小川淳也幹事長は5月27日、国会内で会見を開き(1)立憲と与党党首会談(2)備蓄米(3)下村前議員の参考人招致――等について発言しました。

(1)27日夕刻に予定されている立憲民主党と与党との党首会談について、小川幹事長は「年金改革法案の修正の合意を得られる一定の見通しがたった」ことを明らかにしました。しかし、「議題、課題はそれだけではない。企業団体献金の禁止、選択的夫婦別姓、ガソリン暫定税率の廃止、食料品の消費税ゼロ、物価高対策と幅広く議論が行われることを期待したい」と述べました。

 小川幹事長は「この立憲民主党と与党の協議に、各党からいろいろな声がある。河野太郎議員の発言は、田村自民党政調会長、党内の同志が真摯に協議に臨んでいる時に、後ろから鉄砲を打つようなこと。本会議で採決の際には、当然、反対、造反するのだろう」と述べました。

(2)小川幹事長は、備蓄米について「構造的に税金で買った備蓄米ですから、管理コストも含めて年間で数百億かかる。原資が税金ならいくらであれ払い下げができる。『官製値下げ』という言葉も踊っているが、当面の対応として完全に否定はしないが、根本的な解決には程遠い」と述べ、「根本的な原因に対する認識を求めたい」と政府に求めました。

(3)27日午後に行われる下村善議員の参考人招致について、小川幹事長は「重要なカギを握った人物であり、真相を知っているであろう人物」と指摘し、「松本元事務局長の夏の重要な幹部会議において裏金方式を幹部が決めたという発言。それに該当すると思われる幹部の発言と、幹部が責任逃れをしているのではないかと想像されるような意見の食い違いがある。この食い違いを埋めないと真相究明に至らない。正直に真相を国民に向かって話してほしい」と述べました。


小川淳也幹事長記者会見

2025年5月27日(火)10時30分~10時51分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/LVYhQBhNlZY


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

【司会(中谷幹事長特別補佐)】
 それでは、定刻となりましたので、本日の幹事長記者会見を始めさせていただきます。冒頭、小川幹事長よりご挨拶をさせていただきます。よろしくお願いします。

○自民党・公明党との党首会談について

【幹事長】
 おはようございます。きょうもご協力ありがとうございます。冒頭、二、三、申し上げます。
 まず、本日夕刻、自民党、公明党、立憲民主党、3党で党首会談が行われます。各党の幹事長も陪席させていただく予定です。
 特に現場のご労苦に敬意を表しつつ、年金制度の改革において一定の合意を得る見通しであることは、極めて有意義であると感じております。
 一方、議題・課題はそれだけではありませんので、例えば、この間、企業献金、(選択的)夫婦別姓、更に言えばガソリン税、消費税、物価高対策、こうしたことについても幅広く議論が行われることを期待したいと思います。

○年金改革法案 修正協議について

【幹事長】
 関連して、この年金法の与野党協議に、各党からいろいろな方がいろいろなことをおっしゃっているようですが、まず、河野太郎さん。ちょっと拝見していて、論点としてもちろん受け止めなくはないのですが、よくあれだけ、田村さん初め党内の同志が真摯に協議に臨んでいるときに、よくまあ、あれだけ後ろから鉄砲を撃つなという感想を持っています。当然、あそこまでおっしゃる以上、本会議の採決でも反対ないし欠席、造反されるんだろうなという思いで拝見しているということを申し上げたいと思います。
 玉木さんの指摘もいろいろ受け止めたいと思いますが、「対決より解決」、それをぜひ念頭にお願いしたい。この場をおかりして申し上げます。

○米価高騰対策 政府備蓄米の売渡しについて

【幹事長】
 米についてでありますが、新任の大臣が一生懸命、まず当面の値下げに踏ん張っておられる、頑張ろうとしていることは多としたいと思います。しかし、構造的に、これは国民の税金で買った備蓄米ですから、おそらく管理コストも含めて年間数百億と思われます。そして、1万円だろうが5000円だろうが、国民の税金が原資であれば、幾らであれ払下げはできるわけです。随意契約ならなおさらですね。
 したがって、一部紙面・紙上に「官製値下げ」という言葉も躍っていましたが、少なくとも当面の対応として完全に否定するものではないとしてもです、根本的な解決には程遠いということは、昨日、一昨日、出張先の島根でも申し上げたとおりでございますが、改めて、根本的な解決、ということは根本的な原因に対する認識、そして、構造的なアプローチを改めて求めたい。
 そして、これらを含めて、あす、農林水産委員会におきまして、我が党の野田代表を含め、野党各党の党首クラスが質疑に立たれるということですので、期待を持って見守りたいと思います。

