野田佳彦代表は10月10日、国会内で定例記者会見を開き、(1)物価高対策の実務者チーム設置(2)首班指名をめぐる動き(3)政治空白による物価高対策への影響――等について発言しました。
(1)10月9日の政調役員会において参院選公約で掲げた物価高対策について、実務者チームを設置したことを報告しました。座長は、本庄知史政務調査会長、座長代理が重徳和彦税務調査会長、事務局長が稲富修二ネクスト財務金融大臣です。野田代表は、「臨時国会がいつ始まるかわからないが、食料品消費税ゼロ法案の作成を指示した。国会に間に合うように準備してほしい」と述べました。
(2)国民民主党の玉木代表が立憲民主党とは基本政策の隔たりが大きいと述べていることについて、野田代表は「お忘れになっては困るなと思うのは、4月中旬に立憲民主党と国民民主党と連合との間で、国の根幹にかかわる基本政策についての共有部分をお互いに確認をしています」と反論しました。この確認は憲法、外交・安保、経済、エネルギー、多様性の5分野で両党の政調会長が合意して文書を交わしているものです。野田代表は、「国民民主党は自民党と公明党との合意はすごく大事にしている感があるが、立憲と国民民主と連合の合意は忘れてはいないだろうと思うので、そこを含めて話をしたい」と述べました。
(3)臨時国会召集日が見通せない中、ガソリン暫定税率廃止法案の審議について問われると、「11月1日廃止は難しくなったと思うのでその責任は極めて重い」と指摘。「年内実施すら不安な状況である」と話し、早期の臨時国会召集と法案の成立を求めました。
また、物価高対策について「給付金で対応すると言っても年内実施できるかわからない。まさに国民生活に大きなマイナスだということを自民党は強く自覚すべきだ」と強調しました。
野田佳彦代表記者会見
2025年10月10日(金)10時30分~11時00分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/JOt4fcPG0z0
■冒頭発言
■質疑
- 首班指名選挙について(1)
- 自公連立協議 公明党について(1)
- 物価高対策の遅れについて(1)
- 首班指名選挙について(2)
- 自公連立協議 公明党について(2)
- 物価高対策の遅れについて(2)
- 給付付き税額控除 3党協議について
- 戦後80年見解について
- 首班指名選挙について(3)
- 自公連立協議 公明党について(3)
- 首班指名選挙について(4)
- 自公連立協議 公明党について(4)
- 首班指名選挙について(5)
■冒頭発言
○実務者チームに「食料品消費税ゼロ法案」作成を指示
【代表】
おはようございます。
昨日、政調役員会が開かれまして、さきの参院選公約で掲げたスリーステップの物価高対策の一環であります、食料品の消費税ゼロ、それから、給付付き税額控除、これらに関する連絡調整・企画立案のため、政調会長の下に、関係ネクスト大臣、税調会長等による実務者チームを設置いたしました。
座長が本庄政調会長、座長代理が重徳税調会長、事務局長が稲富ネクスト財務金融大臣等々の構成でありますが、このチームに、臨時国会はいつ始まるかまだわかりませんが、食料品消費税ゼロ法案、この法案の作成を指示させていただきました。国会に間に合うように準備をしていただきたいと考えております。
○地方行脚の予定について
【代表】
それから、毎週末、地方での活動をしておりますが、今回は地方というよりも近場になりますが、日曜日に神奈川2区と3区での街頭活動を行いたいと思っています。できるだけ多くの総支部長のお手伝いをしていきたいと考えております。
■質疑
○首班指名選挙について(1)
【NHK】
首班指名をめぐる動きについて伺いたい。きのうも幹事長がいわゆる大規模ではない野党のところを回って呼びかけをしていたが、今、野党全体の感触をどう捉えているか。また、これからどのようにアプローチしていきたいか。それぞれお願いしたい。
【代表】
総裁選挙の結果が出る前からこういう動きをしてまいりましたが、結果が高市さんという形で出た以降のほうが、お話をさせていただき、そして、それを聞いていただける環境が整ってきたと思いますので、粘り強く呼びかけをし、協議をしていきたいと思います。
【NHK】
関連して。改めてになるが、なぜ総裁選後、話を聞いてもらえる環境になってきたのかというところの見立てと、今後、党首会談とか、そういう場にどうつなげていくのかというところがもしあればお願いしたい。
【代表】
