水岡俊一代表は3月24日、全国から集まった高校生らと政治や社会課題について意見を交わす「全国高校生未来会議」に参加し、多文化共生をめぐる自身の考えを語るとともに、高校生からの質問に答えました。

 冒頭、水岡代表は、地域や家庭、学校ごとに「普通」や「当たり前」が異なることに触れ、「多文化共生」を考える上では、まず自分自身の「普通」を見直すことが大切ではないかと問題提起しました。自身が若い頃にインドで生活した際、食事中にこぼしたコーヒーを自分で拭こうとしたところ、現地のお手伝いの方から「仕事を取らないでほしい」と言われた経験を紹介し、自分の中の常識が、相手にとってはそうではないことを痛感したと振り返りました。

 その上で水岡代表は、「多文化共生は、単に仲良くしましょうと呼びかけることではなく、立場や事情、背景の異なる人たちが同じ社会の中で参加できるようにすることだ」と強調。考え方や価値観の違う人たちが安心して共に暮らせるようにするためのルールを作っていくことこそ、政治の役割であり、国会の仕事だとの認識を示しました。

 質疑応答では、高校生から、法律や制度ではない日常の小さな文化や慣習の違いにどう向き合うべきかという質問が出されました。これに対し水岡代表は「相手の立場に立って考えてみる一瞬をつくる」ことが出発点になると述べました。1989年にシンガポールで昭和天皇の崩御の報に接した際、日本にいる自分と現地の人々とで受け止め方が大きく異なっていた経験にも触れ、背景や歴史を想像しながら相手を理解しようとする姿勢の重要性を語りました。

 また、「大半の日本人は外国で暮らす経験を持てないのではないか」との問いに対しては、自身も29歳まで海外経験がなかったとした上で、外国に行かなくても、すでに日本社会の中に多文化共生の現実は存在していると指摘。物流や深夜労働の現場を例に挙げ、私たちの便利な日常は、日本に働きに来ている外国人の存在によって支えられている面があると述べ、「身の回りにすでに共存している世界があることを考えてみてほしい」と呼びかけました。

 さらに、「相手の文化を尊重することで自分たちの文化が失われるのではないか」という問いに水岡代表は、現地では現地の事情を尊重しつつ、日本では日本の家庭の考え方を大切にするという「すみ分け」の発想も必要だと説明。価値観の違いをすべて一つに揃えるのではなく、場面に応じて丁寧に伝え分けていくことの大切さを語りました。

 水岡代表は、多文化共生をめぐる課題について、高校生たちがすでに主体的に考えていることに敬意を示しつつ、異なる背景を持つ人たちがともに参加できる社会をどうつくるかを考え続けることの重要性を訴えました。