安住淳幹事長は9月16日、国会内で会見を開き(1)自民党総裁選(2)わが党の立ち位置(3)政策課題――等について述べました。
(1)安住幹事長は、自民党の総裁選挙に関連して「決まったら、よき好敵手になれるように切磋琢磨したい。この2カ月、自民党は自分たちのために時間を使った。国民をないがしろにした」と自民党に反省を促しました。
「執行部が決まったら、比較第1党、第2党として、しっかり向き合ってメリハリをつけてお付き合いをしたい。戦うときは徹底的に戦う。奇をてらったことをやるのではなく、国会審議をしっかりやっていく。スルーされない存在にならないといけない。頑張りたい」と意気込みを語りました。
(2)先の参院選での参政党の躍進とその余波が続いていることについて記者から所感を問われ、安住幹事長は「私たちの立ち位置は明確。穏健、中道、リベラル。多様性を訴えており、参政党とは一線を画する立場。いろいろな法案が出てきたところで、われわれの立ち位置をはっきり示していきたい」と述べました。
過去の衆院選にも触れ、「波がある。にわかに国民の皆さんが急に右傾化したとは思っていない。既存の政策や今の政治のあり方に満足していない方々を、わが党が受け止め切れなかったことを反省すべき。どっしりと、しっかりとした議論をすることで、支持を回復していきたい。戦後の歩みはそんな簡単に右傾化はしない」と述べました。
(3)選択的夫婦別姓について、安住幹事長は「選択的夫婦別姓はわれわれに限らず、法務省が30年悲願としてやっていたこと。これはむしろ政争の具にするのではなく、世界の中で当たり前のことを日本国内でもやろうと訴えている。訴えは普遍。賛同する人が増えるまでやり続ける」と述べました。
消費税減税については「議論は終わった。2万円のバラマキよりは消費税減税が選挙で勝った。1年の食料品消費税ゼロ%は実現したい」と述べました。
安住淳幹事長記者会見
2025年9月16日(火)15時27分~15時48分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/E5MPJ105Glg
■冒頭発言
■質疑
■冒頭発言(記者ブリーフィング)
■質疑(記者ブリーフィング)
■冒頭発言
○定例会見に当たって
【幹事長】
よろしくお願いします。以上です。
■質疑
○自民党総裁選について(1)
【NHK】
自民党の総裁選挙について伺いたい。きょう小林氏が会見し、小泉・林両氏も立候補を表明した。これまで茂木氏と高市氏を含め5人の名前が出ているが、いずれも去年の総裁選に出た顔ぶれとなっている。こうした現状を立憲民主党の幹事長としてどう見られているかというのをお願いしたい。
【幹事長】
個人個人のこととか、いろいろ思うことはありますが、ちょっと人様のことをとやかく言えるような状態ではないので、我が党の再建をとにかく一生懸命したいと思っています。よき好敵手となれるように、決まったら切磋琢磨したいと。
ただですね、この2か月は、とにかく自民党は自分のために時間を使いましたから。これは本当に国民の皆さんや国会をないがしろにしたと私は思うので、強く反省を求めたいと思っております。
【NHK】
更問いで。今、好敵手というお話があったが、物価高対策、安全保障、あるいは連立のあり方といったちょっと政局的な話まで、いろいろ課題というのは山積していると思うが、その中で、総裁候補のどの主張、どの論点に特に注目しているか。政策面と国会対応の点で、それぞれお願いしたい。
【幹事長】
まあ、どうですかね。繰り返しますが、人様のことをとやかく言う立場ではありませんから、それはそれでやってもらって、しかし、決まった方とは、いや執行部とは、野党第1党としてというか、比較第1党・第2党としてしっかり向き合って、先般の会見でも申し上げましたが、めり張りをつけておつき合いをしたいと思っています。戦うときは徹底的に戦いますから。
○党勢拡大に向けて
【読売新聞】
今ご指摘あった党勢の拡大に関連して伺いたい。週末の弊社の世論調査で、立憲民主党の政党支持率が5%で、野党の中で3番目。前月比でもマイナス2%となっている。新執行部への期待がまだまだ集められていないという現状になるが、今後どのように課題等を分析して党勢の拡大に向き合っていくか。幹事長の決意を含めて伺いたい。
