11月4日衆院本会議で、高市総理の施政方針演説に対する代表質問をおこない城井崇議員が登壇しました。 (1)経済対策と持続的賃上げの実現(2)積極財政と財源の整合性(3)教育・人材・AI社会への未来投資――などについて質問しました。

予定原稿は以下のとおりです。


第219回国会における高市内閣総理大臣所信表明演説に対する代表質問

2025年11月4日
立憲民主党・無所属 城井 崇

立憲民主党のきいたかしです。私は会派を代表して高市早苗内閣総理大臣に質問します。全ての質問について、高市早苗内閣総理大臣からの答弁を求めます。

<高市政権は何をやり、何をやらないのか>

所信表明演説を拝聴しました。内閣総理大臣から国会を通じて国民へ今後高市政権がやることを高らかに演説いただきました。その内容を精査するとともに、自民党・日本維新の会の連立政権合意書、一部報道された全大臣への指示書と比較してみました。

所信表明演説で総理が言及され、連立合意、大臣指示のいずれでも言及があったのは、物価高対策、給付付き税額控除、教育無償化、エネルギー、経済安保、AI・宇宙技術などでした。短期的政策または国際競争に対応する政策を中心に進めていくのだと受け止めました。

一方、所信表明演説では一般論しか国民に語られなかった分野が2つあります。大臣指示書でも記載が薄かったのに、連立合意では4つの大項目、社会保障改革項目に関する具体的な骨子に至っては13項目にもわたり詳しく言及された「社会保障・医療改革」と、そして「政府効率化局(仮称)の設置」です。

社会保障・医療改革は「応能負担」や「全世代型社会保障」といった言葉で抽象的に語られています。高市政権は「保険料率引下げ」をうたっていますが、保険料引下げの原資は何ですか。実際には応能負担拡大や高齢者の定義見直し等により、国民の負担が増えるのではないですか。高市総理から以上の問いにお答えいただくとともに、社会保障にかかわる国民負担の増減の見込みを具体的に示してください。

「行財政改革推進」の色合いが薄かった高市総理の所信表明演説において、政府効率化局の設置は曖昧にされています。政府効率化局については、租税特別措置及び高額補助金を総点検するのが役割とのことですが、いつまでに総点検を行ってどのように改善結果を出すのか。そもそも総点検対象が狭いのではないか。これまで立憲民主党からも、本気の歳出改革作業チームや予算委員会省庁別審査など、行政監視の上で改善提案を繰り返してきた政府基金や特別会計、政府資産など含めて総点検の対象を拡大すべきです。また、併せて政府効率化局(仮称)と既存の行政改革の部署との役割分担はどうなるのかもお答えください。

所信表明演説で高市総理から国会や国民に語られていない政策項目もありました。それは「インテリジェンス政策」です。大臣指示書には全閣僚共通指示として「インテリジェンス機能の強化」と一言書かれているだけですが、連立合意には6項目にわたり詳細に政策項目が盛り込まれています。所信表明演説で国民に向かって具体的に方針を示していない上に、担当大臣へのあいまいな指示で進められるような軽い話ではありません。国民の生活や権利に重大な影響を及ぼすものです。インテリジェンス政策について、いつまでにどのような内容をどなたの責任で取りまとめ実行していく考えか。その政策財源はどこに求めるのか。連立合意で令和9年度末までに独立した対外情報庁を創設するとうたっていますが、既存の情報組織とはどのような関係となるのか。高市総理のお考えを具体的に述べてください。

<経済対策と持続的賃上げの実現>

実質賃金・労働分配率の回復

高市総理は所信表明で、「物価高を上回る賃上げが必要」「継続的に賃上げできる環境を整えることこそが政府の役割」と述べましたがこの点は私たちも同じ考えです。大臣への指示でも賃上げ方針を示しており早期の具体化を期待します。一方、賃上げ方針に実質賃金や労働分配率のKPI、すなわち「ゴールへ向かう中間目標」が見当たりません。長らく上がっていない実質賃金をどこまで上げるのか、労働分配率をどこまで回復するのか、具体的な目標値を国民に分かる形ではっきりとお示しいただきたい。合わせていつまでに達成する計画かも高市総理から具体的に示してください。

