小川淳也幹事長は8月5日、国会内で定例記者会見を開き、常任幹事会の報告や臨時国会の振り返りなどについて発言しました。冒頭では、大串博志代表代行が直前まで開催されていた参院議員選挙総合選挙対策本部の内容を報告しました。

 大串代表代行は、参院選の総括について、今週もヒアリングを行って文案を作り、月内に総括をまとめるスケジュールのめどを立てていると報告しました。会議で出た意見として、「遊説の在り方や、各県連、候補者、衆議院議員総支部長の活動の検証が必要であること。比例票を増やすために、国民運動局や青年局を統合したような運動を都心部で展開すべきだったのではないかという意見が出た。これらを総括に反映したい」と述べました。

 小川幹事長は臨時国会を振り返り、「会期は短かったが、ガソリン暫定税率廃止の実務者協議や、与野党の枠組みが始動したこと、消費税減税の次の展開に向けたきっかけを作れた」と成果を強調しました。また、2025年度の最低賃金6%引き上げの答申について「一定の評価をする」と述べ、「中小・零細企業には大きな負担となるため対策が必要だが、物価高に対応するには賃上げが不可欠だ。労働運動の応援団として、連携を強化したい」と語りました。



大串博志代表代行・小川淳也幹事長記者会見

2025年8月5日(火)16時50分~17時28分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/REtAmeKRqcg


■冒頭発言(大串代表代行)

■質疑(大串代表代行)

■冒頭発言(小川幹事長)

■質疑(小川幹事長)


■冒頭発言(大串代表代行)

【司会(事務局)】
 冒頭、大串代表代行から、総合選対のブリーフを含め、お願いしたいと思います。

○参院選総合選対本部を開催

【大串代表代行】
 お疲れさまです。
 選挙関連でご報告ですが、総合選対を開きました。総括に関しての、特にスケジュール感を皆さんと共有したく、議論させていただきました。
 今週も様々なヒアリングを行った上で、文案づくり等々やっていきたいと思います。お盆をまたぎます。先般の両院懇で出た、丁寧なプロセスを経てくれということがありましたので、丁寧なプロセスをしっかり経ていきたいと思います。
 19日には常任幹事会の場がございますので、19日の常任幹事会はしっかり取りまとめの場として使わせていただきながら、文案をベースに皆さんと議論する場を18日の週辺りにしっかりやった上で、今月中、31日はありますが25日の週が今月最終週に実態的になりますので、場合によっては26日に臨時の常任幹事会を行うことも含めて取りまとめをしていきたいということをご報告申し上げ、皆様にそのラインは大体了解いただいたと思います。
 参議院(選挙)総合選挙対策本部でも様々なご意見をいただきました。参議院総合選挙対策本部に集われる先生方は、それぞれの部局を持っていらっしゃる先生方でいらっしゃいますので、それぞれの立場からいろいろな議論をいただきました。SNSのあり方というのは今回これまでに出ていますのでそんなに多くなかったのですが、遊説のあり方とか、あるいは、各県連、各候補者、あるいは各衆議院議員・総支部長の動きも含めた活動チェックが必要なのではないかとか、党全体の活動として比例票を上げていくための国民運動局・青年局を統合したような運動づくりももっと特に都心部において行うべきではなかったかといった話がございましたので、そういった点も総括の中でしっかり取り入れていきたいと思います。


■質疑(大串代表代行)

【司会(中谷幹事長特別補佐)】
 それでは質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○参院選の総括について

【朝日新聞】
 両院懇の中では、もう一回両院議員懇談会なり総会を開いてくれという意見もあったと思うが、そこのプロセスはどうされるのか。

【大串代表代行】
 そこのプロセスも、話を聞いてみると、その文案ができたところで、文案を各議員・各県連が見られるような形で、意見を言えるような形でやってほしいということがメインのご主張でいらっしゃったので、そこも受け止めながら、もう一回開くべきという声が多いようであれば、しっかりそこも受け止めていきたいと思います。

【「FACTA」】
 問題点は大体わかったのだが、要は参政党・国民民主党がやっている最先端のをまずまねる、もうそれ以外に何かイノベーションがあるのかなと。明らかに先を行っているわけで、オワコンと言われているわけだが、そういう意味で、やはりまずまねる。玉木さんに聞いても、参政党にインスタグラムは負けたとか、データドリブンである程度わかっているわけで、その辺の議論は立憲的にはないのか。