【幹事長】
やはり存在感を高めないといけないと思うんですよね。ただし、何か奇をてらったことをやるのではなく、国会での仕事を一生懸命やって、それは皆さんのようなメディアも含めて、SNSを含めて、やはりきちっと発信をしていくことで、何というかな、スルーされない存在にならないといけないと思っています。読売新聞の調査でも上がるように頑張りたいと思います。
【東京新聞】
新幹事長への期待と、それでも立憲はなかなか伸びないのではないかという不安、両方があると思うが、これまでインパクトという意味では、奇をてらったことを言わないがゆえに、なかなか世論の中で特に若手には支持が広がらないということが続いてきたと思う。先ほど小林鷹之さんの会見に行ったが、正直、参政党の躍進は自民党としては敗北したということ、ただ、事実と違うようなことを言っているということがあればそれは問題だと思うと、一般論として回答された。新総裁の下で解散になるかどうかはまだ見えないが、今、参政現象の余波が続いていると思う。いわゆる日本人ファーストとか、分断をあおるような言葉が社会の中で非常に広がっていて、一方で、参政の躍進に伴って外国人に対して非常に慎重な姿勢の政策が幾つも、与党からも、きょうの小林さんの話からも出ていた。こういったところにどういうふうに向き合っていこうとお考えなのかお聞きしたい。
【幹事長】
私達は立ち位置というのはもう明確で、穏健中道リベラルです。ですから、多様性を大事にしたり、そういう点では参政党の皆さんとは一線を画す立場にありますから、いろいろな法案や何かが出てきたところで我々の立場ははっきり示していきたいと思っています。
3年前の参議院選挙でも我々は維新の後塵を拝しまして、相当そのときも痛烈に皆さんからは批判をされて、BSのテレビなんかを見ても、とにかく「維新だ」「維新だ」って、もうすごかったんですよ。しかし、その後の総選挙を見てもらえばわかるように、我々は150で、維新は30でした。だから、そのときの波はありますからね。
私は、にわかに国民の皆さんが急に右傾化したとは思っていません。ただ、現状の政治が、そういう既存の政策や今の政治のあり方に満足していない方々を我々野党第1党が受け止められなかった反省を我々はしないといけないと思っています。だから、それをちゃんとすれば、私は、時間は少しかかるかもしれませんが、どっしり落ち着いた議論をちゃんとやることで支持をまた回復していきたいと。
一言で言うと、戦後歩んできた道はそんな軽いものではないのだから、そんなすぐに右傾化するようなことなんて、私から見ればナンセンスです。
○「選択的夫婦別姓」「消費税減税」について
【東京新聞】
これから出てくる小泉進次郎さんを始め、総裁選候補者が言えない部分のポイントとして、選択的夫婦別姓と、高市さんがどうなるかわからないが、消費税減税というところは言えないのではないかと見ている。この消費税減税と選択的夫婦別姓ということに関して、今後、国会を含めて、立憲民主党としてこう主張していくというところをお聞きしたい。
【幹事長】
選択的夫婦別姓も、我々に限らず、日本の法務行政を司っている法務省が、もう30年、悲願としてやってきたことなんですよね。だから、これはむしろ、政治の、政争の具にするのではなく、世界の中でやはり当たり前のことをちゃんと日本国内でもやろうよということで我々は訴えているので、それは訴えは不変です。賛同してもらえる人が増えるまでやり続けます。
消費税は、既にその議論はもう終わったので、2万円をまくよりも消費税(減税)という意見のほうが参議院(選挙)ではトータルとして勝ったのだから、そこを自民党はちゃんとわきまえて、私は食料品の1年の消費税減税は実現したいと思っています。
○首班指名選挙について
【フリーランス】
首班指名選挙について、野田代表に投票いただく環境づくりをすると「日曜討論」でおっしゃったが、この指とまれ方式で政権交代を目指して、維新や国民民主党とあすからでも話合いを始めるという理解でよろしいか。
【幹事長】
はい。そう思って、いろいろやっていました。