○裏金問題 下村氏の参考人招致に当たって

【幹事長】
 第三に、本日、予算委員会において下村前議員の参考人招致が行われます。非常に重要な鍵を握った人物であり、真相を限りなく知っているであろう人物の参考人招致ということで、この決定に至った与野党関係者に敬意を表します。
 その上で、(旧安倍派)事務局の松本氏の発言。つまり、何年でしたかね、夏の重要な幹部会議において、こうした裏金方式の継続を幹部が決めたという、この発言と、該当すると思われる幹部の発言とが、おそらく幹部のほうが責任逃れをしているのではないかと想像されるような意見の食い違いがあるわけですが、ここを埋めていただかないと、誰が何度出てきても、真相究明、責任の追及、そして、新たな解決ということには至りませんので、下村さんにはぜひこの点を正直に、真相を国民に向かってお話しいただくということもあわせて期待申し上げたいと思います。

○参院選に向けたポスターの制作発表について

【幹事長】
 最後に。明日、野田代表が、参院選に向けたコンセプトをポスターにいたしまして、その概要を発表させていただく予定ですので、前もってアナウンスさせていただきます。
 物価高対策に全面的に取り組む。それが一丁目一番地であるという現在の党の認識、我が党の姿勢を体現するポスターを前面に立てて、この参院選に向かっていきたい、戦っていきたいと思っています。詳細はあす、野田代表からご説明があろうかと思います。


■質疑

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。それでは、質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○米価高騰対策 政府備蓄米の売渡しについて

【共同通信】
 冒頭ご発言あった米の話で伺いたい。小泉農林水産大臣が、政府備蓄米について、随意契約で国がスーパーなどの大手小売り業者を任意に選んで直接売り渡すという方式が発表されている。価格もさりながら、流通先が限られることによる不公平感というものが懸念されているが、そういった点について、もしお考えがあれば伺いたい。

【幹事長】
 ドン・キホーテさんとかアイリスオーヤマさんとか、一部新興の流通参入が見られるというふうに伺い聞いております。いわば非常時の、随意契約という国民負担を顧みない、ある種異常な対応ですから、一時的に流通に場合によっては不公平が生じるとかいうことはあり得ることだろうと。それも含んだ上で非常な決断をしているのだろうというふうには受け止めています。
 いずれにしても、ちょっと私もここに農政の矛盾があると思うのですが、そもそも流通統制とか価格統制とかはしていないのですね、米に関しては。しかし、幾らが適切だとか幾らは不適切だとかいう議論をしなければいけない。この構造矛盾そのものがこういうところにも表れていて、仮に流通の不公平というお話であれば、どうも大臣はくぎを刺しておられるようですが、適正利益に鑑みればこのぐらいの小売価格だという、その範疇・範囲内で、暴利が参入した流通業者にもたらされるということは当然回避すべきでありますし、しかし、それをどういう根拠で何をもってそういうことをおっしゃっているということは一面で問われているわけで、やはりちょっと再三申し上げますが、今の農政全体に大きな矛盾があると。矛盾を抱えているということを、改めて、この流通問題一つ取っても痛感しているところです。

○年金改革法案 修正協議について(1)

【共同通信】
 もう一点、冒頭ご発言あった年金制度改革法案のことで伺いたい。立憲民主党と与党の間で修正協議が行われていて、与党が修正要求を受け入れて本日中にも3党の党首会談で正式合意する見通しと報じられている。正式合意に至れば会期末近くまで関連の審議が続くと見込まれていて、立憲民主党が内閣不信任決議案を提出しにくくなるという思惑が与党側にあるという報道も見られる。改めて、今回の修正協議と内閣不信任決議案提出の是非、そこの関係についてお考えを伺いたい。

【幹事長】
 与党側で思いが一様かどうか知りませんが、どのような思惑、思いがあろうと知ったことではありません。
 まず、個別政策の真摯な与野党第1党同士の協議は、特に年金制度を初めとした国の根幹に関わる政策においては時に必要だという立場であります。しかし、そのことと、今、農政から企業献金、夫婦別姓、様々な課題が話し合われることを期待していると申し上げましたが、あらゆる国政上の課題。そして、有権者・国民が現政権に対して厳しい見方をしているという現実もあります。それらを含め、個別政策における真摯な与野党協議と政権全体の信任いかんは別問題であるというのが基本的な立場ですので、双方独立して判断していきたい。そう思っています。

【朝日新聞】
 関連で伺いたい。幹事長は島根でも、基本的に現政権は信任していないのが前提であると、対決姿勢を繰り返し強調されていた。きょう3党の党首会談が行われると、ある種、協力姿勢というか歩み寄りとも取れると思う。本来、終盤国会は野党第1党としては対決姿勢を前面に出していくケースが多いと思うが、そこで若干矛盾というかずれがあるとも捉えられるが、その辺りはいかがか。