【大串代表代行】
 きょうの参議院総合選挙対策本部の議論の中でもありました。しっかり最先端事例を学んでいきたいと思います。まねるべしという声もありました。

○企業・団体献金禁止に向けた協議について

【朝日新聞】
 一点、大串さんに伺いたい。選挙ではないが、企業・団体献金について、けさ自民・公明の2幹2国で、自立公国の4者で協議をすることを打診する旨を確認したと思うが、既に打診があったのか。あった場合に、どう対応するのか伺いたい。

【大串代表代行】
 私のほうからは、昨日の予算委員会での審議を受けて、渡海本部長と話をしています。ぜひ党首同士で話す場を持ってほしいというようなことをお願いしています。先方は、まず検討するということで、受け止めて帰ってもらっています。きょう2幹2国の話も聞きました。その後のコンタクトはございません。

【朝日新聞】
 2幹2国の話を聞いたということは、その打診を立憲としては受けるということでいいか。4者でやるということは。

【大串代表代行】
 4者で本当にやるかどうか、私はまだわかりません。4者になることにならない可能性もあるなと私は思っています。例えば国民民主党さんなんかは元々、まずは自立でしっかり話し合って方向性を出してくださいということだったので、本当に4者という形になるのか、私はまだよくわからないので。
 いずれにしても、私達としては与野党の第1党同士が話し合ってでも局面打開をした上で、方向性を何がしかつくっていきたいという思いがありますので、そういった、いかような対応にも臨んでいきたいと思います。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほか、いかがでございますか。よろしいでしょうか。それでは大串代表代行の会見はこの辺りで終了させていただきます。ありがとうございました。

■冒頭発言(小川幹事長)

【司会(幹事長特別補佐)】
 それでは、続きまして、小川淳也幹事長より冒頭ご挨拶をさせていただきます。よろしくお願いします。

○第132回常任幹事会を開催

【小川幹事長】
 どうもお待たせして申し訳ございませんでした。
 まず、常任幹事会のご報告から申し上げます。
 冒頭オープンの場で代表からご指示があったとおり、渇水・高温対策本部を設置いたします。体制は、おそらくですが幹事長が本部長を務めさせていただくという前提で整えたいと思っております。日付や具体的な対策等については、追ってまたご報告したいと思います。
 党所属国会議員、堤かなめさんから先立って預かっていた離党届を、本日の常任幹事会をもって正式に受理いたしました。本月末の地元の市長選に立候補されるということで、本日議員辞職があったことはご案内かと思います。
 選挙関連、総括に関連して、つながる本部で昨日、党員・サポーターズ(協力党員)・パートナーズの方々から意見を聞いたという報告がございました。大串代表代行のほうからは、月末の総括に向けて丁寧に作業を進めたいという報告がありました。
 残念ながら議席に届かなかったネクスト総務大臣と、(副議長就任により離任した)安全保障の関連で、臨時代理を置くということで政調会長から報告があり、了としたところでございます。
 企業・団体交流委員会からは、今般、野党また与野党で取組を進めておりますガソリンの暫定税率廃止について、これに特化した広報物を作成し、特にガソリンスタンド等、関連先にしっかり周知、また、いろいろとお声もある可能性もありますので、しっかりお聞きしていきたいということでございます。
 その他の意見としては、選挙対策に関連して、複数区の擁立のあり方。それから、ジェンダー問題等は極めて重要であると同時に、より、いわゆるマジョリティに対してもどうアプローチしていくかという問題提起等がございました。
 それから、確証を持てませんが、昨日の役員会並びに本日の常任幹事会でも、今般の選挙について、特に後半のSNS等の傾向を見る限り、外国勢力の介入はなかったのかという点が党内でも少しぽつぽつと議論になりつつあります。なかなか確証を持てませんし、調査も難しいと思います。それから、いわゆる陰謀論的な考え方に取られるおそれもありますので、極めて慎重にとは思いますが、そういう議論が出てくる以上、今後、政府、責任ある閣僚も何がしかの形で言及されていると思いますが、もし可能なのであればきちんとした検証が必要だろうと受け止めております。