最低賃金について、「全国平均1,500円を2020年代に」との石破前総理が示した方針を高市総理は引き継ぐのか。明確に答弁をお願いします。

公定価格・公共調達分野、エッセンシャルワーカーの賃上げ支援

この間、私は公定価格や行政規制の影響を受ける職場の声を地元北九州市で多く聴いてきました。介護や保育の職場では、介護保険料や保育料など定められた価格の中で経営せざるを得ず、賃上げの原資を得るためでも値上げはできません。公共交通の職場では、赤字が続かなければ値上げ申請できず、3年も赤字が続けば会社が持たないとの声もあります。運輸業も同様で、荷主の影響が大きく、運賃値上げの要請は難しいと陸運・港湾・海運の現場から聞いています。公共事業に関わる建設業も同じです。資材高騰の中で予算を絞り続ければ、国や自治体が設計労務単価を上げても、建設・土木などの関連事業者は賃金や労務費を上げる原資を確保するのが極めて難しい状況にあります。

こうした現場の悲痛な声を今年6月の衆議院予算委員会で私から石破前総理に直接訴え、結果として骨太の方針2025に「物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直し」の項に「本基本方針第2章及び第3章に記載している、・公定価格(医療・介護・保育・福祉等)の引上げ、・働き手の賃上げ原資を確保できる官公需における価格転嫁の徹底を省庁横断的に推進する。」と盛り込まれました。第2章と第3章にも詳しく書かれています。高市総理、公定価格や行政の規制の影響を強く受ける職場で働く方々の賃上げの元手確保に必要な政策、特に「医療・介護・保育・福祉等の公定価格の引上げ、働き手の賃上げ原資を確保できる官公需における価格転嫁の徹底」を高市内閣で実現するとぜひここで明言してください。

介護・障がい福祉従事者の処遇改善、介護・障がい福祉事業所支援

介護・障がい福祉従事者の処遇改善と事業所支援について総理に伺います。介護・障がい福祉事業所は物価高や人件費上昇により厳しい経営を強いられ、従事者の賃金も全産業平均より約8.3万円低い状況です。このままでは事業所経営が立ち行かず、人材流出が進みます。

処遇改善と事業者支援は喫緊の課題です。立憲民主党は通常国会で、衆議院の医療法等改正案審議の際に「介護・障害福祉従事者処遇改善法案」と「訪問介護緊急支援法案」の並行審議を求めましたが、自民党は閣法審議を拒否してまで、私たちの法案を拒みました。処遇改善と支援の遅れは自民党の責任です。なぜ審議を拒んだのか、高市総理の見解を伺います。

その後、中央最低賃金審議会が全国加重平均で時給63円の引き上げを答申し、賃上げが期待される一方で、負担増で事業継続が困難な事業所も懸念されます。

立憲民主党は8月、介護・障がい福祉事業所全職員の月1万円以上の処遇改善、最低賃金引上げへの対応支援、来年4月の介護報酬期中改定を求め、厚労省に要請しました。 高市総理は所信表明演説で、「報酬改定の時期を待たず、経営の改善及び従業者の処遇改善につながる補助金を措置して、効果を前倒しします。」と述べました。総理が想定する支援と処遇改善の金額を伺います。

保育士処遇改善

保育士の処遇改善は急務です。政府は2024年度に公定価格を10.7%引き上げ、人件費に充てるとしましたが、処遇改善加算の効果を検証しているでしょうか。実際には全額が保育士の給与に反映されず、賃金は全産業平均と比べ依然低水準です。希望を持って就職した保育士が離職する要因の一つでもあります。人手不足の現場負担は重く、十分な処遇改善を早急に進める必要があります。立憲民主党は、保育所や幼稚園、放課後児童クラブや児童養護施設等で働く全ての職員1人当たり月額5万円の賃金引き上げが必要であると考えており、まずは緊急的な措置として月額1万円加算する「保育士・幼稚園教諭等処遇改善法案」を実現すべく、あらゆる会派の皆様への賛同を呼びかけます。まずは総理に、この法案の内容に関する見解を伺います。

