参院予算委員会で3月24日、2026年度政府予算における公聴会が行われ、高木真理、森本真治、村田享子各議員が質問に立ちました。
■高木真理議員
高木真理議員は「財政・社会保障」に関する公聴会で質問しました。
高木議員は「企業は合理的に判断している」という点について、どのように理解すればよいか疑問を感じていると述べ、企業が株主への配当などを意識しすぎている結果、本来の意味での合理性というよりも賃金を引き上げて消費を拡大していく方向ではなく、内部に資金をため込む方向に進んでいるのではないか。また、将来への不安や恐怖心から、企業経営において慎重な姿勢が強くなっていることも、現在の状況につながっているのではないか、そのため政府が支出を拡大すれば自動的に経済が伸びていくというような単純なものではないと感じていることについて会田公述人に見解を求めました。
会田公述人は、企業の行動は「非合理」なのではなく、「環境に対して合理的」であったという考え方で、これまで日本では名目GDP、すなわちビジネス全体の規模が拡大してこなかった。このような環境下では、企業は新たな需要を取り込むのではなく、既存市場の中でシェアを奪い合うしかなく、その結果最も合理的な戦略はコスト削減やリストラとなり、企業同士が縮小均衡の競争に陥ってきたとの見解を示しました。
■森本真治議員
森本真治議員は続いて質問に立ち、「経済・地方」に関する公聴会で、中小企業の人手不足や生産性向上、地方大学の在り方について公述人に質疑を行いました。
森本議員は大企業と中小企業の格差について触れ、「中小企業の賃上げ、人手不足の問題は非常に深刻である」と述べ、状況認識を問いました。熊谷亮丸公述人は「大企業との賃金格差はあるが、労働力確保のため中小企業でも賃上げの動きが広がっている」と指摘し、政府の役割として価格転嫁の促進やIT投資への支援、ルールを遵守した外国人労働者の受け入れ拡大を挙げました。
また森本議員は、中小企業対策が「社会政策(弱者救済)」と「経済政策(競争力強化)」で混同されていると懸念を指摘しました。これに対し熊谷公述人は目的の明確化と、政策効果を判断して自動的に終了させる「サンセット条項」の導入を提言しました。実質賃金に関しては、健康確保を大前提としつつ、就労希望者の労働時間を3.6%程度延ばす余地があり、それが賃金上昇につながるとの認識を示しました。
地方大学の定員割れ問題について、八代尚宏公述人は「東京と同じ教育では立ち行かない」と強調し、オンラインの活用や他大学との単位互換制度など、地方ならではの工夫が必要だと述べました。
■村田享子議員
村田享子議員は「外交・安全保障・エネルギー・物価」に関する公聴会で質問に立ち、キャノングローバル戦略研究所理事・特別顧問の宮家邦彦公述人、合同会社エネルギー経済社会研究所代表の宮尾豪公述人に質問しました。(1)米国は中国をどうとらえているのか(2)日本の米中外交の在り方(3)レアアースの輸入規制(4)小売電機事業者に対する量的な供給力の確保義務(5)次世代炉へのリプレイスの推進――等に関して取り上げました。
村田議員は、そもそも米国は中国を「戦略的競争相手として軍事的圧力をかけてでも弱体化・無力化を図ろうとしているのか、それとも単なる経済上の競争相手として、戦術的、経済的な妥協で満足するのか」の認識を確認しました。宮家公述人は「中国は潜在的な敵対国であるという意見の方が、これからおそらく強くなっていくだろう」との認識を示しました。
そうした中で日本としてはどういった米中の外交を行うべきかの質問に宮家公述人は「対中政策の基本は、順番はともかくとして抑止と対話」「対話を軽んじる人がいる、実は対話も抑止になる」と発言。「独裁者ほど正しい情報が上がりません。したがって独裁者ほど間違える可能性が高い。独裁者に正しい情報を入れる方法は首脳会談しかない。対話を続けること、そして中国が置かれている安全保障上の状況がどうなっているかを正確に知らせることが、実は抑止につながる」などと語りました。
村田議員は続いて松尾公述人に対し、「現在の中東情勢をみると日本の今後のエネルギーの状況が非常に厳しいことも予想しながら対応しなければいけないと思う」とした上で、資源エネルギー庁の中で議論が行われている小売電気事業者に対する量的な供給力の確保義務などについて考えを聞きました。松尾公述人は「LNGの長期契約を結び、事前にしっかりと量的確保をしていくことが重要。その観点では、小売電気事業者がある程度責任を持って、どれだけの量を事前に買いますと確保しておけば、これに基づいて発電事業者燃料の長期契約を取りにいける。この点は非常に重要なポイント」だと語りました。