一つには、やはり野党、いろいろな立場の野党もありますが、これから(自民党が)、どちらかというと従来の石破さんの穏健な保守の路線から、より右に傾いていくのではないかということによって、野党の中で危機感を持つような人たちも増えてきているということと、それから、きょうまた公明党が自民党と午後に会談をすることになっていますが、緊迫した状況になってきていますよね。
そういうことを踏まえると、野党が固まれば総理を自らの手で選べるかもしれない、政権交代が事実上起こるかもしれないということなどもあり、話合いをしなければいけないのではないか、協議しなければいけないのではないかという問題意識も芽生えつつあるということではないかと思います。
○自公連立協議 公明党について(1)
【NHK】
自公の今の状況について、これ自体についてはどのように見られているか。
【代表】
これはもう緊張感をもって注視をするということに尽きると思いますが、少なくとも、やはり自民党総裁選挙のさなか、高市さんだけではなく全てがみんな連立拡大という言葉を安易に言っていましたが、連立維持をするということに対して、これまで二十数年パートナーだった公明党に対する配慮がずっとなかったと。むしろ、ないがしろにしてきたということが、やはり公明党の強い今の危機感につながっているのではないかと思います。
【時事通信】
関連で質問だが、昨日のテレビ番組でも野田代表は、公明党とは同じ中道ということで親和性が高いと、連携のあり方は今後考えていきたいというお話だったが、その連携のあり方の中には、いずれ立憲民主党と公明党で連立を組むとか、もしくは首班指名選挙で同じ方の名前を書くとか、そういったことも選択肢に入ってくるのか。
【代表】
いや、あまりそんな飛躍的なことを、きょうの会談を前にして、そういう軽々しく言う言葉ではないし、他党が真剣に今悩みながら対応しようとしているときに、我々が先走ったうかつなことを言うべきではないと思います。
○物価高対策の遅れについて(1)
【共同通信】
ガソリンの暫定税率廃止について伺いたい。11月1日からという法案を取りまとめていたが、今、臨時国会の開会が見通せない状況だ。改めて実施時期の見解について伺いたい。
【代表】
前の執行部が15日に開くということをおっしゃっていたと思うのですが、それですら、暫定税率の廃止、議員立法ですから総理・閣僚がいなくてもできるという意味でも、ぎりぎりだったと思うのです。考え方を整理して、法案として出すと。
ぎりぎりだったのだけれども、これ以上遅れるというか、もう事実上無理になりましたね、11月1日というのは。今のままだと20日の週に臨時国会を召集できるかという感じではないですか。だとすると、その週で本会議物だけが終わって、委員会物は全然できない、11月以降ということですから、事実上11月1日の廃止というのは難しくなったと思います。
その(自民党の)責任は私は極めて重いと思います。少なくとも7月20日に参議院の投開票日があって終わったわけですから。長引く自民党内の抗争で政治空白が続き、フルスペックの総裁選挙でまた政治空白が長引き、加えて、結論が10月4日に出た後もこのようにだらだらと時間を空費して、物価高対策が進まないし、その中の柱である暫定税率の廃止もいつ実現できるかわからなくなってしまったという、それは極めて私は自民党の責任は大きいと思います。
年内実施ですら不安な状況ですので、一日も早く、それでも、やはり臨時国会を早く開いて、そして成案を、法案としてまとめて成立させなければいけないと思います。
【共同通信】
もう一点。その自民党の党内抗争や連立の話で政治空白が続いていることによって、もう一つ掲げていた食料品のゼロ税率、税制のほうも協議がどうしてもできないという状況になっていると思う。これも講演などでは早くても4月1日ということをおっしゃっていたが、このスケジュール感についても影響はあるのか。
【代表】
元々4月1日というのも、少なくとも半年くらいは税制改正を踏まえた中で必要だと思っていましたが、その動きすら、協議すら今できる状況ではないということは、いろいろな意味で物価高対策に影響が出てきているだろうと思います。
給付金で対応するといったって、年内実施ができるかどうかだってわからないんですよ。年度内実施はできるかもしれないけれども、年内実施できるかどうかもわからないという、まさにこれは国民生活にとっては大きなマイナスだということを自民党は強く自覚すべきだと思います。
○首班指名選挙について(2)
【東京新聞】