○参院選総合選対本部を開催

【小川幹事長】
 総合選対、大串代行が出張の関係で今出られましたが、延べ15名が発言し、闊達な議論が行われました。特に両院懇等においてはどちらかというと中堅・若手の方々から思い切った意見が出ることが多いわけですが、総合選対は、ご案内のとおり比較的重鎮の諸先輩方を含めて重厚な布陣になっておりますので、かえって両院懇では発言しにくいということもあろうかと思います。その関係もあってか、闊達な意見交換が行われたところです。

○臨時国会の閉会に当たって

【小川幹事長】
 この国会は短かったですが、暫定税率の廃止に向けた実務者協議がスタートしたこと、与野党の枠組みもスタートしたこと、それから、政調会長も苦労されていますが、特に消費減税を含めて、また次なる展開にもつなげていくきっかけを少なくともつくったということで、今後につなげていきたいと思っています。

○最低賃金の引上げについて

【小川幹事長】
 それから、最低賃金が6%の引上げということで、一定評価したいと思っております。もちろん中小企業・零細事業所にとっては大きな負担になりますので、そうしたことへの目配り、対策も必要かと思いますが、しかし、とにかく賃上げをどんどんしていかないと今の物価高には太刀打ちできないという立場から、しっかり評価をし、元々労働運動の応援団でもございますので、連携をしていきたいと思っています。


■質疑(小川幹事長)

【司会(幹事長特別補佐)】
 それでは質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○参院選の総括について(1)

【産経新聞】
 先ほど、本日の常幹のブリーフの中で、複数区の擁立のあり方について意見があったとのことだが、これは具体的にどの選挙区で、どういった意見が出たのか伺いたい。

【小川幹事長】
 今回、特に広島選挙区をめぐって、補選で当選した方の残任期と本選で当選した方の任期満了がバッティングするという事態に立ち至り、離党者を出したということはご案内かと思います。補選に擁立する場合には、残任期や本選で当選した方との兼ね合いも含めて、十分綿密な事前の準備と議論・協議が行われるべきであるという指摘がありました。
 加えて、神奈川選挙区においては、一連の経過の中で結果的に1人擁立ということになったわけですが、現在、立憲と国民が民主党時代と比べれば既に分かれた状態にある、分裂した状態にあるということや、党勢が上向きのときもあれば必ずしもそうもいかないときもあるということを前提に、柔軟かつ、ある程度基準、ルールを持って戦略的に対応すべきだという声がありました。

○企業・団体献金禁止に向けた協議について(1)

【産経新聞】
 企業・団体献金に関して、先ほど大串代表代行にも質問があったが、本日の自民党・公明党の2幹2国で、立憲民主党・国民民主党両党に4党での実務者協議を呼びかけるという方針で一致した。立憲民主党としては昨日野田代表が予算委で協議を呼びかけ、石破首相との間で党首間協議に合意していたが、今後どのように対応されていくお考えか。

【小川幹事長】
 まず、石破総理には、ああいう答弁をされた以上、誠実さ、誠意をもってご対応いただきたいと思っています。前提として、ちょっと本当にこの政権の持続可能性がどうなのかということがぐらぐらしているようにまだまだお見受けしていますので、ちょっとそこについては疑問符が依然ついたままです。とはいえ、あの場でああいう答弁をされた以上、その答弁に自らが誠実に向き合っていただきたいと思っています。
 それから、大串代行からご答弁があったように、公明・国民を巻き込むことにどんな意味があるのか、それはよく確認したいというか、お聞きできるものならばお聞きしたいと思います。というのも、前国会において公明・国民は、企業献金の受け皿を(党本部と)47都道府県連に絞り、そして、1社当たりの上限を現在の1億から2000万円に、個人献金同等ですよね、引き下げるということを、口頭ではおっしゃるが法案は提出しないという、私どもから見れば非常に中途半端な対応だったという認識で現在もおります。その2党を巻き込みたいということを仮におっしゃるのであれば、どこに真意があるのかということも十分確認しないと、何だか煙に巻かれたような状態になることは本意ではありませんので、そういうことも、真摯な説明、誠意あるご対応をいただきたい。
 2点申し上げたいと思います。

○臨時国会を振り返って(1)

【産経新聞】
 今ほど石破政権について持続可能性がぐらついているというお話があったが、今回の臨時国会で、立憲民主党は石破政権に対する内閣不信任決議案を突きつけるのではなく、企業・団体献金や消費税に関して協議を呼びかけるという姿勢となった。選挙で敗れ民意を失った石破政権の延命に手を貸しているとの批判もあるが、このような批判についてはどのようにお考えか。