【幹事長】
 部分的にそのように取られる、あるいは見えることは受け止めたいと思います。否定はしません。しかし、それだけ年金問題は、年金という政策課題は、この終盤国会、会期末を間近に控えた状況にあって、なお極めて重要だと。場合によっては政争の具にすべきではないという考えが根底にあります。
 重ねて。政権全体の信任の問題、あるいは、終盤国会に向けてしっかりと対峙し基本的には対決していくという、その基本姿勢そのものには毛頭影響はありません。

【朝日新聞】
 報道ベースでいえば、立憲民主党は今回、通常国会の中で日本維新の会や国民民主党のように与党との政策協議で大きなテーマで何か勝ち取ったという実績がなく、実績を急いでいるのではないかという見方もあると思うが、その点はいかがか。

【幹事長】
 あらゆる憶測・妄想は、もうご自由にと思います。
 一つだけ構造的に言えることは、この場でも申し上げたと思うのですが、本予算を議論していた頃、2月、3月、私どもは基本的に対峙し対決する野党第1党としての責任を感じているからこそ、本予算に対する賛成カードは切れない、切らないということを前提に様々なことを協議していました。だからこそ、野党第2党・第3党・第4党が様々、私の側から見た、私から見た風景でいえば、極めて、いろいろと大事な議論をされているとはいえ、場合によっては与党側からすれば非常に、(与党側に)鼻面を引きずり回されているといいますか、かき回されているといいますか、そういう側面もあったわけです。
 以後、個別法案、個別の政策課題においては、場合によっては、この間、各委員会の現場で複数成果が出ていると思いますが、主に与野党の第1党同士で真摯に協議をし、現場で合意を重ね、修正協議が実り、与野党第1党が共に歩み寄る形で何らかの成案を出す、合意に至る、成果に結びつけるということが現に積み重ねられてきて今日に至っています。
 したがって、本予算をめぐる、当時埋没しているとか存在感がないとかいろいろな批判を受けました。それはそれで受け止めたいと思いますが、それほど、本予算を人質に取って賛成含みで何かを取引するほど私どもの存在は軽くないということの表れでもあるというふうに理解をしていただきたいし、そのように理解いただけるよう私どもとしても努力をします。

○自民党・公明党との党首会談について

【NHK】
 冒頭の自民・公明・立民の3党党首会談の関連で伺いたい。幹事長は冒頭、年金以外では企業献金や夫婦別姓、物価高対策などで幅広く議論していくことを期待するということだが、そういったテーマの中で本日の党首会談で合意を得られそうなものはあるとお考えか。

【幹事長】
 現状、様々これまでのやり取り、あるいは報道を通じて間接的に得る感触からすれば、簡単ではないと思います。しかし、当方の言い分は言い分としてしっかりお伝えする責任を、この終盤国会にあってなお感じておりますし、その意味では、年金について歩み寄ることのみならず、幅広く国政上の課題、そして、この終盤国会が抱えている様々な政策面での協議、ここが幅広く行われることを強く期待しているところです。

○物価高対策 電気・ガス料金支援について

【NHK】
 もう一点。政府の物価高対策の関連だが、政府はきょうの閣議で、7月から3か月間実施する電気・ガス料金の支援に充てる費用などとして今年度予算の予備費から3800億円余りを支出することを決めた。足下の物価高に対応し家計の負担感を和らげるとしているが、幹事長としてどう評価されているか伺いたい。

【幹事長】
 結局、寒い時期と暑い時期は冷暖房費を中心に電気・ガスを軸に置いた支援が必要であるという、その趣旨は理解します。しかし、当方求めているように、消費税の減税、ガソリン税の暫定税率廃止等の、より抜本的で根本的な対策に比べれば極めて不十分。小手先という印象は拭えません。
 補正予算の議論も棚上げし、秋以降に本格的に経済対策だとおっしゃったことの弊害が、こうした矮小な議論にとどまっているということにも表れていると受け止めています。

○年金改革法案 修正協議について(2)

【産経新聞】
 年金制度改革法案に関連して伺いたい。この年金法案の修正協議をめぐっては、立憲民主党が与党側と協調姿勢を示していることから、他の野党からは大連立に向けた布石ではないかといったような見方もあり、国民民主党の玉木代表などは弊社のインタビューに際して、将来的な国庫負担額が増えることから、増税大連立だといったような形容をしている。その点、大連立の可能性というか、そのようなことはどのようにお考えか。

