野田佳彦代表は5月16日、定例の記者会見を国会内で開き、「消費税負担の軽減策」について、重徳和彦政務調査会長より党の作業チームが「原案」をまとめたとの報告を受けたとして、その「骨格」について説明しました。また、あらゆる政策について「財源を示していくことを堅持していきたい」との決意を表明しました。

■食料品に係る消費税のゼロ税率

 臨時・時限的な措置として、食料品ゼロ%を来年4月より実施するとして野田代表は、これによる消費税負担の軽減額は5兆円、国民1人当たり4万円という計算になると述べました。また、実施期間については、まずは1年間として、経済情勢等を見ながら「1回だけ延長できる」と述べました。所要額については5兆円であり、最大2年間まで延長した場合は10兆円であるとして、「財源確保に努めていきたい」と強調。財源の具体策として、政府自らが定めた3年ルールを逸脱する「積み過ぎ基金」、外国為替資金特別会計(外為特会)の剰余金、「隠れ補助金」とも言われる租税特別措置の見直しを挙げました。

■今年度内の超短期的な対策として一律給付

 また現在、コメの価格高騰などで「国民生活は大変厳しい状況」だとして、来年4月からのゼロ税率の実施までの間、今年度内に国民に一律の給付を行うと表明。また、この給付金を所得税の課税対象とすることで、所得に応じた給付を行うことができるとして、給付付き税額控除と「整合的な制度」になると述べました。所要額は、食料品に係るゼロ税率は年間5兆円だが、給付は今年度の途中から実施するため2.5兆円だと述べました。財源の具体策として、一般会計・特別会計の予備費、税収の上振れ分、税外収入などの活用を挙げました。

 他方、政府が今秋に補正予算を編成すると報じられていることについての受けとめを記者団から質問された野田代表は、「現状の物価高対策には無策」だと断じました。

■給付付き税額控除

 消費税の逆進性対策に最も効果的なのは給付付き税額控除だとして野田代表は、早期の導入に向け、党内にPT(プロジェクトチーム)を設置すると表明。導入に伴う財源については、「1億円の壁」を解消するための金融所得課税改革など「応分の負担を求める税制の抜本改革により確保していく方向性」だと力を込めました。

2025.05.16 野田代表記者会見のポイント(消費税負担の軽減策に関して).pdf


野田佳彦代表記者会見

2025年5月16日(金)10時30分~11時03分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/dGEMCm0A6QM