就職氷河期世代・非正規雇用安定化

総理から大臣への指示にある「就職氷河期支援」の充実は、寄る辺なく歯を食いしばってきた就職氷河期の当事者の苦労に思いをいたしながら、対応を急がねばなりません。立憲民主党からは就職氷河期支援政策として、夏の参院選公約をはじめ、具体的に提案を重ねています。就職氷河期世代のリスタート支援として、現役世代の雇用形態や所得保障を強化して経済的安心を確立すること、安定した居住環境を確保することで、就職氷河期世代の生活の安心・再出発を支えること、就職氷河期世代が学び直し・キャリア転換・ライフスタイルを再設計できる時間的余裕を支援することなど、「お金」「家」「時間」の観点から支援を充実する内容です。
こうした手段も明確にしながら支援による目標を具体化すべきです。就職氷河期世代の正社員採用がどのくらい進んだか、賃金がどのくらい上がったかなど定量目標を示すべきです。高市総理、取り組んでいただけますか。

中小企業支援

そもそも中小企業の人手不足は深刻で、人材確保競争でも、大企業の経営体力と比べると厳しい状況に置かれています。
一方、正社員になることを希望するけれど、かなっていない非正規雇用の労働者が相当数おられるのも事実です。
立憲民主党は、新たに正規労働者を雇用した中小事業者には、長期間に社会保険料の事業主負担の一定部分を助成することで、負担軽減を図る議員立法を提案しています。中小企業が新たに雇う人の社会保険料の事業主負担を軽減して経営と雇用を支えて人材を確保するとともに、正規労働を希望する非正規やフリーランスが正規労働となる機会を拡大して安定した雇用と生活を確保することで、年収増による個人消費の増加や中小企業の発展とあいまって、地域経済・社会の活性化につなげていくべきと考えますが、総理のご見解をお聞きします。

<積極財政と財源の整合性>

財源確保の優先順位と責任 高市総理の言う「積極財政」と財源の整合性について伺います。「責任ある積極財政」の財源は何か。「積極財政で民需を喚起する」狙いと理解していますが、裏付けとなる財源は示されていません。数字のない積極財政は希望的観測にすぎません。政策財源に何を想定していますか。

税収増の見込みについて伺います。所信表明演説で総理は「所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益を上げ、税率を上げずとも税収を増やす」と述べました。成長による税収増をどの程度見込むのか、具体的数字を示してください。

国債の増発方針について伺います。片山財務相は10月24日、報道各社のインタビューで、2025年度補正予算の財源について「足りなければ国債増発になる。やむを得ない」と述べました。国債増発なら債務残高は伸び、財政負担は増します。総理は所信表明で「成長率の範囲内に債務残高の伸びを抑え、対GDP比を引き下げる」と述べましたが、国債を増発しますか。増発すると「成長率の範囲内に債務残高の伸びを抑え、対GDP比を引き下げる」ことが難しいと考えます。国債の増発方針について具体的にお答えください。
加えて増税の取り扱いです。防衛増税を実施しますか。来年度の防衛費もGDP比2%を維持または増額しますか。その財源は何ですか。

いわゆる「1億円の壁」の是正を行いますか。金融所得課税の強化を行いますか。高市総理は増税を行うのか否か、明確にお答えください。
以上、「積極財政」の財源と金額規模、国債増発・税収増・増税の方針を具体的に伺います。

政府基金の「積み過ぎ」是正 私たち立憲民主党からは政策提案に当たって具体的な財源についても示すよう努力を重ねてきました。例えば、政府基金の「積み過ぎ」の是正です。

政府基金は複数年度にわたる予算執行可能という特徴がある一方で、一度歳出として国会の議決を経ながら、その後は執行・運用の実態が見えず、政策効果の検証も不十分なまま積み上がっています。いわば「第二の予算」と化しています。

私達立憲民主党は政府基金を見直し、政府方針の「3年ルール」を踏まえ、今後3年間の事業に必要な額を確保してもなお残る「積み過ぎ基金」について、令和6年基金シートに基づく試算で約7.8兆円を物価高対策等に活用すべきと提起してきました。石破政権の閣僚と議論を重ねましたが、「事業に使うから積み過ぎではない」と強弁するのみでした。これでは補正予算のたびに不要な国債発行が積み重なり、基金残高の膨張が続きます。

高市総理、当面3年間の事業に使わないお金を基金残高に見せ金のように積みっぱなしにしている基金残高は「積み過ぎ基金」だとお考えになりませんか。政府において「積み過ぎ基金」を精査して物価高対策など政策財源として国民生活のために活用すべきと考えますが、高市総理の考えをお聞かせください。