改めて、首班指名についてお尋ねしたい。今、立憲の安住幹事長は、国民民主党の玉木代表も有力な候補という前提で、精力的に各党に協力を呼びかけている。野党第1党の党首である野田代表にとって、こういった選択肢を含めて各党への働きかけを要請するというのは本当に重いことで、内心、ご自身が野党第1党の代表なのにというじくじたる思いもあるのではないかと考えている。改めて、こういった幅広い選択肢で各党に首班指名での協力を呼びかけている、その思いを伺いたい。
【代表】
野党第1党の党首としての矜持がないのかとか覚悟がないのかというご指摘もあるようであります。どちらかというと我々は矜持とか覚悟という言葉は好きなほうで、そちらを重視した政治行動をずっとやってまいりましたが、矜持と覚悟だけでは物事が動かないということもよくあるということを経験則として学んでまいりました。特に去年の総選挙が終わった後に、我々が一番議席数を増やすことができて、野党第1党、比較第2党になりましたが、そのときに首班指名選挙に当たり野田をよろしくという呼びかけをして、結局、結果を出すことができなかったということは、これは大きな教訓になっています。それが1年前のことでありますので、だとするならば、身を捨てて(こそ)浮かぶ瀬もあれということもあり得るのではないかと。
とにかく協議のテーブルに着いていただくということが大事だと思いますので、どういう政権をつくるのかということを虚心坦懐に話をし、その上で誰を選ぶのかということが順番だろうと今回は判断をし、幹事長にもそのような指示をして動いていただいているということであります。
【東京新聞】
その上で、一本化を目指すに当たっては、やはり党内が一致した行動を投票において取るということが極めて重要だと思う。今、安住幹事長の手腕をおそらく全面的に信頼されて交渉を任せていると思うが、安住幹事長がまとめ上げたり、ある程度見通しをつけた一本化の結論に向けて党内をまとめ上げていくというご決意みたいなものは既に心の中で準備としてお持ちか。
【代表】
今、幹事長を中心に、いわゆる舞台回しをしていただき、前さばきをしていただき、いずれの日にか、というか近いうちにだと思いますが、党首会談で決めていけるような状況をつくっていただいたならば、その上で決まったことについては党内で徹底をしてご理解をいただくようにするという、そういうプロセスに入っていくということになると思います。
○自公連立協議 公明党について(2)
【朝日新聞】
先ほど来ある自民と公明党との協議の関係で伺いたい。自公連立、26年続いた。基本的に野田さんは対峙する立場で26年臨んできたと思う。今、この26年間の自公連立を振り返って、特に選挙などでは対立する立場、かなりしんどい部分があったと思うが、この自公連立をどう評価するか。対峙する側からどう見えているか、お願いしたい。
【代表】
戦うという意味においては、特に戦うというのは選挙戦ですね。各級選挙でいろいろ戦ってきましたが、元々自民党の強い地域がいっぱいある。地方でいっぱいありますよね。そこに公明党が組む。スクラムを組んで戦う。これは野党にとっては本当にきついハードルでしたね。その壁に挑み続けてきたと思います。それは衆議院選挙の小選挙区で勝つというのはえらい大変、だから野党の候補者調整はどうしても避けて通れないと思いながらやってきました。今回の参議院の1人区もやはり同じような感じでありましたし、地方選挙もやはりそうなんですね。
その26年間のきずなが、こういう形である種大きな局面を迎えているということは、それだけのメリットを自民党も受けてきたはずなのに、いつの間にやら、表現が適切ではないかもしれないけれども、げたの雪みたいな扱いにしてしまったことが、やはり反発を招いたのではないかと思います。やはり敬意と感謝が足りなかったのではないか。なれ過ぎたのではないでしょうか。
もし、これはどうなるかわかりませんが、それがあって勝ち上がってきた自民党の衆議院議員も結構いるのではないでしょうか。その辺がどうこれから反応として出るのか。もし、いや、わかりませんよ、思い切って丸のみするかもしれませんね、高市さんが。可能性はなくはないとは思います。でも、亀裂は走ったのではないでしょうか。ここまでもつれてしまったということは、先ほど言ったように、臨時国会の召集が遅れ、物価高対策も有効なことが打てないということまで招いてしまっているということについては、これはやはり一つの亀裂として残ると思うので、それが間違いなくこれからどう出るかということはよく見ていきたいと思います。
【朝日新聞】
関連して。今、亀裂というお話もあった。野田さんはたぶん政治人生の中で、93年の細川政権もご経験され、その後、2009年の民主党政権もあれば、その後の自民党の政権奪取のときも経験されていると思う。当時の空気感と比べて、今のこの亀裂だったり今日の政治状況というのは、そうした新たな大きな動きの予感という意味では何か感じるところはあるか。