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○消費税負担軽減策 実現作業チームが原案を取りまとめ

【代表】
 「消費税負担軽減策実現作業チーム」が原案をまとめまして、政調会長からきょう私はその報告を受けました。きょうはその骨格についてご説明をさせていただければと思います。まだ作業チームの原案ができた(段階)ということでございますので、引き続き党内での議論・手続がございますし、特に計数整理も進めながら公約として持っていきたいと考えています。
 政策の財源については、これまでも例えば予算の修正の際に「本気の歳出改革」チームをつくって省庁別審査をして財源を編み出したように、これからも一貫して、あらゆる政策については財源を示していくということを堅持していきたいと考えております。
 それでは具体的に入っていきたいと思いますが、まず、食料品にかかる消費税の0%についてでありますが、これは臨時・時限的な措置として食料品0%を来年4月より実施するということとしたいと思います。対象は、現在8%の軽減税率が適用されている食料品とするということでございます。これによる消費税負担の軽減額は全体で5兆円、国民1人当たり4万円という計算になります。実施期間は、まずは1年間として、経済情勢等を見ながら1回だけ延長できることといたします。給付付き税額控除制度の導入が可能になった時点で、この給付付き税額控除に移行すると、そういうステップを踏んでいきたいと思います。
 財源は、1年間で所要額5兆円ですので、最大2年間ということで10兆円の財源確保に努めていきたいと思いますが、具体的には、積み過ぎ基金の取崩し。当初予算の時点で政府の「3年ルール」を逸脱した積み過ぎ分7.8兆円の国庫返納を求めましたが、その後の支出の状況などを勘案しながら計数を整理していきたいと思いますが、間違いなく数兆単位での金額は出てくると確信をしています。それから、外為特会剰余金活用。これは年間1兆円余り生じておりますので、これも兆単位での活用が可能だと思います。それから、租税特別措置。我々は租特の透明化法を政権を預かっている時代につくったことがございましたが、ある種隠れ補助金的な位置づけになっておりますので、これをしっかりと見直しをし、例えば賃上げの促進税制だけでも7000億円ございますので、こうした租特の見直しなど、税制の見直しを通じて兆単位での財源の確保を図っていきたいと考えているところでございます。
 続いて、先ほど申し上げたとおり、ゼロ税率の実施というのは来年の4月からということでございますが、今も米の価格高騰などで国民生活は大変厳しい状況に追い込まれております。0%導入までの間の、今年度内の超短期的な対策として、迅速かつ効率的で、そして、限られた財源を真に必要な方に届けるための制度設計を考えました。
 まず、国民1人当たり一律の金額の給付を行う。一律の金額の給付を行うということです。給付金は所得税の課税対象とし、所得の多寡に応じた給付の仕組みをつくるということで、給付付き税額控除と整合的な制度ということを申し上げておりましたが、ここに特徴があって、給付金は所得税の課税対象とするということでございます。先ほど申し上げたとおり、ゼロ税率の場合では年間5兆円の所要額が必要になりますから、この超短期の政策を実現すると年度の途中からということになる場合に、所要額は2.5兆円というふうに計算をさせていただきました。
 この財源については、過大計上気味の一般会計の予備費。それから、毎年ほぼ全額が使用残となっている特別会計の予備費。また、予算案の修正のときにも提示をさせていただきましたが、スタートアップとか防衛装備とかにかかわる基金、未使用基金の一部活用など。それから、過去10年で平均1.8兆円生じている税収の上振れ、税外収入など、こうしたものを計算していますし、加えて、財源として特徴的なのは、給付金に課税をするということを申し上げましたので、給付金の所得に応じた課税による調整も、これも財源にカウントすることができると思っています。
 最後に、我々が一番究極の目標としている給付付き税額控除。消費税の逆進性を緩和する制度としては最も効果的だと思っていますが、できるだけ早期の導入を目指しております。そのための制度設計のためのプロジェクトチーム、PTを設置し、規模や方式、あるいは金融所得の把握などの論点を検討していきたいと考えています。
 現段階で、この給付付き税額控除についての財源は、先ほど申し上げた食料品にかかる消費税0%の財源でもある租税特別措置などの税制の見直しを含め、「1億円の壁」を解消するための金融所得課税改革など、所得・収益に応じ応分の負担を求める税制の抜本改革により確保していく、そういう方向性で考えていきたいと思います。
 以上、私からの今の原案における骨格の説明とさせていただきます。


■質疑

○消費税負担軽減策 実現作業チーム原案について(1)

【NHK】
 今発表あったことで、細かい部分と、ちょっと大きな点と、それぞれ聞いていきたい。細かい部分で、一律の金額の給付だが、これは現金と思っていいのか。あとは金額。全体で2.5兆となると普通に割ると2万円ぐらいなのかなとは思うが、その辺のイメージ感を教えていただきたい。

【代表】
 おっしゃるとおりです。現金で、金額は、所要額で2.5兆と言いましたが、1人当たりに換算すると、先ほどのゼロ税率のときに年間所要額5兆円としたときに、その対象1人当たりは4万円なのですね。そうすると、年度の途中から実施するこの給付については1人当たり2万円という計算になります。

【NHK】
 全体として、財源を示す重要性をこれまでも述べてこられたが、この間いろいろ検討を進めて財源を示したわけだが、改めてこの制度の財源を示すことの重要性について、野田代表としてどのように考えているか伺いたい。

【代表】
 先ほど予算修正のときの我々の姿勢を申し上げましたが、財源については省庁別の審査をやって、そして、総力を挙げて、その財源の確保に努めました。これからも減税についても給付についても基本的にはそういう姿勢で示していきたいと思いますし、特に食料品の消費税0%については期限と財源を示すということが責任ある減税だと考えていますので、この姿勢を堅持していきたいと思っています。

【朝日新聞】
 今ほどご説明あった内容では、いわゆるワンショットで済む1年間プラス1年間の財源については骨格をお示しになり、その先の恒久財源が必要になる給付付き税額控除については今後プロジェクトチームをつくって検討していくということだが、この恒久財源についてはいつまでに示すお考えか。

【代表】
 プロジェクトチームのいわゆる検討結果によるということですが、早く出てくれば、それは早く対応できると思いますし、食料品のゼロ税率のほうも、先ほど租税特別措置を含む税制の見直しと言いました。税制の見直しの中には、今申し上げた恒久財源の観点からの見直しも当然入っているということであります。