<教育・人材・AI社会への未来投資>

教員の働き方改革・処遇改善と教職の魅力回復

本年成立した給特法改正法は、教職調整額の段階的引上げ、働き方改革計画の策定・公表義務、「主務教諭」の新設を内容としています。教員の過重労働是正や処遇改善を求める声の中で一定の前進と受け止めますが、課題は依然山積です。文部科学省の調査では、公立小中学校の教員不足は1,701人、約20校に1校で不足が発生しています。学級担任における臨時的任用教員は小学校で11.49%、特別支援学級で23.69%を占め、定数確保だけでは安心して働ける環境には程遠い状況です。総理はこの深刻な人材不足をどう認識していますか。
改正法では、2029年度に時間外在校等時間の月平均30時間を目標としました。しかし、2024年の「国際教員指導環境調査」(TALIS)で、日本の教員の勤務時間は参加国・地域で最長。月80時間超の残業を行う教員は小学校14.2%、中学校36.6%に上ります。教職調整額を10%に引き上げても、時間に応じた残業代が出ない「定額働かせ放題」構造は残ります。高市総理はこれで真に処遇改善につながると考えますか。さらなる見直しの意思はありますか。

特に、働き方改革の鍵である部活動の地域展開は進んでいません。ガイドラインの実態を調査・検証し、必要な改善をすべきと考えますが、見解を伺います。

また、「主務教諭」制度は役割分担の明確化が期待される一方、中間管理業務が増え現場負担が懸念されます。働き方改革計画が導入されても、校務分掌・部活動・保護者対応などの業務削減は具体化していません。改正法をどう実効的に運用し、業務削減をどう進めるのか、明確な方針を示すべきです。総理の見解を伺います。

教員が子どもと向き合い、教育に専念できる環境整備こそ改革の目的です。現場実態に即したさらなる改善を求めます。

学校給食無償化

来年4月実施を所信表明演説でも高市総理が言及された学校給食無償化について、今後の取り組みについての総理の考えを確認させてください。これまで私たち立憲民主党からも学校給食無償化法案を国会提出するなど、実現を後押ししてきました。その検討の際にも課題として挙がった、物価高騰分を補填する、学校給食の質を向上させる、ということを満たした国の取り組みとすべきと考えます。また全額確実に市町村に届くよう、地方交付税ではなく、補助金や交付金で行うべきではないですか。高市総理、物価高騰分の補填と給食の質の向上、補助金・交付金での給食無償化を実行していただけますか。

高校無償化

高校無償化の拡充も来年4月から実施と所信表明演説で高市総理が言及されました。私達立憲民主党からはしわ寄せを受ける公立高校支援の充実が必要ということを議員立法も提起しながら訴えてきました。所信表明演説では、「公教育の強化」への意欲を示された点は評価できますが内容をぜひ充実させていただきたい。また日本の高校教育の在り方についての見直しに言及があり、また自民・維新の連立合意には、高校教育改革のグランドデザインの策定による全国での教育機会確保と教育の質の向上を実現するとあります。「公教育の強化」、「高校教育の在り方見直し」に関し、我々立憲民主党が提案してきた老朽化対策等を含む公立高校支援の充実は含まれるのか。いつまでにどのような具体的な成果をめざして誰の責任で実現する考えか。その際の政策財源をどこに求める考えか。高市総理から具体的にお答えください。

デジタル赤字の現状と我が国デジタル産業の競争力強化

日本における2024年度のデジタル赤字は6兆7,722億円に上るとされています。また、経済産業省 大臣官房 若手新政策プロジェクト PIVOTが発表したデジタル経済レポートでは、2035年には、(ベースシナリオ)で約18兆円、(悲観シナリオ)では約28兆円のデジタル赤字が見込まれると示されています。この将来予測について、日本政府としても同様の見解を持っているのかどうか。仮に政府として異なる見解がある場合には、その根拠、前提条件、試算方法等について、総理からご説明を伺いたい。

次に、デジタル赤字を解消し、将来的にデジタル黒字を実現するための方策について伺います。デジタル赤字を解消するためには、大きく二つの方向性があると考えます。

第一に、海外製品の輸入に極力頼らず、日本製のシステムやサービスが国内で広く利用される環境を整備すること。第二に、日本製品やサービスが海外で利用されるようにし、輸出を拡大すること。この二点を実現して初めて、構造的なデジタル赤字からの脱却、そして黒字転換が可能になると考えます。

