重徳和彦税制調査会長は11月21日、衆院財務金融委員会でガソリン暫定税率廃止法案の趣旨説明を行いました(修正案は国民民主党・田中健議員が趣旨説明)。立憲民主党の松尾明弘議員が質疑に立ちました。

 松尾議員は、物価高対策が急がれる中でガソリン暫定税率廃止への議論が進まない現状を指摘。そのうえで、8月に野党7党が法案を共同提出したことが事態を動かす大きな契機となったと述べ、取り組みの成果を重徳議員に問いました。
 これに対し重徳議員は「野党がそれぞれの違いを乗り越えて一致結束し、多数野党を形成すれば政治が動き、大きな政策が実現することを証明できたモデルケースだ」と答弁しました。

 続いて松尾議員は、修正案に盛り込まれた軽油引取税の暫定税率廃止について、来年4月1日から確実に実施されるのかを稲富修二議員に質問。稲富議員は「来年4月1日という具体的な日付まで確認しており、補助金の拡充など廃止までの具体的スケジュールを含め合意している。従って確実に廃止される」と答弁しました。さらに、廃止後も運輸事業振興助成交付金は維持されると説明しました。

 また松尾議員は、暫定税率廃止により「地方揮発油税で約300億円、軽油引取税で約4800億円、合計約5100億円の減収が見込まれる」と指摘し、地方公共団体から懸念が出ていることを踏まえ、地方財政に悪影響が生じないと明言するよう求めました。

 重徳議員は「地方財政に悪影響を生じさせないことは協議当初から与野党の共通認識であった」と述べ、「合意文書と修正案に、地方の安定財源確保と財政運営に支障が生じないよう必要な地方財政措置を講じる旨を明記している。従って、減収分は与野党合意のもとで代替財源が確保される」と答弁しました。

 最後に松尾議員は「物価高対策として大きな意義を持つとともに、今後の国会運営にとっても重要なモデルケースになる」と述べ、質疑を締めくくりました。質疑終局後に採決を行い、法案は全会一致で可決しました。


(趣旨説明)「ガソリン暫定税率廃止法案」(租税特別措置法及び東日本大震災の被災).pdf
(趣旨説明)「ガソリン暫定税率廃止法案」(租税特別措置法及び東日本大震災の被災修正案).pdf