【小川幹事長】
 特に行き着くところまで行き着けば、いわゆる政権の信任に関わる決議案の扱いに焦点は絞られると思います。そして、その扱いについては前国会から極めて重要なテーマであり、今国会、また次期国会、石破政権が続く限り非常に大きなテーマになり続けるでしょう。そして、一義的には野党第1党の対応に懸かっていると。その役割と責任については重く自覚したいと思っています。
 一方、先週も申し上げたとおり、現在の政局、石破政権を軸とした政局は、特に国民民主党さん、維新さんを含めた、衆議院の465名中84名が無効票を投ずるという、私はあえて今でも申し上げているのですが、その点に限って言えば無責任な態度であると私は今でも思っています。それによってできた体制ですから、延命した体制ですから、その背景を引きずる限り、この政権の信任に関わる決議案、意思決定は、その延長線上ですから、極めて複雑な状態にあるということは一定ご理解をいただきたいと思っております。
 私は、代表が公に対決姿勢は秋でいいのではないかということをおっしゃったと理解していますが、それをちょっと私の立場から補完・補足すると、常に対決姿勢なんです。その具体的な表現時期は極めて戦略的に見定めなければいけないという趣旨でおっしゃったのではないかと私は理解しています。

○米政策 米の増産方針について

【時事通信】
 お米の関係で伺いたい。先ほど石破総理が官邸での会議で米の増産方針を明言した。このことに関する評価、受け止めをお願いしたい。

【小川幹事長】
 増産というか、まず、この間の減反政策なり事実上の生産調整を大いに反省し、総括いただきたいと思っています。
 そして、増産は大事だと思いますし、実現することに向けて、これは党派を超えた協力も当然すべきだと思っておりますが、一方、そう簡単ではないだろうという思いも持っており、私の地元もどんどん農地は宅地に変わっていますから、どんどん耕作放棄地は増える一方ですから、農家は高齢化する一方ですから、後継者が見つからない一方ですから、具体的にどう増産に向けて手を打つおつもりなのか。その確たる見通しも含めて、これは十分お聞きしてみたい。非常に懐疑的に見ています。

○企業・団体献金禁止に向けた協議について(2)

【毎日新聞】
 先ほどの企業・団体献金に関連してお聞きしたい。公明・国民を巻き込むことについて、どこに真意があるか、煙に巻かれた状態になるのは本意ではないとお話があったが、これは状況によっては、その2党を巻き込んで4党でやるほうがスピード感として落ちるかもしれないということを幹事長として危惧されていると理解してよろしいか。

【小川幹事長】
 前国会の顛末、経過を振り返れば、あれは透明化にもなっていないと思いますが、とにかく透明化すべきだという主張をした自民党と、原則禁止を訴えた私どもと、それから、申し上げたように一部規制強化ですよね、47都道府県連のみ、上限2000万円という、一見折衷案に見える、落としどころに見える提案をされた公明・国民ということで、それぞれの思惑が結局交差しないまま平行状態で結論を見出せなかったというのが前国会の顛末ですから、それを前提に、もう一回、3党、4党の枠組みということを提案されることに、結論を出そうという意欲があるのか。それとも、何だか議論した、やっている感だけで、議論したふりをして、また煙に巻こうという思惑が本当にないのか。そこを非常に懐疑的に見ているということです。

○参院選の総括について(2)

【毎日新聞】
 先ほどの常幹のブリーフの中で、ジェンダー問題が大事なのと同時に、マジョリティにどうアプローチしていくかという話があったと。これは選挙の例えば各候補のアピールだったりの部分で、そういったマジョリティに対してのアプローチが足りなかったという趣旨での問題提起だったのか。

【小川幹事長】
 提起された方はそういう趣旨だと思います。
 ただ、当方としては、執行部においては十分その点は認識をしており、ジェンダー政策、マイノリティ政策は極めて重要である一方、まずは今、国民生活の喫緊の課題である物価高対策、これは誰にとっても関係ない人はいませんので、そこに焦点を当てようということで進めてきたつもりなのです。しかし、結果として、この厳しい結果を前にして、それが十分だったのか、あるいは適切・的確だったのかという懐疑の声が上がること自体は当然なことだと、厳しく受け止めています。

