衆院本会議で5月27日、すべての会派と無所属議員2名が提出者となった「国際協同組合年に当たり協同組合の振興を図る決議案」が審議され、賛成多数で可決されました。
本決議は、協同組合基本法のないわが国が、国際的な協同組合の価値と原則を確認し、協同組合の振興を政府に促すもので、国連の協同組合年における各国の法制度の整備と認知度の向上についての要請に応えるものでもあります。
採決に先立ち、発議者を代表して小山展弘議員が趣旨説明として決議案を朗読しました。
「国際協同組合年に当たり協同組合の振興を図る決議案」
国際連合は、2023年12月の総会において、協同組合を振興し、持続可能な開発目標の実施と社会・経済開発全体に対する協同組合の貢献に対する認知を高めるため、2025年を「国際協同組合年」とする旨決定した。
また、政府は、「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」において、「協同組合をはじめ、地域の住民が共助の精神によって参加する公共的な活動を担う民間主体が、各地域に山積する課題の解決に向けて、自立と共生を基本とする人間らしい社会を築き、地域の絆を再生し、SDGsへ貢献していくことが期待されている」と表明している。
よって政府は、次の基本的考え方の下に協同組合の振興に取り組むべきである。一 協同組合に関する様々な施策を企画立案し、及び実施するに当たっては、国際連合の「協同組合の発展のための支援的な環境づくりをめざすガイドライン」(2001年)及びILO(国際労働機関)の「協同組合の促進に関する勧告」(2002年)に留意するとともに、ICA(国際協同組合同盟)の「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」(1995年)によって定められた協同組合の定義、価値及び原則を尊重すること。
二 協同組合が相互扶助の精神に基づき地域社会の持続可能な発展のために活動している点を重視し、持続可能な地域社会づくりに当たっては、その有力な主体として協同組合を位置付けること。
三 現代日本の経済社会において公共部門や営利企業ではない民間非営利組織が果たし得る役割を重視し、多くの人々が組合員として民主的に管理運営する民間非営利組織である協同組合の発展に留意すること。
右決議する。