野田佳彦代表は12月5日、国会内で定例記者会見を開き(1)大分市佐賀関火災の被災地視察(2)「りっけん政治塾」第3期開講(3)定数削減法案(4)補正予算(5)防衛増税――等について発言しました。

(1)大分市佐賀関火災の被災地視察
 野田代表は、6日に大分市佐賀関の火災被災地を視察する予定であると報告。視察には大分県連代表の吉田忠智参院議員、吉川元衆院議員が同行する予定で、野田代表は「避難所で生活されている皆さまの生の声をお聞かせいただき、現地の声をしっかり受け止めて、国政に反映していきたい」と述べました。

(2)「りっけん政治塾」第3期開講
 りっけん政治塾の第3期を開講することを発表。関西で初めての開催で、兵庫県神戸市を皮切りに、大阪市、京都市と関西で順次講義を行う予定となっており、第1回は野田代表自身が講師を務めます。
 開催の狙いについて野田代表は、これまで立憲民主党の党勢は「東高西低」だったとして「広く政治家を志す人を発掘したり、政治に関心を持っていただける方を増やす」と趣旨を説明しました。

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(3)定数削減法案※
 自民・維新が提出する定数削減法案について、野田代表は「政治改革特別委員会で議論する順番は、昨年からずっと議論して煮詰まってきた政治資金規正法改正について先行すべきだ」と述べた上で、「定数削減については、私は理解している立場で、是とする立場だ」としつつも、自民・維新の議論の進め方を批判しました。

 野田代表は「私が安倍元総理との党首討論で約束した時は、与党と野党第一党で合意した上で他党にも呼びかけて賛同してもらう流れを考えていた」と振り返り、「野党に全く相談もなく与党だけで期限も数も決めて、もし駄目だったら自動削減というのは、あまりにも乱暴すぎる」と強調しました。
 また、中選挙区制への回帰論が浮上していることについて「中選挙区を経験したことのない人たちが先走って中選挙区と言っている」と指摘。「中選挙区は明らかにお金がかかったと思うし、同士の競争があまりにも大きすぎた」「中選挙区制については極めて慎重な立場だ」と述べ、選挙制度改革と一体で定数問題を議論すべきとの考えを示しました。

(4)補正予算
 野田代表は、補正予算をめぐる公明党との協議について「(予算の)組み換え動議を共に出していきましょうというところで、昨日、政調会長間で合意できた」と報告。物価高対策の対象拡大や、金利上昇を踏まえた規模感についてすり合わせを進めていると説明しました。
 公明党との連携の意義について「右に傾きすぎる動きに対してブレーキをかけていく、あるいは中道の立場から政策実現をしていくという意味では、親和性のある党だ」と述べ、「できれば採決の対応も含めて共同で対応できればいい」との考えを示しました。 
 補正予算の賛否判断については「われわれの主張がどれぐらい盛り込まれているかという観点がある」とした上で、「緊急性に欠ける支出があまりにも多いように思う」「その規模の大きさが今のマーケットの情勢につながっている」と指摘。基金の新設・積み増しについても厳しくチェックしていきたいと述べました。

(5)防衛費増税
 政府が2027年度から所得税増税を実施する方向で検討に入ったことについて野田代表は「元々43兆円という支出の部分を決めてしまったところから規模ありきで進んできた」と指摘。「2023年度、24年度それぞれで1000億円以上の予算の使い残しが出た。規模ありきで進めた前提の中での増税は認めるわけにはいかない」と厳しく批判しました。
 特に復興特別所得税の課税期間延長については「復興に充てることを決めた当時の責任者は私だ」とした上で、「それをあえて期間を伸ばしていくようなやり方は一種の流用だ」と批判し、「極めて疑義がある」と述べました。

※定数削減に関する発言の訂正について
 本日の代表会見の中で、2012年の安倍自民党総裁(当時)との党首討論に際し、定数削減の具体的な数として、「45(議席削減)というやり取りは全然出ていません」と代表が発言をいたしました。その点、改めて当時の議事録などを精査致しましたところ、「われわれは、45(議席)削減をする、0増5減を含めて45(議席)減の法案を今日提出いたしました」と発言しておりました。安倍自民党総裁(当時)と、具体的な定数削減の数で合意には至っておりませんが、法案を提出したとの趣旨で発言はしておりました。この点、代表の記憶違いがあったため、訂正いたします。