【毎日新聞】
 幹事長個人としては、今回「物価高から、あなたを守り抜く」と掲げたが、こういった厳しい結果になったのは、打ち出しが足りなかった、もうちょっと言うべきだったと思われるか。

【小川幹事長】
 これは私自身の職責もそうですし、また、個人的に一人の政治家としての思いでもあるのですが、まず当面の物価高対策は、どうあれ喫緊の緊急の最重要の課題だったという認識であり、そこに特化して訴えを行ったことは間違ってはいなかっただろうと思っています。
 一方、これは私自身も各地域に出向かせていただいていろいろと訴えをしたときに、当面の物価高対策と同じぐらい力点を置いたのは、将来への見通しをもたらすべきだと。今の本当の安心は、将来への見通しから来ると。したがって、安定雇用や、安定した社会保障。さらに言えば、先ほども指摘いただいたような食料の国産化や、エネルギーの国産化。ひいてはこれは気候変動対策ですよね。こうした一連のストーリーを、長期的な視座、ビジョンの下にしっかり訴えるという、野党第1党ならではのもう一つの責任があるはずで、細かく政策集を見るといずれも書いてあるんです、安定した雇用から始まって。
 ただ、それを一つの物語として、ストーリーとして、強いメッセージとして簡潔明瞭に打ち出せたかということは、私の思いとしても反省があり、やはり当面の物価高対策と、長期にわたるこの国のあるべき姿、それを車の両輪で訴えられてこその野党第1党だという観点からすると、私は大いに至らなかったところや不足はあったのではないかと。この結果を見ればなおさらですね、そう思っています。

○維新・前原共同代表らの辞意表明について

【NHK】
 他党のことで恐縮だが、日本維新の会の臨時役員会の中で、前原共同代表と国対委員長・幹事長が辞任の意向を示された。役員が替わるということは他党との関係性も一定変わってくるかと思うが、小川幹事長はどう見られているか伺いたい。

【小川幹事長】
 前原さんとはもう旧知の間柄です、個人的に。この間のやり取りは職責を踏まえて対応してきました。それから、岩谷幹事長には、いろいろな形で連携なりご相談なりのカウンター(パート)として非常にお世話になりました。深く敬意を表し、仮にこの辞任が本当にそうなるのであれば、この間の様々なご厚情に深く感謝を申し上げ、ご慰労を申し上げたい。他党のことながら、そう感じております。

【NHK】
 今後の維新との関係性については、どう見極めていくか。

【小川幹事長】
 仮に替わるとして、新体制がどうなるのか。そして、与野党それぞれと維新さんとの距離感がどう図られていくのか。そうしたことを、全体、総体を見極めたいと思っています。

【日本経済新聞】
 維新の会の役員に関して。今、ガソリンの旧暫定税率や消費税の問題に関して野党で集まっての協議を進めているところだと思うが、維新の一部役員が替わることによる野党連携への影響などはあるか、今のところのお考えを伺いたい。

【小川幹事長】
 私どもとしては、影響がないように、どういう体制になってもこちらが尽くすべき誠意と努力は続けたいと思っています。ただ、先方の体制と与野党双方との距離感次第で、何がどう変化するか、予断を持って言える立場にはありません。私どもとしては連携は変わらないように努力したいと思っています。

○臨時国会を振り返って(2)

【朝日新聞】
 石破政権との向き合い方に関して伺いたい。昨日、予算委員会で石破さんと野田さんが直接対決したと思う。率直に聞いていて、二人の中のリズム感というか、あうんの呼吸が感じられる面があり、ある種の信頼関係や仲のよさみたいなものを感じたが、きのうの予算委の集中審議の与野党党首のやり取りを幹事長は率直にどう感じたか。

【小川幹事長】
 私もお仕えしていて、極めてご信頼を申し上げ、善良なお人柄で、重厚感があり、経験豊かで、よくありがちな野党の、ありがちな対決スタイルとか、ありがちな追及スタイルとは一線を画すのが野田代表のスタイルですので、そこは非常に野田代表の持ち味を出していただいたという受け止めです。それ以上何がしか、あうんの何かがあるとは思えません。
 与野党のリーダー同士が激しく口論・討論しつつも互いに極めて敬意を持って対峙しているというのは、民主制を取る以上、国民にとって理想的な姿なので、一つそれはそういうふうに私は受け止めていますが、それ以上勘ぐられることもあると思うんですね。それこそあうんの呼吸だとか、何がしか水面下でやり取りがあるのではないかとか、そういうのはないと信じています。