【朝日新聞】
 恒久財源も含めてどうするかというのは、参院選に臨むに当たって、その責任を示す意味でも大事だと思うが、そうした制度設計というのも、いわゆる参院選の公約発表や、遅くとも参院選の前には示したいと、そういうお考えか。

【代表】
 参院選の公約づくりをこの5月中に、その他の目玉政策と共にパッケージで発表しますが、当然今回出てきた原案を踏まえ、今ご指摘いただいていることなどの詰めを行って、やはり候補予定者が、応援をする議員が、きちっと財源の問題についてもワンボイスで語っていけるような、そういう態勢を整えていきたいと考えています。

【朝日新聞】
 あと一点伺いたい。いわゆる食料品の消費減税のほうの財源として積み過ぎ基金を活用するということで、計数とかはこれからということだが、さきの予算審議では、例えば給食費とか、ほかに掲げた政策の財源としても、兆円単位、数千億円単位で幾つも積んだと思う。今回は、あくまでもこの前訴えたものの財源を確保した上で、残りの部分をこれに充てるというお考えなのか。

【代表】
 この間の我々の予算修正案が通っていれば使えない。通っていないんですよ、残念ながらね。残念ながら。だとすると、それを活用していくということはあり得ると思いますし、7.8兆円がそのまま残っているかどうかわかりませんが、あのとき2月の段階だったので、2か月たって何兆円も使ったとも思えませんので、その辺のよく計算はしていきたいと思います。

【朝日新聞】
 そうなると、予算審議のときに訴えた、暫定税率のものとか、ほかのものについても、これとのバランスで、どれを残してと。

【代表】
 暫定税率(廃止)は7月1日から実施ということを方針で出していますが、これはかぶってきますので、そういう整理はしなければいけないと思っています。

【毎日新聞】
 発表いただいたことについてお聞きしたい。財源として基金を示されているかと思うが、一方で、さきの予算審議では基金を予算の財源として利用することに関して政府はかなり後ろ向きな態度を取っていたように映る。いわゆる実行可能性や実現可能性という点において、この基金を示されることが、どれぐらい実現可能だと今考えていらっしゃるか。予算審議も踏まえてお答えいただきたい。

【代表】
 政権を取りにいくためのホップ・ステップのステップの参議院選挙ですから、政権を預かったときには、現政権は今回のいわゆる基金の取崩しなどに慎重ということでありましたが、慎重であるという理由は、個別の基金ごとに応援団がいて、それを削りにくいということとしか私は思えませんので、我々だったらそういう取崩しを実現することが十分できると思いますので、現政権と比べていただければ違いがわかると思います。

【毎日新聞】
 あくまでも、現政権から引き出すという意味ではなく、政権交代を果たした上で実現するという前提だと。

【代表】
 それが一番実現可能性は高いということでありますが、現政権にも強く要求をして。大体、財源確保をどうするかということに熱心ではないから減税も給付もできないのでしょう。できるではないかということは強く迫っていきたいと思います。

【毎日新聞】
 もう一点お聞きしたい。超短期の策として現金の給付を今回掲げることになると思うが、政府が給付を掲げた際に、かなり世論から強い反対の声というか、ちょっと厳しい声が出る場面もあったかに思う。こういった世論の反応があった事実はあるが、代表としてはどのように訴えていくか。

【代表】
 財源も示しながらの具体的な給付でございますので、しかも、給付付き税額控除という形で、所得の多寡によって違いが出てくる。一律給付ではありますが、税金を納めてもらうかどうか。
 給付付き税額控除との、我々が目指している制度との整合的な給付であるということなどの説明をしていくことによって、ご理解をいただけるのではないかと思います。

【読売新聞】
 冒頭ご発言のあった減税の件で伺いたい。食料品ゼロ税率の先に給付付き税額控除があるという想定をされているかと思う。プロジェクトチームをつくって制度設計を進めるということだが、この制度設計がしっかりできた場合には、食料品ゼロの1年間の中でも移行していくお考えがあるのかどうか伺いたい。

【代表】
 移行していく、その制度設計ができて、実施可能という状況に至るならば、それは2年、もしかすると最大2年になりますが、その途中での移行というのは可能だと思います。

