス】
選択的夫婦別姓について、国民民主党が慎重な姿勢を示していることについて、どうご覧になっているか。何か自民党に近づいて第二自民党を目指しているのかと疑われても仕方がない対応ではないかと思うが、幹事長のご見解をお願いしたい。
【幹事長】
自民党と一口に言っても、賛成している人はたくさんいるので、石破総理を初め。(反対しているのは)自民党の一部右派・保守系・保守派の方という認識です。
おそらく、ちょっと他党のことですので控えめにとは思いますが、国民民主党さんも新たな支持層を獲得している、あるいは(獲得して)いるのではないかという認識・期待の下に、少し慎重とも取れる発言をされているとは受け止めていますが、基本賛成だということを前提に当方としてはコミュニケーションを図っていきたい。そう思っています。
○参院通常選挙に向けた取組について
【フリーランス】
関連して。参院選の1人区についても国民民主党は野党で連携して一本化の動きに消極的に見えるが、その点でも連合とちょっと隙間風があるという報道もあるが、この対応についてはどうご覧になっているか。野党が乱立すれば結果的に自民党を利することになるので、これも何か自民党を利して参院選後に連立入りを狙っているのかと疑われてもしようがないように見えるが、幹事長のご見解をお願いしたい。
【幹事長】
今回「103万円の壁」を通して、あれだけ、いわば袖にされた面があるわけですから、よもや、この状況をもってなお自民党に近づきたいとか与党に配慮したいとか(考えている)とはゆめゆめ思いませんし、思いたくありません。
今、支持率が非常に高い状況でいらっしゃるので、1人区も含めて積極擁立をしたいというお気持ちは十分わかりますが、おっしゃったように、自公は必ず1人区を一本化してきますから、野党も必ず1人区は一本化していくという前提でないと、お互いが党利党略に埋もれたのでは国家の大義に対して背くことになりかねない。やはりここは一本化が大義であるという前提の下に、粘り強く協議を続けていきたい。そう思っています。
【司会(幹事長特別補佐)】
そのほか、いかがでございますか。よろしいでしょうか。それでは、本日の幹事長記者会見はこの辺りで終了させていただきます。皆様、ご参集いただきましてありがとうございました。
【幹事長】
ありがとうございました。
(以上)