【朝日新聞】
 ないと信じているということだが、現時点で野田さんと石破さんとの間でそういう水面下のやり取りはないというふうに幹事長としてははっきりおっしゃれる感じか。

【小川幹事長】
 確認もしておりませんし、確認をする立場にもない。あらゆる全責任を最終的に背負って、党運営、国会対策、選挙対策に当たっておられる、その代表を補佐すべき立場に徹したいとは思っていますが、私がこの間いろいろとお仕えする中で感じている延長線上で申し上げると、そうした不必要な、あるいは必要以上の、水面下での対峙すべきライバルとの対話や、ましてや取引は皆無だと信じるに足る、この間の期間でした。

○ガザ人道状況改善とパレスチナ国家承認表明を求める党声明について

【朝日新聞】
 最後に一点、別件で伺いたい。昨日立憲民主党はパレスチナのガザの人道危機に対する声明、日本政府に対して早期のパレスチナ国家承認を求める声明を出したと思う。現状石破政権はそういう対応を取っていないが、今の石破政権をどう評価するか。所感があればお願いしたい。

【小川幹事長】
 申し訳ありません。現場と政調において、ご努力、ご尽力をいただいていると思います。ちょっとごめんなさい、声明まで含めて、きょうも一日ちょっとばたばたしておりまして、十分詳細まで含めて確認できておりません。
 いずれにしても、この人道にもとる戦闘が継続していることは国際社会を挙げて責任を感じるべきであり、日本国としても、両国間に、両地域間に非常に複雑な経緯と歴史があることはよく踏まえた上で、一日も早い戦闘停止、そして、互いの平和と共存、これを望むべく日本国の役割が果たされるべきだと思っています。その観点から、現政権の対応が十分であるのか、それは必ずしもそう受け止められる環境にはないと感じています。国会、外務委員会、安全保障委員会等に限らず、検証が必要だと思っています。

○参院選の総括について(3)

【「FACTA」】
 去年の秋に100から150になり、ハングパーラメントになって、最大野党、政権交代をとやってきて、参議院選挙をやったら何と野党第3党になってしまったと。これははっきり言えば不人気なわけだが、その責任は執行部を含めてあると思う。維新はきょう党三役全員が進退伺になった。立憲民主党がこれだけ嫌われてしまったということは、別にSNSだけではないと思うが、そこのところをどう分析するというよりも、やはりまず責任問題があるのではないか。野党第3党というのは、何でこんなになってしまったのか、幹事長ご自身の責任というか、お考えを伺いたい。

【小川幹事長】
 私自身の責任は極めて重いと考えております。
 第3党というご指摘は甘んじて受け止めたいと思うのですが、正確には獲得議席は野党比較第1党であり、推薦まで含めると、若干ですが、事実上横ばいとはいえ、少々の、1、2の増です。比例票において僅かとはいえ野党第3党に甘んじたということの重要性をご指摘いただいているということは、大変に厳しく受け止めております。
 ちょっとこれは公にも申し上げたことなので、あるいは先週だったか先々週だったか、この場でも申し上げたことなので、私の感じている率直なことを申し上げるのですが、3年前、私は参院選のときに政調会長でした。あのときは改選23から17、相当がたっと減らしたわけです。当時、役員でありながら自ら執行部の刷新を唱え、自らの責任の所在といいますか、引責を明らかにした上で党執行部の刷新を牽引したと。これは党内外から様々なお叱り、ご批判をいただきました。執行部にありながらですね。
 それに比べると、私は今回幹事長として臨ませていただいた国政選挙ですから、はるかに責任は重いということを考えており、そのことを曖昧にしたり、あるいは、甘く自らの責任を捉えたりするつもりは毛頭ありません。しかし、申し上げたように結果が非常に3年前に比べますと微妙なラインでして、あの時点で私が直ちに辞意・引責を表明すること自体は、一方で極めて重要な党の安定性を害すると私なりに判断し、まずは厳しく全体総括に臨むべき責任を果たさせていただきたいということを申し上げてまいりました。
 人事については一義的には代表の専権事項ですから、総括を今やっている最中にこれに言及するということは厳に控えたいと思っております。
 重ねて。これももう公に申し上げたことですが、個人的に地位や職責に恋々とするという思いは、毛頭、全くございません。

