衆院厚生労働委員会筆頭理事を務める立憲民主党の井坂信彦衆院議員は20日、自民党の上野賢一郎筆頭理事に対して、政府の年金改革法案に対する修正案の骨子を手交しました。
井坂衆院議員は、記者団に対して「本日は修正案の骨子を与党筆頭にお渡しした段階。明日以降、タイミングを見て協議の申し入れをしたい」と今後の方針を示しました。続けて、「今回出された政府案は骨抜き、『あんこのないあんパン』と言われている。政府が出した法案のままでは今後、現役世代、若者の年金が最大3割減ってしまう。現役世代、若者の年金が3割目減りするのを止めるということを明確に法律に書き込む必要がある」と説明しました。その上で、「特定の世代や低年金者だけの底上げでは全くない。厚生年金受給者であっても62歳以下の男性、66歳以下の女性は底上げをした方が年金が増える。厚生年金も含めた年金の底上げが図られる修正案だ」と述べて、修正の意義を強調しました。
2004年に導入されたマクロ経済スライドにより、このままでは年金は2057年まで毎年減り続けます。もらえる基礎年金の水準は今より3割も減ってしまい、国民年金だけでなく、厚生年金の加入者でも、老後の生活が成り立たなくなります。
この問題を解決するために、政府は今回の年金改革法案を提出するはずでした。しかし、3月に提出されるはずだった法案は、自民党の中で了承を得られず、提出が遅れ、先週ようやく提出された法案からは、一番大事な現役世代の年金底上げが削除されていました。
そこで立憲民主党は、厚生年金等の底上げを行うため、法案の修正を求めることとしました。修正案の内容は以下の通りです。
これまでも厚生年金のお金は、厚生年金加入者の2階の報酬比例部分と1階の基礎年金部分に投入されていました。今後は1階の基礎年金部分に多めに投入するよう、配分割合を変えようという提案(そのために基礎年金と厚生年金の給付水準の調整を同時に終了させる)です。基礎年金部分が増えれば、自動的に国庫負担分も増えます。また、改革で年金額が減ってしまう世代への緩和策を検討するよう求めています。