まだ現実味があるかどうかわかりませんが、代表の意見も私は聞いたのですが、私(野田代表)の名前というよりも、この首班指名は、一緒に名前を同じ人を書くということは、連立を共にするという、イコールですよね。そういう点では、これは私が後段で話したのだけれども、どういうことをする政権なのかと。何を目標に政権をつくるのかということについて、まず、横田さんがおっしゃった政党と話をしたいと思います。その上で、一緒に首班で同じ名前を書けますかというところまで行ったところで、では誰がいいですかという話の順番にしていきたいと。
これが野田代表の考えでもあるので、私としては、あした以降、主要な政党とはそのことについて話をしたいと思います。
【フリーランス】
小川前幹事長は、あらゆる選択肢を排除しないということで、玉木連立政権もあり得るということを示唆されていたが、そういう理解でよろしいか。
【幹事長】
いや、まずですね、私達は主体的に関与したいと思いますが、何をする政権をつくりたいかということについての意見ですから、その上に誰が適任かという話になっていくと思うんですね。
そういう点では、誰がよくて誰が悪いという話ではないけれども、やはりそういう点ではおのずと、では野党第1党の野田さんを外して本当に皆が納得する顔が誰かということは、それは真剣に議論したいと思いますが、そこまで行く前に、ちゃんとした合意をちゃんと取れるかどうかだと思います。
【共同通信】
先ほどの質問に関連するが、幹事長はNHKの番組で、連立政権のあり方に関して、基本政策や理念が違う者同士が連立政権を組むとおっしゃり、また、現状具体的な課題として、物価高や格差社会の是正、緊迫する国際情勢などを挙げ、そういったテーマで一致できるかどうかということをおっしゃった。具体的に、例えば消費税減税であるとか、どういった政策を念頭におっしゃっているのか、お考えをお願いしたい。
【幹事長】
私はその前提に、こてこての保守とがちがちの左はちょっと勘弁してくれということは言っているんですよ。だから、枠はある程度、穏健中道リベラルの我々が乗れるということは、戦後歩んできた道を否定しない人たちが前提ですよ。
その上で、私が申し上げたいのは、皆さんね、戦後の連立政権を見てください。基本政策の一致している政党同士の連立というのはないんです。大体、そもそも基本政策が一致しなければ駄目だというのだったら、同じ党同士でやるしかないんですよ。だから、連立政権というのは、基本政策というのはまず自分の家に置いておいて、その上で、今の自公だってそうではないですか、その上で何を政権としてやるのに参画しますかということを決めて政権というのはつくっているわけです。
私はそういう点で、こてこて保守とがりがりの左はちょっとまず除いて、そこの真ん中で、なおかつ、この物価高対策や安全保障等のことについてお話をさせていただいたということなのです。だから、この指とまれ方式というのは、誰でもいいからとまってくださいと言っているわけではないんですよ。
そういうことを丁寧に、首班指名までにやれればいいなと思っています。
○自民党総裁選について(2)
【東京新聞】
こてこての右と左を除くという言い方をされていたが、今、進次郎氏が優勢という下馬評が出ている。一方で、進次郎氏が一丁目一番地と言っていた選択的夫婦別姓とか、この間言っていた解雇規制の緩和というところは、今回は保守層を意識して言わないという報道が出ている。どなたが総裁になるかは10月4日にならないとわからないが、新総裁になる自民党総裁にどういうことを期待するか。いや、全く期待しないということか。そこら辺をお聞きしたい。個別には言いづらいかもしれないが。
【幹事長】
比較第1党のリーダーを選ぶのだから、それは首班になる可能性が高いということは否定しませんから、そういう自覚を持ってちゃんとやってもらえばいいのですが、やはり先ほどから言っているように、全くね、選挙になると第三極なんかが出てきて新しいことを言うとぱっと飛びつく風潮というのはあるけれども、30年近く政治をやっていて思うのだけれども、積み上げてきたものを少しずつ改正したりして世の中というのは変わっていくからね。そういう意味では、戦後いろいろな法律や体系をつくってきたものの重みをよくわきまえて行動や発言をする、その延長線上にある改革者がいいのではないかなとは思いますが、それは人様のことだから。そんなことを言う前に自分のところを何とかしろと言われるのが落ちだから、今は。だから、うちはこつこつやります。そういうこと。