【「FACTA」】
 そういうことを申し上げているのではなく、結局、去年の夏からやはり選挙は変わったというか、エンタメ化とかカジュアル化、今回投票率が6%上がったり、そういう流れに乗り遅れたことの責任で、3年前の話ではない。参政党は衆議院で3議席、参議院で1、そこに150持っているところが負けたわけだから、この半年ぐらいに起こったことが何かということをまず考えなければいけなくて、そこに乗り遅れていると思う。そこの認識でいくと、やはり遅れてしまっているから、まずはまねないとしようがないわけで、まねることがいいわけではないが。たぶん中谷さんなんかはその辺がわかると思う、41歳だから。ちょっと違う次元の、この半年ぐらいでエンタメ化とかカジュアル化が起こった、今回の選挙はそういう選挙だったと思うが、立憲の総括を聞いていても、全然昔と同じ総括の仕方をしているから、その辺が僕には理解できない。小川さんはその辺はあまり感じないか。1年間ではなく、この半年くらい、乗り遅れたという感じはしないか。

【小川幹事長】
 この間の総括でもよく出た言葉として、オワコンとかオールド政党とかいう、厳しい自己総括が党内部からも出てきています。私はそれを軽視するつもりは毛頭ありません。
 それで、宮嶋さんですから、ちょっとあえて胸をおかりしたいのですが、私の中にはある種葛藤もあって、つまり、SNS対策はそれなりに強化してきたつもりなんですね。そこで一つ葛藤があったんです。やはり今の時勢に照らせば、財務省解体とか、敵がここにいるとか、あるいは、国債であらゆることを解決できるんだという主張のほうが、今のネット環境にはもしかしたらなじみやすいと。したがって、回転数を稼ぎたいならば、そういうシンプルな答え、時に敵をつくりという政治手法、スタイルに乗ることもできるでしょう、技術的には。しかし、そこにまさに葛藤を抱え、懊悩しているのが我が党であり、私なんです。
 理性的に議論しようとか、冷静に議論しようという呼びかけを、これだけ人口減や、これだけ高齢化が進み、これだけ社会保障が傷み、これだけ莫大な財政赤字を抱え、これだけエネルギーと食料を輸入依存に頼るこの国を、そんな簡単に単純に感情をあおる形で問題解決を、果たしてできますか。
 そして、それに親和的な現状のネットの世界に、あんた達は波に遅れているから早く乗りなさいという指摘は、得点稼ぎ、得票稼ぎの観点のみからおっしゃっているのか。それとも、この社会はどうあるべきで、政治はどうあるべきで、選挙運動やネットを用いた有権者との対話活動は本来どうあるべきなのかということまで含めておっしゃっているのか。
 ちょっとあえて、宮嶋さんですから、胸をおかりして、正直な心情・心境を吐露すれば、そういう葛藤にさらされて今日に至っています。

【「FACTA」】
 政治はやさしいことを難しい言葉で語ってはいけない、僕は小川さんにそう申し上げたい。私だってそういうことはわかっているが、やはり負けたということについて、この半年ぐらい大きく遅れていたのは間違いなく、それはたぶん立憲の若い人が一番わかっていると思うし、東京だってこういう負け方になっているわけだから、やはり負けから学んでいないということを言っている。選挙は勝てなかったらどうにもならない。別に参政党とか何かがひどいことを言っているからとか、その言葉一つ一つがどうだではなく、最後の日の芝公園に私は行って見ているが、そこに熱と力を感じる。僕はジャーナリストだから、そこに人が集まって来ているわけだから、そういうものが立憲にはないということを言っている。選挙は熱と力だと思うが、それが今の立憲にはないのではないか。国民にはやはりあるから、それなりに入った。その辺は、小川先生のお考えもわかるが、やはり参政党のああいうのを見に行ったほうがいいと思う。

【小川幹事長】
 いずれにしても、責任を甘く見るつもりはありません。厳しくご指摘は受け止めたいと思っています。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほか、いかがでございますか。よろしいでしょうか。それでは本日の記者会見はこの辺りで終了させていただきます。ご参集いただきまして誠にありがとうございました。

【小川幹事長】
 ご協力ありがとうございました。

(以上)