政府としては、そもそも「デジタル黒字化」を目指す方針をお持ちなのか、また、もしそうであるならば、短期的・中期的・長期的にどのような構想のもとで、どのような具体的施策を講じてデジタル赤字を解消していくのか。総理からお答えください。

国内ICT産業の国際競争力強化について

国内のICT産業が国際競争で劣勢に立たされている現状について伺います。

ビッグテックの主な競争力の源泉としては、利用者が増えるほどサービスの価値が高まる「ネットワーク効果」、追加サービス提供時の「限界費用の低さ」、そして、ユーザーが使い慣れたサービスから他のサービスに乗り換えることが難しくなる「ロックイン(囲い込み)効果」などが挙げられます。こうした特性により、グローバル市場で事業を急拡大させたビッグテックが世界的なシェアを握り、日本企業のプレゼンスが低下する結果となっています。

また、ビッグテック5社の研究開発投資額は約34兆円に達し、日経225構成銘柄の合計(約15兆円)を上回る現状にあります。このような状況を踏まえ、国内のICT産業がグローバルなデジタル市場で再び競争力を高め、逆転を図るためには、どのような打開策を講じていくべきと考えているのか総理のご見解を伺います。

AI研究開発とクリエイター等の権利保護・補償の両立

AIの研究開発や生成AIの社会実装を推進する一方で、国内のクリエイター、作家、写真家、音楽家などの著作物や肖像の無断利用への懸念が高まっています。AIの進展と人間の創作を両立させるため、権利保護と補償の新たな仕組みを検討する考えはありますか。文化と産業の共生をどう実現するのか。総理からお答えください。

<地域経済・インフラ・エネルギー>

エネルギー価格高騰と企業・家庭のコスト負担軽減

円安や国際情勢を背景に、電気・ガス・燃料などのエネルギー価格が高騰しています。企業の生産コスト上昇と家庭の光熱費負担は限界に達しています。再エネや省エネ等の促進と同時に、電力ガス等公共料金の抑制・中小企業支援の即効策を講じるべきと考えますが、高市総理のお考えはいかがですか。ある場合には具体的な時期と財源をお示しください。

また燃料価格の軽減についてはガソリンや軽油のほかに、重油、灯油、航空機燃料など他の油種についてもこれまでに燃油補助金の対象にしてきていますが、これらも継続すべきと考えます。対応時の政策財源を含め、高市総理の具体的な対応方針を示していただきたい。

公共インフラ老朽化対策と防災・災害対応の加速

我が国の公共インフラは戦後の高度経済成長期に整備されたものが多く、老朽化が急速に進んでいます。橋梁、道路、上下水道、港湾、鉄道など各分野で更新需要が集中し、特に地方では維持管理費や人材の確保が深刻です。能登半島地震では生活道路やライフラインが寸断され、復旧・復興の妨げとなりました。災害のたびに「復旧の遅れ」と「人手不足」が繰り返される現状は看過できません。

地震や豪雨災害が頻発する中、老朽化インフラの更新・維持管理は喫緊の課題です。政府は「国土強靱化基本計画」に基づき、今後5年間で20兆円規模の第1次中期計画を掲げていますが、内訳や優先順位、財源見通しは不透明です。高市総理はこの計画をどのような理念と戦略で推進し、地方財政をどう支える考えか伺います。
また、建設業の担い手不足は全国的課題で、地方では世代交代が進まず技能継承が困難です。地域の建設業を単なる請負業でなく「防災・復旧の最前線を担う公共インフラ人材」として育成・支援する仕組みを政府として検討すべきです。総理の見解を伺います。
公共インフラ整備は、地域の安全と経済を支える「未来への投資」です。立憲民主党は、予防保全型維持管理、グリーンインフラ、防災DX、地域雇用と技術継承を重視し、国民のいのちと暮らしを守る強靱な国土づくりを政府に求めます。

<むすびに>

この国と国民を守る。世界が振り返る教育・科学技術立国日本を実現する。子どもたちに誇れる日本を引き継ぐ。私はこの思いを貫いて、引き続き実行可能な政策提案と厳しい行政監視を両立して国民の負託にこたえることをお誓いして、質問を終わります。