■冒頭発言(記者ブリーフィング)
○第136回常任幹事会を開催
【西村幹事長代行】
お疲れさまです。幹事長代行の西村です。
私のほうから、先ほど終わりました常任幹事会の報告をいたします。
代表挨拶等につきましては皆様聞いていただいたとおりです。
ご覧いただいた資料を見ていただければわかるのですが、本日(の議題)はほとんど野田第2次執行体制になりまして、それぞれの部局の役員をどうするかということ、この選任が主たるものとなっております。ただ、まだ発足して1週間ほどでございますので、この後また追加で、各役員について追加があろうかと思いますが、きょうご報告があったのは、幹事長部局、政調、選対、国対というところになります。また随時、今月中のどこかの常幹では追っての役員の追加がある見込みです。
それ以外ということになりますと、総合選挙対策本部の構成について、きょうご確認をいただきました。総合選対本部につきましては、立憲民主党の規約に基づきまして、代表が本部長を務め、幹事長が事務総長を務め、選対委員長が事務局長を務めるということになっており、同時に、代表からの指名と申しましょうか、選任によりまして役員を構成することができるということになっております。ご覧いただいているとおりですので説明は省略いたします。
選対のほうから、次の総選挙に向けて公認内定が決定しておりました高知1区の武内則男さん、村長選挙に立候補されるということで、公認内定を辞退されるということの承認がございました。
また、岡山市長選挙について、候補者の推薦を決定しております。
大体主なところは以上でございます。
■質疑(記者ブリーフィング)
○公認内定の辞退について
【時事通信】
確認だが、武内則男さんの公認辞退は高知県三原村長選に立候補するためということでよろしいか。
【西村幹事長代行】
さようです。
○「次の内閣」の構成について
【朝日新聞】
確認だが、きょうの中で、NC、ネクストキャビネットについての協議はあったかということと、なかったのであれば決まるめどなどを伺いたい。
【西村幹事長代行】
もう少しNCについては先になると思います。先ほどの常任幹事会の中で笠国対委員長から、衆議院のほうの委員会の配置換え、これについては今月中に行いたいというようなお話がございましたので、それと同時並行ということになってくるかと思います。
できるだけ今月中に新体制を整えようということで、各部局も今、役員の選任等々、力を入れてやっているところですが、今月中か、来月に食い込むということはないとは思いますが、今そんな感じです。
○福島市長選について
【産経新聞】
福島市長選をめぐる対応について伺いたい。立憲民主党の福島市支部は現職の推薦を決めた一方で、御党に所属していた馬場前衆院議員が辞職して出馬する旨を表明されているが、本日の常幹の中で福島市長選をめぐる対応などについては議題となったか。
【西村幹事長代行】
本日の常任幹事会では福島市長選挙のことについては議題には上がっておりませんし、意見等もございませんでした。東北ブロックの幹事からも発言がなかったと記憶しております。
○次期衆院総選挙に向けた取組について
【NHK】
総合選対について伺いたい。先日、野田代表からも早期解散の可能性という言及があったが、このタイミングでの立ち上げの狙いと、これまでの総合選対と何か違う点というか、強化していくような点を、もし現状で考えていることがあればお願いしたい。
【西村幹事長代行】
総合選対本部は逢坂選対委員長が事務局長を務められますので、選対委員長のほうから総合選対のメンバーについては提起がありました。そのときに、野田代表からの指示であったと選対委員長は言っておられましたので、野田代表としては、いつ何どき衆議院解散・総選挙になっても戦い得る態勢を整えていかなければいけないと、そういう考えから設置を指示されたのではないか。設置ではなくて、設置はそもそもされているので、役員の補充ですね。役員の補充を指示されたのではないかと拝察しますというか、そのように思います。
(以上)