【読売新聞】
 この給付付き税額控除については、名称からどんなものなのか思い描きにくいというような指摘もあるかと思う。

【代表】
 そうですね。

【読売新聞】
 最近発信力が課題というようなお話もされているが、何か名称を変えたり、打ち出し方の工夫というのは、どのように考えているか。

【代表】
 これはちょっと皆さんと知恵を出しながらと思いますが、要は、法案を出したときには「消費税還付法案」という言い方でしたよね。だから、所得のところのラインをどこで置くかによって制度設計が違いますが、一定以上の所得の方については(税額)控除という対応で、そこに至らない(控除し切れない)人については給付が多くなっていく、場合によっては全部給付という形がいわゆる給付付き税額控除ですので、どう言ったらいいかですが、還付、キャッシュバックなどなど、どうわかりやすく説明するかだと思います。

【読売新聞】
 この制度に関しては、党の公約、昨年の衆院選の公約では中低所得者向けというふうに書かれていたかと思う。他国などの事例を見ると低所得というところを前に出しているようなところもあるが、立憲民主党としてはこれは中低所得者ということか。

【代表】
 従来の例えば給付なども、住民税非課税世帯とか、低所得の対応が多かったと思いますが、中所得の皆さんも今厳しい状況に追いやられてきている中で、中所得からよりもっと低所得へと落ちていく可能性も出てきているときの救済措置が必要だと思いますので、これは中所得も対象としなければ効果がないのではないかと考えています。その意味では、給付付き税額控除の対象は、中所得・低所得の、こうした皆さんが対象になるということです。

○参院通常選挙に向けた取組について(1)

【フリーランス】
 次期参院選の公約が一部報道があった。その中に「家計が第一」というのがあり、これについて、2019年の旧国民民主党のときの公約ではないかと玉木さんが主張している。2020年に両党が一回解党して再結成されたというふうに私は認識しているが、そのときに、いろいろな財産をきちんと話し合って分割され、例えば今の国民民主党のキャラクターは旧国民民主党から新しい国民民主に相続されたというふうに聞いている。2019年の公約とかそういったところ、知的財産権みたいなものだと思うが、これについてはどういう仕分けになっていたのかお聞きしたい。

【代表】
 特に仕分けというのはやっていたということはないと思います。その政策とかスローガンについては。
 これは玉木さんがそうおっしゃっていますが、旧国民民主党のときに「家計が第一」というのを使ったということですが、旧国民民主党のときのそれを使った政調会長は、我が党の泉さんが政調会長としてまとめたものでございますので、どっちに権利があるかどうかというのはなかなかわかりにくい話になってきますし、それを言うと、民主党時代に例えば暫定税率の廃止とかということを言っていたので、それは国民民主党も立憲民主党も言っていますよね。民主党まで遡ると同じような主張も言っているので、これは私達だけ専有物ですよということは逆にできないと思います。
 大変難しいところでありますが、私は、やはり理念として共有してきたものについては大いにお互いに連携して生かしていくべきではないかと思います。

○消費税負担軽減策 実現作業チーム原案について(2)

【産経新聞】
 消費税について伺いたい。冒頭で、給付付き税額控除の導入の準備が整い次第移行すると、食料品ゼロは最長で2年間行うということだが、来年4月から最大2年の間に給付付き税額控除の導入を目指すという理解でよろしいか。

【代表】
 なるべく早期にと、制度設計をしたいということでPTをつくるわけですので、ちょっとPTの検討状況によるとは思いますが、スタートとしては、やはり来年4月から食料品の消費税ゼロをスタート。その後はPTの動きを踏まえながらの判断になっていくと思います。

【産経新聞】
 その際に、食料品をゼロにした後の出口の税率をゼロからいきなり8%に戻すのかどうか。その点についてはどのようにお考えか。

【代表】
 これもおそらくPTとの関連になってくると思いますが、ただ、基本的には、食料品のゼロ税率については、8%からゼロにするわけですから、戻すときというのは8%に戻すというのが基本だと思います。

○年金改革法案の提出遅れについて

【産経新聞】
 別件で、年金制度改革関連法案について伺いたい。本日閣議決定がされたが、この法案の内容に対する評価について改めて伺いたい。

【代表】
 とにもかくにも、「3月に出す」「4月に出す」と言って、ようやく出てきました。出てきましたが、(会期末の)6月22日まで本当にもう限られた時間ですので、しっかりと審議していかなければいけないと思います。
 出てきた以上はそれに向き合って審議しようと思いますが、ただ、中身については、これは就職氷河期世代の人たち、それ以降の人たちにも大きな影響がありますけれども、要は基礎年金の底上げの部分が抜けているということで、「あんこの入っていないあんパン」ときのう言いましたが、まさにそういう内容なので、まず、なぜこういうことになったのかを含めて厳しく指摘しながらも、あんこが入るような逆に修正を我々は求めていきたい。そういう協議をしていきたいと思います。