【幹事長】
 全く憶測、妄想、誹謗中傷、何とかの勘ぐりだという受け止めです。全くその意欲も意図も皆無です。

○参院通常選挙に向けた取組について

【産経新聞】
 別件で、参院選の山口選挙区について伺いたい。立憲民主党の県連幹事長の戸倉多香子さんが無所属で出馬することを表明したが、立憲民主党本部として、この山口選挙区についてどのような検討を行ってきたのか、経緯を伺いたい。

【幹事長】
 山口に限らず、国民民主党とのバッティング、1人区がバッティングしている状況というのは極めて大きな課題だという認識でおります。ただ、地域事情は様々でございまして、それぞれの候補者の意向、県連を含めた組織の受け止め、さらには広く陣営内の様々な思惑等が複雑に錯綜しつつ今日に至っております。
 いずれにしても、1人区において立憲民主党と国民民主党、あるいは、その系列に所属する候補者がバッティングするということは、その限りにおいてはどうあれ望ましいこととは思っておらず、極力1人区一本化という大義の下に野党各党が歩み寄ることを引き続き求め、期待をしていきたいと思いますが、現状なかなか、この間もこの場で何度も申し上げてきたとおり、私としては連休明け、あるいは5月の上旬というふうに常に期限も意識しながら、この努力なり、あるいは時に見守りという姿勢でまいりましたが、現状山口においてもこういう事態になっているということを非常に大きな課題として受け止めているというのが率直なところです。

○国民・榛葉幹事長の街頭演説での発言について

【産経新聞】
 最後に、別件で。国民民主党の榛葉賀津也幹事長が昨日、福岡市内の街頭演説で「博多の女性はきれいだね、男性はまあまあだね」と発言し、その後、記者団の取材に対して、その意図については「他意はないが下手なつかみだった。以後気をつける」と発言している。この「博多の女性はきれいだ」という発言に対する所感などがあれば伺いたい。

【幹事長】
 ご本人が反省されているようですので深追いは避けたいとは思いますが、やはり適切でないのは明らかで、それから、江藤農林水産大臣の辞任劇もそうですが、ある種、場の空気を時につかみたい、和らげたい、乗りで面白いことを言いたい、いろいろな誘惑に駆られるのでしょう。しかし、そのときにちゃんとガードレールを踏み外さないかどうかは政治家として極めて基本的な資質なので、そこはご本人が厳重に反省されているでしょうが、深追いを避けたいと思いますが、極めてそれはご本人の資質が最終的には問われる問題だと。政治家としてですね。しかも、公党の幹事長としてという問題だと。私自身も他山の石とせねばならないと受け止めております。

○年金改革法案 修正協議について(3)

【西日本新聞】
 きょう夕方にある自公立の年金制度改革関連法案の修正合意の見通しについてだが、22日に修正協議が始まり1週間足らずで最終的な党首間の合意になる見通しということで、自公立3党の間では非常にスピード決着と言えると思う。この経緯としては、立憲民主党側が非常に、自公、政府・与党がのみやすい修正案を出したということもあるかと思うが、このスピード決着になる見込みの経緯について、どういうふうに評価しているか。

【幹事長】
 外形上、政府の国会提出が遅れたので、スピード決着に見えると思います。外形上ですね。しかし、この議論はかねてから、1月、2月からあり、そして、自民党がもたもたした結果としてこの会期末ぎりぎりの時期になったわけで、実質的な議論や実質的な協議、あるいは、お互いの温度感の探り合い、これはかなり長期にわたって行われているという認識でして、結果的に自民党がもたもたしたことで外形上スピード解決に見えるが、実態はむしろそうではないという受け止めが正確なのではないかと認識しています。

【共同通信】
 冒頭、河野太郎氏の発言について論評があった。確認しておきたいが、おそらく河野氏の、毒入りあんこだみたいな、そういうブログのことを念頭に置かれて発言されたのかなと思ったが、そういう認識でよいか。

【幹事長】
 そうです。毒入りあんこ。いや、そもそも、特に玉木さんもあんこがないということは元々おっしゃっていたわけですよね。河野さんが(元々)どう言っていたかは知りません。
 しかし、今回、毒入りのあんこだとおっしゃった以上、ご本人は食べないんでしょうねということは私の率直な受け止めでして、とにかく、その時々の言動に責任を持ってくださいということを、他党の方ながら、非常に影響力のある、発信力の強い方なので、有権者・国民の皆様がこれに煽動されても私は危険性を感じますから、なお申し上げます。毒入りだとご本人がおっしゃる以上、本人は食べないんでしょうねという思いで受け止めていますよということは、この場をおかりして申し上げたい。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは本日の幹事長記者会見はこの辺りで終了させていただきます。皆さんご参集いただきありがとうございました。

【幹事長】
 ご協力ありがとうございました。お疲れさまでした。

(以上)