【代表】
大きな大きな、やはり過渡期を迎えているんだなと。政党間の関係性だけではなく、より広範囲に、いろいろな各政党間の関係、あるいは同じ政党の中でも、どういう形で化学反応が起こっているか。たぶん自民党の中でも今の高市さんの執行部に対して「何やっているんだよ」と思っている人たちもいっぱい出てきているという状況なので、どういう変化がこれから生まれていくかはちょっと予測はできませんが、大きな過渡期を迎えてきているなという感じはしますね。
○物価高対策の遅れについて(2)
【北海道新聞】
ちょっと改めてになって恐縮だが、当初15日を予定としていた臨時国会の召集日が更にずれ込んでいる。自公の連立合意が定まらないために経済対策なども打ち出せず、更に政治空白が長引いている状況について、改めて受け止めをお願いしたい。
【代表】
これは本当に大きな深刻な影響が出てくるというのは、先ほど来、暫定税率(廃止)の話を申し上げていますが、これは11月1日実施の法案を出しているけれども、これはもう事実上できなくなってしまう。せっかく与野党で協議をしてきているにもかかわらずそれが実らないというのは、これはおかしなことで、問題だと思いますし、給付金で何らかの対応をしようとしたって、年内実施ですら、これもおぼつかない。いろいろな意味で物価高対策を講じることができなくなるのではないかということを心配しています。
少なくとも、総理が決まってから経済対策を指示するわけでしょう。その準備でも大変だと思いますよね。加えて、もっといっぱい言うと、例えば連合の定期大会が終わりましたが、連合の皆さんが気にしているのは来年の春闘ではないですか。そのときに、8月の人事院勧告が出ましたが、早く法案、給与法を成立させないと間に合わなくなっていくのではないかということなど、いろいろなことに影響が出てきていると私は思います。
○給付付き税額控除 3党協議について
【日本経済新聞】
社会保障の改革に関して伺いたい。国会が後ろ倒しになり、今後予算委員会もいつ開けるか見通せない状況ではあるが、その上で、給付付き税額控除で立ち上がった協議も、政調会長同士で本庄さんになってから1回やったのみだが、その後、自民党の体制も決まりつつある中で、何か進捗とか、政調会長同士の2回目以降の話がもし決まっていたら伺いたい。
【代表】
これはまだ完全に向こうが体制ができていないのではないですかね。政調会長は決まりましたね、小林さんに。その以下が決まっていないのではないですか。国対だってそうですよ。国対委員長は決まったけれども代理以下が決まっていないでしょう。だから、ワークしていないんですよ。それぞれの役職は決まりましたが、サポートする実務部隊がないので、だから、そこまでの協議がちょっとまだできないのではないのかと思います。そこを心配しています。
【日本経済新聞】
1回目の段階で決めた、今後各国の事例を調べていくといったこともあったが、今後、今停滞している中で自民党側にどのようなスピード感を求めていくか。高市さんがどういう指示をするかなど、期待することがあれば伺いたい。
【代表】
給付付き税額控除については、この間、(高市総裁が)役員の皆さんと共に我が党に挨拶に来られたときにも、石破さんがつくったこの協議体については継続をするということを示されておりましたので、引き継いではいただけるとは思いますが、早くきちっと体制をつくった上で、具体的な協議が早く進むようにしてもらいたいと思います。
【日本経済新聞】
最後に。その協議体自体は公明党も含んでいると思うが、今そこの自公の関係がちょっと危うくなっている中で、このままなくなってしまうとか、そういった懸念とかは代表自身どう考えているか。
【代表】
それはでも、公党間で、自公間ではいろいろなことが起こっているかもしれませんが、与党・野党間で結んだ合意の下でつくった協議体ですので、それはお互いが責任を持って続けていくということだと思います、と理解をしています。
○戦後80年見解について
【西日本新聞】
話題変わり、まだ正式には発表ではないが、きょうにも石破総理が戦後80年の見解を出すという方向で今言われている。先週、代表は会見で、ちょっと遅きに失した感じもするとおっしゃっていたが、なぜ開戦を止められなかったのかだったり政治が果たす役割だったりが盛り込まれる見通しだが、それに対して改めて評価を教えていただきたい。
【代表】