【産経新聞】
 年金をめぐっては、かつての民主党において、2007年の参院選では「消えた年金」問題を追及したことによって大勝し、その後の政権交代へとつながった。ことしも夏に参院選が控える中で、この年金の問題をどのように追及していきたいとお考えか。

【代表】
 追及だけではなく、これはやはり年金制度の話がどんどんどんどん決まらずに先送りされるということは本当に将来に禍根を残すことになると思います。先送りをしていけないテーマだと思いますので、単なる追及ではなく、先ほどあんこを詰めるような修正をすると言いました。それをぜひ与党に認めさせるような動きをこれからして、責任ある対応を我々はしていきたいと思います。
 何か、かつて「消えた年金」とかで厳しくやったから、どうせ年金の法案を出してきたら厳しく指摘されるだけで、参議院選挙でマイナスだというふうにたぶん思ったから出し渋ってきたのではないですか。そうではないぞと、真剣に向き合って議論して成案を得ようというような姿勢で我々は審議に臨んでいきたいと思います。

○安定的な皇位継承に関する議論について

【産経新聞】
 別件で、皇族数確保の議論について伺いたい。昨日、読売新聞が1面で提言を掲載した。その内容としては、女性宮家を創設し、女性皇族の配偶者や子についても皇族の身分を与えるべきとしており、また、女系天皇の可能性も排除すべきではないといったような内容となっている。この提言の内容に対するお考えを伺いたい。

【代表】
 なかなか政争の具にしにくい、してはいけないというテーマなので、時に我々から常にメッセージを出してきたわけではない中で、ある種インパクトのある提言を出していただいて、世論喚起をしていただく、世の中に関心を持っていただくという意味では、大きな貢献をしていただいたのではないかと思います。
 中身については、例えば我々が論点として挙げている、女性皇族がご結婚された場合に、その際の配偶者やお子さんについても皇族として認めるべきではないかという論点。その論点について一定の考えをお示しになっていただいているということは、これはありがたいなと思います。
 ただ、女系か男系かとかいうことは、今回の有識者会議の報告書では、皇位の安定的な継承については、これは時期尚早と言って先送りしているのです。先送りは私は本当はいけないと思いますが、皇族方の減少に歯止めをかけるための議論が今行われているので、男系か女系かどうとかというところまでの議論は我々は今しておりません。していないという中で、大変踏み込んだご発言だなとは思います。

○消費税負担軽減策 実現作業チーム原案について(3)

【共同通信】
 細かい確認で恐縮だが、消費税に関して、先ほど代表は食料品ゼロの対象は現在8%の軽減税率が適用されている食料品とおっしゃっていたが、新聞は対象外という理解でよろしいか。

【代表】
 今回は、このゼロ税率を決意するに当たって、例えば4月で食料品が4000品目値上げしたとかエンゲル係数が高くなっているという食料品の高騰に注目をして、ゼロ税率にしようと、暫定的な時限的な措置としてということでございましたので、食料品に絞っています。その対象外である新聞については、現状の税率ということで、対象外としています。

【テレビ東京】
 減税をめぐる議論について改めて伺いたい。与野党でこの議論は上がっていたが、今回立憲民主党は内容・財源を示したということになった。与党はまだ政策自体をはっきりと示しているわけではないが、そのような与党の姿勢をどうご覧になっているかと、それに対して立憲民主党の今回の打ち出しはどういう意義があると捉えられているかお聞きしたい。

【代表】
 短期的な物価高対策としても、先ほど我々の基本的な考え方を具体的な政策として財源も示しながらお話しさせていただきましたし、既に法案として7月1日からガソリン税・軽油取引税の暫定税率廃止も主張して実現をしようとしています。
 物価高対策については具体的に今どんどん提言をしていますが、残念ながら石破政権の下では減税には否定的。では給付をやるかというと、一律給付は評判が悪いからとやめた。で、秋に補正予算をつくると。現状の物価高対策については無策ではないですか。無策のままでいいのかということを厳しく問わなければいけないと思います。

