立憲民主党は12月10日、厚生労働部門、社会保障改革総合調査会、障がい・難病プロジェクトチームの合同で、上野賢一郎厚生労働大臣に「診療報酬、介護・障害福祉サービス等報酬の引き上げを求める要請」を実施しました。
医療機関や介護・障がい福祉事業所は、物価高や人件費の上昇などにより従来以上に厳しい経営を強いられています。また、介護・障がい福祉従事者の賃金が全産業平均と比べていまだに月額約8.3万円も低い状況にあるなど、介護・障がい福祉、医療の現場で働く人の処遇改善も喫緊の課題です。
こうした状況を踏まえ、立憲民主党は厚労省に対し、今年5月に「持続可能な地域医療をつくるための緊急申し入れ」、今年8月に「来年4月の介護・障害福祉サービス等報酬の引き上げ等を求める要請」を行いました。政府は補正予算に医療機関や介護事業所等への支援策を盛り込んだものの、金額が不十分で、命や暮らしへの支援が後回しになっています。経営改善、処遇改善のためには、次期診療報酬、介護・障害福祉サービス等報酬の改定において十分な対応をしなければなりません。
そのため、立憲民主党は、①次期診療報酬改定で、全ての医療機関の赤字の状況、物価高や人件費高騰に対応可能なプラス改定とすること、②2026年4月に介護報酬、 障害福祉サービス等報酬の期中改定を行い、 介護・障がい福祉従事者の処遇改善、介護・障がい福祉事業所の経営の安定各々が可能となるよう、それぞれの報酬を引き上げること等を強く要請しました。
申し入れ後に記者団の取材に応じた小西洋之ネクスト厚生労働大臣は、「予算折衝や診療報酬の改定が山場を迎えている。政府・与党は保険料削減と聞こえのいいことを言っているが、その実態は患者さんや障がい者の方、高齢者の方を切るという間違った社会保障の予算編成が行われているのではないか。間違った政策決定にならないよう頑張っていく」と今回の申し入れの趣旨を述べました。長妻昭社会保障改革総合調査会長は、「例えば、病院でダビンチという手術を補助するロボットを使うと、保険診療の場合は赤字になる。保険適用外の外国人には先進医療をするが、日本人にはしないという本末転倒のことがある」と医療現場の具体的な課題を大臣に指摘したことを報告。横沢高徳障がい・難病PT座長は、「地域で生涯安心して暮らせる社会保障が国民皆さんの望み。介護・障がい福祉現場で働く従事者の賃金は低いうえに物価高の直撃も受けている。特に訪問介護サービス事業所の基本報酬の引き上げ、介護・障がい福祉事業者の報酬の引き上げのための予算確保をお願いした」と述べました。
要請には他に、山井和則、柚木道義、中島克仁、井坂信彦、道下大樹、酒井なつみ各衆院議員、石橋通宏参院議員が参加しました。