評価は、ちょっと中身を見ないと評価はできませんが、ご自身が極めて意欲を持っていらっしゃったので、せっかく意欲があるならば総総分離の期間ではなく総理であり総裁であるときに出していただいたほうが、きょうはちょっとほかにも政局的にいろいろなことがあるので逆にあまりニュース性がなくなってしまったのではないかという気もするので、せっかくそういう思いがあった分、ちょっと残念な気はしますが、中身はよく発表された後に吟味をしてみたいと思います。
○首班指名選挙について(3)
【西日本新聞】
首班指名の関係で、もう一点伺いたい。きのう維新の吉村代表が、立憲民主党と国民民主党がまとまれば我々も真剣に話を聞くという発言をされている。一方、玉木代表は、立憲民主党とは基本政策の隔たりが大きいということをきのう夕方のぶら下がりでもおっしゃっていたが、そこら辺の認識を今後どう埋めていくか。その辺の考えを教えていただきたい。
【代表】
吉村代表がこういう動きにむしろ真剣に向き合っていただくような環境になってきたということは、これは大きな前進だと思います。
玉木さんが重要政策の違いというお話をされていますが、お忘れになっては困るなと思うのは、4月の中旬に立憲民主党と国民民主党と連合との間で、国の根幹に関わる基本政策についての共有部分をお互いに確認をしています。憲法、外交・安保、経済、エネルギー、多様性、5分野で政調会長同士で合意して文書(「国の根幹に関わる基本政策に対して共有する考え方」)を交わしているんですよ。重要政策に違いがあると言うけれども、あの政策が、共有部分が破棄されたとは私は聞いていませんので、ならば、ゆっくり話をしてみようではないかと私は言っているのに、そこであのような話をするというのは、これはどうしたことなのかなと。去年の自民党と公明党と国民との合意はすごく大事にしている感がありますが、立憲と国民と連合で結んだ合意を忘れてはいないだろうなと思いますので、そういうことも含めてお話はぜひしてみたいと思います。
○自公連立協議 公明党について(3)
【毎日新聞】
改めて、自公の連立協議が難航していることについて伺いたい。こういう協議が難航する前から、野田代表を始め立憲民主党の幹部の皆さんは度々公明党の名前を出されてきていたかと思う。きのう出演された番組でも、政策的な親和性はあるとおっしゃっていた。中道路線と言及されていることが念頭にあるかと思うが、改めて、どういう面で親和性を感じているかというところをお願いしたい。
【代表】
元々お互い中道であるということと、やはり政策的にはあらゆる分野で近い部分があると思うんですね。特に今日的なテーマでは、選択的夫婦別姓などはもうほぼ考え方は一緒ではないかと思います。
残念ながら自民党に対して説得することができないで身動きができないようなテーマをいっぱい持っていらっしゃると思うので、その意味では本来は親和性のある政党ではないかと思いますし、だからといって、あまりエールばかり送ってはいけないのでね。今、大事な局面なので。でも、元々は親和性はあるということだけは間違いないだろうと思っています。
【毎日新聞】
政治と金の問題、政治資金の問題に関しては、ある意味公明党は板挟みみたいになってきた面もあるかと思うが。
【代表】
(公明党は)元々企業・団体献金をもらっていないところではないですか。だから、本当はフリーハンドでもっと判断できる立場だったのだけれども、自民党のことをおもんぱかりながら、その改革案を出してきた。それは、おもんぱかってきた中で、7800もある(自民党の)政党支部は多過ぎではないかと、そのいわゆる受け皿についても絞っていくべきではないかという案を前から提示されていましたよね。
我々は廃止と言ったけれども、それは一つのアイデアだと思っていますので、やはり企業・団体献金を我々は廃止すべきだと思うのだけれども、どうしてもそれが自民党は無理だというならば、やはり決着をつけるためには、公明党さんが言っているような案というのは、私はこれはあるべき姿であって、また3年後・5年後に政治資金規正法見直しということに持っていくというステップとしてはいいアイデアだと思っていたので、石破さんとの8月4日の予算委員会の集中審議ではこういうものもありますねという提示をさせていただきました。だから、この意味でも親和性はあるというふうには思います。
○首班指名選挙について(4)
【テレビ東京】
首班指名選挙について伺いたい。呼びかけている主要2党の、日本維新の会、国民民主党は、政策・理念の位置が重要だとおっしゃってきていると思う。特に国民民主党は、先ほどの連合との基本政策の一致はもう既につくっていると思うが、それが不十分ということで、特にエネルギー政策の違いなどを指摘しているかと思う。安住幹事長も野田代表もテレビ番組の中などで、柔軟に考えて、考えを改めていきたいというような発言もされていると思うが。