○水野議員に関する一部報道について

【東京新聞】
 今週、立憲民主党の水野素子参議院議員について週刊誌の報道があった。これについて水野議員ご本人にどのような対応を求めるのか。また、党としてどのように対応するのか。特に夏の参院選神奈川選挙区では水野議員と牧山ひろえ議員の2人を公認しているが、この対応に影響するのかどうかについてお聞きしたい。

【代表】
 きのう週刊誌で出まして、私も記事は見ました。現段階で小川幹事長が水野さんにその事情をヒアリングしているところだと思いますので、その結果を聞きたいと思います。

○消費税負担軽減策 実現作業チーム原案について(4)

【NHK】
 追加で、一応確認だが、消費税の関連の給付のところは、想定として2万円という認識でいいか。

【代表】
 いわゆるゼロ税率での消費税の負担減が4万円ですから、年度途中から実施することを前提とするならば4万円の半分ということの給付ということになりますね。

【NHK】
 来年4月を前提にしている今の段階では2万円になるということか。

【代表】
 その4月までの間の実施ということは、そういうことですね。

【「FACTA」】
 いわゆる基金の無駄が8兆円ぐらい、これをとにかくゼロにして、そっちにやるというふうに理解するが、基金にもいろいろあって、本庄さんがやっていたような非常に無駄なものもあるが、もう既にスタートしているものもあるから、本当にどれくらい基金が潰せるのかというのはやってみないとわからないと思う。先生は財務大臣だったわけだが、逆に財政当局から協力を得て要らないものをやるというのはわかるが、動いているものとか法制に基づくものとかいろいろあると思うが、要するに基金ゼロでというような見出しでいいのかどうか。本当に実現できるのか。その辺はどういうふうにお考えなのか伺いたい。

【代表】
 今、基金に積んでいるやつを全部使い切るという話ではなく、「3年ルール」を超えた、ルールをつくっていたにもかかわらず使い切れずに残っているものが7.数兆円、2月の段階にあったのですね。

【「FACTA」】
 ありましたね。

【代表】
 ありましたね。その後、この2か月ぐらいの間で使った可能性もあります。ただ、2か月でそんなに使い切っていると思えないし、「3年ルール」で残っていたやつですから、たぶんその消化するペースは遅いと思うので、十分使える、数兆円単位では使えるだろうということで、これはよく精査をしていくと。原案ではこのたたき台として出ましたが、どれぐらい使えるかはもうちょっと計算をしながらやっていきたいと思います。

【「FACTA」】
 要は、積んであるわけだから、そこに既得権とかいろいろな人がぶら下がっているから、やはり政権を取ってがつんとやるという前提以外ではなかなかできないのだろうと思うが、そういうことか。

【代表】
 ただ、工夫はあると思っていまして、例えば個別の基金には応援団がいるんですよ。その基金にぶら下がっている、いろいろな団体だとか、あるいは、それを応援する政治家とか、管轄している役所とか。この抵抗が強烈に強いから、たぶん石破政権もなかなか「うん」と言わないと思いますが、例えばその積み残している基金のうち一律で全部出せと言ったときには出てくる可能性もあるだろうなど、工夫をしていきたいと思います。

【「FACTA」】
 要は政権を取ったら行政仕分けではなく基金仕分けみたいなものをやってというような話ならイメージが湧くが、そういう考えということで、そんな簡単にゼロになるというようなものではないと思うが、その辺はどうなのか。

【代表】
 基金も含め、あるいは、先ほど言った第二の隠れ補助金と言われている租税特別措置など、やはり透明化を図っていく中で、改革の対象にして、はじき出てきた金額についてはきちっと使っていく、有効な政策に使っていくという方向でいきたいと思います。

○参院通常選挙に向けた取組について(2)

【「FACTA」】
 もう一点だけ伺いたい。国民民主党のほうはだいぶにぎやかに全国比例が始まり、やや立憲はどうなのかなと。期待もしているが、まさに基金仕分けをやるのだったら蓮舫さんみたいなプロが要ると思う。そんな簡単ではないですよね、そういうのって。蓮舫さんはどうなるのか。

【代表】
 ご本人のご意思とか何かを確認しながら考えていきたいと思いますし、現時点で、やはり比例票を積み増していくためにはもっと候補者を擁立しなければいけないということは間違いないと思いますので、そういう人を発掘していきたいと思います。

(以上)