【代表】
考えを改めると言いましたか。
【テレビ東京】
考えを改めるというか、柔軟に話合いをしていきたいと。
【代表】
話合いは柔軟にやると。はい。
【テレビ東京】
話合いをしていきたいという話もされてきたと思うが、立憲民主党はウイングが広いということも特性にされていると思う。他党とのすり合わせの中で、党内からは賛同できないという意見が出てくることもあると思うが、そのような中で、やはり党内意見をしっかり集約して決意をしていきたいというような部分なのか。それとも、すり合わせの中でしっかり決断をしていくような覚悟もおありなのか。
【代表】
ちょっと余りにもたらればが多過ぎちゃって、相手がどういうご意見なのか。少なくとも共有部分はもう確認できていますから、水と油では決してありません。エネルギーについても先ほど言った5項目のうちの4項目目に合意していますからね、全く水と油ではありません。
その上で、あれから半年ぐらいたっているので、なお詰めていくことができることがあるかどうかについてはよく議論をしたいと思います。議論した結果については、当然、党としても多くの皆さんにご理解いただけるように努めていきたいと思います。
○自公連立協議 公明党について(4)
【「FACTA」】
先日の本庄政調会長のときにも伺ったが、公明党と立憲民主党で、もう水と油だというぐらい違う、話合いができないぐらいのことは、先ほど核禁条約とかいろいろ、別売りだが出てきたが、何かあるのだったら教えていただきたい。沖縄の辺野古とか、そういうのはそうかと思うが。その辺は代表はどうご覧になるか。
【代表】
やはり政党が違いますからね。個別の政策をよく見ていけばもちろん違いが出てくると思いますが、共有できるものもあるという意味で申し上げています。
また、公明党と戦っている人たちもいますので、親和性の話ばかり言ってもいけないと思っていまして、もちろん違いもあるんですね。そこでやはり戦っている人たちもいますから、そういう人たちのご意見なども踏まえながら、これからの関係性はまだ固定的に考えるわけにはいかないと思っています。
○首班指名選挙について(5)
【「FACTA」】
自民党が右に寄って、結党以来中道という言葉は公明党がつくったような言葉で、それで今回このような大政局みたいなことになっているわけだが、中道を唱えている野田さんのところは、玉木さんでいいとか、野党11党で何か寄り合い所帯のような形で政権交代を目指すというのは、安住さんがやっていることは公明党が今考えていることに比べると余りにも軽いのではないか。野田さんは、ご自身、立憲は今中道なんだとおっしゃっているが、それこそ共産、れいわ、参政とか、いろいろなところがあると思うが、寄り合い所帯みたいなというより野田さんが自分で立ってほしいと共産党などは思っていると思う。どういう論理でそういうふうになっているのか僕にはわからないが、そこはどうなのか。
【代表】
現実に、もしかすると野党が固まれば政権を取れるかもしれない、首班指名で勝てるかもしれないという滅多にない状況の中で、だったらば、野党がどういう形で連携できるかを、やはり幅広く声をかけて、知恵を出し合って、そして結集するということを努めるのが私は当たり前だろうと思っていまして、では、何のために野党なのかと。自民党を補完するために存在する政党ではなくて、自分たちのやりたいことを、力を結集すればできる可能性がいっぱい出てくるわけではないですか。それを目指さないこと自体が、私はやはり野党としても存在意義がなくなってしまうと思いますので、それはやはりそれぞれが責任を持って対応すべきだと思います。
そういうチャンスが来ているという中での呼びかけをしている中であって、中道は、私の場合はもう、右にも流されない、左にも流されないという意味で、公明党はそれは今はどちらかというと自民党に寄ってきた立場でありますが、我々はどちらにも流されないという立場で、中道のど真ん中にいて、穏健な保守とも議論ができる、我々よりもよりリベラルな人たちとも会話ができるという立ち位置を生かしていきたいと思っています。
【「FACTA」】
野党が不信任を集めて出すならばわかるが、要するに何か誰かを首班するわけですよね。その人に総理になってほしいと。この人は駄目だというのではなく。すると、本当に理念も政策もなくて、この人がいいと。それはやはり私はちょっと軽いのではないかと思うが、本当にそれでいいのか伺いたい。
【代表】
そこでこの人がいいというところが誰にするのかというところが、皆が説明できるような状況をつくるということが大事ではないですか。それが野合ではないリーダー選びだと思います。
(以上)